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6■萌える緑☆恋する季節? SIDE:歩(了)
10.告白
しおりを挟む「あ、ごめん、オレも…忘れて」
オレは両手をばたばたと振って、なんとか誤魔化そうとしたけど、空也はふぅっとため息をついた。
「誰がそんなことを…歩、ほんとのこと言うよ。嫌われても仕方ない。…たしかに、つまみ食いといわれるようなことはしてた。でもそれは大事な人がいなかったし…男だしさ、オレも」
「…大事? 」
「うん。今は歩が大事」
「オレ? 」
「今までみんなどうでもよかったんだ。どうせ近づいてくるのは家柄だとか、顔しか見てないような人間ばかりだし。機嫌ばかり取るような…珠希は別だけどな」
「うん」
「でも歩は違った。確かに最初はかわいいから、とか思ったけど…歩はオレの機嫌とるどころが、好き放題言うし」
「…ごめん」
「謝るなよ。そういう歩から目が離せないんだよ。好きだ」
今の好きの言葉は、何か前回と違うような気がした。
「せっかくゆっくり落とそうと思ってたのに。反則だって、上目遣いもその後伏せた目を潤ませるとか…」
「そんなつもりじゃないってば」
「わかってるって。さぁ、希が待ってる、帰ろう」
空也が、オレの背中をぽんと叩いた。
「いや、待って…オレも好き! 」
歩き出そうとする空也に向かって言った。
「ずるいじゃん、オレにも言わせてよ。よくわかんないけどさ、恋愛感情だとか。でも空也が感じてるように、オレも感じてるんだよ。独占欲とか…」
「歩…」
空也が信じられないと言った顔で、オレの方に戻ってきた。
「…キス! 」
「え? 」
「キス、しようよ…」
そんなことを言う自分が、恥ずかしくて思わず目が泳いだのがわかったけど、決心は固かった。
これで、わかるかもしれない、自分の気持ち。そう思って覚悟していると、ちゅっと空也の唇が優しく触れた。
あれ?
こないだみたいな濃厚なのをイメージしていたので、なんだか拍子抜けだった。
「…なんだよ、十分だろ」
空也が真っ赤な顔をして横を向いたのを見て、オレも今更感触を思い出して、真っ赤になった。
空也が差し出した手を握ってオレ達は歩き出した。
…なんっか…
「かっわいい、くうやー」
近寄りがたいオーラを放つと噂されている空也が、そんな顔をするなんて。
「うるせーな、襲うぞ」
オレはにこにこして、手をきゅっと握ったら、空也が握り返したので、上機嫌で部屋までぶんぶんつないだ手を振り回しながら帰った。
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