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【聖者の薔薇園-終幕】
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しおりを挟む体が熱い、なのに寒い、冷たい……。
たくさん動いたわけでもないのに息が切れて、浅く呼吸を繰り返しながら地面に力無く座り込む。全身が熱くて熱くて溶けてしまいそうだ。
「フェリ!」
「ひゃっ……!」
不意に大きな手が背中に触れる。
崩れそうな体を支えようとしてくれたのだろう。けれど何故かレオの触れた箇所がビリッと痺れて、思わずおかしな声を上げながら体を震わせてしまった。
レオが驚いたように目を見開いてパッと手を引っ込める。更に荒くなった呼吸を何とか正常に戻そうと胸を抑えるけれど、熱さは引くどころか更に増していった。
「ま、まって……やだ、はなれないで……」
「っ……!」
熱いのか寒いのか。熱くて溶けてしまいそうなのに、それとは裏腹に冷え切った寒さも同時に体を苛む。
気持ちが良いとは言えない感覚に涙が流れそうになりながら、小刻みに震える手は確かにレオの姿を追った。どうしてかは分からないけれど、今は人肌が恋しくて堪らないのだ。
酷い熱でどうにかなってしまいそう。とにかくこの熱を逃がさないと、ともう片方の手が勝手に服のボタンに触れた。
呆然とするレオの裾にきゅっと縋り付きながら、片手でジャケットのボタンをひとつふたつと外していく。全て外して中のブラウスが顕になって、今度はブラウスのボタンを……というところでレオがハッとしたように声を上げた。
「それ以上は駄目です……!」
ブラウスのボタンにかけた手をぎゅっと包まれる。ビリっとした刺激を感じた途端「ん……っ」とまたもや変な声が出てしまった。
ふにゃりと溶けた表情のまま視線を上げると、そこには真っ赤に頬を染めたレオの顔が。瞳をとろんと潤ませて瞬き、硬直するレオの動きをじっと見つめる。
レオはやがてビクッと肩を揺らすと、僕からそろりと手を離して静かに後退りし始めた。それにむっとして素早く手を伸ばし、目を丸くするレオに半ば倒れ込むようにしてぎゅっと抱き着く。
ばたんと背から倒れたレオの上に覆い被さるような形。傍から見ればどんな印象を受けるかなんて考える思考もとっくに溶けたまま、熱く痺れる体を擦るようにして抱き着く力を強めた。
「ん、んー……きもち……」
「っ……う、ぁ……フェリ……」
レオの体が硬く強張っている。胸にうりうりと頬擦りしたり足を軽く擦り付けたりすると、痺れがほんの少しマシになってほぅっと息を吐いた。
同時にじんわりと滲む心地良さが何だか癖になって、自分が今どんな格好をしているかなんて想像しないまま何度も何度も体を擦り付けた。
「あつい……あついよぉ……」
もはや羽織るだけの状態だったジャケットをスルリと脱いで地面に放る。ブラウスの一番上と二番目を外して首元を晒し、レオのひんやり冷たい手を無理やり掴んでそこに引き寄せた。
「まっ、まってくださ……っ、フェリ、いい子だから待って……!」
「うぅん……れおつめたい……もっと、もっとさわって……」
首元に触れるひんやりとした感触。心地良い冷たさに目を細めて、今度はその手を更に下へ持っていく。三番目のボタンをはずそうとしたけれど、それはレオに止められてしまった。
どうして止めるの、と思わず眉を寄せてムッとすると、レオは真っ赤な顔で焦燥を顕に叫んだ。
「本当に駄目です!!それ以上は私の理性が限界に……っ!」
何かを堪えるような表情を浮かべるレオがぐっと眉を顰めて目を瞑る。その様子をぽーっと見つめ、構わず手を振り払ってボタンを外そうとした時。
不意に近くから聞こえた淡々とした声音にぴたりと動きが止まった。
「初プレイが青姦とはレベルが高い」
ほぉ……とまるで評論家のような声が聞こえた後、数秒遅れてレオと同時に振り返る。
そこにはこちらの様子をじっと眺めて顎を撫でる、フェイスベールの彼がいた。
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