白樫学園記

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13■艶めく初秋☆夕焼けロマネスク SIDE:希(了)

17.ロマンチック

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「僕、だって、珠希にしか反応しないもん」
 必死にそう言い切った僕の顔を覗き込むと、珠希はくすくす笑う。笑われるとよけいに恥ずかしい。
「もう、笑わなくっても。じゃあ、じゃあさっ。珠希は僕の体が、見たいの?」
「見たいよそりゃあ、今すぐにでも見たい」
 そう言って珠希はいたずらっ子みたいにニっと笑う。
 恥ずかしいことをさらっと言われてもっと赤くなりそうになったのもつかの間。

「うわあっひゃははっ」
 僕は身悶えしながら、笑いだした。
 珠希が突然僕の脇腹をくすぐりだした。
 苦しくて息ができないほど笑う。
 僕はなんとか珠希の手から逃れて、お返しに珠希の脇腹もくすぐる。
 見たことないような珠希の爆笑。

 夕陽に染まったとってもロマンチックな薔薇園で、僕らは笑い声を高らかに響かせていた。
 到底ロマンチックだなんて言えないことをしていたけど。
 それでももちろんめいっぱい幸せ。

「はあ、はああ、もう息苦しい」
「ああ、もう降参」
「たま、きが辞めてくれるんなら、僕も辞める」
「よし、辞めよう」
ひとしきりくすぐり合いをした後、ついにお互い力尽きて座り込んだ。

「はあ、なにやってんだろ、僕ら」
 呆れたようにそう言うと、珠希はくすくす笑いだす。
「僕が始めたんだけど」
 そう一人呟く珠希が面白くって、僕も一緒になって笑った。

「ね、希」
「ん?」
「なるべくは、僕が守るよ。でも、気をつけてね」
「え?」
 笑いが修まると、珠希は僕の手をぎゅっと握って、真剣な顔でそう言った。
「希、かわいいから心配なんだ。ほんとはずっとくっついてSPしてたいくらい」
「えええ? それは心配しすぎだよ」
「ううん、それくらい用心してていいの。ね? 僕の為だと思って」
 正直、なににどういうふうに気をつければいいのか分からないけど、でも、珠希の為、なんて言われたら断る理由なんてない。
「わかった」
「知らない奴とかに、いくらいい奴そうでも、ついて行っちゃだめだからね?」
「わかった。大丈夫だよ。僕子供じゃないんだから」
「うん、わかってる」
 珠希はそう言ってもう一度僕をぎゅっと抱きしめた。
「さ、ごはん食べに行こうか」
「うん」


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