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アシストスーツ《レイ》 Ⅲ
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カッコイイと思った。
全体がピンクのメタリックで、大きなバイクだったけど、跨る部分は細くなっていて座り易そうだった。
アメリカンスタイルというものだろうか。
タカトラのハーレーに似ている。
でも前は尖った感じで、カッコイイし、ちっちゃいネコ耳も付いていてカワイイ。
シートは柔らかく、少し背もたれがあって、楽そうだった
タイヤは前一輪、後ろが二輪で、スタンドを使わずに立っている。
そして後部にはタイヤの間にボックスがあった。
多分、制御用のAIだ。
「これ!」
「おう、響子の専用バイク《レイ》だ。
「え!」
「俺たちの夢がついに実現した」
「そうだよ響子! 三人でツーリングが出来るんだよ!」
「六花!」
六花が泣いていた。
「あの日、お前が言ったよな。いつか三人でツーリングに行きたいって」
「うん覚えてるよ!」
「六花は「いつかそうできたら」って泣いていた。あの時の響子はあまりにも弱くて、とても実現できるとは思えなかった。命でさえ危うかったからな」
「うん……」
そうか、二人は私の言葉をずっと「夢」として受け取っていてくれたのか。
「でもな、六花も俺も諦めなかった。セグウェイを買い、お前が毎日楽しそうに乗り回していた」
「そうだよね」
「六花は毎日お前の面倒を必死で看ていた。お前が熱を出すたびに泣きそうな顔で俺の所へ来た。細心の注意でお前の身体の状態を観察していた。食事のメニューは何度も見直して検討した。マッサージを勉強し、他にもお前のためになんでもやった」
「うん! うん、六花!」
「響子が徐々に丈夫になり、六花は喜んだ」
「……うん」
「そしてお前をバイクに乗せて走った。まあ、短い距離だけどな」
「そうだよね、タカトラが乗せてくれた!」
「そのうちに麻布にも行ったよな」
「ヨコハマも行ったよ!」
「そうだったな」
タカトラが懐かしそうに笑っていた。
六花はまだ泣いているが、交互に私とタカトラを見ていた。
「《レイ》が響子のガーディアンに付いてくれ、響子はみるみる健康になっていった。俺も六花もどんなにか嬉しかったか。そして《レイ》は響子のことを完璧に護ってくれていた。どんな危機があっても、お前のことは《レイ》に安心して任せておけた」
「うん」
「だからな、俺たちの夢の実現、そのバイクは《レイ》と名付けた。俺たちの感謝の気持ちだ。ありがとう《レイ》」
「レイ!]
思わず涙が流れた。
胸の底から熱いものが込み上げて来た。
六花が駆け寄って来て私を抱き締めてくれた。
「響子、おめでとう」
「六花、ありがとう! 今まで本当にありがとう!」
「《レイ》もな」
「レイ! ありがとう!」
レイが私の隣で優しく吼えた。
タカトラたちには聞こえない。
「おい、今レイが喜んだか?」
「え! タカトラ、聞こえたの?」
「いや、何となくな」
「うん、喜んでるよ! 自分の名前で嬉しいって!」
「そうか」
六花も笑っていた。
「じゃあ、ちょっと走ってみるかぁ!」
タカトラが言い、六花が操縦を教えてくれた。
操縦は簡単で、右のスロットルを開くと走り出し、左のブレーキで止まる。
セグウェイと同じだ!
「簡単だね!」
「ああ、基本はセグウェイと同じで、コンピューター制御で安全だ。スピードはセグウェイよりも出るけどな。時速で80キロまで。路面の状態をセンサーで確認しながらだから、お前は安心して乗ってればいい」
「そうなんだ」
「カーブもある程度ハンドルと体重移動で早く曲がるが、まあお前に期待しちゃいない」
「私にも出来るよ!」
「お前、自転車にも乗れねぇじゃん」
「セグウェイはタカトラより速いよ!」
「まあ、そうだったな」
タカトラが笑って、セグウェイも体重移動だったなと言った。
三人でゆっくりと敷地内を走って見た。
タカトラと六花は私に会わせてくれる。
ちょっと慣れて来たので、タカトラが言った。
「じゃあ、一周してみようか」
「うん!」
時速40キロくらいで走った。
風が気持ちよかった。
「響子! 大丈夫?」
六花が横で叫んだ。
「うん!楽しいよ!」
「そう!」
あ、そうだ。
「風になろうぜ!」
「「ワハハハハハハハハ!」」
タカトラと六花が大爆笑した。
《キャッスル・クリムゾン》は広いので、大体30分くらいかかった。
元の場所に戻ると、子どもたちと「紅六花」のみんなが待っていて、拍手で迎えてくれた。
六花が駆け寄って私を抱き締めた。
「響子! 上手かったよ!!」
「うん!」
「じゃあ、響子、今日はお祝いしましょう!」
「え、六花、ほんとう?」
「うん! だってこんなに嬉しい日はないもの!」
「ありがとう!」
その日はみんなでお祝いした。
タカトラももちろん一緒だ。
子どもたちもみんな祝ってくれた。
「響子さん、今度みんなで走りましょう!」
「うん!」
「ほんとにめでてぇや!」
「ありがとう!」
「紅六花」のみんなも嬉しそうに祝ってくれた。
それは六花が私と一緒にバイクで走ることをすっと夢見てくれていたからだ。
いつ死んでもおかしくない私を見ながら、それでも夢を諦めないでいてくれた高虎と六花。
本当にありがとう。
そして私をこんなにも丈夫にしてくれた、レイ!
ありがとう!
全体がピンクのメタリックで、大きなバイクだったけど、跨る部分は細くなっていて座り易そうだった。
アメリカンスタイルというものだろうか。
タカトラのハーレーに似ている。
でも前は尖った感じで、カッコイイし、ちっちゃいネコ耳も付いていてカワイイ。
シートは柔らかく、少し背もたれがあって、楽そうだった
タイヤは前一輪、後ろが二輪で、スタンドを使わずに立っている。
そして後部にはタイヤの間にボックスがあった。
多分、制御用のAIだ。
「これ!」
「おう、響子の専用バイク《レイ》だ。
「え!」
「俺たちの夢がついに実現した」
「そうだよ響子! 三人でツーリングが出来るんだよ!」
「六花!」
六花が泣いていた。
「あの日、お前が言ったよな。いつか三人でツーリングに行きたいって」
「うん覚えてるよ!」
「六花は「いつかそうできたら」って泣いていた。あの時の響子はあまりにも弱くて、とても実現できるとは思えなかった。命でさえ危うかったからな」
「うん……」
そうか、二人は私の言葉をずっと「夢」として受け取っていてくれたのか。
「でもな、六花も俺も諦めなかった。セグウェイを買い、お前が毎日楽しそうに乗り回していた」
「そうだよね」
「六花は毎日お前の面倒を必死で看ていた。お前が熱を出すたびに泣きそうな顔で俺の所へ来た。細心の注意でお前の身体の状態を観察していた。食事のメニューは何度も見直して検討した。マッサージを勉強し、他にもお前のためになんでもやった」
「うん! うん、六花!」
「響子が徐々に丈夫になり、六花は喜んだ」
「……うん」
「そしてお前をバイクに乗せて走った。まあ、短い距離だけどな」
「そうだよね、タカトラが乗せてくれた!」
「そのうちに麻布にも行ったよな」
「ヨコハマも行ったよ!」
「そうだったな」
タカトラが懐かしそうに笑っていた。
六花はまだ泣いているが、交互に私とタカトラを見ていた。
「《レイ》が響子のガーディアンに付いてくれ、響子はみるみる健康になっていった。俺も六花もどんなにか嬉しかったか。そして《レイ》は響子のことを完璧に護ってくれていた。どんな危機があっても、お前のことは《レイ》に安心して任せておけた」
「うん」
「だからな、俺たちの夢の実現、そのバイクは《レイ》と名付けた。俺たちの感謝の気持ちだ。ありがとう《レイ》」
「レイ!]
思わず涙が流れた。
胸の底から熱いものが込み上げて来た。
六花が駆け寄って来て私を抱き締めてくれた。
「響子、おめでとう」
「六花、ありがとう! 今まで本当にありがとう!」
「《レイ》もな」
「レイ! ありがとう!」
レイが私の隣で優しく吼えた。
タカトラたちには聞こえない。
「おい、今レイが喜んだか?」
「え! タカトラ、聞こえたの?」
「いや、何となくな」
「うん、喜んでるよ! 自分の名前で嬉しいって!」
「そうか」
六花も笑っていた。
「じゃあ、ちょっと走ってみるかぁ!」
タカトラが言い、六花が操縦を教えてくれた。
操縦は簡単で、右のスロットルを開くと走り出し、左のブレーキで止まる。
セグウェイと同じだ!
「簡単だね!」
「ああ、基本はセグウェイと同じで、コンピューター制御で安全だ。スピードはセグウェイよりも出るけどな。時速で80キロまで。路面の状態をセンサーで確認しながらだから、お前は安心して乗ってればいい」
「そうなんだ」
「カーブもある程度ハンドルと体重移動で早く曲がるが、まあお前に期待しちゃいない」
「私にも出来るよ!」
「お前、自転車にも乗れねぇじゃん」
「セグウェイはタカトラより速いよ!」
「まあ、そうだったな」
タカトラが笑って、セグウェイも体重移動だったなと言った。
三人でゆっくりと敷地内を走って見た。
タカトラと六花は私に会わせてくれる。
ちょっと慣れて来たので、タカトラが言った。
「じゃあ、一周してみようか」
「うん!」
時速40キロくらいで走った。
風が気持ちよかった。
「響子! 大丈夫?」
六花が横で叫んだ。
「うん!楽しいよ!」
「そう!」
あ、そうだ。
「風になろうぜ!」
「「ワハハハハハハハハ!」」
タカトラと六花が大爆笑した。
《キャッスル・クリムゾン》は広いので、大体30分くらいかかった。
元の場所に戻ると、子どもたちと「紅六花」のみんなが待っていて、拍手で迎えてくれた。
六花が駆け寄って私を抱き締めた。
「響子! 上手かったよ!!」
「うん!」
「じゃあ、響子、今日はお祝いしましょう!」
「え、六花、ほんとう?」
「うん! だってこんなに嬉しい日はないもの!」
「ありがとう!」
その日はみんなでお祝いした。
タカトラももちろん一緒だ。
子どもたちもみんな祝ってくれた。
「響子さん、今度みんなで走りましょう!」
「うん!」
「ほんとにめでてぇや!」
「ありがとう!」
「紅六花」のみんなも嬉しそうに祝ってくれた。
それは六花が私と一緒にバイクで走ることをすっと夢見てくれていたからだ。
いつ死んでもおかしくない私を見ながら、それでも夢を諦めないでいてくれた高虎と六花。
本当にありがとう。
そして私をこんなにも丈夫にしてくれた、レイ!
ありがとう!
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