白樫学園記

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11■きらめき☆楽園バースデー SIDE:希(了)

4.レッスン2★

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「希、バンザイして」
 そう言われて手を挙げると、着ていたTシャツが顔の前を通過して行った。
 珠希が耳や首を甘噛みする。
「ん……」
 珠希の熱い手の平が、ゆっくりと僕の肌の上を滑って行く。
 ただそれだけで、僕の息は上がってしまう。
 珠希が首筋を舐め上げる時に、めがねのフレームが顔を掠める。やっぱりどうしてめがねを外さないのか気になってしまう。
「珠希、めがね、はず…んっ」
「外さないよ」
 珠希は耳元でそう囁きながら、指先で僕の胸の尖りをそっと擦る。
「ど、うして」
「だって、せっかく希のかわいい顔がよく見えるのに」
「あ…ん、なにいって」
 珠希が言った意味を一生懸命考えたけど、珠希の舌や手の動きに思考を邪魔されてしまう。
「せっかく明るくて見えるから」
 え、明るい……?
 そう思って閉じていた目を開くと、部屋は夕日の赤に染まっていた、けど、確かに明るい。
「あ、やだ、暗くして」
 そんなの無理だって分かってても、言わずにはいられなかった。
「ごめんね、それは出来ない」
 珠希はくすくす笑いながら、僕の耳もとから離れて行く。
「あっ、んん」
 胸の突起をぺろっと舐められて、思わず声が漏れてしまう。
 珠希はまるで僕の反応を楽しんでいるみたいに、ゆるゆると舐めたかと思うと、きゅっと強く吸ったりする。
 僕は完全に翻弄されていた。
 もう声を我慢したりできない。
 珠希の口が体から離れてくれたから、僕はやっとまともに息を吸えたほどだった。
 気を抜いた瞬間、ざっと勢い良くハーフパンツと下着を引き降ろされた。
「可愛い、希」
 珠希は、微笑んでそう言った。
 み、見てる! めがねかけて!
 僕は焦って身をよじって横を向くと、なんとかすでに芯を持ってしまっている僕の中心が珠希の死角になるよう、無駄な努力をした。
「見せて、希」
 その珠希の言葉は柔らかいけど、僕の両手首をすでに掴んでる。珠希は優しい顔で微笑む。
 いつだって僕はそれにかなわない。少し力を込められただけで、僕はあっさりと体を仰向けに戻した。
「いい子」
「珠希、恥ずかしいよ」
 あまりにも恥ずかしすぎて、顔が火照って目が潤んでくる。
「もうすぐ、日が沈むよ……それまでの辛抱」
 珠希は僕を見て微笑む。
「やだ…珠希も、脱いで。おねがい」
「そんな顔して言われたら、断れない」
 僕は一体自分がどんな顔してるのかなんて、想像したくもないけど。珠希は嬉しそうに笑いながら、着ていたノースリーブを脱ぎ捨てた。
 毎日ビーチでさんざん見てるっていうのに、こういう状況だとそれがぜんぜん違うように見えて。
 逞しい胸や肩に触れたくて、僕は手をのばしていた。
 珠希は驚いたようにびくっとしたけど、僕はその固い筋肉や骨をなぞるように指を滑らした。
「あっ、ん」
 それでも、珠希が少し僕の中心に触れただけで余裕がなくなって、僕はぱたんと手を下ろした。
 珠希がベッドの下の方に座って、僕の足首を掴んだ。
 えっ? なに?
 そう思った瞬間、少し力を込められて、足を立てて折り曲げられた。
「あ、珠希なに、するの?」
「大丈夫、気持ちいいから」
 そんなふうに言われても珠希の顔も見えないし不安で、僕は太腿をくっつけて無駄な抵抗をした。
 珠希は気にしてない様子で、僕の足首からふくらはぎを舐め上げる。
「…はっ、あん」
 そしてふくらはぎから膝も。くすぐったいような、気持ちいいような、ぞくぞくする感覚が突き上げる。
「んっ、」
 僕がその感覚に耐えようと必死で歯を食いしばっていると、そっと温かな腕で膝を割られた。
 気持ちよくてぼうっとしていたせいで、膝に力を入れるのを忘れてた。
 珠希は僕の内腿を舐める。
「気持ちいい?」
 僕の脚の間から、上目遣いで珠希が聞いてくる。
「…ん、はあぁんっ」
 いつの間にか部屋が少し薄暗くなっていて、少し安心したのもつかの間。
 珠希は腿から移動した舌で僕の堅くなったところをぺろっと舐めた。
「た、まき、やだだめ…んっ、ふぁ」
 僕の意義は聞き入れてもらえなくって、珠希は僕の中心を片手で触りながらぺろぺろとゆっくり舐め上げる。
「んっ、あ、は」
 頭が真っ白になりそうなぐらい気持ちよくて、すぐに出しちゃいそうで僕は早く珠希にそれを止めて欲しかった。それなのに、口からはまともな言葉を発することができないし、珠希を押し退けるような力も出ない。

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