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番外編
とある神の思い出
しおりを挟むあるところに、全知全能の神がいた。
その神は完璧故に、孤独だった。
孤独な神は時を司り、闇を創造した。
光一つない暗闇が神の孤独を癒した。
孤独な神はある時、友を得た。
友は運命を司り、光を創造した。
闇に籠る孤独な友の為、運命の神は光を創造した。
闇の神と光の神は、共に全能となった。
ある時、神の國に眩い魂が舞い降りた。
その魂は、全ての神々を魅了した。
光の神と闇の神が、共にその魂に魅入られた。
光の神は、魂の覚醒を待ち望んだ。
新たな友を、心待ちにした。
光の神は、その魂に依存した。
闇の神が、再び孤独に取り残された。
嘗て光を得た闇の神は、
光一つない暗闇に、耐える事が出来なかった。
孤独な神は、神の國で最も眩い魂を望んだ。
眩い魂は、闇の神の手に降りた。
光の神が、孤独に堕ちた。
光の神は、闇の神を憎悪した。
憎んで、恨んで、嫌悪した。
光の神が、堕落した。
運命に、歪が産まれた。
* * *
『その魂は神になるべき色だろ!下賤な人間だなんて冗談じゃない!』
普段の美しい顔は何処へ行ってしまったのか。奴は美麗な表情を醜く歪めて強く叫んだ。
私が腕の中に抱く眩い魂から決して視線を逸らさず。そんな奴の暴走を、周囲の神々が必死に抑えた。その光の力では、格上の闇の力を持つ私には敵わない。そんな事は分かっているだろうに。
無言で奴の暴走を見据える。そんな中、奴を抑えていた神の一柱、ゼウスが困り顔で声を上げた。
『既に決まったことじゃないか。上位の神から順に魂選別の資格が与えられる。リベラは常例通りの事をしたまでだ』
『その魂は例外だろうが!人間なんかに堕とすべきじゃない!お前らだって分かってるはずだ!』
必死の形相で手を伸ばす姿から目を逸らす。常例通りというのは事実だが、奴の言い分も確かに納得は出来る。
淡々と選別を進めたならば、この眩い魂は神の基準を優に超える。本来であれば人間となるに相応しくはない魂だ。
だが、魂の選別とは神の選り好み。基準とは関係なく、各々の価値観によって判断は大きく変わる。今回の基準から逸れた選別もそう珍しいことではない。
だが稀に、気に召した魂を巡って神同士の争いが起こることがある。正に今のように。
『僕は認めない!こんな判断認めない!僕がどれだけその子の誕生を待ち望んでいたか……ッ』
奴がぐっと拳を握り締める。澄み切っているのに何処か歪みに支配された虹色の瞳。それに強く射抜かれ思わず硬直した。
『──お前なら分かるだろ!リベラ!!』
……あぁ、分かる。分かるに決まっているだろう。
だが、どうしてもこの魂が欲しかったのだ。私の身を切るような切望だって、お前には理解出来るはず。何処まで言ってもお互い様というものだ。
その切望の理解を望むなら、お前だって私の切望を理解すべきだ。今まで互いに孤独も満ち足りた友情も共有してきた。そんな私達だからこそ、こんなにも似ていて、そして同じ醜さを持っている。
所詮同じだ。私はお前の光だけでは満足出来なかった。お前だって、私だけではその孤独を埋めることが出来なかった。
お互い様のお前に、私の切望を邪魔する資格が果たしてあるのか。
『……何と言おうと、この子は私の愛し子だ』
私の言葉に奴は数秒唖然とした表情で固まって、その直後美しい顔をみるみる歪ませた。ほんの数舜緩んだ拘束を一気に光で解き、周囲の神々が怯んだ隙に前へ出る。
反射的に愛し子の魂を結界で覆うと、奴はそれすらも不快とばかりに眉を顰めた。
『……リベラ、お前は狂ってる。愛を経験したことなんてないだろ。お前のそれはただの執着だ』
『それを言うならお前も同じだ。その依存を執着と言わずして何と呼ぶ』
何処までも似ていて、何処までも対極。
結局口から零れるのはどちらも己に返ってくるものばかり。
奴は……マーテルは間違っている。だが、マーテルから見た私の現状もまた、間違っているのだろう。このまま諭し続けても話し合っても何の意味もない。何故なら、どちらも譲る気が無いから。
マーテルが手を伸ばす。しかし所詮その程度の光では闇に呑まれるだけ。伸ばした手がどう足掻いても暗闇に呑まれ迷い込むその光景を、奴は酷く歪んだ表情で睨み付けた。
『僕はずっと独りだった……だからその子しかいないんだ。僕以上の光を持つその子……その子が居れば、きっと僕は救われるはずなんだ……!』
虹色の瞳が滲む。錯乱を起こすマーテルを周囲の神々が力尽くで押さえ付けた。
狂乱しながら叫ぶマーテルを静かに見下ろす。唯一無二の眩い魂は、こんな状況でも混乱することなく穏やかに眠っていた。きっと人として産まれれば、平和を愛する穏やかな子に育つことだろう。
魂を一撫でして一歩踏み出す。マーテルは魂から視線を逸らさず、血走った虹色の瞳を大きく見開いていた。
これは少し危うい。神という聖なる存在が堕落する……邪神となる一歩手前の兆候だ。
『……マーテル。私はこの子を孤独の渦に堕としたくないのだ。神は生まれながらにして孤独。消滅するその時まで、永久に孤独なのだ』
『……』
『愛する魂に、平凡と平穏を。私の管理下の世界であれば、この子を害する人ならざる者は存在しない。永久の孤独を耐え続けるのは私達だけで良い筈だ』
嘗て、私とお前は孤独だった。いや、今も尚、孤独だ。
闇なんてものを創ったから、光が暗闇に呑まれた。光なんてものを創ったから、闇が孤独を知ってしまった。
互いに存在すらしなければ、そもそも孤独という概念を知らずに済んだのに。
『これは私とお前の罪だ。私達への罰なのだ。この子が神として誕生してしまえば、きっと私達は争うことになる。神の争いなど、世界の崩壊を招くのみ。平穏を愛するこの子を地獄の渦中に堕とすつもりか』
虹色の瞳に正気が戻る。正気が戻ったと、そう思ったのは間違いだったのか。
今思えば、そもそも奴は生まれ落ちたその瞬間から、正気など持ち合わせていなかったのかもしれないが。
『……皆ひとりぼっちだよ。例え人間として産まれてもその子は孤独なまま。それなら僕が囲った方が良い。僕なら、その子を満たしてあげられる。僕なら、正しく愛してあげられる』
『満たしてやりたいのではなく、満たされたいのだろう。愛してやりたいのではなく、愛されたいのだろう。この子をお前の孤独を紛らわせる道具にするな』
奴の呟きをすかさず否定する。奴の虹色の瞳は酷く歪んで、最早正しさなど何処にもない。
お前がこの子に正しい愛を与えてやれるとは到底思えない。
マーテルが膝をつく。乱れた絹糸のような髪が顔に掛かった。それすらも、人間達が作り上げる欠陥一つない彫像のように美しい。
奴は最も神に相応しい容姿をしているが、最も神には相応しくなかった。今目の前にある光景がその事実を確かなものにしている。その狂乱は人間そっくりだ。
マーテルの顔が歪む。歯軋りのような音が響いた後、奴はまるで涙を堪える幼子のような表情を浮かべて嗚咽を零し始めた。迷い子のよう、とも言えるだろうか。
『っ……あぁそうだよ……僕は寂しいんだ、孤独に耐えられない……満たされないし、愛してほしい……その子なら僕を愛してくれるかもって……そう思ったのは本当だ……』
『……ただ愛されたいだけなら、この子でなくても構わないだろう』
『そうじゃないッ!そうじゃない……その子じゃなきゃだめなんだ……だってお前も、お前達も!僕を愛してくれた奴なんて誰もいなかったじゃないか……!』
マーテルを愛した者などいなかった。その言葉に驚いて、そして、棘のように深く突き刺さった。
私はマーテルを友だと思っていた。少なくとも、闇しか知らない私に光を与えてくれたあの時のマーテルは、まるで救世主のようだとも思った。その光が原因で今、拗れているのは置いておくにしても。
私にとっての『愛』と、マーテルにとっての『愛』は違う。
その事実が、何より辛かった。
所詮、神と人は交われないと突き付けられたような気がして。
『たった百年しか生きられない人間には永久が無いから、愛を理解しようと藻掻いて努力する。けど神には有限なんて無い。あるのは無限だけだから、藻掻く必要がない。だから、神が愛を理解出来るはずないんだよ……』
『……それを言うなら、お前もそうなのではないか』
『違う!僕だけは違う!僕だけは愛を理解してる……!』
神が涙を流すなど有り得ないことだ。嘗て涙を流した神がいたかと考え、そんなことは一度もないと呑気に思い返す。
だが、マーテルは泣いていた。今この瞬間、愛を叫んで泣いていた。
『人間に近いだなんだと僕を散々詰ったのはっ……お前らだろうが……!!』
きっと、何か手違いがあったのだろう。
マーテルは間違いなく、人になるべき魂だった。だが選別の際、何かしらのトラブルが起こり判断を誤った。
マーテルは本来、神になるべき魂ではなかった。
その似た境遇もまた、マーテルがこの子に執着する原因となったのかもしれない。ふとそう思った。
『リベラ、お前が好き勝手するなら僕も同じようにする……これは神の戦争だ。始めたのはお前だ。お前が、これからその子を地獄の渦に堕とすんだ』
虹色の瞳には最早澄んだ気配は感じられない。堕落した、瞬間的にそう悟った。
あの頃の純粋な友はもういない。永久の孤独を享受する神に似合わない、あの友情ごっこはもう出来ない。
……あの頃をままごとと認識している時点で、もしかすると私はマーテルとの話し合いに敗北していたのかもしれない。こんな認識は奴の言う通り、愛を理解していないと白状するようなものだ。
だが一つ、奴と違う認識を持っていたとするならば。
マーテルの言う通り、私達の時間は無限だ。だからこそ、焦る必要などない。
この先この子が誕生してからでも、理解しようと努力する時間は無限にある。お前が何故そんなにも焦っているのか。目先の欲望に囚われて早まるのは昔からのお前の悪い癖だと、この時そう言ってやれば良かった。
言ってやることが出来ていれば、何かが変わっていたかもしれないだろうに。
『……見てろよ。僕が愛を理解してるってこと、お前に思い知らせてやる。その子は僕のものだ。僕だけの光なんだ』
価値観の相違は大きなもの。
依存を愛と認識するか、ただの執着と認識するか。
誰が見ても、マーテルのそれは依存であり執着だ。少なくとも、愛と一言で括れるものではない。
愛する者を地獄に堕とすことがお前にとっての愛なのか。だが、もしかするとその選択も正しいのかもしれない。正しさなど、魂の数だけ存在するのだから。
だが、それなら神など存在しない。裁きも判決も神に与えられた特権であり、それに基づいて判断するのならば、やはりマーテルのそれは愛などではない。
それなら、私はマーテルと争うしかない。神として。
『この子に地獄は似合わない。お前がお前の正しさを以て堕ちるのなら、私は私の正しさを以て抗うまでだ』
『はっ……好きにしろよ。間違ってるのはお前だ。正しい僕が、間違ってるお前からその子を救い出してみせるから』
マーテル。
お前はきっと否定し続けるだろう。己を愛する者など存在しなかったと、全てが終わるその日まで、きっと一度たりとも信じることはないのだろう。
お前は昔から頑固者だった。己の判断と認識を決して曲げない。愛されないと判断したのなら、実際の事実はどうあれお前にとってはその判断が全て。
一つ、諭すことが出来たなら。
全ては魂の数だけある。価値観も、意義も、信念も。全てにおいて、己と全く同じものなど存在しない。愛の定義も、魂の数だけある。
淡白な神が複雑な仕組みを作ると思うか。
当然、面倒事が嫌いな神々は全てを単純なものとして創造したはずだ。それを後から見た側が、単純と感じるか複雑と感じるか。たったそれだけのこと。
お前は後者だった。今回も、それだけのことなのだ。
愛の定義が違った。お前と私で、噛み合わなかった。それだけのことだというのに、人間臭い馬鹿なお前はそれすら理解出来なかったのだな。
私は確かに、お前を友だと思っていた。
お前にとってそうでなくとも、私にとってはそうだった。
『……お前は本当に、人間臭いな。マーテル』
──友として、確かにお前を愛していた。
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