最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.

文字の大きさ
26 / 100
第三章:「クラスメイトとの再会」

第26話:再会の地

しおりを挟む
 ――戦場の風は、血と鉄の臭いを運んでいた。

 崩れ落ちた砦の上で、勇者・神崎悠真は歯を食いしばって立っていた。
 折れた聖剣《ルミナイト》を支えながら、目の前に広がるのは、
 地獄そのもの――魔王軍の大軍勢。

「……ありえない。神の加護が……効かないだと?」

 周囲に広がるのは瓦礫と炎。
 かつて誇った王国の聖騎士団は壊滅し、
 生き残ったのは勇者隊のわずか十数名だけだった。

「撤退だ! 勇者様を守れ!」
「くそっ……聖印が、反応しない……!」

 後方から聞こえる悲鳴と祈り。
 玲奈は血に濡れた腕を押さえながら、必死に悠真へ叫んだ。
「もう無理よ! 悠真くん、退かないと……!」
「黙れ! 俺が下がるわけにはいかない!」

 怒鳴る声には焦りよりも、恐怖が混じっていた。
 その瞳には、かつての輝きはない。
 ただ、神に見放された男の焦燥があった。



 空を裂く咆哮。
 漆黒の翼を持つ魔将が笑う。

「これが“神の勇者”か。滑稽だな。
 我ら魔族にすら届かぬ“神の加護”など、何の価値がある」

「黙れっ!」
 悠真は折れた聖剣を構え、最後の力で突き出した。
 しかし刃は光を失い、地面を裂くだけに終わる。

 魔将が腕を掲げた。
 雷鳴のような魔力が空気を震わせ、
 次の瞬間――轟音と共に光が弾けた。



 気づけば、あたりは静寂だった。
 砦は半壊し、兵の姿はほとんど見えない。
 血と煙の中で、玲奈がかすれた声を上げた。

「……みんな……死んじゃったの?」

 悠真は答えなかった。
 剣を握る手が震えていた。
 祈っても、奇跡は起きなかった。
 神の声は、もう届かない。

 残ったのは、恐怖と敗北だけ。



「……どうするの、悠真くん」
 玲奈の問いに、彼は小さく呟いた。

「……あいつなら……」

 その名を口にする瞬間、唇が苦く歪む。

「篠原……蓮。
 奴なら――何かできるかもしれない」

「え?」
 玲奈が顔を上げる。
「だって、あなた……蓮くんを追放したのよ?」
「黙れ。今はそんなことどうでもいい」

 悠真は立ち上がり、剣の残骸を拾う。
 刃の欠片が陽光を反射した。
 それはまるで、“壊れた過去”の象徴のようだった。



 一方その頃、再生都市メルディナ。

 塔の上で、蓮は風に揺れる街を見下ろしていた。
 再生した建造物の間を、獣人やエルフ、そして人間の商人たちが行き交う。
 かつての廃都は、いまや「共存と再生の街」と呼ばれていた。

「平和すぎて、逆に不気味だな……」
 リアが屋根の上に座りながら言う。
「でも、いいことじゃない。
 誰も戦ってないって証拠だよ」

 ノアが穏やかに微笑む。
「世界は、壊れたままでも生きていける。
 でもあなたは、直したがるのね」
「職業病みたいなもんだ」
 蓮が苦笑したそのとき――

 塔の下から、慌ただしい足音が響いた。
「蓮! 報告だ!」
 セリナが駆け上がってくる。
 顔色は真剣そのものだった。

「王国北部の前線が陥落。勇者隊が壊滅したとの報せです」
「……なんだと」



 蓮の胸に、ひとつの予感が過ぎる。
 “あいつ”が生きていれば、必ず動く。
 神に見放された勇者が、最後に頼るとしたら――。

「……リア、セリナ。街の防衛体制を整えておけ」
「え、敵が来るの?」リアが首を傾げる。
「いや……まだ敵とは限らない。
 ただ、俺の過去が――また、ここに来る気がする」



 夜。
 メルディナの外れ、砂塵を上げながら一団が近づいてきた。
 ボロボロの鎧、焦げたマント。
 その先頭には、折れた聖剣を背負った男の姿。

 神崎悠真。
 かつての勇者。
 そして――蓮を“無能”と罵り、追放した男。

 彼は、再生都市の光を見上げながら呟いた。
「……来てやったぞ。篠原蓮」

 その声は、怒りか、悔しさか、あるいは救いを求める叫びか――
 誰にも分からなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。 無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。 やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。

異世界では地味な俺が、なぜか神々に最愛されて無双してる件

fuwamofu
ファンタジー
平凡な高校生・桐生ユウは、女神の手違いで異世界に転生した。 チートもスキルも貰えず、冒険者登録すらままならない落ちこぼれ……のはずだった。 しかし周囲の異常な好感度、意味不明な強運、そして隠された神格スキルによって、ユウは「無自覚に全能」な存在へと覚醒していく。 気づけば女神も姫騎士も魔王娘も彼に夢中。誤解と崇拝が加速する中、ユウの“地味な日常”は世界を揺るがす伝説になっていく。 笑いあり、胸キュンあり、ざまぁありの最強(なのに本人だけ気づいてない)異世界ファンタジー開幕!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

最弱と蔑まれた魔導士、実は千の神に好かれていた件~追放されたけど本人だけ無自覚に世界最強でした~

えりぽん
ファンタジー
王国最弱の魔導士と呼ばれ、勇者一行を追放された青年リオン。だがその身体には「千の神々の祝福」が宿っていた。にもかかわらず本人は全く自覚なし──。放浪の果てに助けた村娘は神の血を引く末裔、戦場で出会った剣姫は過去の罪を背負う元勇者。いつの間にか、リオンの周りには世界を動かす存在ばかりが集まり始める。 無自覚に世界を救っていく男が、気づかぬうちに覇王と呼ばれるまでの軌跡。

『農業スキルはいらない』と追放されたが、魔境の開拓ライフが勝手に世界配信されていた件。聖女や竜が集まり、元仲間は完全に詰みました

たまごころ
ファンタジー
「悪いがクビだ。魔王討伐に『農業』スキルなんて役に立たないからな」 幼馴染の勇者からそう告げられ、俺、アレンはパーティを追放された。 あてがわれたのは、人が住めないと言われるS級危険地帯『死の荒野』。 しかし、彼らは知らなかった。俺の農業スキルが、レベルアップによって神の領域(ギフト)に達していたことを。 俺が耕せば荒野は豊潤な大地に変わり、植えた野菜はステータスを爆上げする神話級の食材になり、手にしたクワは聖剣すら凌駕する最強武器になる! 「ここなら誰にも邪魔されず、最高の野菜が作れそうだ」 俺は荒野で拾ったフェンリル(美少女化)や、野菜の匂いにつられた聖女様、逃げてきたエルフの姫君たちと、にぎやかで楽しいスローライフを送ることにした。 その一方で、俺の生活が、荒野に落ちていた古代のアーティファクトによって、勝手に世界中に『生配信』されていることには全く気づいていなかった。 「え、この野菜食べただけで瀕死の重傷が治った!?」 「主様、強すぎます! ドラゴンを大根で叩き落とすなんて!」 『コメント:なんだこの配信……神か?』 『コメント:勇者パーティが苦戦してるダンジョン、この人の家の庭じゃね?』 これは、無自覚に最強の農園を作り上げた男が、世界中から崇拝され、一方で彼を追放した勇者パーティが没落していく様子を、リスナーと共にほのぼのと見守る物語。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

処理中です...