あなたとの距離 —— はじまりはゼロ

影燈

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最初がゼロだと、あとはプラスしかない

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あなたとの距離 —— はじまりはゼロ
内容紹介
「期待しなければ、傷つくこともない」

IT企業でプログラマーとして働く沢渡真琴(28歳)は、何度目かの失恋を経て、人間関係に期待を持たない「期待値ゼロ」の生き方を選んでいた。デスクに貼られた付箋の言葉それは、彼の人生の指針となっていた。

ところが、新入社員の星野琴音との出会いが、その価値観を少しずつ揺るがしていく。期待することを怖れる男と、誰かを信じることに躊躇する女。似ているようで違う二人の心の距離は、どこへ向かうのか。

「最初がゼロだと、あとはプラスしかない」という言葉に導かれるように、二人は少しずつ歩み寄っていく。これは、現代を生きる私たちの、新しい愛の形を描いた物語。

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第一章
澄んだ秋の空が、
渋谷の雑踏を見下ろしていた。

「今日で終わりにしましょう」

カフェの窓際の席で、
向かい合って座っていた彼女は、
そう言って紅茶のカップを置いた。
声に感情はなかった。
ただ事実を述べるように。

「理由は...」

「必要ないでしょう」

沢渡真琴は、
ため息をつくこともなく頷いた。
これで7度目の失恋。
もう慣れていた。
最初から期待していなかった。

28歳。
IT企業でプログラマーとして働いている。
容姿は悪くないと言われるが、
これまでの恋愛は全て半年以内に終わっていた。
周りからは「真面目すぎる」とよく言われる。

「お互い、良い思い出にしましょう」

最後にそう告げて、
彼女は立ち去った。

真琴は窓の外を見つめながら、
冷めかけた珈琲を一口飲んだ。
苦いとも甘いとも感じなかった。
温度を失った液体が喉を通り過ぎていく。

本当は、
こんな風に簡単に終わってしまう関係ばかりに、
どこかで疲れていた。
でも期待しないことが、
彼の作り上げた防衛本能だった。

携帯が震えた。
職場の後輩、
篠原みなみからのメッセージ。

『先輩、今週末の飲み会、来ますよね?』

返信する気は起きなかったが、
これも仕事の一部だと割り切って、
シンプルに『はい』と送信した。

デスクの上には、
いつも『期待値ゼロ』と書かれたポストイットが貼ってある。
それは人間関係全般に対する彼の姿勢。
期待しなければ、
失望もない。
傷つくこともない。

だが、
その考え方が、
これから大きく揺さぶられることになるとは、
想像もつかなかった。



第二章
週末の飲み会。
新宿の居酒屋の個室。
篠原みなみが幹事を務め、
若手メンバーが15人ほど集まっていた。
真琴は時間通りに到着し、
賑わいはじめている個室に入った。
見知った顔の中に、
一人の見覚えのない女性。
篠原の隣に座っていた。
「あ、沢渡先輩!
こちらが今日から配属された星野さんです」
星野琴音。
凛とした佇まいの中に、
柔らかな雰囲気を持つ女性だった。
「はじめまして」
真琴は軽く会釈をして、
適当な空席に座った。
新入社員との関わりは、
最小限に抑えるのが得策。
そう学んできた。
しかし、
その晩は違った。
星野琴音は24歳。
新卒ではない。
前職は出版社の編集者だという。
「以前は本を作る仕事をしていました」
その目は遠くを見ているようで、
何か物語を隠しているように見えた。
真琴は自分でも不思議なほど、
その瞳に引き込まれていた。
普段なら最小限の相槌で済ませる会話に、
真剣に耳を傾けている。
「プログラミングを始めたきっかけは?」
自分から質問をしている自分に驚く。
星野は少し考え込んで、
静かな声で答えた。
「本を作るのが夢だったんです。
でも今は電子書籍の時代。
プログラミングを知らないで、
本づくりを語れるのかって思って」
一息置いて、
彼女は続けた。
「独学で始めたコードが、
気づいたら物語を紡ぐことと同じくらい、
好きになっていました」
その言葉に、
真琴は懐かしさを覚えた。
初めてプログラミングに出会った日の、
あの高鳴りを。
「それ、わかります」
素直な言葉が、
自然と口をついて出た。
星野は少し驚いたような、
でも嬉しそうな表情を見せた。
「沢渡さんは、どうしてプログラマーに?」
「高校生の頃、
偶然見つけた本がきっかけで。
『コードの向こうに見える世界』という、
今は絶版になった本です」
「あっ!」
星野の声に、
周囲の視線が集まる。
「私、その本の編集部にいました。
でも、重版の話が出たとき...」
言葉が途切れた。
何か言いづらそうな表情。
その理由は、
なんとなく分かった。
電子書籍化の波。
出版業界の変化。
そこにある彼女の葛藤。
「星野さんが来てくれて、良かった」
思わず口にした言葉に、
自分で驚く。
これは社交辞令ではない。
本当にそう思っていた。
星野は目を見開いて、
それから柔らかく微笑んだ。
「ありがとうございます。
私も、ここに来れて良かったです」
帰り道。
真琴は久しぶりに、
夜空を見上げていた。
いつもは早々に切り上げる飲み会を、
最後まで残っていた自分がいた。
デスクの『期待値ゼロ』が、
少しだけ心に引っかかる。
スマートフォンに通知が入る。
篠原からのメッセージ。
『先輩、星野さんのこと、よろしくお願いします!
彼女、実は結構大変なことがあって...』
真琴は続きを開かなかった。
知りたくない。
知るべきではない。
でも、
確かに何かが動き始めていた。
期待値ゼロのはずが、
少しずつプラスに傾いていく。
まるで、
春を待つ土の中の種のように。
静かに、
でも確実に。


第三章
月曜日の朝。
真琴は自分の変化に気づいていた。
いつもより15分早く出社している。
オフィスはまだ静かで、
パソコンの起動音だけが響く。
そこに、
誰かが入ってきた。
星野だった。
真琴と同じく早めの出社らしい。
「おはようございます」
小さな声で挨拶をして、
彼女は隣の席に座った。
システム開発部の新人は、
たまたま真琴の隣になっていた。
「おはようございます」
普段なら目も合わせない挨拶。
でも今日は少し違った。
「早いですね」
思わず声をかけていた。
「はい。
環境構築を進めておこうと思って」
彼女の画面には、
開発環境のセットアップ画面。
真新しいパソコンの設定に、
少し戸惑っている様子。
「ここ、少し分かりにくいんです」
星野が指さす箇所は、
確かに説明が不親切だった。
新人が混乱するのも無理はない。
「あ、それなら...」
気づけば、
真琴は立ち上がって、
彼女の画面を覗き込んでいた。
香りがした。
柑橘系の、
でも主張しすぎない香り。
思わず息を呑む。
「沢渡さん?」
「あ、はい。
ここなんですが...」
慌てて画面に意識を戻す。
エラーメッセージの意味を説明し、
対処方法を示す。
星野は真剣な眼差しで、
一つ一つメモを取っていた。
時折頷きながら、
的確な質問を投げかけてくる。
プログラミング未経験とは思えない。
独学でここまで。
その姿勢に感心する。
「ありがとうございます。
助かりました」
彼女の笑顔に、
真琴は急に落ち着かなくなった。
「い、いえ」
そそくさと自分の席に戻る。
なぜか心臓の鼓動が早い。
その日の午後。
篠原が真琴の机に近づいてきた。
「先輩、メッセージ見ました?」
星野のことについて。
まだ開いていないメッセージのこと。
「あ、ごめん。
忙しくて」
嘘をついた。
見たくなかっただけなのに。
「そうですか...
実は星野さん、
前の会社で色々あって」
「篠原さん」
真琴は珍しく、
後輩の言葉を遮った。
「それは、
本人が話したいときに、
話せばいいことじゃないかな」
篠原は少し驚いた表情をしたが、
すぐに柔らかな笑みを浮かべた。
「先輩、優しいんですね」
「違う。
ただの無関心だよ」
そう言い切ったが、
自分でも嘘だと分かっていた。
机に貼った付箋の文字が、
どこか他人事に思えてきている。
夕方になって、
星野が真琴の元にやってきた。
「すみません。
もう一つ質問してもいいですか?」
真琴は無言で頷いた。
彼女が画面を見せながら、
問題を説明する。
的確な説明。
必要な情報が過不足なく並ぶ。
さすが元編集者。
情報の整理が上手い。
「なるほど。
これは...」
説明している間、
彼女の肩が真琴の腕に触れた。
温かみが伝わる。
言葉が途切れそうになる。
「先輩、大丈夫ですか?」
篠原の声で我に返った。
いつの間にか彼女が、
二人の横に立っていた。
「星野さん、
ちょっといいですか?」
篠原は星野を連れて行こうとする。
その表情に、
どこか切迫したものを感じた。
「あ、はい...」
戸惑いながらも、
星野は篠原について行く。
その背中が、
なぜか心配で仕方なかった。
真琴は、
もう自分には戻れないと悟っていた。
期待値ゼロの位置には。
どこかで、
確実に変わり始めている。
ゼロから、
少しずつ、
でも着実に。


第四章
金曜日の昼下がり。
真琴の携帯が震えた。

『お昼、
もしよろしければ』

星野からのメッセージ。
開発環境の質問かと思ったが、
続きを読んで息を呑む。

『実は、
お話ししたいことが』

真琴は返信に迷った。
これは境界線を超えることになる。
でも。

『分かりました。
12時半でよろしいですか』

送信してから、
自分の答えの早さに驚く。

会社の近くのカフェ。
窓際の席に星野が座っていた。
先週の失恋の場所と同じ店。
不思議な巡り合わせだ。

「お待たせしました」

星野は軽く首を振る。

「私も今来たところです。
今日は、
突然すみません」

緊張した様子。
いつもの凛とした佇まいが、
少しだけ崩れている。

「篠原さんから、
聞いているかもしれません」

真琴は黙って首を振った。

「私、
前の会社で...」

星野は言葉を選ぶように、
少し間を置いた。

「上司から、
かなりしつこくストーカーされて」

真琴の中で何かが凍る。

「警察も入って、
会社も動いてくれたんですが、
私、
もうその場所にはいられなくて」

震える指で、
カップを握りしめる。

「だから、
この業界に転職して。
でも、
この前その人を見かけて...」

真琴は初めて、
自分から相手の目を見つめた。

「怖かったんですね」

その言葉に、
星野の目から涙が零れた。

「変に聞こえるかもしれませんが」

真琴は静かに続けた。

「僕は、
期待値ゼロで生きてきました。
誰かを信じることも、
期待することも、
恐れていた」

星野が顔を上げる。

「でも星野さんは、
怖いのを知りながら、
前に進もうとしている。
それは、
とても勇気のいることだと思います」

「沢渡さん...」

「だから」

真琴は自分の携帯を取り出した。

「これからは、
何かあったらすぐに連絡してください。
些細なことでも」

星野は驚いたように目を見開いた。

「でも、
ご迷惑では...」

「迷惑なのは、
あなたが一人で抱え込むことです」

真琴は自分の言葉に、
自分で驚いていた。
こんな風に、
誰かのことを思ったのは初めて。

星野は長い沈黙の後、
小さく頷いた。

「ありがとうございます」

その言葉に、
真琴の心が震えた。

デスクに戻ると、
例の付箋が目に入る。
ゆっくりと手を伸ばし、
剥がした。

期待値ゼロは、
もう必要ない。
きっと。


## 第五章

その日から、
真琴の生活が少しずつ変わっていった。

毎朝、
星野と同じ時間に出社する。
コーヒーを入れながら、
他愛もない会話を交わす。

「今日は雨みたいですね」

「傘、持ってきました?」

「はい。でも...」

「でも?」

「折りたたみ傘が壊れかけてて」

「なら、
必要なときは言ってください。
予備の傘を持ってますから」

そんな他愛もない会話が、
不思議と心地よかった。

昼休みも、
自然と一緒に過ごすようになっていた。

「このカフェの
パスタ、美味しいんです」

星野のお気に入りの店で、
二人で向かい合って座る。
最初の失恋の場所が、
今は懐かしい思い出に変わっていた。

「沢渡さんは、
休日は何をしているんですか?」

「本を読んだり、
コードを書いたり」

「やっぱり」

星野が笑う。
その笑顔に、
胸が締め付けられる。

「星野さんは?」

「私も本が多いかな。
でも最近は、
電子書籍の開発の勉強もしてます」

「一緒にやりませんか」

言葉が、
自然と口をついて出た。

「本当ですか?」

「ええ。
週末、
時間があれば」

星野の目が輝いた。

土曜日。
二人で図書館に集まり、
開発の勉強会が始まった。

「ここの実装が、
少し難しくて」

星野のパソコンを覗き込む。
肩が触れる。
心臓の鼓動が早くなる。

「あ、ここは...」

説明する声が、
少し震えている。
星野も、
何かを感じているのだろうか。

夕方になって、
空が赤く染まり始めた。

「今日は、
ありがとうございました」

「こちらこそ」

別れ際、
二人とも何か言いたげだった。
でも、
まだ何も言えない。

その夜。
真琴は久しぶりに、
日記を書いていた。

『今日は図書館で、
星野さんと勉強会をした。
彼女の上達は早い。
そして、
僕の心も、
どんどん溶けていく』

携帯が光る。
星野からのメッセージ。

『今日は本当にありがとうございました。
また機会があれば...』

返信を考えながら、
真琴は気づいていた。
自分の心が、
確実に誰かで満たされていくのを。

怖くはない。
むしろ、
心地よかった。

ゼロから始まって、
確実にプラスになっていく。
この感覚が、
今の自分には必要なものだと、
真琴は初めて理解していた。



## 第六章

月曜の朝。
いつものように早めの出社。
でも、
星野の姿がなかった。

メッセージを確認する。
既読すらついていない。

不安が胸をよぎる。
そして、
あの話を思い出す。

ストーカー。
前の上司。

篠原が慌てて駆け込んできた。

「先輩!
星野さんが...!」

真琴は立ち上がり、
鞄を掴んだ。

「場所は?」

「駅前の本屋です。
昨日、あの人を見かけたって...」

星野からの未読メッセージ。
昨日の深夜0時18分。

『ごめんなさい。
私、怖くて』

真琴は走り出していた。
エレベーターを待たず、
階段を駆け下りる。

本屋に着くと、
星野が蹲っていた。
店の隅。
誰もいない棚の間。

「星野さん」

顔を上げた彼女は、
泣いていた。

「沢渡さん...
どうして」

「心配だから」

真琴は迷わず答えた。

「でも、
私なんかのために」

「違います」

真琴は静かに、
でもはっきりと言った。

「僕は、
星野さんに期待しているんです」

星野の目が広がる。

「ずっと期待値ゼロで、
誰も信じないようにして、
生きてきました。
でも」

真琴は星野の手を取った。

「星野さんと出会って、
分かったんです。
期待することを恐れていたのは、
自分自身だったんだって」

星野の指が、
真琴の手の中で震えていた。

「私も、
怖かったんです。
誰かを信じることが」

涙の向こうで、
彼女は微笑んでいた。

「でも、
沢渡さんとなら」

そこまで言って、
彼女は立ち上がった。
真琴の手を握ったまま。

「私も、
期待していいですか?」

真琴は頷いた。

ゼロからのスタート。
でも二人なら、
きっとプラスになっていく。

それは、
確信に変わっていた。

## 終章

あの日から、
一年が経った。

真琴のデスクには、
新しい付箋が貼ってある。

『最初がゼロでも、
二人ならプラスになる』

星野の字だ。

「おはよう」

後ろから声がする。
いつの間にか、
敬語が消えていた。

「おはよう」

「今日は約束の日ね」

そう。
二人で作っていた
電子書籍開発プロジェクト。
今日がローンチの日だった。

「緊張する?」

「うん。でも」

星野は真琴の手を握った。

「あなたとなら、大丈夫」

期待すること。
誰かを信じること。
それは時に怖いことかもしれない。

でも、
ゼロから始められるなら。
誰かと一緒なら。

きっと、
プラスになっていく。

「行こうか」

「うん」

手を繋いだまま、
二人は新しい一歩を踏み出した。
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