最強国家ミレニアム ~人間の人間による人間のためのダンジョン~ 転移先の王女様に殺されそうになったので国を奪って平和な国を目指します

周(あまね)克(まり)

文字の大きさ
17 / 32
奪われた王国

十七話目 *監督VS第八近衛騎士

しおりを挟む
「おらあああ!」


 第八近衛騎士アハトの雄たけびと共に大地に亀裂が入る。第八近衛騎士アハトが持つ武器は大槌ハンマーであった。


「避けるな!」

「いやいや、当たったら死ぬでしょ。何言ってんの?」


 監督。名を福田雄司の、戦場にいるとは思えない発言に苛立ちを隠すことのできない第八近衛騎士アハトはその怒りを力に変える。


「大地の精霊よ。我が怒りを体現させよ。怒りの鉄槌レイジブレイク


 魔法を唱え第八近衛騎士アハトが大地に大槌ハンマーを叩きつけると、大地に大きな亀裂が走り、段差が出来上がる。


「おおお!。すげえっ!。CGじゃなくて、現実でこんなことが起きるなんて」


 雄司は足場が揺れ、尻もちをつき落ちながらも、目の前の現実をこの場の誰よりも最大限に歓喜していた。


「大地の怒りに燃え死ね」

「ん?」


 第八近衛騎士アハトはそういうと、ひび割れた大地がさらに震動しはじめ、隙間からマグマが噴き出す。そのマグマは雄司を直撃する。


「ああああああ!」

「戦場をなめるからそうなるのだ」


 第八近衛騎士アハトは雄司の叫びを聞きながら振り返る。


「ハイ、カット!。いいねぇ。カッコよかったよ」

「なっ?!」


 すると、そこには今まさにマグマに包まれ叫び声を上げている筈の雄司の姿があった。


「バカな。どうやってそこに」

「そんなの移動してだよ?。最初から僕はここで、君を撮ってたじゃないか?」

「何を言ってるんだ?。お前は...」


 第八近衛騎士アハトは雄司の言っていることを理解することが出来なかったが、なぜか自分の記憶の中には、雄司が確かにそこにずっといた記憶があった。


「なんだ?。この記憶は?。俺に何をした。貴様さては幻魔法を使えるな」

「なに!。そんな魔法が!。君は使えるの?」

「この俺を馬鹿にしやがって、幻だろうが何だろうが関係ない。この辺一帯を破壊すればいいだけの事」


 第八近衛騎士アハトはそう言うと、大槌ハンマーを頭上に掲げ魔法を唱えた。


「我が怒りを糧として、大地の精霊よ。その力をこの地に示せ。大地粉砕ランドクエイク


 第八近衛騎士アハトが魔力を帯びた大槌ハンマーを大地に叩きつけると、第八近衛騎士アハトを中心とした半径およそ100メートルの大地の底が抜ける。それはまるで地面の下に元々大きな空洞がそこにあったかのように、地面が砕け落下してゆく。

 しかし、不思議なことに第八近衛騎士アハトの立っている場所の地面だけがその円の中で唯一崩れず残っていた。雄司はその様子をすでに撮影はせず、奈落の底に落ちながらつまらない目を向けていた。



「ふう。すっきりした」


 第八近衛騎士アハトはそういうと、再び魔法を唱える。


「母なる大地を創りし精霊よ。この地に新たな土地を創造せよ。大地創造ランドクリエイト

 
 第八近衛騎士アハトが魔法を唱えると、先ほどまで完全などこまで深いのか、わからないような穴が塞がった。そして、その新しくできた大地の上を第八近衛騎士アハトは歩き始る。


「たいして、怒ってもいないくせに怒ったふりをして、戦場を誇りに思っているような嘘をつく。大根過ぎるだろ、お前」

「どうやって、助かった!?」


 第八近衛騎士アハトの目の前には雄司が終始笑っていた雄司の姿はもうなく、怒りの表情を見せる雄司がいた。


「そんな。嘘つきで、芝居の下手な君にはお似合いのラストを用意したよ」


 第八近衛騎士アハトは返事をせずただぶつぶつを独り言を言う雄司に問答無用で大槌ハンマーを振るった。しかし、大槌ハンマーが当たると、雄司の姿が薄れ消える。


「幻か?」


 第八近衛騎士アハトは自分は何らかの幻を見せられているのだと思い。懐から『真実の護符トゥルータリス』を取り出し発動する。そして、周囲を見渡すと後ろに雄司を見つける。


「初めからそこに嫌がったのか」


 第八近衛騎士アハトが一歩前に踏み出すと、そこに地面はなく奈落が続いていた。


「また、幻か。効かねえよ」


 第八近衛騎士アハトはそういうと、再度『真実の護符トゥルータリス』を使うが、穴が消えるととはなく、第八近衛騎士アハトはそのまま落下し続ける。


「なんだよ。これは、悪い夢でも見てるのか?。誰かそうだと言ってくれ」


 そして、第八近衛騎士アハトは奈落へと落ちていった。


「大地の精霊を騙した大罪人は、ついに大地の精霊のそのことがバレ、その身を大地深くにある地獄に落とされる」


 雄司はそんな独り言を呟くと、どこからともなく本が出現する。そして、その本を無言で閉じ地面に捨てた。その本には『第八近衛騎士アハトゲーア・トルニカ』と書かれていたが、『大罪人ゲーア・トルニカ』という題名に勝手に書き換わった。







【監督、福田雄司のスキルは以下です】

 ・統率
  味方に出す指示が的確に通り、味方が自分の存在を頼りやすくなる

 ・観察眼
  相手の体の状態や感情を読み取り理解することが出来る

 ・想像は現実に起こり得る
  専用スキルのため確認できず

 ・演出改変
  専用スキルのため確認できず

 ・信念
  専用スキルのため確認できず



「はぁ?。わけわかんない能力ね。何したの?」

【既存のスキルでは説明できません】


 千歳はその胸に人形を抱きながら、モニター越しに見た監督の戦いの様子を見ていた。


「ていうか、あの本捨てずに持ってきてほしかったな。何が書いてあるのか結構気になるんだけど」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

処理中です...