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テトラの歌 Ⅱ
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三日後。
暴行事件の被害者女性が意識を取り戻した。
俺がまず面談してみる。
「大変でしたね。身体はまだ痛みますか?」
俺が病室に入り尋ねると、女性が目を見開いて俺を見た。
俺の質問は聞こえていたはずだが、何も答えずに俺を凝視する。
俺が椅子を持って来て座ると、ようやく話し出した。
「全身に痛みが」
「そうですか。無理もありません。あちこち骨折していましたし」
俺はまだ詳しい状況は話さなかった。
患者にそれを受け入れる準備がないだろうからだ。
内臓を損傷するまでの暴行を受けていたのだ。
特に頭部の挫傷は話さない。
不安になるに決まっている。
「お名前は?」
「え?」
女性の顔が歪んだ。
「あの、思い出せません」
「そうですか。無理はなさらなくていいんですよ。ショックを受けているんでしょう」
「そうですか」
不安そうな顔だ。
無理もない。
「何か思い出せることはありますか?」
「いえ、すみません。自分が何をしていたのか、よく分からないんです」
静かに泣き出した。
俺は今は休むように言い、痛みや気分が優れなければナースコールで知らせるように言った。
「何も心配はありません。まずは傷を治しましょう」
女性は頷いてベッドで目を閉じた。
俺は院長と相談した。
「記憶喪失ですね。暴行のショックかと思いますが、頭部に衝撃を受けていますし、何とも」
「MRIは撮ったんだよな?」
「はい。内出血が確認されました」
俺は幾つかの画像を院長に見せた。
「これは酷いな」
「ええ。障害が出たとしても不思議はありませんよ」
「そうだな」
俺は更に言いにくい話をした。
「患者の生活が分からないことには、給付金の目途も立ちません」
「ああ」
「犯人が捕まるかどうかも今の時点では」」
「分かっているよ」
「院長、お願いします。女性の身体が回復するまでは、うちの病院で面倒を見させて下さい」
「仕方がない。俺が許可する。治るまでお前が担当しろ」
「ありがとうございます!」
治療費、入院費を取りっぱぐれる可能性が高い。
それを院長が認めてくれた。
俺は警察に連絡し、5分間だけ面談を許可した。
俺の同席の上だ。
やって来た小山内という刑事に、記憶喪失の上精神状態が不安定なので、まだ無理に質問するなと言った。
「記憶が無いことをあなた方も承知の上で、という立場で聞いてみて下さい」
小山内刑事は女性の病室へ行き、記憶を喪っていることは聞いていると最初に言った。
その上で、犯行時の覚えていることがあればと質問した。
「どこかに連れ込まれたような気がします。でもそれがどこなのかは……」
「あなた以外に何人いたか覚えてますか?」
「分かりません。すいません」
「他に何か、何でもいいのですが」
「すいません……」
女性が頭を抱えて苦しんでいるようなので、俺は今日はここまででと言った。
俺は別室で小山内刑事と話をした。
「先生、あの記憶喪失は治りますか?」
「分かりません。報告書にも書きましたが、頭がい骨が陥没するほど殴られています。MRIで調べましたが、内出血が脳内に留まっています。記憶が喪われても不思議ではないし、もしかすると今後もっと症状が出て来るかもしれない」
「そうですか」
「施術前の写真も添付しましたが、俺はバットのようなもので殴ったのではないかと」
「それは?」
「身体の内出血の状況です。丁度バットくらいの太さが多い」
「なるほど、参考になります。先生は複数での暴行と思いますか?」
「そうですね。殴られた数から、そうではないかと。手足に縛った痕もあります。椅子に固定されたのではないかと」
「お詳しいですな!」
「まあ、若い頃はいろいろ無茶を」
「そうですか!」
まさか俺を容疑者とは考えないだろうが、小山内刑事は俺を鋭い目で見た。
「暴走族だったんですよ。高校生の頃に。あの当時は酷い喧嘩ばかりでした」
「ああ、そうでしたね」
「お互いに敵チームの連中を攫ったりしてね」
「私も聞いたありますよ」
「それで、あの女性のような傷を数多く見て来ました」
「分かりました。もう先生も無茶はしてないでしょうな!」
「そりゃもう!」
「「アハハハハハ!」」
まあ、納得してもらえたようだ。
俺は経過を知らせると言い、しばらく病院で面倒を見ることを話した。
「宜しくお願いします。あの女性が可哀そうだ。誰が何のためにやったのか。幾ら何でもあれは酷い」
「犯人を捕まえて下さい」
「努力します」
女性は仮に加納明子という名で登録された。
俺は他の仕事の合間に、加納さんの病室へ通った。
暴行の傷は癒えて順調に行っている。
脊髄は上手く繋いだので、じきに歩けるようにもなるだろう。
心配していた頭部の挫傷も悪影響はなく、内出血も徐々に退いている。
もしかしたら、記憶を取り戻す可能性も出て来た。
開放骨折は無かったので、見た目には手術混の他に外傷はない。
オペの前に全身のレントゲンを撮った。
俺はそこで幾つか不審なことを発見した。
数カ所で骨折の痕跡があった。
俺の経験上、長期間、つまり、幼少の頃からのものと分かるものもあった。
俺自身がそうだから、よく分かる。
骨折箇所は、他の部分よりも膨らむことが多い。
一体、加納明子はどのような生活をしていたのか。
髪は綺麗にカットされている。
服も、高価なものではないが、ちゃんとしていた。
下着もだ。
浮浪者などではなかったはずだ。
非常に痩せていたのは、何日か拉致されて暴行を受けていたことを示している。
だが、服のサイズから、最初から痩せた女性だったことは分かる。
顔は内出血と頬の骨折のために無残なものだったが、元々は綺麗な顔立ちと思われた。
そういうことも小山内刑事には話している。
「石神先生!」
加納明子は俺の顔を見ると微笑むようになった。
俺も出来るだけ優しく接している。
「どうですか、今日は」
「はい。本当に日々良くなっているような気がします」
「そうですか。それは良かった」
話し方も上品だ。
「病院食は味気ないでしょう。これを持って来ました」
俺はオークラのプリンをベッド脇の台に置いた。
「先生、こんなものを」
「いいんですよ。他に食べたがる人間がいるので、ついでに買って来ただけです」
「ありがとうございます」
加納明子は嬉しそうにプリンを見た。
「何か食べたいものはありますか?」
「あの、ハンバーグとか」
「へぇ! 食欲が戻って来ましたね!」
「いいえ、お恥ずかしいのですが、何となくそういうものが食べたいと」
「じゃあ、今度用意しましょう。夕飯にいかがですか?」
「え、でも決まっているんじゃ」
「大丈夫ですよ。今は栄養を摂ることが重要です。ちょっと調整するだけですから」
「そうですか。ではお願いします」
「毎回は無理ですけどね。時々は伺って出来るだけお応えしましょう!」
「ウフフフフ」
加納明子が小さく笑った。
俺は彼女に笑顔が浮かぶのが嬉しかった。
「でもですね、あんまり他の人間には言わないで下さい」
「あ、やっぱり無理をなさるんじゃ!」
「まあそうなんですけどね。加納さんは特別です」
「え!」
「ゆっくりでいいですから、お元気になっていきましょうよ」
「はい!」
二人で笑った。
不思議だった。
知らない女だが、やはりどこか懐かしい感じがした。
まあ気のせいなのだろうが、俺が何かしたくなる雰囲気があったのは確かだ。
俺は部屋を出て、ナースセンターに加納明子の夕食のメニューを変えると言った。
俺が頼んで、病院の食堂で岩波さんに作ってもらった。
もちろん、普通の入院患者は外注の業者が納める食事を食べている。
120gのハンバーグに、ポテトとニンジンの付け合わせ。
クレソンや他のものを付けてもいいのだが、石神家のハンバーグにした。
お袋が作ってくれていたものだ。
まあ、そんなに美味いものではなかったが。
お袋がやらなかったデミグラスソースをかけている。
俺が夕飯を運ぶと、加納明子がとても喜んでくれ、また恐縮した。
「こんなハンバーグが食べたかったんです!」
「それは良かった」
嬉しそうに食べ始めるのを見て、俺はまた部屋を出た。
大したことをしたわけでもないが、俺は非常に嬉しかった。
暴行事件の被害者女性が意識を取り戻した。
俺がまず面談してみる。
「大変でしたね。身体はまだ痛みますか?」
俺が病室に入り尋ねると、女性が目を見開いて俺を見た。
俺の質問は聞こえていたはずだが、何も答えずに俺を凝視する。
俺が椅子を持って来て座ると、ようやく話し出した。
「全身に痛みが」
「そうですか。無理もありません。あちこち骨折していましたし」
俺はまだ詳しい状況は話さなかった。
患者にそれを受け入れる準備がないだろうからだ。
内臓を損傷するまでの暴行を受けていたのだ。
特に頭部の挫傷は話さない。
不安になるに決まっている。
「お名前は?」
「え?」
女性の顔が歪んだ。
「あの、思い出せません」
「そうですか。無理はなさらなくていいんですよ。ショックを受けているんでしょう」
「そうですか」
不安そうな顔だ。
無理もない。
「何か思い出せることはありますか?」
「いえ、すみません。自分が何をしていたのか、よく分からないんです」
静かに泣き出した。
俺は今は休むように言い、痛みや気分が優れなければナースコールで知らせるように言った。
「何も心配はありません。まずは傷を治しましょう」
女性は頷いてベッドで目を閉じた。
俺は院長と相談した。
「記憶喪失ですね。暴行のショックかと思いますが、頭部に衝撃を受けていますし、何とも」
「MRIは撮ったんだよな?」
「はい。内出血が確認されました」
俺は幾つかの画像を院長に見せた。
「これは酷いな」
「ええ。障害が出たとしても不思議はありませんよ」
「そうだな」
俺は更に言いにくい話をした。
「患者の生活が分からないことには、給付金の目途も立ちません」
「ああ」
「犯人が捕まるかどうかも今の時点では」」
「分かっているよ」
「院長、お願いします。女性の身体が回復するまでは、うちの病院で面倒を見させて下さい」
「仕方がない。俺が許可する。治るまでお前が担当しろ」
「ありがとうございます!」
治療費、入院費を取りっぱぐれる可能性が高い。
それを院長が認めてくれた。
俺は警察に連絡し、5分間だけ面談を許可した。
俺の同席の上だ。
やって来た小山内という刑事に、記憶喪失の上精神状態が不安定なので、まだ無理に質問するなと言った。
「記憶が無いことをあなた方も承知の上で、という立場で聞いてみて下さい」
小山内刑事は女性の病室へ行き、記憶を喪っていることは聞いていると最初に言った。
その上で、犯行時の覚えていることがあればと質問した。
「どこかに連れ込まれたような気がします。でもそれがどこなのかは……」
「あなた以外に何人いたか覚えてますか?」
「分かりません。すいません」
「他に何か、何でもいいのですが」
「すいません……」
女性が頭を抱えて苦しんでいるようなので、俺は今日はここまででと言った。
俺は別室で小山内刑事と話をした。
「先生、あの記憶喪失は治りますか?」
「分かりません。報告書にも書きましたが、頭がい骨が陥没するほど殴られています。MRIで調べましたが、内出血が脳内に留まっています。記憶が喪われても不思議ではないし、もしかすると今後もっと症状が出て来るかもしれない」
「そうですか」
「施術前の写真も添付しましたが、俺はバットのようなもので殴ったのではないかと」
「それは?」
「身体の内出血の状況です。丁度バットくらいの太さが多い」
「なるほど、参考になります。先生は複数での暴行と思いますか?」
「そうですね。殴られた数から、そうではないかと。手足に縛った痕もあります。椅子に固定されたのではないかと」
「お詳しいですな!」
「まあ、若い頃はいろいろ無茶を」
「そうですか!」
まさか俺を容疑者とは考えないだろうが、小山内刑事は俺を鋭い目で見た。
「暴走族だったんですよ。高校生の頃に。あの当時は酷い喧嘩ばかりでした」
「ああ、そうでしたね」
「お互いに敵チームの連中を攫ったりしてね」
「私も聞いたありますよ」
「それで、あの女性のような傷を数多く見て来ました」
「分かりました。もう先生も無茶はしてないでしょうな!」
「そりゃもう!」
「「アハハハハハ!」」
まあ、納得してもらえたようだ。
俺は経過を知らせると言い、しばらく病院で面倒を見ることを話した。
「宜しくお願いします。あの女性が可哀そうだ。誰が何のためにやったのか。幾ら何でもあれは酷い」
「犯人を捕まえて下さい」
「努力します」
女性は仮に加納明子という名で登録された。
俺は他の仕事の合間に、加納さんの病室へ通った。
暴行の傷は癒えて順調に行っている。
脊髄は上手く繋いだので、じきに歩けるようにもなるだろう。
心配していた頭部の挫傷も悪影響はなく、内出血も徐々に退いている。
もしかしたら、記憶を取り戻す可能性も出て来た。
開放骨折は無かったので、見た目には手術混の他に外傷はない。
オペの前に全身のレントゲンを撮った。
俺はそこで幾つか不審なことを発見した。
数カ所で骨折の痕跡があった。
俺の経験上、長期間、つまり、幼少の頃からのものと分かるものもあった。
俺自身がそうだから、よく分かる。
骨折箇所は、他の部分よりも膨らむことが多い。
一体、加納明子はどのような生活をしていたのか。
髪は綺麗にカットされている。
服も、高価なものではないが、ちゃんとしていた。
下着もだ。
浮浪者などではなかったはずだ。
非常に痩せていたのは、何日か拉致されて暴行を受けていたことを示している。
だが、服のサイズから、最初から痩せた女性だったことは分かる。
顔は内出血と頬の骨折のために無残なものだったが、元々は綺麗な顔立ちと思われた。
そういうことも小山内刑事には話している。
「石神先生!」
加納明子は俺の顔を見ると微笑むようになった。
俺も出来るだけ優しく接している。
「どうですか、今日は」
「はい。本当に日々良くなっているような気がします」
「そうですか。それは良かった」
話し方も上品だ。
「病院食は味気ないでしょう。これを持って来ました」
俺はオークラのプリンをベッド脇の台に置いた。
「先生、こんなものを」
「いいんですよ。他に食べたがる人間がいるので、ついでに買って来ただけです」
「ありがとうございます」
加納明子は嬉しそうにプリンを見た。
「何か食べたいものはありますか?」
「あの、ハンバーグとか」
「へぇ! 食欲が戻って来ましたね!」
「いいえ、お恥ずかしいのですが、何となくそういうものが食べたいと」
「じゃあ、今度用意しましょう。夕飯にいかがですか?」
「え、でも決まっているんじゃ」
「大丈夫ですよ。今は栄養を摂ることが重要です。ちょっと調整するだけですから」
「そうですか。ではお願いします」
「毎回は無理ですけどね。時々は伺って出来るだけお応えしましょう!」
「ウフフフフ」
加納明子が小さく笑った。
俺は彼女に笑顔が浮かぶのが嬉しかった。
「でもですね、あんまり他の人間には言わないで下さい」
「あ、やっぱり無理をなさるんじゃ!」
「まあそうなんですけどね。加納さんは特別です」
「え!」
「ゆっくりでいいですから、お元気になっていきましょうよ」
「はい!」
二人で笑った。
不思議だった。
知らない女だが、やはりどこか懐かしい感じがした。
まあ気のせいなのだろうが、俺が何かしたくなる雰囲気があったのは確かだ。
俺は部屋を出て、ナースセンターに加納明子の夕食のメニューを変えると言った。
俺が頼んで、病院の食堂で岩波さんに作ってもらった。
もちろん、普通の入院患者は外注の業者が納める食事を食べている。
120gのハンバーグに、ポテトとニンジンの付け合わせ。
クレソンや他のものを付けてもいいのだが、石神家のハンバーグにした。
お袋が作ってくれていたものだ。
まあ、そんなに美味いものではなかったが。
お袋がやらなかったデミグラスソースをかけている。
俺が夕飯を運ぶと、加納明子がとても喜んでくれ、また恐縮した。
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