最強国家ミレニアム ~人間の人間による人間のためのダンジョン~ 転移先の王女様に殺されそうになったので国を奪って平和な国を目指します

周(あまね)克(まり)

文字の大きさ
3 / 32
奪われた王国

三話目 *謀略

しおりを挟む
「み、皆の者。あ奴を囲めぇ!」


 王女が広場にいる兵士たちに命令をする。そして千歳は兵士たちに囲まれてしまう。


(なに?。どういうこと?)

「忌々しいダンジョンマスターめ。どこで勇者召喚を聞きつけた!」

(はっ!?)


 千歳は何が起きているのか全く理解できなかった。


「なにこれ?」

「千歳ちゃんがなにかやらかしたのかな?」


 当然、周りにいる同級生たちも突然の事態に困惑している。そんなとき、あのエリートサラリーマンが止めに入る。


「おい、これはどういうことだ?。俺達の自由を尊重するのではないのか!」


 王女に対し罵倒するように強く言葉を発す。


「ナオユキ様。彼女は、いえ、それは人類の敵であるダンジョンマスターなのです。決して人間ではありません」

(はっ?。なにいってんの?)

「はっ?。なにいってんの?」


 王女の意味の分からない言葉に思わず千歳は心の声が漏れる。


「だまれ!」


 王女の目は千歳を完全に敵視していた。さらに、王女だけでなく周囲を囲んでいる兵士たちも同様の目をしている。


「王女様よ。こんな、どこからどう見ても普通の高校生が人類の敵?。頭大丈夫か?」

「ナオユキ様がそうおっしゃられるのも無理はありませんが、水晶が赤く光り、しかも堂々とそれがダンジョンマスターであると記されています」


 王女はダンジョンマスターと浮かび上がっている文字を指差す。


「いやいや、君たちの世界の人間ならそうかもしれないと思うが、彼女は俺と同じ世界から来てるんだぞ。
 それに同級生達もいる」

「そ、そうよ。千歳は前の世界から来てるのよ」

「飛行機で事故に遭うまで、一緒にいたんだから」


 エリートサラリーマンの呼び掛けに千歳の同級生達も擁護する。

 その状況に王女は突如舌打ちをし、態度が一変した。


「あーあ。どうしてこう異界の人間は聞き分けが悪いのか。【黙れ】」


 王女が命令口調で話すと、全員の口が閉じる。


(今のが魔法なのかな?…‥ん?)

「あなた達は必ず将来私に感謝します。それほどにそれは危険な存在なのです」

「お、王女様。どうか彼女の命だけは助けてあげてくれませんか?」


 そう言ったのは勇者であるサッカー部のキャプテンだった。


「勇者レン様。如何にあなたの頼みでもそれは」

「王女様。あなたは向こうの世界の彼女を知らない。彼女は向こうの世界では優しく可憐な女性だったんだ」

(お前は私の何を知ってるんだ?)


 サッカー部キャプテンの擁護に弱冠であるが悪寒がした。


「どうか少しの時間だけでも様子を見てはいただけないだろうか?」

「勇者である、ナオユキ様がそう仰るのでしたらわかりました。
 兵士達。彼女を牢屋に」

(えー!。結局捕まるの?)


 千歳が連行される中、サッカー部キャプテンは千歳が連行され横を通ったとき小声で言った。


「必ず助けるから」


 その一言に千歳の悪寒が強まった。


(あいつはもしかしてストーカーだったんじゃ)


 連行されている千歳はそんなことを思いながら、目の前に表示されている文字を見つめていた。


【ダンジョン生成の条件は満たされています。ダンジョン化しますか?】

(ダンジョン化しますか?っどういう意味だろう?)





 千歳が連行されたあと、転移してきたもの達全員に部屋が儲けられ一時解散となった。

 そんな中、王女と老齢な魔導師が二人だけで会話をしていた。


「エドガー。あのダンジョンマスターだけど」

「もちろん、殺しましょう」

「ただ殺してしまえば、勇者達が反乱を起こすかもしれないわよ」

「ご心配なく、すでに手は考えてあります」

「さすがね」


 二人はだれもいない場所で不適に笑った。





「はあー。なにここ座りたくもない」


 千歳は衛生面など度外視の地下牢に閉じ込められていた。
 
 地下牢はシンプルに穴を掘り、その穴に合わせるように鉄格子が儲けられているような作りであった。

 さらに言えば、近くに水脈でもあるのか水が滴っていて泥のようになっている。


「これから、どうなるんだろう?」


 千歳は自分がこの先どうなるのか気が気でなかったが、それと同時に目の前の謎も考えねばならなかった。


「このダンジョン化しますかって、どうすればいいのかな?」


 千歳が一人自問自答していると、牢屋の扉がひとりでに開く。


「え?」


 千歳はなぜ勝手に扉が開いたのか疑問に思うが、取り敢えずこの劣悪な環境から抜け出すことを選んだ。

 千歳は牢から出て道なりに進んでいた。そして石で出来た階段を上ると扉があり、その扉を開けると、王宮の外であろう庭に出てくる。

 
「どうしよう」


 地下牢から抜け出たものの、このあとどうすれば良いのか千歳は迷っていると、城から高い鐘の音がなる。

 そして、声が響いた。


「ダンジョンマスターが脱走したぞ」

(ばれた。取り敢えず逃げないと)


 千歳は城の出口を急いで探し始めるが、目の前にあの時王女の横にいた魔導師が立っていた。


「いつのまに?」

「殺させてもらう」


 魔導師はそれだけを言うと杖をかざした。千歳は思わず目を閉じる。そして、そのまま意識を失う。







(ここは……)


 千歳が目を覚ますとそこは、召喚された大広間だった。そして、そこには血だらけでの自分と横たわる大量の屍があった。

 そして、その屍は千歳と同じ高校の制服を着ている。


(どういうこと?)

「きゃぁあああ!」


 千歳が状況を確認しようとしたとき女性の悲鳴が響き渡った。叫び声の方を見ると、そこにはあの王女が立っていた。
 悲鳴に連れられ、転移してきた同級生や飛行機の乗客達。そして、この国の兵士たちが集まる。

 血塗られた現場を見た人の中には吐き気を催している者もいた。


(完全に黒ね。この状況は)

「このダンジョンマスターが、あなた達のお友達を殺したのです」


 王女は大声でそう宣言した。


「そ、そんな。君が?」


 エリートサラリーマンが驚いている。そこに追随するように王女の言葉が続く。


「ナオユキ様。あなたが情けをかけた結果がこれです。もういいですわね」

「くっ......。どうして」


 エリートサラリーマンはそれ以上言葉を発することはなく、ただ悲しい目で千歳を見る。


「兵士たちよ。そこのダンジョンマスター殺せ」


 兵士たちが千歳を囲みその矛で千歳にとどめを刺そうとする。

 その時の千歳の感情は恐怖でもなければ悲観でもなく、一番近いのは何故か好奇心であった。死に直面しているはずなのに何故か感情は高ぶっていた。

 その理由を千歳だけがしっていた。


【初めましてマイマスター。あなたはダンジョンマスターとなりました。また、この一帯のダンジョン化に成功しました。ここはあなたの国です】



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...