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10■眩い太陽☆焼けつく素肌と人魚の誘惑 SIDE:歩(了)
17.強がり
しおりを挟む洞窟を出て、ジャングルでノンにもおいしいフルーツをお土産に取って行った。
海岸に出るともう太陽が水平線の間近まで下りていて、海面に赤い筋を写していた。波に揺れて赤い光が煌めいていた。
「太陽でっかい! 」
波が打ち寄せては引いていく砂浜に、オレの素足の足跡を残しながら駆け回った。
「転ぶなよ」
空也は優しく微笑みながら、波打ち際でオレを見守っていた。
「うわっと」
「だからっ…」
空也が咄嗟に駆け寄り手を伸ばした時には既に遅く、二人で海に倒れ込んだ。
「やっ…うぷっ」
顔に水がかかり、恐怖感が襲いもがこうとしたところ、ひょいっと空也が助け起こしてくれた。
「心配ない。いつだってオレが守るから」
空也の胸の中に抱きしめられ、心臓のトクトクという音が聞こえ、なんだか安心した。
「…守られる程っ」
「そうだな」
弱くないよ、といつもの癖で反論しようとしたけど、正直悪い気はしなかった。
「…守らせてやってもいいよ、た、たまには」
「ああ、じゃあ守ってやってもいいぞ。光栄に思え」
顔を真っ赤にして言うオレに対して、空也はにっこりと余裕の笑みで答えた。
…気にくわない!
「…キス、させてやってもいいぞ」
「して欲しいならそう言え」
「むっ! いらねぇ! 」
「あ、そ。じゃあ戻るか」
くるっと踵を返す空也の腕を思わず掴んだ。
「何? 」
わかってるくせに! くそーっ!
「させやがれ! 」
まさかキスして、なんて言わせる気かよ。
「してみやがれ」
空也はクスクスと笑った。
やっぱり意地悪だ。
オレは空也に飛び付いてちゅっと唇に触れて、逃げる様にコテージまで走った。
テラスにたどり着くと、テーブルには料理が並べられ、ノンと珠希がいた。
「あれ? ノン海行った? 」
息を整え、席についてノンの髪が濡れていることに気付いた。
後から空也がにんまり笑いながらやってきてテーブルについた。
空也の髪も濡れていて、テラスの照明が更に艶やかに見せていた。
「みとれすぎ」
オレの視線に気付いていた空也はにやにやしてそう言った。
「違うよ! おせーんだよ、腹へったのに」
どうして思ってもないことがさっきから出てくるんだ?
バツが悪くなり、ごまかすように目の前の料理をぱくりと口にいれた。
「…んっぐぐっ」
噛んだ瞬間、涙目になって急いで水をあおった。
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