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奪われた王国
十八話目 *武器商人VS第五近衛騎士
しおりを挟む「ダダダダダッ!」
「キンッ!、キンッ!」
剣と魔法の異世界に全くと言っていいほど場違いな音が戦場に響きわたっていた。
「Oh,No。AKデハ傷ツキマセンカ」
武器商人であるマルコ・ストロガノフは、ゲリラ兵が良く使うことでお馴染みのアサルトライフルを第五近衛騎士に連射していた。
しかし、第五近衛騎士の体は魔法で、体が金属のように固く変質しているため、銃弾を弾き返していた。
「貴様のその杖から出る魔法。中々に速いが威力はいまいちのようだな」
「AKガイマイチデスカ?!」
マルコは第五近衛騎士の驚きと疑問の混じった声を出す。生身の人間であれば容易く殺すことのできる武器が目の前の敵にとってはいまいちの威力であることが信じられなかった。
「そろそろ、俺からもいかせてもらうぞ」
第五近衛騎士はそう言うと、一瞬で間合いを詰めると素手をマルコに突き刺す。その突きを受けたマルコは軽く十メートルは吹き飛ばされる。
「?」
それほどの強力な一撃をマルコに対して放ったにも関わらず第五近衛騎士は首を傾げた。
「貴様。何か身に着けているのか?」
あまりの痛さに悶絶しているマルコに第五近衛騎士は問いかけた。だが、蹲ったままマルコからの返答は返ってこなかった。
「まあいい。次で終わる」
そういうと、第五近衛騎士は倒れているマルコに真上から拳を打ち付けようとすると、マルコは懐から小さな筒状の物体を上に投げた。
第五近衛騎士は何を投げたのかとその筒状の物を掴んだその時、強烈な閃光と音が第五近衛騎士を襲った。
「ぐああああ!.....くそ、なんだ?!」
あまりの衝撃に今度は第五近衛騎士が倒れこみ悶絶している。
「ハァ、メチャクチャ痛カッタデスヨ。防弾チョッキハ、大事デスネ」
マルコは立ち上がり、未だ倒れている第五近衛騎士に話しかける。
「AKデ無理ナラ、コレハドウデスカ?」
そう言うと、マルコは空中を何か触るものでもあるかのようにいじり始める。すると、マルコの目の前にRPG。ロケットランチャーが出現する。
そして、肩にロケットランチャーを乗せて、第五近衛騎士に狙いを定める。
「ファイア」
マルコが引き金を引き、第五近衛騎士にロケットランチャーが命中する。その爆発によって第五近衛騎士は軽く50メートルは吹き飛んでいった。
「ワオ。頑丈デスネ」
ロケットランチャーの直撃を受けたにも関わらず、四肢がバラバラにならずくっついたまま吹き飛ぶ第五近衛騎士を見て感心しながらマルコはそう言った。
吹き飛んだ第五近衛騎士は態勢を立て直し立ち上がった。
「ワオ。死ナナイデスカ」
「今のはなかなか聞いたぞ」
口から出た血を吹きながら、第五近衛騎士はマルコに話しかけた。
「もう油断をしない」
第五近衛騎士はそう言うと魔法を唱える。
「鉱物の精霊よ。その不滅の肉体をわが身に宿し、最強の武器となれ。白鋼鉄装具」
第五近衛騎士が魔法を唱えると、右手には西洋の騎士の持つような槍が、左手には巨大な大盾。そして、全身に鋼鉄の鎧を身に纏った。
「オオ。ナイトデスネ」
「行くぞ!」
第五近衛騎士は真っ直ぐマルコに向かって突き進んでいく。マルコはそれを充填し終えたロケットランチャーで迎え撃った。
「ドオオン!」
ロケットランチャーと第五近衛騎士の大盾がぶつかり合い煙が立ち込める。
「ヤリマシタカ?」
マルコが見事なフラグを立てると、煙の中から第五近衛騎士が勢いそのままに現れ出てくる。
「NoOOO!」
「死ね」
第五近衛騎士の槍がマルコを突き刺す。
「ぐふ」
マルコは血を吹き出し、第五近衛騎士の鎧にかかる。
「良き戦いであったぞ。異世界の戦士よ」
「Welcome to my world」
マルコは突然、死にかけた状態で英語で笑いながら言葉を発した。 すると、マルコと第五近衛騎士のいる空間が歪みだす。
「なんだ?」
体験したことのない事態に第五近衛騎士は驚きを見せる。そして、歪んだ空間が元に戻ると、そこは海の上であった。
先ほどまでいた戦場とは全く別の長閑な場所に第五近衛騎士はいた。
「ここは!?」
第五近衛騎士が突き刺したマルコを問いただそうとしたが、そこには血に染まった槍があるだけで、マルコの姿はなかった。
「Hi」
声がしたため、その方を見ると、血だらけのマルコが車いすに座った状態で第五近衛騎士に手を振っていた。
「ここはどこだ?」
「ココデスカ?。ココハデスネ、戦場デスヨ」
「何を言っている?」
「ホラ、後ロ。懐カシイデスネ。コノ光景ハ」
マルコは指をさし、第五近衛騎士に後ろを見るように示唆すると、第五近衛騎士は後ろを確認した。
「なんだ、あれは!」
第五近衛騎士の目には巨大なキノコが生えていた。
☆
【武器商人、マルコ・ストロガノフのスキルは以下です】
・交渉術
相手の思考を読み取り、自分を信じやすくする
・嘘から出た誠
専用スキルのため確認できず
・気運
専用スキルのため確認できず
・死に際こそ主戦場
専用スキルのため確認できず
「消えた!?」
モニター越しに武器商人の戦いを見ていた千歳は思わず立ち上がった。騎士の槍に武器商人が貫かれたと思えば次の瞬間にはモニターの映像が乱れ、元に戻った時には二人の姿はなくなっていた。
「どこいったの?」
【確認できません】
「え~。何それ」
千歳があきれながら再び席に座ると、モニターは再び乱れた。そして、元に戻るとそこには血を流しながら死にそうな武器商人の姿だけがあるだけで、騎士の着ていた鎧と思われる金属の塊があるだけであった。
「戻ってきたけど、どういうこと?。あの騎士は?」
【確認できません】
☆
「アア!。ドクターヲ、死ニソウデス」
マルコは倒れこみながら、横にある金属の塊の下にある黒い影を見つめいった。
「非常ニ強カッタデスヨ。タダ、嘘ヲツクホドデハ、無カッタデスネ」
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