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街へのデート
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あーやっとデートへ行ける。
とにかくやらなければならないことはたくさんだけど話がまとまってよかった。
兄弟姉妹仲が良くて良かった。
それとは別にサクについて心配事があったんだよね。
今は街まで歩いて向かっている。手をつないで。テヘッ。
それもこれも私がへまをするからだけど。
初めてのサクとのデート!緊張するなー。ドテッ。ズコー。ギャー。
が、これまでに歩いていて3回あったからだった。
でも、それでも、ニヤニヤしちゃうよね。
で、これからデート定番のカフェに向かうところ。
まだそこに着くまで20分くらいあるので心配事について話す。
「ねぇ。サク。本当にごめんね。あの体質のせいであなたを巻き込むことになってしまって。」
「クライのせいでは...!」
こんな時なのに不謹慎だけど名前を呼んでもらえたことに関してうれしく思ってしまう。
「迷惑かもしれないけど、きっと一生離せないの。
歴代の子孫たちは結婚してきたみたいだけど、あなたがいやだったらしないから!安心してね。
本当にごめんなさい。」
そう言って頭を下げる。
サクは少し考えるようにしてから、
「本当に、クライのせいではありません。ただ、結婚するかはもう少しお時間をいただければと思います。」
「もちろん!いつまでも待てる自信がある!考えてくれるだけでうれしいから!」
「では、いきましょうか。」
「うん!」
私たちは、少し歩いたところのカフェで止まった。
「ここだよ。」
「はいりましょう。」
カランッカランッ
入るとドアの上についていた鐘がなる。
何だかレトロな雰囲気のお店だ。
こういうところではアイスが食べたい。
「アイスが食べたいって思ったでしょ。」
「え?だれ?」
「あたいよあたい。」
私よりも身長の小さなおばあちゃんを見つける。
「た、確かに思いましたけどもしかしてエスパーですか?」
至極真面目にきいてしまった。
「ハハッ。ちがうよ。ここに入ってきた客はみんなそう思うんだ。」
確認をするためにサクの方を向くと、こちらに向かって頷いてきている。
「すごいですね!」
「アイスあるんですか?」
「あぁ、もちろんあるさ。あんたら、恋人かい?」
「あぁ、違います。私が告白中です。」
「え?そうなのかい?あたいはてっきり...」
なんだかサクの方からすごい圧がかかっている気がする。
「あぁ、そういうことかい。まあ、坊ちゃん頑張りな。あんまり悩みすぎないのもコツだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
すごい笑顔だ。
それにしても、何のことだろう?
それから、私たちは店の中に入り、冷たいアイスを食べ、
コーヒーでほっと一息ついてからここを出た。
とても心休まる場所だったな。
またサクと来ようっと。
次は思いっきり私の趣味の場所だ。
「私の趣味なんだけど、つきあってね!」
笑顔に圧をかけてサクに詰め寄った。
あんまり外に出させてもらえないんだ。
今日はサクがいたから許可が出たけど。
連れ去られるとかそんなことは誰も心配していない。悪魔の力もあるし。
私の場合、冒頭でずっこけたように家でもかなりこけるから心配されている。
このことから一人であまり外に出てはいけないことになっている。
だから、今日だけは頼む!
「そりゃあいいですよ。」
満開の笑顔で言ってくれた。
いやぁもう駄目だわ。走り出しそう。
「いやっほーい。」
おっと。
「じゃなくて。
ごほんっ。
ありがとう!」
そして到着した本屋。
私はかなり本が好きだ。
もちろん小説も好きだけれど実用書も好きだ。
へぇ。こういう考え方もあるんだって思えるから。
と、ものすごく楽しみにしていたんだけど。
「わぁっ。見てください。クライ。こんなところに『世界の昆虫図鑑』が!あぁ!ここにも!......」
ここに私よりも楽しんでいる子供がいるんだが。
よし、拾って帰ろう。
いや、待て誘拐だそれは。
と考えているうちに迷子になっていたらしい。
サクはどこだろ?
まあこの本屋にはいるだろう。
と、気楽に考えていたらダメだということを今知りました。
あれから一時間。
サクがいない!
前私が誘拐されたのに私の阿呆!
サクが一人でどこかへ行くわけがないし、そこまで馬鹿じゃないから誰かに付いて行くとも思えない。
無理やり連れ去られたんだ。
とか思いつつ私が私の頭をポカポカたたいたら気絶するのは見えているのでやらない。
まずは実家への連絡。
走っていこう。
今はとっても怒っているので、目が熱い。多分赤くなっている。
本気で走ろう。
そして屋根の上へとのぼる。
屋根に飛び移りながら実家まで走り、執事に「サクが攫われたので取り返しに行ってくる。応援求む。きっと群青色」という伝言を頼んだ。
それから心当たりのある場所まで走っていく。
それは、以前、群青色の老紳士と戦った場所だった。
なぜその老紳士という選択肢だったかというと。
一つ。私個人が恨みを買っているのはそもそも人にあまり会わないのでこの間の老紳士だけだということ。
二つ。サク自身に恨みがある場合もあるが以前の持ち主は私たちの怖さにおびえて陰口も言えない状態だろうからあまり可能性としてはない。それ以前の持ち主もだ。お金になったのだからもう関わり合いにはなりたくないだろう。
こういうことからきっとこの間の老紳士だろうと思っている。
ミーヌお姉様は厄介だからミーヌお姉様が大切に思っている私に手を出そうとした。
けれど、私よりも弱そうな人がいたのでサクを連れてったんじゃ...
そうだとしたらガチで許さん。
とにかくやらなければならないことはたくさんだけど話がまとまってよかった。
兄弟姉妹仲が良くて良かった。
それとは別にサクについて心配事があったんだよね。
今は街まで歩いて向かっている。手をつないで。テヘッ。
それもこれも私がへまをするからだけど。
初めてのサクとのデート!緊張するなー。ドテッ。ズコー。ギャー。
が、これまでに歩いていて3回あったからだった。
でも、それでも、ニヤニヤしちゃうよね。
で、これからデート定番のカフェに向かうところ。
まだそこに着くまで20分くらいあるので心配事について話す。
「ねぇ。サク。本当にごめんね。あの体質のせいであなたを巻き込むことになってしまって。」
「クライのせいでは...!」
こんな時なのに不謹慎だけど名前を呼んでもらえたことに関してうれしく思ってしまう。
「迷惑かもしれないけど、きっと一生離せないの。
歴代の子孫たちは結婚してきたみたいだけど、あなたがいやだったらしないから!安心してね。
本当にごめんなさい。」
そう言って頭を下げる。
サクは少し考えるようにしてから、
「本当に、クライのせいではありません。ただ、結婚するかはもう少しお時間をいただければと思います。」
「もちろん!いつまでも待てる自信がある!考えてくれるだけでうれしいから!」
「では、いきましょうか。」
「うん!」
私たちは、少し歩いたところのカフェで止まった。
「ここだよ。」
「はいりましょう。」
カランッカランッ
入るとドアの上についていた鐘がなる。
何だかレトロな雰囲気のお店だ。
こういうところではアイスが食べたい。
「アイスが食べたいって思ったでしょ。」
「え?だれ?」
「あたいよあたい。」
私よりも身長の小さなおばあちゃんを見つける。
「た、確かに思いましたけどもしかしてエスパーですか?」
至極真面目にきいてしまった。
「ハハッ。ちがうよ。ここに入ってきた客はみんなそう思うんだ。」
確認をするためにサクの方を向くと、こちらに向かって頷いてきている。
「すごいですね!」
「アイスあるんですか?」
「あぁ、もちろんあるさ。あんたら、恋人かい?」
「あぁ、違います。私が告白中です。」
「え?そうなのかい?あたいはてっきり...」
なんだかサクの方からすごい圧がかかっている気がする。
「あぁ、そういうことかい。まあ、坊ちゃん頑張りな。あんまり悩みすぎないのもコツだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
すごい笑顔だ。
それにしても、何のことだろう?
それから、私たちは店の中に入り、冷たいアイスを食べ、
コーヒーでほっと一息ついてからここを出た。
とても心休まる場所だったな。
またサクと来ようっと。
次は思いっきり私の趣味の場所だ。
「私の趣味なんだけど、つきあってね!」
笑顔に圧をかけてサクに詰め寄った。
あんまり外に出させてもらえないんだ。
今日はサクがいたから許可が出たけど。
連れ去られるとかそんなことは誰も心配していない。悪魔の力もあるし。
私の場合、冒頭でずっこけたように家でもかなりこけるから心配されている。
このことから一人であまり外に出てはいけないことになっている。
だから、今日だけは頼む!
「そりゃあいいですよ。」
満開の笑顔で言ってくれた。
いやぁもう駄目だわ。走り出しそう。
「いやっほーい。」
おっと。
「じゃなくて。
ごほんっ。
ありがとう!」
そして到着した本屋。
私はかなり本が好きだ。
もちろん小説も好きだけれど実用書も好きだ。
へぇ。こういう考え方もあるんだって思えるから。
と、ものすごく楽しみにしていたんだけど。
「わぁっ。見てください。クライ。こんなところに『世界の昆虫図鑑』が!あぁ!ここにも!......」
ここに私よりも楽しんでいる子供がいるんだが。
よし、拾って帰ろう。
いや、待て誘拐だそれは。
と考えているうちに迷子になっていたらしい。
サクはどこだろ?
まあこの本屋にはいるだろう。
と、気楽に考えていたらダメだということを今知りました。
あれから一時間。
サクがいない!
前私が誘拐されたのに私の阿呆!
サクが一人でどこかへ行くわけがないし、そこまで馬鹿じゃないから誰かに付いて行くとも思えない。
無理やり連れ去られたんだ。
とか思いつつ私が私の頭をポカポカたたいたら気絶するのは見えているのでやらない。
まずは実家への連絡。
走っていこう。
今はとっても怒っているので、目が熱い。多分赤くなっている。
本気で走ろう。
そして屋根の上へとのぼる。
屋根に飛び移りながら実家まで走り、執事に「サクが攫われたので取り返しに行ってくる。応援求む。きっと群青色」という伝言を頼んだ。
それから心当たりのある場所まで走っていく。
それは、以前、群青色の老紳士と戦った場所だった。
なぜその老紳士という選択肢だったかというと。
一つ。私個人が恨みを買っているのはそもそも人にあまり会わないのでこの間の老紳士だけだということ。
二つ。サク自身に恨みがある場合もあるが以前の持ち主は私たちの怖さにおびえて陰口も言えない状態だろうからあまり可能性としてはない。それ以前の持ち主もだ。お金になったのだからもう関わり合いにはなりたくないだろう。
こういうことからきっとこの間の老紳士だろうと思っている。
ミーヌお姉様は厄介だからミーヌお姉様が大切に思っている私に手を出そうとした。
けれど、私よりも弱そうな人がいたのでサクを連れてったんじゃ...
そうだとしたらガチで許さん。
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