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亜蘭の居場所
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亜蘭を助手席に乗せている。
「どうだ、緊張してるか?」
「はい、ちょっとだけ。でも、「暁園」の子どもたちに会えるのが楽しみです」
「そうか」
「暁園」にはすぐに着いた。
よしこが連絡したのだろう。
子どもたちが門の前で待っていてくれた。
俺たちが来ると、一斉に左右に分かれて中へ入れてくれる。
俺と亜蘭、子どもたちとロボが降りた。
32人の子どもたちが駆け寄って来る。
「おお、随分と立派になったな」
「暁園」は建て替えをした。
白い大理石とガラスを多用した、非常に優美な建築だ。
高級マンション以上に豪華な造りだ。
俺の子どもたちなのだから、これでいい。
でも、亜蘭は建物など見もしなかった。
最初から子どもたちしか見ていなかった。
一階の集会場に集まった。
「この人は灰寺亜蘭だ。これからここでお前たちと一緒にいるようになる」
子どもたちは明るく歓迎した。
「灰寺亜蘭です! 一生懸命に働きますので、どうか宜しくお願いします!」
子どもたちが拍手をした。
「今、東京に住んでいるんだ。今の仕事の引継ぎや、引っ越しの準備もあるから、もう少し先になるけどな。今日は顔合わせで連れて来た。何か聞きたいことがあれば言ってくれ」
子どもたちから年齢や今までの仕事、子ども時代の思い出など、様々なことを聞かれた。
亜蘭は懸命にそれを話した。
好印象を持ってもらいたいものではなかった。
自分などに興味を持ってくれることに対する、精一杯の感謝だった。
「小学生時代に一番思い出になったことは何ですか?」
「えーと、ちょっと待って。今思い出すから。あんまりいいことが無かったから」
子どもたちが笑った。
「ああ! しょっちゅういじめられてる子がいたんだ!」
子どもたちが真剣に聞いていた。
「いつもはね、僕は怖くて見ない振りをしていたんだ。でもね、あまりにも酷くて、その日はやめるように言ったんだ」
「スゴイ!」
「うん。でもね、その日から今度は僕がいじめられるようになってね。あとで辞めとけばよかったって後悔した」
みんなが笑った。
「でもね。今でも思うんだ。僕は今も弱くて怖がりだけど、僕だって勇気はゼロじゃないんだって。怖いことは苦手だし、自分が傷つくのは怖いんだ。石神さんたちとは全然違う。でもね、僕はいつだって勇気を出したいんだ。君たちのためなら、僕はきっと喜んで勇気を出すよ」
亜蘭の言葉は子どもたちにも伝わった。
「私も灰寺さんのために勇気を出します!」
「あ、ありがとう!」
亜蘭が涙ぐんだ。
次々に子どもたちが、自分も勇気を出すと言った。
俺たちは訓練場に移動した。
「暁園」の子どもたちは、毎日「花岡」を練習している。
基本の動作をみんなにやらせ、うちの子どもたちが指導して行った。
亜蘭も一緒にやる。
亜蘭が手本で見せる動作の優美さに、「暁園」の子どもたちも亜蘭の実力を知った。
組み手を始めた。
「神様! 一緒にやっていただけますか!」
「もちろんだ!」
竹流が俺に言って来た。
二人でしばらく組み手をする。
組み手は「金剛花」だけを使い、身体の防御だけはする。
しかし、その他の突きや蹴りには「花岡」を使わない。
竹流の上達は目覚ましかった。
竹流は、ここの最上位だ。
「亜蘭! 竹流と組み手をしてみてくれ!」
俺は亜蘭の実力を子どもたちに見せるために呼んだ。
二人は互いに礼をして始めた。
亜蘭は最初、竹流の攻撃を防御することだけだった。
竹流の実力が分かって来ると、徐々に自分も攻撃を仕掛けた。
二人とも嬉しそうな顔でやり合っていった。
「亜蘭! 竹流に「螺旋花」を撃ってみろ」
「え!」
「いいからやれよ」
亜蘭が戸惑っていた。
「あの、石神さん!」
「なんだ?」
「危ないです!」
「竹流なら大丈夫だって」
「石神さんが言うのならそうなんでしょう。でも、僕には出来ません」
「なんでだ?」
「危ないです!」
竹流も驚いて見ていた。
竹流が笑った。
他の子どもたちも笑った。
「灰寺さん、ありがとうございます」
「え、いや……」
亜蘭が驚いていた。
「分かったよ! 俺が悪者なんだな!」
「そういうことじゃ!」
一度シャワーを浴びた。
男女別に分かれているのを見て、亜蘭が小さく笑い、自分の額を掌で叩いていた。
「残念だな、男女別にしたんだ」
「そりゃそうですよね」
「露天風呂も作った。あそこは混浴だぞ?」
「ほんとですか!」
「ばかやろう! 交代制だ!」
「やっぱ!」
俺は笑って、亜蘭にシャワーを浴びさせた。
みんなで集まって、三時のお茶にした。
「暁園」の子どもたちには、甘いミルクティーを淹れた。
おやつは「紅オイシーズ」のコンポート・ヨーグルトだ。
「暁園」には専任の料理人が3人いて、毎日美味しい物を作ってくれる。
厨房長の朝倉さんは、鷹の実家でも働いていたことのある、一流の料理人だった。
三食を頼んでいたが、そのうちにおやつまで作ってくれるようになった。
子どもたちへの愛情の深い人だ。
みんなで美味しく頂き、口下手な亜蘭のために、俺が亜蘭の話をした。
「亜蘭はな、最初はうちのルーとハーに一目惚れして、それで縁が出来たんだ」
俺がルーの肩に手を乗せようとして、亜蘭がハーにぶっ飛ばされた話をした。
「亜蘭は普通の人間だったからな。何が起きたのか気付かなかった。交通事故で当て逃げされたことになったんだ」
みんなが爆笑した。
亜蘭も笑っている。
「それからうちを探してな。丁度うちが拡張工事をしていたんで、そこで働きたいって言って来たんだ」
子どもたちが目を輝かせて聞いていた。
「だけどな。こいつ、何にも運動をしたことがないんで、体力がなくてなぁ。初日は午前中に倒れた。次の日も午後に倒れた。全然使い物にならなかったよな」
「はい」
「本来はクビなんだけど、何しろさ。こいつはハーに勘違いされてぶっ飛ばされて入院したじゃん。だから俺も追い出せなくてさ」
みんながまた爆笑した。
「でもな、ちょっとずついられる時間が長くなっていった。亜蘭も、出来ないなりに頑張ってたんだ。そして徐々に長くられるようになって、最後までいられるようになった」
みんなが拍手した。
「ある時、風に煽られて立てかけていた木材が倒れたんだ。丁度いたルーとハーの上にな。二人は知っての通り何でもない事なんだけど、それを知らなかった亜蘭が咄嗟に飛び出して二人を庇ったんだ」
子どもたちが感動していた。
「まあ、反対にルーとハーに助けられたんだけどな。亜蘭はちょっと怪我をした。こいつはそういう奴だ。自分のことを全然スゴイ人間だとは思ってない。でも、そんな自分でも大事な人間のために動こうとする。いい奴だろ?」
子どもたちが大きな拍手を送った。
亜蘭が照れていた。
双子が両脇から亜蘭の肩に手を乗せて笑っていた。
「何が出来るとか出来ないとかじゃないんだ、人間は。必要ならやる。それだけだぞ。それが本当に出来なくたって、全然構わない。やったかやらなかったかだけだ。そうだよな!」
『はい!』
子どもたちがまた拍手した。
俺たちは「暁園」を出た。
「亜蘭、どうだった?」
「みんな、いい子ですね!」
「お前はちっちゃい子はみんなそうだろう!」
みんなで笑った。
「でも、本当にいい子たちですよ。あれも石神さんのお陰ですね」
「俺は何もしてないよ。よしこや「紅六花」のメンバーがみんなよくやってるんだ」
「そうですか」
「亜蘭」
「はい」
「あそこがお前の居場所だ」
「はい!」
家族はいても、冷たい関係でしかなかった亜蘭。
今も、金だけは不自由しないが、たった独りでしかない亜蘭。
亜蘭に居場所が出来、大事な家族が出来た。
「どうだ、緊張してるか?」
「はい、ちょっとだけ。でも、「暁園」の子どもたちに会えるのが楽しみです」
「そうか」
「暁園」にはすぐに着いた。
よしこが連絡したのだろう。
子どもたちが門の前で待っていてくれた。
俺たちが来ると、一斉に左右に分かれて中へ入れてくれる。
俺と亜蘭、子どもたちとロボが降りた。
32人の子どもたちが駆け寄って来る。
「おお、随分と立派になったな」
「暁園」は建て替えをした。
白い大理石とガラスを多用した、非常に優美な建築だ。
高級マンション以上に豪華な造りだ。
俺の子どもたちなのだから、これでいい。
でも、亜蘭は建物など見もしなかった。
最初から子どもたちしか見ていなかった。
一階の集会場に集まった。
「この人は灰寺亜蘭だ。これからここでお前たちと一緒にいるようになる」
子どもたちは明るく歓迎した。
「灰寺亜蘭です! 一生懸命に働きますので、どうか宜しくお願いします!」
子どもたちが拍手をした。
「今、東京に住んでいるんだ。今の仕事の引継ぎや、引っ越しの準備もあるから、もう少し先になるけどな。今日は顔合わせで連れて来た。何か聞きたいことがあれば言ってくれ」
子どもたちから年齢や今までの仕事、子ども時代の思い出など、様々なことを聞かれた。
亜蘭は懸命にそれを話した。
好印象を持ってもらいたいものではなかった。
自分などに興味を持ってくれることに対する、精一杯の感謝だった。
「小学生時代に一番思い出になったことは何ですか?」
「えーと、ちょっと待って。今思い出すから。あんまりいいことが無かったから」
子どもたちが笑った。
「ああ! しょっちゅういじめられてる子がいたんだ!」
子どもたちが真剣に聞いていた。
「いつもはね、僕は怖くて見ない振りをしていたんだ。でもね、あまりにも酷くて、その日はやめるように言ったんだ」
「スゴイ!」
「うん。でもね、その日から今度は僕がいじめられるようになってね。あとで辞めとけばよかったって後悔した」
みんなが笑った。
「でもね。今でも思うんだ。僕は今も弱くて怖がりだけど、僕だって勇気はゼロじゃないんだって。怖いことは苦手だし、自分が傷つくのは怖いんだ。石神さんたちとは全然違う。でもね、僕はいつだって勇気を出したいんだ。君たちのためなら、僕はきっと喜んで勇気を出すよ」
亜蘭の言葉は子どもたちにも伝わった。
「私も灰寺さんのために勇気を出します!」
「あ、ありがとう!」
亜蘭が涙ぐんだ。
次々に子どもたちが、自分も勇気を出すと言った。
俺たちは訓練場に移動した。
「暁園」の子どもたちは、毎日「花岡」を練習している。
基本の動作をみんなにやらせ、うちの子どもたちが指導して行った。
亜蘭も一緒にやる。
亜蘭が手本で見せる動作の優美さに、「暁園」の子どもたちも亜蘭の実力を知った。
組み手を始めた。
「神様! 一緒にやっていただけますか!」
「もちろんだ!」
竹流が俺に言って来た。
二人でしばらく組み手をする。
組み手は「金剛花」だけを使い、身体の防御だけはする。
しかし、その他の突きや蹴りには「花岡」を使わない。
竹流の上達は目覚ましかった。
竹流は、ここの最上位だ。
「亜蘭! 竹流と組み手をしてみてくれ!」
俺は亜蘭の実力を子どもたちに見せるために呼んだ。
二人は互いに礼をして始めた。
亜蘭は最初、竹流の攻撃を防御することだけだった。
竹流の実力が分かって来ると、徐々に自分も攻撃を仕掛けた。
二人とも嬉しそうな顔でやり合っていった。
「亜蘭! 竹流に「螺旋花」を撃ってみろ」
「え!」
「いいからやれよ」
亜蘭が戸惑っていた。
「あの、石神さん!」
「なんだ?」
「危ないです!」
「竹流なら大丈夫だって」
「石神さんが言うのならそうなんでしょう。でも、僕には出来ません」
「なんでだ?」
「危ないです!」
竹流も驚いて見ていた。
竹流が笑った。
他の子どもたちも笑った。
「灰寺さん、ありがとうございます」
「え、いや……」
亜蘭が驚いていた。
「分かったよ! 俺が悪者なんだな!」
「そういうことじゃ!」
一度シャワーを浴びた。
男女別に分かれているのを見て、亜蘭が小さく笑い、自分の額を掌で叩いていた。
「残念だな、男女別にしたんだ」
「そりゃそうですよね」
「露天風呂も作った。あそこは混浴だぞ?」
「ほんとですか!」
「ばかやろう! 交代制だ!」
「やっぱ!」
俺は笑って、亜蘭にシャワーを浴びさせた。
みんなで集まって、三時のお茶にした。
「暁園」の子どもたちには、甘いミルクティーを淹れた。
おやつは「紅オイシーズ」のコンポート・ヨーグルトだ。
「暁園」には専任の料理人が3人いて、毎日美味しい物を作ってくれる。
厨房長の朝倉さんは、鷹の実家でも働いていたことのある、一流の料理人だった。
三食を頼んでいたが、そのうちにおやつまで作ってくれるようになった。
子どもたちへの愛情の深い人だ。
みんなで美味しく頂き、口下手な亜蘭のために、俺が亜蘭の話をした。
「亜蘭はな、最初はうちのルーとハーに一目惚れして、それで縁が出来たんだ」
俺がルーの肩に手を乗せようとして、亜蘭がハーにぶっ飛ばされた話をした。
「亜蘭は普通の人間だったからな。何が起きたのか気付かなかった。交通事故で当て逃げされたことになったんだ」
みんなが爆笑した。
亜蘭も笑っている。
「それからうちを探してな。丁度うちが拡張工事をしていたんで、そこで働きたいって言って来たんだ」
子どもたちが目を輝かせて聞いていた。
「だけどな。こいつ、何にも運動をしたことがないんで、体力がなくてなぁ。初日は午前中に倒れた。次の日も午後に倒れた。全然使い物にならなかったよな」
「はい」
「本来はクビなんだけど、何しろさ。こいつはハーに勘違いされてぶっ飛ばされて入院したじゃん。だから俺も追い出せなくてさ」
みんながまた爆笑した。
「でもな、ちょっとずついられる時間が長くなっていった。亜蘭も、出来ないなりに頑張ってたんだ。そして徐々に長くられるようになって、最後までいられるようになった」
みんなが拍手した。
「ある時、風に煽られて立てかけていた木材が倒れたんだ。丁度いたルーとハーの上にな。二人は知っての通り何でもない事なんだけど、それを知らなかった亜蘭が咄嗟に飛び出して二人を庇ったんだ」
子どもたちが感動していた。
「まあ、反対にルーとハーに助けられたんだけどな。亜蘭はちょっと怪我をした。こいつはそういう奴だ。自分のことを全然スゴイ人間だとは思ってない。でも、そんな自分でも大事な人間のために動こうとする。いい奴だろ?」
子どもたちが大きな拍手を送った。
亜蘭が照れていた。
双子が両脇から亜蘭の肩に手を乗せて笑っていた。
「何が出来るとか出来ないとかじゃないんだ、人間は。必要ならやる。それだけだぞ。それが本当に出来なくたって、全然構わない。やったかやらなかったかだけだ。そうだよな!」
『はい!』
子どもたちがまた拍手した。
俺たちは「暁園」を出た。
「亜蘭、どうだった?」
「みんな、いい子ですね!」
「お前はちっちゃい子はみんなそうだろう!」
みんなで笑った。
「でも、本当にいい子たちですよ。あれも石神さんのお陰ですね」
「俺は何もしてないよ。よしこや「紅六花」のメンバーがみんなよくやってるんだ」
「そうですか」
「亜蘭」
「はい」
「あそこがお前の居場所だ」
「はい!」
家族はいても、冷たい関係でしかなかった亜蘭。
今も、金だけは不自由しないが、たった独りでしかない亜蘭。
亜蘭に居場所が出来、大事な家族が出来た。
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