最弱スキル《リサイクル》で世界を覆す ~クラス追放された俺は仲間と共に成り上がる~

KABU.

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第四章:「大陸統一戦争」

第70話:光と影の開戦

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⸻朝。

霧が晴れ、メルディナの街を包んでいた冷気がゆっくりと消えていく。
夜を越えた《リサイクル連合》の兵たちは、一斉に武具を整え、列を組んでいた。

それは静かだが、確かな熱を持つ光景だった。
兵の誰もが悟っていた――
この戦が、最後の戦いになることを。



塔の上から、篠原蓮は大陸の東を見つめていた。
そこには、朝日に輝く“白の都”――《聖都ルミナ》の尖塔が遠く霞んでいる。

その白光の中に潜むのは、神の名を騙る者たち。
かつて蓮を“異端者”と呼び、
同胞を“粛清”の名のもとに殺した女神教会だった。

リアが背後に立つ。
「やっと……ここまで来たね。」

「長かった。」蓮が静かに答える。
「けど、これで終わる。すべての嘘も、犠牲も。」

セリナと玲奈も現れる。
セリナの瞳は揺るぎない意志を湛え、玲奈の手には聖紋の杖が握られている。

「各部隊、全戦線の準備完了です。」セリナが報告する。
「南からは獣人連隊、北からは帝国の騎兵隊。
 西の砂漠地帯からは、サルバードの砲兵部隊が進軍中。」

玲奈が続けた。
「魔導通信も全部繋がってる。……蓮、あなたの号令を待ってる。」

蓮は頷き、静かに拳を握った。
「よし。――行こう。」



その時。
空気が一変した。

重い、神々しい音が響く。
雲が割れ、天から光が降り注ぐ。

そして――声が降りてきた。

《スキル保持者たちよ。
 神の理を歪めし者たちよ。
 汝らに、粛清を与える。》

その声は、女神アリアのものだった。
全ての人間の心に直接響く“神託”の声。

兵たちがざわめく。
「い、今の……神の声……?」
「スキルが……反応してる……!」

各兵士の体から、淡い光が漏れ始める。
それは“女神の権能”による干渉――
スキル保持者を強制的に支配下に置く、粛清命令。

リアが歯を食いしばった。
「チッ、やっぱり来たか!」

セリナが即座に魔導陣を展開する。
「防御結界を!全兵に“精神遮断術式”を展開します!」

玲奈も加わる。
「聖属性魔法、反転起動――《浄解の輪》!」

聖なる光が爆ぜ、兵たちの身体を覆う。
光は徐々に静まり、怯えた兵たちの呼吸が戻る。

蓮が前に出た。
「落ち着け!俺たちは神の敵じゃない!
 “女神システム”の奴隷をやめるだけだ!」

彼は腰の剣を抜き、空に突き上げる。
「聞け、全軍!
 この戦いは、神を倒す戦いじゃない――
 “神を再生する”戦いだ!!」

その声に、兵たちの目が光を取り戻す。
リアが吠えた。
「行くぞ!獣人部隊、前衛展開!」

セリナが指を鳴らす。
「魔導砲隊、照準を《聖都ルミナ》東門へ!」

玲奈が叫ぶ。
「聖騎士隊、後衛支援!神聖障壁を張って進軍!」



地平が鳴る。
数万の兵が一斉に進撃を開始した。

砂漠の風を切り、雷鳴のような足音が響く。
空には光の天使たち――女神教会の“神造兵”が飛来し、聖なる槍を構えた。

「きた……!」リアが構える。
「セリナ、援護頼む!」

「了解!」

光と闇、聖と再生。
二つの信念が、聖都の空で交錯した。



その頃、聖都ルミナの中央塔。
白い神殿の奥で、女神アリアが静かに目を開いた。

「……ついに来たのね。
 篠原蓮――あなたの“再生”を、試してあげる。」

その瞳は光ではなく、無慈悲な演算の色を宿していた。
背後の聖騎士たちが膝をつき、祈りを捧げる。

「女神よ、粛清の光を――」

アリアが手をかざす。
「すべてのスキル保持者に、“神の鎖”を。」

世界中で、スキルを持つ者たちの体に刻印が浮かび上がる。
痛みと共に、意識が女神の支配下へと堕ちていく。

その瞬間、蓮が右手を掲げた。

「《リサイクル・リンク》――発動!」

彼の体から、無数の光の糸が広がり、兵士たち一人ひとりを繋いだ。

「俺たちは――もう、誰の道具でもない!」

光の糸が女神の支配を弾き返す。
彼らの体を覆う再生の光が、聖都の空を照らした。



リアが剣を振り抜く。
「前衛、突破ぁあああ!!」

セリナが詠唱を終える。
「《再生魔導砲・リベリア》、全門――発射!!」

空を裂く閃光が聖都の防壁を貫き、白の塔に爆音が響く。
玲奈の聖杖からは、反転した光が奔流となり、神造兵を吹き飛ばした。

蓮は叫ぶ。
「前へ!女神の座を――“再構成”する!」



爆炎と光の中、
《聖都決戦》が、ついに幕を開けた。

女神の粛清と、人の再生。
光と影の戦いが、世界を覆い始める。
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