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1■学園生活スタート☆ぼくたち山田兄弟 SIDE:希(了)
15.1年A組
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珠希のおかげで、僕は目覚まし時計が鳴るまでぐっすり眠ることができた。
制服に着替えて、準備を終えてもまだアユは戻って来ない。
間に合うのかな。
ちょっと心配になってくる。
空也先輩ならきっとアユをちゃんと起こしてくれると思うけど。
早く戻って来てくれないかな。せっかく大丈夫って思ったのに、ひとりぼっちだとまた不安になってきちゃいそうで。
アユと話してたら気が紛れそうなのにな。
鏡の前に立ってもう一度リボンが変じゃないか見てみる。
中学は学欄だったから、見なれなくって変な感じ。
ヴー ヴー
携帯がテーブルの上で震えた。
珠希からのメールだった。
『おはよう。緊張してる? 平気だといいけど。昨日も言ったけど。そのままののんちゃんでいれば大丈夫だよ。きっと。困ったことがあったらいつでも連絡して』
ほんっとに、なんでこんなに僕によくしてくれるんだろう。
ぼーっと考えていると、ドアががちゃがちゃなって、寝癖頭のアユが戻って来た。
「大丈夫? アユ」
「うーん、頭ちょっと痛いし眠いけど。ノンは? 大丈夫だった?」
そう聞かれて、珠希が僕のおでこにキスしたことを思い出した。そしたら、なんか胸がどきどきして顔が熱くなる。
「ほら、早く用意して。寝癖すごいよー」
僕がそう言って笑うと、アユは慌ててバスルームに走って行った。
「シャワー浴びてくる!」
***
僕らは早速掲示板に張り出されたクラス分けを見に行った。
きのうおじさんがふたりは違うクラスだって言ってたから、僕は覚悟を決めたつもりだったけど、アユはその話を聞いてなかったみたい。
そういえば、壁にかかってる絵とかをじっと見てたような。
僕がA組でアユがF組。離れるって聞いてはいたけど、これじゃ教室も離れ過ぎてて、学校の中でばったり会うこともないかもしれない。
僕ひとりでも大丈夫にならなくちゃ、って。
そう決心はしてたけど。
それでもやっぱり不安だな。
隣に立っているアユがめずらしく無口で、よけいに不安になる。
僕たち……大丈夫だよね。
***
入学式が終わると、教室に入って出席番号順に席に着いた。山田だから、僕は一番後ろの隅だった。
周りを見てみると、やっぱり入学式って言ってもみんなすでに友達で。
みんなそれぞれに固まって話している。楽しそう……でも、僕はそこへ入っていける勇気がなかった。アユならきっとすぐに友達を作っちゃうんだろうけど……。
珠希はこのままの僕でいいって言ったけど。それじゃあ、僕はずっとここにひとりぼっちで座ってることしか、できないよ。
それに、みんな僕のことを見てなにか言ってるような気がする。外部生だから? それとも、僕に変なところがあるの?
そんなことを考えてたら、悲しくなってくる。
早く部屋に帰りたい。
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