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石神家 第一回「これだけは喰うな!」大会
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「えー。それでは第一回「これだけは絶対喰うな!」大会を開催いたします!」
亜紀ちゃんの司会進行に、みんなが拍手した。
子どもたちの顔は緊張で強張っている。
それぞれが自分の「自信作」に確信を持っているためだ。
喰うことに関しては尋常ではない信念と感覚を持っている同士たちにも、同じく緊張している。
事の発端は、ある日の夕食で、亜紀ちゃんが零した一言だった。
「ちょっとうちって食べ過ぎですかね?」
俺は思わず立ち上がって叫んだ。
「四年掛ったぞー!」
驚いてみんなが俺を見ていた。
「にゃ?」
ロボも見ている。
「俺はずっと考えていたんだ! お前たちに美味しいものを沢山喰わせてやりたいとは思った。俺がお前らの年齢にはそう出来なかったからだ! 今でも同じ気持ちでいる。幾らでも腹いっぱいに喰って欲しい。しかしだぁ!」
なんなんだという目で見ている。
「お前らが成長し、まあ今でも他所で食うこともあるだろう。その時に、お前らが大恥を掻くことは目に見えている!」
「あの、私は別に」
柳が言った。
残っていた唐揚げを顔にぶつけた。
当たって落ちたものをハーが拾って喰った。
「おい、亜紀ちゃん! お前が友達、あ、いや、あー、他所の家で「出前を取りましょうね」と言われたとする!」
「別に「友達」でいいですよ?」
「そこで蕎麦が出たとする! 頭に来ないか?」
「そりゃもちろん!」
そりゃそーだ、と他の子どもたちも言い合っている。
「それは間違いだぁー!」
「「「「!」」」」
「はい」
「にゃ!」
「あのなぁ。普通のお宅では、蕎麦なんかしょっちゅう食べるんだよ。ステーキの薬味なしでな!」
「「「「えぇー!」」」」
「そうですよね?」
「にゃ」
「ふざけんなぁー! お前らだって山中パパママの時にはそうだっただろう!」
「「「「アハハハハハハ!」」」」
「笑うの?」
「にゃ?」
「これまで通り、うちでは好きなだけ喰え! そうしてくれ! でもな、お前らには「外面」が出来るような鍛錬が必要だ! よって俺は、これから定期的に不味いものをちゃんと喰う訓練を始める!」
「「「「「エェー!」」」」」
「フシャー!」
「あ、ロボは別な。お前は外で食わないからな」
「ニャー! (ゴロゴロ)」
「いいか! 今度の土曜の昼は、お前らがそれぞれに、この近所で最も不味いものを用意しろ! みんなで食べて耐えるぞ!」
「「「「「おー」」」」」
「にゃ!」
「万一普通に喰えるものだったら、そいつは晩飯は抜きだぁ!」
「「「「「ゲェー!」」」」」
真剣勝負になった。
「まず最初は、ハー!」
「はい! これはインド料理「ダライラマーン999」のメキシカン・ポテトです。800円という結構高い値段ですが、相当な不味さと思われます」
「おい、なんでインド料理でダライ・ラマなんだ。それに、メキシカンってどういうことだ?」
「多国籍料理ということでは?」
「インド料理なんだろう!」
「そんなの私に言われても!」
ハーがキレた。
全員に皿が配られる。
白い、厚みのあるナンのようなものが乗っている。
ナイフで切って、口に入れた。
「なんだこりゃ!」
みんなも驚いている。
噛み応えはシャリっとしていいのだが、水っぽいし苦みとエグみがスゴイ。
「イタイ!」
柳が舌を出し、何かを指で摘まんだ。
「トゲだよー!」
「サボテンだそうです」
柳が叫び、ハーが説明した。
「それでメキシカンか」
「ポテトはどーした!」
「って言うか、危ないじゃん!」
みんなで講評し、配った点数表に記入していく。
「次は柳さん!」
「はい、これは鍋横の七不思議のラーメン屋「ラーメン三郎」の自家製餃子です」
「あの、誰も客を見たことないのに潰れないという店か!」
「そうです。御存知でしたか」
「そりゃーなー」
皿が配られ、ギョウザとタレも用意される。
一口食べた。
「グゲェー」
鼻水のようなドロッとした粘液汁が出て来た。
タレの味はともかく、それが消えると餃子のほんのりと甘く臭い味が鼻を抜ける。
「鼻水みたいのって何なんだ!」
「鼻水と言われています」
「なんだとぉー!」
柳は口に入れない。
「それと、肉は仕入れが出来ないので、繁殖したネズミとも言われてます」
「冗談じゃねぇぞ!」
「まあ、あくまでも噂ですから」
「……」
なかなかレベルが高いものだと思った。
「次はルー!」
「はい! 私は「バーガー・ワーム」の……」
「やめろぉー! ミミズバーガーの店だろう!」
「はい。でも「冗談ですよ」ってちゃんと張り紙が……」
「そうなのかよ?」
「はい。流石に店舗でミミズは出さないかと」
「へぇー」
皿が配られ、ハンバーガーが目の前に来る。
バンズから何かはみ出していた。
「ミミズじゃねぇかー!」
「「「「「!」」」」」
「えー! 私食べちゃったよー!」
ルーが泣き出す。
ハーが駆け寄って肩を抱き慰める。
温かな光景だった。
「テメェー! あぶないとこだっただろう!」
「ごめんなさいー!」
段々、身の危険を感じて来た。
「じゃあ、皇紀!」
「はい! 僕はちょっと忙しいので、みなさんのレベルにはちょっと」
「それでいい!」
「それで屋台なんですが、おばあちゃんがやってるお店で」
「幽霊ババァかー!」
「よく御存知で」
「あれはヤバい! ヘンな薬とか混じってるって噂だぞ!」
「そうなんですか?」
皿が配られた。
おでんのようで、みんなチクワが乗っている。
俺は一応まだ口に入れるなと言った。
しばらく見ていた。
チクワが動いた。
「「「「「!」」」」」
《たべないの?》
チクワが喋った。
「「「「「ギャーーーーーー!!!」」」」」
「皇紀!」
「ハイ!」
「後で全部オートクレーブに放り込め!」
「ハイ!」
俺は危険すぎると判断した。
「よし! 今日はここまでだ!」
「えー! 私まだですけどー!」
亜紀ちゃんが文句を言う。
「ダメだ! 命に関わるじゃねぇか!」
「でも、私一生懸命探したんです!」
「お前らの一生懸命は怖すぎだよ!」
亜紀ちゃんは食い下がり、見るだけでもと言う。
仕方なく、俺は全員に見るだけで絶対に喰うなと言った。
「えー、最後はカワイイ亜紀ちゃんのー」
「前置きはいい!」
亜紀ちゃんが俺を睨む。
「折角雰囲気を戻そうとしたのにー」
「いいから早く出せ」
皿が配られ、肉が乗っている。
「これは「最後の晩餐」という……」
「ヤバい名前だな」
「最近出来たフレンチらしいんですが」
「へぇー」
「亜蘭さんのアパートの人が食べに行って、凄く不味かったって」
「おい、あいつのアパートで最近誰か死んだって言ってたよな!」
「え!」
みんなの顔が青くなる。
「私が行ったら、もうお店は閉じるつもりだって耳の尖った店長さんが」
「そうなのかよ。おい、お前ら絶対に喰うなよ!」
突然、上の三階で大きな音がした。
巨人が足で床を蹴ったような感じだった。
「クロピョン! ヤバイ奴を急いで喰え!」
全員の皿から肉が無くなった。
三階で、この世のものとは思えない絶叫が響いた。
「「「「「……」」」」」
「えー、第一回「これだけは喰うな!」大会を終了します。ちなみに、第二回はもうありません」
蒼白になって震えている亜紀ちゃんの代わりに、俺が宣言した。
解散したしばらく後で、みんながリヴィングに戻って来た。
誰もほとんど食べていないことに気付いた。
みんなで蕎麦を茹でて、美味しいと言って笑って満足した。
亜紀ちゃんの司会進行に、みんなが拍手した。
子どもたちの顔は緊張で強張っている。
それぞれが自分の「自信作」に確信を持っているためだ。
喰うことに関しては尋常ではない信念と感覚を持っている同士たちにも、同じく緊張している。
事の発端は、ある日の夕食で、亜紀ちゃんが零した一言だった。
「ちょっとうちって食べ過ぎですかね?」
俺は思わず立ち上がって叫んだ。
「四年掛ったぞー!」
驚いてみんなが俺を見ていた。
「にゃ?」
ロボも見ている。
「俺はずっと考えていたんだ! お前たちに美味しいものを沢山喰わせてやりたいとは思った。俺がお前らの年齢にはそう出来なかったからだ! 今でも同じ気持ちでいる。幾らでも腹いっぱいに喰って欲しい。しかしだぁ!」
なんなんだという目で見ている。
「お前らが成長し、まあ今でも他所で食うこともあるだろう。その時に、お前らが大恥を掻くことは目に見えている!」
「あの、私は別に」
柳が言った。
残っていた唐揚げを顔にぶつけた。
当たって落ちたものをハーが拾って喰った。
「おい、亜紀ちゃん! お前が友達、あ、いや、あー、他所の家で「出前を取りましょうね」と言われたとする!」
「別に「友達」でいいですよ?」
「そこで蕎麦が出たとする! 頭に来ないか?」
「そりゃもちろん!」
そりゃそーだ、と他の子どもたちも言い合っている。
「それは間違いだぁー!」
「「「「!」」」」
「はい」
「にゃ!」
「あのなぁ。普通のお宅では、蕎麦なんかしょっちゅう食べるんだよ。ステーキの薬味なしでな!」
「「「「えぇー!」」」」
「そうですよね?」
「にゃ」
「ふざけんなぁー! お前らだって山中パパママの時にはそうだっただろう!」
「「「「アハハハハハハ!」」」」
「笑うの?」
「にゃ?」
「これまで通り、うちでは好きなだけ喰え! そうしてくれ! でもな、お前らには「外面」が出来るような鍛錬が必要だ! よって俺は、これから定期的に不味いものをちゃんと喰う訓練を始める!」
「「「「「エェー!」」」」」
「フシャー!」
「あ、ロボは別な。お前は外で食わないからな」
「ニャー! (ゴロゴロ)」
「いいか! 今度の土曜の昼は、お前らがそれぞれに、この近所で最も不味いものを用意しろ! みんなで食べて耐えるぞ!」
「「「「「おー」」」」」
「にゃ!」
「万一普通に喰えるものだったら、そいつは晩飯は抜きだぁ!」
「「「「「ゲェー!」」」」」
真剣勝負になった。
「まず最初は、ハー!」
「はい! これはインド料理「ダライラマーン999」のメキシカン・ポテトです。800円という結構高い値段ですが、相当な不味さと思われます」
「おい、なんでインド料理でダライ・ラマなんだ。それに、メキシカンってどういうことだ?」
「多国籍料理ということでは?」
「インド料理なんだろう!」
「そんなの私に言われても!」
ハーがキレた。
全員に皿が配られる。
白い、厚みのあるナンのようなものが乗っている。
ナイフで切って、口に入れた。
「なんだこりゃ!」
みんなも驚いている。
噛み応えはシャリっとしていいのだが、水っぽいし苦みとエグみがスゴイ。
「イタイ!」
柳が舌を出し、何かを指で摘まんだ。
「トゲだよー!」
「サボテンだそうです」
柳が叫び、ハーが説明した。
「それでメキシカンか」
「ポテトはどーした!」
「って言うか、危ないじゃん!」
みんなで講評し、配った点数表に記入していく。
「次は柳さん!」
「はい、これは鍋横の七不思議のラーメン屋「ラーメン三郎」の自家製餃子です」
「あの、誰も客を見たことないのに潰れないという店か!」
「そうです。御存知でしたか」
「そりゃーなー」
皿が配られ、ギョウザとタレも用意される。
一口食べた。
「グゲェー」
鼻水のようなドロッとした粘液汁が出て来た。
タレの味はともかく、それが消えると餃子のほんのりと甘く臭い味が鼻を抜ける。
「鼻水みたいのって何なんだ!」
「鼻水と言われています」
「なんだとぉー!」
柳は口に入れない。
「それと、肉は仕入れが出来ないので、繁殖したネズミとも言われてます」
「冗談じゃねぇぞ!」
「まあ、あくまでも噂ですから」
「……」
なかなかレベルが高いものだと思った。
「次はルー!」
「はい! 私は「バーガー・ワーム」の……」
「やめろぉー! ミミズバーガーの店だろう!」
「はい。でも「冗談ですよ」ってちゃんと張り紙が……」
「そうなのかよ?」
「はい。流石に店舗でミミズは出さないかと」
「へぇー」
皿が配られ、ハンバーガーが目の前に来る。
バンズから何かはみ出していた。
「ミミズじゃねぇかー!」
「「「「「!」」」」」
「えー! 私食べちゃったよー!」
ルーが泣き出す。
ハーが駆け寄って肩を抱き慰める。
温かな光景だった。
「テメェー! あぶないとこだっただろう!」
「ごめんなさいー!」
段々、身の危険を感じて来た。
「じゃあ、皇紀!」
「はい! 僕はちょっと忙しいので、みなさんのレベルにはちょっと」
「それでいい!」
「それで屋台なんですが、おばあちゃんがやってるお店で」
「幽霊ババァかー!」
「よく御存知で」
「あれはヤバい! ヘンな薬とか混じってるって噂だぞ!」
「そうなんですか?」
皿が配られた。
おでんのようで、みんなチクワが乗っている。
俺は一応まだ口に入れるなと言った。
しばらく見ていた。
チクワが動いた。
「「「「「!」」」」」
《たべないの?》
チクワが喋った。
「「「「「ギャーーーーーー!!!」」」」」
「皇紀!」
「ハイ!」
「後で全部オートクレーブに放り込め!」
「ハイ!」
俺は危険すぎると判断した。
「よし! 今日はここまでだ!」
「えー! 私まだですけどー!」
亜紀ちゃんが文句を言う。
「ダメだ! 命に関わるじゃねぇか!」
「でも、私一生懸命探したんです!」
「お前らの一生懸命は怖すぎだよ!」
亜紀ちゃんは食い下がり、見るだけでもと言う。
仕方なく、俺は全員に見るだけで絶対に喰うなと言った。
「えー、最後はカワイイ亜紀ちゃんのー」
「前置きはいい!」
亜紀ちゃんが俺を睨む。
「折角雰囲気を戻そうとしたのにー」
「いいから早く出せ」
皿が配られ、肉が乗っている。
「これは「最後の晩餐」という……」
「ヤバい名前だな」
「最近出来たフレンチらしいんですが」
「へぇー」
「亜蘭さんのアパートの人が食べに行って、凄く不味かったって」
「おい、あいつのアパートで最近誰か死んだって言ってたよな!」
「え!」
みんなの顔が青くなる。
「私が行ったら、もうお店は閉じるつもりだって耳の尖った店長さんが」
「そうなのかよ。おい、お前ら絶対に喰うなよ!」
突然、上の三階で大きな音がした。
巨人が足で床を蹴ったような感じだった。
「クロピョン! ヤバイ奴を急いで喰え!」
全員の皿から肉が無くなった。
三階で、この世のものとは思えない絶叫が響いた。
「「「「「……」」」」」
「えー、第一回「これだけは喰うな!」大会を終了します。ちなみに、第二回はもうありません」
蒼白になって震えている亜紀ちゃんの代わりに、俺が宣言した。
解散したしばらく後で、みんながリヴィングに戻って来た。
誰もほとんど食べていないことに気付いた。
みんなで蕎麦を茹でて、美味しいと言って笑って満足した。
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