白樫学園記

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14■艶めく初秋☆夕焼けロマネスク SIDE:歩(了)

9.七不思議伝説

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 オレとマコ兄は学園長室に移動して、一緒におやつを食べることにした。

「あんまり変わらないなぁ、あゆ。ノンも? 」
「うん、ノンもオレと同じだよ。体型」
「へぇ、ノンは珠希と付き合ってんだよな」
「うん、そだよ」
「あゆはあの空也かー」
「あの、って何。マコ兄、空也と知り合いだったんだ」
「まぁね。おお、相変わらずいい食いっぷりだね」
 それにしても、この学園来てからやたらうまいもんばっかり食ってんよなー、オレ。なんで身長伸びねーの。
 マコ兄はにこにこしながらオレの頭を撫でた。
「あ! そうだ、マコ兄、学園長なら学園の七不思議とか知ってる? 」
「七不思議…ふぅん、あの怖がりのあゆが、怪談聞きたいって? 」
「べ、別に聞きたいっていうか、オレ学級委員なっちゃってさ、空也と珠希と仲いいんだから調べてって言われちゃって…」
「なるほど。そうだなぁ…でも、あゆ。知ってる? 七不思議って全部知ると何かが起こるらしいよ」
 マコ兄がカップを手にとって、ふふっと笑う。
「う…まじで? 何が起こるんだろ」
「神隠しに合うとか言われてるけどね。まぁ、あくまでも迷信だけど」
 ひぃぃぃ。
「相変わらず表情がころころかわっておもしろいなぁ。まぁ2,3個でも調べていけばいいんじゃない? 」
「う、うん…あんまり気が進まないけど」
「そっか。そうだなぁ…この学園、結構古いから色々あるんだ。夜になるとね、校舎で着物を着た女の子が遊び相手を探してるとか…」
「あーあー!! もういい、分かった、着物の女の子ね、オッケ、ひとつ聞いた! 」
 オレが耳を塞いで首をぶるぶる振ると、マコ兄が優しく笑った。
「相変わらず怖がりさんだなぁ」
「違うよ、別に怖がりじゃないもん」
「じゃあ詳しく説明しようか」
 マコ兄は意地悪な笑みを浮かべて、続きを離そうとするので、オレはそれをさえぎった。
「いや、いい、十分! これでひとつね、あと空也と珠希に聞いてみっつで、もうそれでいいから」
「そっか。あゆ、あんまりおやつ食べ過ぎると夕飯入らなくなるぞ」
「平気。別腹だもん」
「はは。ほんっと変わってないなーあゆは。…でも、ちょっと」
 テーブルの上にあるマドレーヌをばくばくと食べてると、ふとマコ兄がオレの顔を覗きこんだ。
「ん? 」
「いーや、なんでもないよ。またいつでもおいでよ、ノンも連れて」
「うん、ノンも喜ぶよ」

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