白樫学園記

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11■きらめき☆楽園バースデー SIDE:希(了)

1.まじめなふたり

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「なにしてるの?」
「珠希、おはよ」
「おはよ」
 そう言いながら珠希は僕の髪をくしゃくしゃにして笑う。
「まだ寝てたから、ちょっと宿題しようと思って」
 僕は広げていたテキストとプリントを見せた。
 ずいぶんさぼってたけど、どっさりと宿題が出てる。
 珠希はくすくす笑いだした。
「え? なに? なんで笑うの?」
「いや、ちゃんと持って来てたんだ?」
「うん」
 だって、滞在は夏休みの後半まで続くし、持ってこなきゃ追い付かない。
「なんか、やっぱり希は希だよねー」
 向かいに腰をおろしながら、珠希は目を細めて言う。誉められてるのかどうなのか、自信がなくて首をかしげていると、珠希が僕のほっぺを手のひらでひと撫でする。
「そういう希のしっかりしたとこ、好き」
 珠希が微笑む。
「そ、そう? ありがと」
 僕はなんて返せばいいのかわかんなくて、ちょっと赤くなってしまった。
「じゃ、僕も。たまにはいいね、そういうのも」
 そう言って珠希はコテージに戻ると、ノートブックを持って戻って来た。
 開いて、真剣な顔で画面と向き合ってる。かたかた音がして見てみると、珠希はキーボードも見ずになにかを打っていた。
 かっこいいな……。
「希、手が止まってるよ?」
 珠希に見とれていると、急に微笑まれて、僕はどきっとしてしまう。
「う、ん。珠希はなにしてるの?」
「ああ、レポートの課題があるからそれの構成。と、メールチェック」
「へえ」
「あ、」
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ」
 珠希は画面を見てなにか呟いたけど、僕が聞いてもきっと分からないような難しいことなんだろうな。

「うあッ、見てみろ歩。こんなとこで勉強なんかしてる奴らがいるぞ」
 後ろでおもしろがるような空也先輩の声が聞こえた。
 振り返ると、アユが固まってる。
「ノン、こんなとこまで来て勉強したくなるなんて、絶対どうかしてるよッ! 大丈夫か!」
 駆け寄ってくると、僕のプリントの上にいくつもマンゴーを積んでくれる。
「大丈夫、だけど。アユこそ。宿題やってる? いっぱいあるからやらなきゃ大変なことに」
「ま、まあ! そんなことはいいじゃん、ノン!」
 アユの顔色がおかし……さては、持って来てないんじゃ……。

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