白樫学園記

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11■きらめき☆楽園バースデー SIDE:希(了)

6.到着

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 次の朝、早起きした僕は珠希と一緒に砂浜を散歩した。
 朝日で海面が煌めいている。
 僕は珠希の腕に巻き付くようにして歩く。
 昨日の夜みたいな、ああいうのももちろん好きだけど。
 こういうふうに、ただじゃれつくのも大好き。
「楽しい?」
「うんっ。珠希は?」
「僕も楽しい」
 珠希はそう言いながが背を屈める。僕は、少しだけ背伸びして、唇を重ねた。
 いつのまにか、こういうことが自然に身についた。

「あ、見て」
 珠希が僕を後ろから抱き締めて、海の方を指差した。
「あ、あれきっと順平たちだねっ。迎えに行っていい?」
 僕が見上げると、珠希は微笑んだ。
 コテージがあるのとは反対側のビーチの隅が、船着き場になっている。ちょっと遠いけど、散歩するにはいい距離だ。
 小さく見えていたクルーザーがどんどん近くなって、珠希と僕が着いた頃には、みんなが船から降りるところだった。
「おはよー、希」
「おはようございます、久慈先輩」
「おはよっ」
 みんなそれぞれに挨拶する。
僕はみんなが荷物を下ろすのを少し手伝った。
「いいよ、ミノのは俺が持つから」
「大丈夫だよ? ほんとに」
「でも、まだつらいだろ?」
 順平が実を労ってるのに気がついた。どうしたんだろう? 実具合でも悪いのかな。
 でも、順平の隣に立っている含み笑いのシュウと目が合った。
 シュウは思わせぶりに、僕に向かって目で合図を送って来るんだけど……。
 ん? 意味がわかんないぞ?
「じゃあ、とりあえずはビーチハウスに荷物置きに行こうか。後で車で本邸に運べばいいよ」
「はーい」
 珠希が告げると、みんなが一斉に返事をして、なんだか先生みたいでおかしかった。
 僕は、みんなが歩きだすと、珠希を少し引っ張ってシュウのそばに行った。
「わかった?」
 シュウがにやにや笑いで言う。
「ええ? なにが?」
「ああ、そっか、希にはまだわかんないのかな。先輩には分かりますよね? あのふたり」
 シュウがそう言うと、珠希は順平と実をちらっと見て、目を細めた。
「めでたいね」
「なにが? ねえねえ」
 僕が珠希にそう聞いても、珠希はにっこり笑うだけ。
 んー?
 でも、順平が実の荷物を持ってあげて、ふたりが手を繋いでる。


---------
順平と実のことをもっと知りたい方は、番外編『ただ君おもう』を読んでください。

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