最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.

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第二章:「隠された力」

第15話:禁呪の再生

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 封印が解かれた瞬間、空気が一変した。
 神殿の中を光の奔流が駆け抜け、床の紋章が浮かび上がる。
 それはまるで、長い眠りから目覚めた“何か”が息を吹き返すかのようだった。

「……すげぇ圧だ……!」
 リアが剣を構え、後退する。
 魔力が暴風のように吹き荒れ、木々が軋んだ。

「これが《リビルド・アーク》――古代の禁呪です」
 セリナが静かに言う。
 光に照らされた彼女の表情は冷静だが、その瞳には明確な緊張が宿っていた。

「本来、この術は“滅びたものを強制的に再構築する”魔法。
 けれど、理を越えた再生は、時に“歪み”を生む……」

 その言葉の通り、封印の奥から黒い霧が漏れ出した。
 霧は床に触れるたび、石を腐らせ、形を変えていく。
 それは“再生の影”――本来の在り方を失った再構築の残滓だった。

「暴走してる……ッ!」
 リアが叫ぶ。
 黒い靄は次々と形を持ち始め、獣のような影を作り出す。

「……俺が抑える!」
 蓮が前に出る。
 両手を突き出し、《リサイクル》を発動した。

《対象:禁呪の残滓》
《再構築――安定化処理開始》

 だが、黒い影は暴れ、力の奔流が蓮の腕を焼いた。
「ぐっ……!」
「蓮!」
「触れるな、リア! ――これは、俺の力で止める!」

 《リサイクル》の紋章が激しく輝き、黒い影と光がぶつかり合う。
 その瞬間、脳裏に無数の映像が流れ込んだ。

 ――古代の街。
 ――崩れ落ちる塔。
 ――人々が「再生」を叫びながら、光に飲み込まれていく。

 それは、この禁呪がかつて引き起こした“最初の崩壊”の記憶だった。



「……そうか。
 この魔法は、“失われたものを取り戻そうとして世界を壊した”んだな」
 蓮の呟きに、セリナが目を見開く。
「その通り。あなたは――見たのですね」
「ああ。だからこそ、俺が直す」

 蓮は両手を合わせ、意識を集中させた。
 暴走する魔力を一つひとつ分解し、整える。
 再生の力を、“正しい形”へ導く。

《リサイクル改式――共鳴モード》
《対象:古代禁呪構造》
《解析・修正・安定化》

 光が変質し、黒い霧が白へと変わる。
 暴走の力は静まり、神殿を包む光は穏やかな波となった。

 セリナが息を呑む。
「……禁呪を、“修復”した……?」
「そうみたいだ。多分、この魔法は壊れてたんだ。
 だから、《リサイクル》で元の構造に戻してやれば、暴走は止まる」

 静寂が戻る。
 神殿の中央には、再構成された魔導書が浮かび上がっていた。
 その表紙に、淡い光で新たな文様が刻まれていく。

 セリナがその文字を読み取る。
「“真なる再生は、破壊を越えて始まる”……
 これが……《リビルド・アーク》の本来の姿……」



 リアが駆け寄る。
「蓮、平気か!?」
「……ああ。少し焦げただけだ」
 笑う蓮の手はまだ煙を上げていた。
 リアはその手を取り、真剣な目で見つめる。
「無茶すんな。あんたまで壊れたら、誰が直すんだよ」
「……そうだな。俺の担当は“直す方”だ」

 二人のやりとりを見ながら、セリナは小さく笑った。
「本当に……あなたという人は、理を越えている」
「それ、褒めてる?」
「半分は呆れ、半分は敬意です」

 セリナは再生した魔導書を差し出す。
「これは、あなたのスキルと共鳴しています。
 持っていきなさい。いずれ、この書が“次の扉”を開くでしょう」

 蓮は静かに受け取った。
「……ありがとう」



 森の外に出る頃には、夕陽が差し込んでいた。
 風が木々を揺らし、精霊たちが道を照らす。

「セリナって、変わったやつだな」
「賢者ってのは、どこかズレてるもんだろ」
「でも、いい人だ。私、嫌いじゃない」
「俺もだ」

 蓮は手の中の魔導書を見つめた。
 その表紙に浮かぶ紋章は、まるで鼓動するように光を放っていた。
 再生の力は、また新しい段階へと進み始めている。
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