最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.

文字の大きさ
25 / 100
第二章:「隠された力」

第25話:噂の勇者

しおりを挟む
 ――再生都市メルディナ。

 砂塵の大地に眠っていた灰の街は、いまや光と緑の息吹を取り戻していた。
 人々はその変貌を“奇跡”と呼び、旅人たちは口々にこう語る。

 曰く――「廃墟を蘇らせた青年がいる」。
 曰く――「神の加護を持たぬ者が、世界を再生している」。
 曰く――「その名は、“再生者レン”」。

 噂は風に乗り、国境を越え、王都アルゼリアへと届く。



 王宮謁見の間。
 白金の鎧を纏った男――勇者・神崎悠真は、冷ややかな目で報告書を読み上げた。

「……“再生者レン”。
 馬鹿げてる。そんな力、神の許しなくしてあり得ない」

 傍らの聖女・玲奈が小さく息をのむ。
「でも……報告では、本当に街が甦ったって……」
「幻術か、禁忌の魔導だ。
 “神の奇跡”は俺たち勇者にしか与えられていない」

 玉座の上から王が重々しく口を開いた。
「勇者・神崎悠真よ。」
 その声には威厳と冷たさが同居していた。
「もしその“再生者”とやらが神の理に背く存在であるなら、
 この王国に災いをもたらす。――討て」

 悠真は膝をつき、淡々と答えた。
「御意に。神の名において、異端を粛清いたします」

 その瞳には、かつて蓮に向けた軽蔑とは違う、
 どこか空虚な影が宿っていた。



 一方その頃。

 メルディナの中央塔では、蓮が街の修復計画を練っていた。
「北区の防壁は、旧式魔導炉のラインを流用すれば維持できる。
 ただ、再生核の供給が不安定だから――」

「そこはあたしがやるよ!」
 リアが元気よく手を挙げた。
「前に壊した魔獣のコア、まだ使えるでしょ? あれリサイクルして繋げちゃおう」
「おい、それ壊したのお前だろ……」
「“壊した者が責任を取る”ってことで!」

 セリナが苦笑を浮かべる。
「いいじゃない。循環の理には合っているわ」
 ノアが光の粒を揺らしながら頷く。
「あなたたちのやり方、好きよ。
 壊すことも再生の一部――それが世界の形なの」

 蓮は図面を畳み、塔の窓から外を眺めた。
 遠くには、旅商人たちの列が見える。
 かつて誰も寄りつかなかった廃都に、いまは人が戻り始めていた。

「……ほんとに、少しずつ動き出してるな」



 夕暮れ時。
 広場では旅人たちが焚き火を囲みながら噂を語っていた。

「聞いたか? “再生者レン”ってやつ。
 捨てられた武器を直して、魔王軍の攻撃を跳ね返したらしい」
「しかも、仲間は獣人とエルフと精霊の娘だってさ」
「異種族と共に暮らす街なんて、前代未聞だよ」
「でもよ、女神教会が黙ってねぇだろ……異端認定されるぞ」

 噂は炎のように広がり、夜の風がそれを運んでいく。

 その中心で、蓮は焚き火を見つめながら小さく笑った。
「“再生者レン”か。勝手に呼ばれてるな」
「いいじゃない」リアが肩を叩く。
「捨てられた奴が“再生者”って呼ばれるなんて、皮肉で最高だよ」
「そういう皮肉、嫌いじゃない」

 セリナが穏やかに言葉を添える。
「でも気をつけて。噂は力を持つわ。
 希望を与える一方で、恐れも生む」

「……だろうな」
 蓮は立ち上がり、東の空を見つめた。
 王都の方角。そこには、かつてのクラスメイト――勇者神崎悠真がいる。



 同じ夜。
 王都の聖堂にて、神官が密やかに報告していた。

「“再生者レン”は異端の可能性が高いと見られます。
 魔力の流れを操り、魂の構造に干渉する――まるで“神”の真似事」

 祭壇の奥、聖光に照らされた影が口を開く。
「ならば、粛清を。
 異端を正すのもまた、神の御業だ」

 穏やかな笑みを浮かべるその顔は――神崎悠真のものだった。

「篠原蓮。
 次に会うときは、“敵”としてだ」



 一方その頃、メルディナの塔。
 蓮は夜風に髪をなびかせながら呟いた。
「……誰かが俺を呼んでる気がする」
 ノアが柔らかく微笑む。
「それは過去。
 でも、あなたは未来を呼んでいる」
「……そうかもな」

 流星が夜空を横切り、王都の方角へと消えていった。

「行くか」
「どこへ?」リアが問う。
「“運命が壊れた方”へ」

 三人の笑い声が、風に溶けていった。



 こうして、“再生者レン”の名は大陸中に広まり――
 王国、教会、そして勇者との“再会”の火蓋が静かに落とされた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

最弱と蔑まれた魔導士、実は千の神に好かれていた件~追放されたけど本人だけ無自覚に世界最強でした~

えりぽん
ファンタジー
王国最弱の魔導士と呼ばれ、勇者一行を追放された青年リオン。だがその身体には「千の神々の祝福」が宿っていた。にもかかわらず本人は全く自覚なし──。放浪の果てに助けた村娘は神の血を引く末裔、戦場で出会った剣姫は過去の罪を背負う元勇者。いつの間にか、リオンの周りには世界を動かす存在ばかりが集まり始める。 無自覚に世界を救っていく男が、気づかぬうちに覇王と呼ばれるまでの軌跡。

処理中です...