白樫学園記

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7■きらめく初夏☆物憂い木漏れ日 SIDE:希(了)

16.仲直り

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 うっすらと目を開くと、白い天井が見えた……。
「希、大丈夫?」
 すぐに珠希が僕の顔を覗き込む。たまき、どうして……そうだ。

 その瞬間、さっきまでのことが一気に蘇って来た。
 きゅっと眉間にしわがよる。
「た、まき。水沢さんは」
「大丈夫。もう絶対に希に手出しはさせない。きっと、もう会うこともないから、安心して」
 珠希は僕の頭を撫でる。
「こ、わか、った」
 安心した瞬間、一気に気持ちが押し寄せて、僕はえぐえぐと声をあげて泣いた。
「大丈夫、もう終わったんだよ」
 珠希は僕を掻き抱いて、背中を撫でてくれる。
「ごめん希、もっと早く行けなくて」
 珠希がそっと囁く。
 僕はふるふると首を振った。なんとか逃げようとはしたけど、誰かが、それも珠希が助けに来てくれるなんて、想像もしてなかった。
「どうして、来てくれたの?」
 僕は鼻をすすって珠希を見上げた。
「希、僕に電話したから。微かに声が聞こえて。薔薇園にいたんだ」
「画面見ずに、ボタン押したから」
「ほんと、希が機転のきく子でよかった。それに、頑張ったから。僕の名前呼んでくれたから辿り着けた」
 珠希が悲しそうに笑うから、また昨日のことを少し思い出してしまった。
「珠希、どうしてそんなに悲しそうなの……やっぱり、ほんとは僕より」
「希。怒るよ? さっきあんなことあったばかりだけど、でも、それは許せない。どうして僕のこと信じないの?」
 珠希は真剣な目で僕を見つめてる。
「昨日あれだけ言ったのに。まだ分かってなかったの? 僕は希を好きだよ。希以外の誰のことも、こんなふうに愛してない。わかる?」
 僕はこくんと頷いた。
「あの人に、いろいろ言われたんだよね?」
 僕はまた頷く。珠希は呆れたように息を吐き出した。
「ほんと、あの人昔はあんなじゃなかった。2年で変わったのか、僕がまだ子供で見抜けなかったのか……情けないよ、ほんとに」
「珠希……じゃあ、僕、まだ珠希と一緒にいていいんだよね?」
 珠希が言ってくれたことが頭の中をぐるんぐるん回っている。嬉しすぎて、うまくいきすぎだと思ったから、もう一度念を押した。
「希、言っとくけど。僕空也とタイプ違うから。こういうこと言うの、すっごく恥ずかしいんだよ。何度も言わせないで。希、愛してる」
 珠希はもう一度そう囁くと、僕をぎゅうっと抱き締めた。



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