最強のアラサー魔導師はかつての弟子達に迫られる~ただ冒険者を始めようとしただけなのに弟子達がそれを許してくれない~

おやっつ

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第2.5章:いきなり始まるダンジョン生活

第35話:イレギュラー

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───コツ、コツ、コツ

階段を下っていると、静かな階段の辺りにコツコツという足音が響く。ダンジョンの階段には魔物はわかないようにできている………その理由も未だに解明されておらず、それもダンジョンが未知数と言われている理由の1つだ。

「よし、2階層目だな。」
「師匠、1階層目よりも魔力が濃い。」
「そうだな。」

魔力が濃くなっている………つまり1階層よりも魔物がかなり強くなっている証拠だ。1階層から2階層ですでに強さが上がっているとは………嫌な予感がしてきた。

この時はまだ“何も知らなかった”俺はその予感をあまり気にとめず、2階層目を攻略していた。 
“この後に起こること”知らずに………。 

「これは………ミノタウロスか。」

ミノタウロス………すでにかなりの強者が現れていた。2階層目の中で恐らく1番強いのはこいつだろう、さっさと片付けて次の階層にいかないと………そう思い、ミノタウロスに向かって足を踏み込んだ瞬間………!?

───ドゴゴォォオーン!
ミノタウロスはその巨体からは考えられないスピードで移動し、空中にいる俺の下をくぐり抜けミラをその棍棒で殴り飛ばした。

「ミラ!!」
「カハッ……。」

壁に叩きつけられたギリギリ守護結界を貼ったミラは命に危険は無いだろう………だが、だからと言って戦える状況でもない。

「………っ!!」

明らかに何かがおかしい。普通のミノタウロスはこんなに早くは動けないし力も強くないはずだ。
これは“何かが起きている”よな………。

「これを使うしかないか………膨張(エクスペンション)。」

───パンッ
その瞬間、ミノタウロスの体が弾け飛び辺りに血が舞った。膨張………これは体内にある魔力を膨張させて相手を体内から爆発させる無属性魔術だ。

これはある程度体が弱い魔物には効くが、魔力許容量の多い黒龍などには効かないことも多い。しかしこれは魔力の消費が縮小(レダクション)よりも多く、魔力効率が悪いためあまり使いたくなかった。

「最上級回復(エクストラヒール)。」

ミラ………いくら油断してなかったとはいえ、あれは仕方が無い、あれはイレギュラーすぎる。

「んん………。」
「ミラ!大丈夫か!」
「うん………。」

安否確認をした俺はすぐにミラを担ぎ3階層へと続く階段に行きミラを休ませようとする。しかし向かう途中に………

「赤い魔石………。」

今はゆっくりしている暇がない。そう咄嗟に判断した俺は咄嗟に魔石をポッケにつっこみ安全な場所にミラを運びに行った。

それにしても赤い魔石………引っかかるな。恐らくミノタウロスの体内にあった魔石が進化したことであの強さになっていたのだろう。

「この先もこんなのが続いたら………6日間どころか生きて帰れるかも怪しいな。」

後先が怪しくなってきた俺は少しそんなことを考えてしまった………しかし本当にこれからどうなっていくのだろうか。
 
この時の俺はまだ知らなかった。“これがまだ序章に過ぎなかったことを”。





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