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11■きらめき☆楽園バースデー SIDE:希(了)
8.よけいなこと?
しおりを挟むすぐにリンくんと竜くんも来た。
ふたりのそばに男の子がいて、竜くんの弟の小虎くんだと分かった。
ばさばさのまつげにぷっくりした唇で、ほんとに女の子みたいにかわいい。
リンくんと竜くんはすぐに消えたみたいにどこかに行っちゃうことが多くて、小虎くんは初めぽつんとひとりで砂浜に座っていたけど、だんだんみんなと馴染んで、一緒に海で遊んだ。
アユが待ち望んでいたバーベキューが実現した。
とはいっても、僕らが知ってる家族でやったようなアウトドア焼肉っていうようなものじゃなくって。とにかく、お肉だってもうすっごいステーキみたいで。
みんなあたりまえって顔してたけど、アユと僕はもう興奮状態だった。
「ぎゃー、うまいー。肉、うますぎ! 口の中でとろけるってのは、こういうのを言うのか!」
アユの言葉に僕はうんうん頷いた。
「希、なに飲む?」
「え? みんな何飲んでるの?」
「なんでもあるよ。僕はワイン」
「んー、じゃあ、珠希と一緒の」
珠希は微笑んで僕のグラスを満たしてくれる。
ふと視線を感じて見ると、向かいに座っているシュウがじっとこっちを見ていた。
「どうしたの? シュウ」
「いいなあって思って見てただけ」
「へ?」
「だって! 俺だけ独り身じゃんっ」
シュウは嘆くように言う。
「え…でも、シュウ帰ればたくさん、いるんでしょ?」
「ああ…まあ、そうだけどっ、今ここにいないしッ、くうー俺だけ独り寝だよ」
珠希が隣でくすくす笑う。
「じゃあ、僕が一緒に寝てあげようか?」
ふいにシュウの隣に座っていた春日さんが言った。
「いいッ!?」
「僕もフリーだし。いいよ? 舟木くんかわいいから」
そう言いながら春日さんは、シュウの髪の毛に片手を差し込む。
「や、いいっす。大丈夫っす。てか春日先輩ってタチでしょう? 俺もそうですから」
「そう? いや、反対も経験した方がいいかも」
春日さんは微笑んだまま、うろたえるシュウとは対照的で余裕だ。
あんまりすごい話すぎて、僕はごくごくワインを飲んで気を沈めようとした。
「シュウくん、優哉はやめた方がいいよ」
珠希が笑いながらそう言ったから、僕は不思議に思って見上げた。春日さんって優しくていい人だし。なんでそんなこと言うんだろう?
「珠希、よけいなこと教えなくていいよ」
「わかってる」
よけいなことって、なんだろう?
そう思ったけど、もちろん僕に分かるわけないよね。でも、春日さんはシュウに優しく微笑んでなにか話し掛けていて。シュウも初めは困ってるみたいだったけど、話が弾んで楽しそうに見える。
僕はテーブルを見回した。
みいーんな楽しそう。よかった。
あれ? なんか今日疲れてるし、さっき一気にワイン飲んだから、回ってる。
眠いな。でも、まだちょっと明るいし、寝るって言うのも恥ずかしいし、まだみんなといろんな話したいし。
とか思いながらも、僕はうとうとしていた。
次に目が覚めたのは、バシャンッと響いた大きな水音で。びくっとして目を開くと、僕は珠希の肩に頭を預けていた。
「起きた?」
「ん、ごめん寝ちゃった」
「希、部屋で寝よ」
「でも、まだみんな起きてる」
「いいよ、明日だってあるんだし。ね?」
「うん」
僕は一応珠希と会話を交わしていたけど、ぼーっとしてとにかく眠くてしょうがなかった。だから、みんなにおやすみを言って、部屋に行くことにした。
よく見ると、空也先輩の膝の上で眠っているアユが見えた。
なんか僕ら、子供みたいだな。
「じゃあね、おやすみ」
珠希は僕の手を引いてベッドに連れて行くと、ちゃんとタオルケットを掛けておやすみのキスをしてくれる。
「いま、何時?」
「9時」
時計を見て珠希も思わず笑う。僕も。
「珠希、いいよみんなのとこ戻って」
「うん、戻るよ。希が眠ったら」
珠希はそう言いながら僕の髪を撫でてくれる。
僕はその心地よさに目を閉じて、またすぐに眠りに落ちた。
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