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トラが泣いていた
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アフガン戦争の最中。
聖はCIA経由で来た依頼を遂行中だった。
「国境なき医師団」の救出作戦。
21名の医師団を、激戦地域から無事に安全地帯へ輸送する作戦。
聖は部下13名を連れて、戦闘域を強行突破し、医師団と接触することが出来た。
「俺たちはあんた方を、安全地帯まで護衛する任務で来た」
聖が説明すると、医師団の代表と名乗るジェイムズ・ミラー医師が言った。
聖は、この男は卑しい奴だと一目見て分かった。
目が腐っている。
そういう男は幾らでも見て来た。
「無理だ。今は重傷の患者もいる。ここを動くわけには行かない」
「それは俺たちの知ったことではない。俺たちの依頼は、お前らを連れ出すことだ」
「何を言ってる!」
「それはこっちのセリフだ。大人しくついて来い」
聖はここに、輸送ヘリが来ると告げた。
場所はGPSで確実に把握させている。
医師団を発見した時点で、ほぼ作戦は終了だ。
「患者も輸送してくれ!」
「定員の範囲内ならな」
聖たちは、ヘリの到着までの3時間、警戒が必要と判断した。
ミラー医師が聖に話があると言って来た。
「なんだ?」
「ここから近い場所に、対空拠点がある。移動式の対空ミサイルもあるんだ」
「なんだと?」
「多分、輸送ヘリがここに来る途中か、またはたち去る時に狙われる可能性が高い」
「そんな情報は聞いてないぞ!」
「無理もない。一昨日設置された拠点なんだ」
「チクショウ!」
聖は詳細な場所を聞いた。
10キロ先の地点だ。
叩いておかなければ、やられる可能性が高い。
「スージー!」
「はい!」
「俺と他に5人を選べ! 作戦を立てろ!」
「はい!」
聖は副官の女性兵士に命じた。
スージーは女性だったが、作戦立案能力、情報分析能力が非常に高い。
女性であるが故に正規軍で燻っていた彼女を、聖が引き抜いた。
スージーは即座に作戦を練った。
「まだ日が浅いですから、社長の強襲で撃破出来るかと。こちらも念のためにスティンガーを持って来ていますし、社長なら敵の兵器の鹵獲も簡単でしょう」
「いつものことだな。やれやれだぜ」
「5人とのことでしたが、ここは待つだけなので4人も残れば良いかと。8人を御連れ下さい!」
「分かった」
「未知の戦力ですので、私も同行します!」
「おし! じゃあ出発するぞ!」
聖は8人の部下を連れて、対空拠点まで移動した。
「おかしいですね。Xポイントには何もありませんが」
スージーが地図を確認している。
ミラー医師が言った場所には、何も無かった。
「どういうことだ?」
「分かりません。でも、戻った方が良いと思います」
「仕方ねぇ! よし、戻るぞ!」
500メートルほど戻った時、聖は激しいプレッシャーを感じた。
後方から、攻撃機が2機迫って来た。
遮蔽物は無い。
そして、右方向からは5台の戦車と、歩兵部隊二個小隊100名が迫って来た。
「社長! 罠です!」
「分かってる!」
聖は部下からスティンガー・ミサイルを受け取った。
本来は低速飛行の機体を撃つためのものだったが、聖が手にすれば話は違う。
攻撃機を撃破しなければ、助からない。
スージーが散開するように指示した。
A10攻撃機が迫って来た。
本来は米軍の味方機だ。
しかし、正規軍ではないために、味方の証明通信は出来ない。
聖たちが少数の兵であることと、医師団の野戦病院が近いためか、空爆は行わないと聖は踏んだ。
その予想通り、機銃で狙ってくる。
低空を飛行する。
聖のスティンガーが、飛行コースを正面から襲った。
一機が撃破される。
聖はM60重機関銃を受け取った。
聖たちに、もうミサイルが無いと見たもう一機のA10が、機銃掃射で迫る。
聖はM60を抱えたまま動かず、5センチ脇を機銃が撃ち込まれて行っても微動だにしなかった。
M60が吼える。
一点集中の銃弾が、尾翼を破壊した。
歩兵と戦車が迫って来た。
聖の手配した輸送ヘリは、聖の不在を理由に飛び立たなかった。
「彼は対空拠点を叩きに行ったんだ! 我々には先に安全地帯へ向かうように言っていた!」
「ダメです。社長から、そのような連絡を受けていません」
ミラー医師は、頑強に拒む「セイントPMC」の男にうんざりしていた。
もう、聖たちは戻らないというのに。
しかし、それを話すわけには行かない。
「では、積み込みだけでも始めさせてくれ」
「分かりました。医師団の方々21名は搭乗して下さい」
「患者もだ! 聖には話がついている」
「我々はそのような命令は受けていません」
「いい加減にしろ!」
ミラーは、アメリカ軍に密かに連絡していた。
現在10人前後の攻撃を受けているので、救援に来て欲しいと。
場所も伝えた。
「腕のいい救出チームが向かったはずだが」
「全員殺された!」
「あいつらが! 分かった、手配しよう!」
航空支援を伴う地上部隊を派遣すると言われた。
100名を超える兵士だ。
聖たちは助かるわけがない。
いなくなった分、患者を収容することが出来るだろう。
そう思っていた。
また、聖さえいなければ、全部の患者を乗せられるかもしれない。
自分の功績になる。
激戦地区での患者の救出。
自分は英雄になる、そうミラーは考えていた。
操縦士が無線で誰かと話していた。
驚くことに、聖たちは生きて戻った。
9人で出掛け、戻ったのは3人だったが。
「俺たちを騙したな」
「何のことだ?」
聖の巨大な威圧に、ミラーは気を喪うかと思った。
「社長! 急ぎましょう。第二波が来る可能性があります!」
「クッソォォォー!!」
聖は医師団21名と重症患者9名を乗せて離脱した。
「セイントPMC アメリカ本社」で聖は全社員を集め、宣言した。
「今後! 二度と「国境なき医師団」の救出作戦は受けない! 俺の大事な6人の部下が、あいつらに騙されて死んだぁ! 絶対に許さんぞ!」
本当は、ミラーを始め、医師団全員を殺したかった。
しかし、CIAから、ミラーだけは絶対に救出するように言われていた。
ある上院議員の息子だった。
二ヶ月後、聖は石神からの電話を受けた。
「トラ!」
「おう、聖! ちゃんと生きてるな!」
「当たり前だぁ!」
石神は頼みごとがあると言った。
「悪いんだが、八木保奈美という女が「国境なき医師団」にいるらしいんだ」
「なんだと?」
「俺の大事な女なんだ。昔世話になった。お前がもしも戦場で見つけたら、知らせて欲しいんだ」
「……」
「聖、すまない。お前にしか頼めないんだ。出会うことはまずないだろう。でも、万が一……」
「ああ、分かったよ! お前の頼みだ! 喜んで受けてやるぜ」
「ありがたい! 本当に頼む!」
「分かったって! 俺に任せろ!」
聖は全社員に、「国境なき医師団」が近くにいたら、可能な限り接触し、「八木保奈美」の情報を得ろと命じた。
「社長、こないだは、もう……」
スージーが言った。
「分かってる。でもな、トラが泣いていたんだ」
「え?」
「滅多に泣かないあいつがさ。電話の向こうで苦しそうだった」
「社長……」
「本当に、あいつの大事な女なんだろう。だったら、俺は何でもするさ」
「そうですか」
「でもな、お前らの命も大事だ。無理はしなくていい」
「はい」
「死んだ連中には申し訳ない」
「いいえ。こういう仕事ですから」
「すまん!」
スージーは、聖の優しさを知っている。
自分たちを大事に思い、いつも命を落とさないように最大の注意を払ってくれている。
部下を駒と思わず、死んだら怒り、悲しむ男。
傭兵稼業で、そんな人間は少ない。
その男が、裏切りに怒りまくった男が、また関わろうとしている。
一人の「トラ」という男のために。
スージーが石神のことを知るのは、しばらく後だった。
スージーが敬愛する「セイント」の中心にいる男。
石神は、それに相応しい男だった。
聖はCIA経由で来た依頼を遂行中だった。
「国境なき医師団」の救出作戦。
21名の医師団を、激戦地域から無事に安全地帯へ輸送する作戦。
聖は部下13名を連れて、戦闘域を強行突破し、医師団と接触することが出来た。
「俺たちはあんた方を、安全地帯まで護衛する任務で来た」
聖が説明すると、医師団の代表と名乗るジェイムズ・ミラー医師が言った。
聖は、この男は卑しい奴だと一目見て分かった。
目が腐っている。
そういう男は幾らでも見て来た。
「無理だ。今は重傷の患者もいる。ここを動くわけには行かない」
「それは俺たちの知ったことではない。俺たちの依頼は、お前らを連れ出すことだ」
「何を言ってる!」
「それはこっちのセリフだ。大人しくついて来い」
聖はここに、輸送ヘリが来ると告げた。
場所はGPSで確実に把握させている。
医師団を発見した時点で、ほぼ作戦は終了だ。
「患者も輸送してくれ!」
「定員の範囲内ならな」
聖たちは、ヘリの到着までの3時間、警戒が必要と判断した。
ミラー医師が聖に話があると言って来た。
「なんだ?」
「ここから近い場所に、対空拠点がある。移動式の対空ミサイルもあるんだ」
「なんだと?」
「多分、輸送ヘリがここに来る途中か、またはたち去る時に狙われる可能性が高い」
「そんな情報は聞いてないぞ!」
「無理もない。一昨日設置された拠点なんだ」
「チクショウ!」
聖は詳細な場所を聞いた。
10キロ先の地点だ。
叩いておかなければ、やられる可能性が高い。
「スージー!」
「はい!」
「俺と他に5人を選べ! 作戦を立てろ!」
「はい!」
聖は副官の女性兵士に命じた。
スージーは女性だったが、作戦立案能力、情報分析能力が非常に高い。
女性であるが故に正規軍で燻っていた彼女を、聖が引き抜いた。
スージーは即座に作戦を練った。
「まだ日が浅いですから、社長の強襲で撃破出来るかと。こちらも念のためにスティンガーを持って来ていますし、社長なら敵の兵器の鹵獲も簡単でしょう」
「いつものことだな。やれやれだぜ」
「5人とのことでしたが、ここは待つだけなので4人も残れば良いかと。8人を御連れ下さい!」
「分かった」
「未知の戦力ですので、私も同行します!」
「おし! じゃあ出発するぞ!」
聖は8人の部下を連れて、対空拠点まで移動した。
「おかしいですね。Xポイントには何もありませんが」
スージーが地図を確認している。
ミラー医師が言った場所には、何も無かった。
「どういうことだ?」
「分かりません。でも、戻った方が良いと思います」
「仕方ねぇ! よし、戻るぞ!」
500メートルほど戻った時、聖は激しいプレッシャーを感じた。
後方から、攻撃機が2機迫って来た。
遮蔽物は無い。
そして、右方向からは5台の戦車と、歩兵部隊二個小隊100名が迫って来た。
「社長! 罠です!」
「分かってる!」
聖は部下からスティンガー・ミサイルを受け取った。
本来は低速飛行の機体を撃つためのものだったが、聖が手にすれば話は違う。
攻撃機を撃破しなければ、助からない。
スージーが散開するように指示した。
A10攻撃機が迫って来た。
本来は米軍の味方機だ。
しかし、正規軍ではないために、味方の証明通信は出来ない。
聖たちが少数の兵であることと、医師団の野戦病院が近いためか、空爆は行わないと聖は踏んだ。
その予想通り、機銃で狙ってくる。
低空を飛行する。
聖のスティンガーが、飛行コースを正面から襲った。
一機が撃破される。
聖はM60重機関銃を受け取った。
聖たちに、もうミサイルが無いと見たもう一機のA10が、機銃掃射で迫る。
聖はM60を抱えたまま動かず、5センチ脇を機銃が撃ち込まれて行っても微動だにしなかった。
M60が吼える。
一点集中の銃弾が、尾翼を破壊した。
歩兵と戦車が迫って来た。
聖の手配した輸送ヘリは、聖の不在を理由に飛び立たなかった。
「彼は対空拠点を叩きに行ったんだ! 我々には先に安全地帯へ向かうように言っていた!」
「ダメです。社長から、そのような連絡を受けていません」
ミラー医師は、頑強に拒む「セイントPMC」の男にうんざりしていた。
もう、聖たちは戻らないというのに。
しかし、それを話すわけには行かない。
「では、積み込みだけでも始めさせてくれ」
「分かりました。医師団の方々21名は搭乗して下さい」
「患者もだ! 聖には話がついている」
「我々はそのような命令は受けていません」
「いい加減にしろ!」
ミラーは、アメリカ軍に密かに連絡していた。
現在10人前後の攻撃を受けているので、救援に来て欲しいと。
場所も伝えた。
「腕のいい救出チームが向かったはずだが」
「全員殺された!」
「あいつらが! 分かった、手配しよう!」
航空支援を伴う地上部隊を派遣すると言われた。
100名を超える兵士だ。
聖たちは助かるわけがない。
いなくなった分、患者を収容することが出来るだろう。
そう思っていた。
また、聖さえいなければ、全部の患者を乗せられるかもしれない。
自分の功績になる。
激戦地区での患者の救出。
自分は英雄になる、そうミラーは考えていた。
操縦士が無線で誰かと話していた。
驚くことに、聖たちは生きて戻った。
9人で出掛け、戻ったのは3人だったが。
「俺たちを騙したな」
「何のことだ?」
聖の巨大な威圧に、ミラーは気を喪うかと思った。
「社長! 急ぎましょう。第二波が来る可能性があります!」
「クッソォォォー!!」
聖は医師団21名と重症患者9名を乗せて離脱した。
「セイントPMC アメリカ本社」で聖は全社員を集め、宣言した。
「今後! 二度と「国境なき医師団」の救出作戦は受けない! 俺の大事な6人の部下が、あいつらに騙されて死んだぁ! 絶対に許さんぞ!」
本当は、ミラーを始め、医師団全員を殺したかった。
しかし、CIAから、ミラーだけは絶対に救出するように言われていた。
ある上院議員の息子だった。
二ヶ月後、聖は石神からの電話を受けた。
「トラ!」
「おう、聖! ちゃんと生きてるな!」
「当たり前だぁ!」
石神は頼みごとがあると言った。
「悪いんだが、八木保奈美という女が「国境なき医師団」にいるらしいんだ」
「なんだと?」
「俺の大事な女なんだ。昔世話になった。お前がもしも戦場で見つけたら、知らせて欲しいんだ」
「……」
「聖、すまない。お前にしか頼めないんだ。出会うことはまずないだろう。でも、万が一……」
「ああ、分かったよ! お前の頼みだ! 喜んで受けてやるぜ」
「ありがたい! 本当に頼む!」
「分かったって! 俺に任せろ!」
聖は全社員に、「国境なき医師団」が近くにいたら、可能な限り接触し、「八木保奈美」の情報を得ろと命じた。
「社長、こないだは、もう……」
スージーが言った。
「分かってる。でもな、トラが泣いていたんだ」
「え?」
「滅多に泣かないあいつがさ。電話の向こうで苦しそうだった」
「社長……」
「本当に、あいつの大事な女なんだろう。だったら、俺は何でもするさ」
「そうですか」
「でもな、お前らの命も大事だ。無理はしなくていい」
「はい」
「死んだ連中には申し訳ない」
「いいえ。こういう仕事ですから」
「すまん!」
スージーは、聖の優しさを知っている。
自分たちを大事に思い、いつも命を落とさないように最大の注意を払ってくれている。
部下を駒と思わず、死んだら怒り、悲しむ男。
傭兵稼業で、そんな人間は少ない。
その男が、裏切りに怒りまくった男が、また関わろうとしている。
一人の「トラ」という男のために。
スージーが石神のことを知るのは、しばらく後だった。
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