異世界真百鬼夜行物語

楠本リュート

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 午前二時過ぎ。
 一般的に丑三つ時と呼ばれる時間帯。
 様々な種族や魔物に異形の者が列を成して街や村を徘徊していたという。

 人々は口を揃えてこう言った。

 あれに手を出してはいけない。出せば食われるぞ、と。

 人々は恐怖の代表としてこう称した。

 あれは"百鬼夜行"である、と。


 ***


 山奥にある建物の一室に一人の男がいた。
 その男のいる一室へ向かって一人の子供、もとい子河童が走っていった。

「キョウヤー!もうすぐ二時だよ?今日は行かないの?」
「あぁ、もうそんな時間なのか。行こうか。皆を集めておいてくれる?」
「ふふーん!もう皆集まってるよ!」

 キョウヤと呼ばれたその男は何を隠そう恐怖の代表と称された百鬼夜行の主である。
 名を龍崎 暁夜 (こちらの世界だとキョウヤ・リュウザキと表記)。人間。魔法神アルカナの導きにより生まれ変わった転生者である。

「ふぉっふぉっふぉすっかり板についたな小僧」
「ぬらか、ありがとう。何年も続けてたら流石にね」

 キョウヤのことを小僧と呼び、ぬらと呼ばれたどこからともなく現れた老爺、実は妖怪の総大将といわれているぬらりひょんそのものである。
 キョウヤが三つの時にキョウヤの手によってこの世界に呼ばれて以来、キョウヤの親として、友としてこれまで共に過ごしてきた。

「ぬら、行くよ」

 そう言いキョウヤは外へ出て皆みなルビを引き連れて歩いて行き、ぬらりひょんもそれについていく。

「今日は王都だ。派手に行こう」
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