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blutschwert Ⅱ
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翌日の土曜日。
俺は桜に電話をした。
「おい、夕べのことは聞いてるだろうなぁ!」
「はい!」
俺の機嫌が悪いのは伝わったようだ。
「何か言うことはねぇのかぁ!」
「はい! 石神さんから任せられた役目をはたせず、申し訳ありませんでした!」
「おう! なんだ、てめぇら! いつも死にたいだのなんだの言ってくる癖しやがって! どいつもちょっと殴られて引っ込みやがって!」
「申し訳ありません!」
桜が必死に詫びている。
「おい! 何が何でも絶対にあの外人共を探し出せ! 柿崎に監視カメラの映像を貰え! てめぇら! 絶対に見つけ出せよなぁ!」
「はい! 必ず!」
俺は電話を切った。
続けて斬にも電話をし、裏のルートで探ってもらう。
俺は本命の早乙女に連絡した。
「石神!」
「おう! 夕べなぁ……」
俺は俺の店で暴れた二人組の外人の男たちの話をした。
「あいつら、俺と亜紀ちゃん、柳がいたのに、まんまと逃げやがった」
「え!」
「妙な術を使ってた。空間が闇に閉ざされるような術だ」
「じゃあ、妖魔絡みか?」
「分からん。まあ、そうだと思って探してくれないか?」
「もちろんだ!」
「店の監視カメラの映像を送らせる。入国管理局で、まずはどこの誰なのか当たってくれよ」
「ああ、すぐに手配しよう」
多分、最近日本へ来た連中だろう。
身なりは良かった。
それなりに金のある奴らと見受けられた。
「店の被害は?」
「まあ、テーブルやソファとか壊されて、従業員が性的悪戯を受けた」
「そうか」
「千万組の連中が止めようとして、呆気なく潰された」
「そうか」
「何よりもだぁ! 俺の店から無銭飲食で逃げたぁ!」
「それ、一番軽い罪だぞ?」
「俺にとっては重罪だぁ!」
電話を終えると、亜紀ちゃんが部屋に入って来た。
「もう終わりました?」
「ああ、一応打てる手は打った」
「はい! じゃあ疲れたタカちゃんはもうねまちょーねー」
俺が先週死に掛けたことを、まだ心配している。
今週はずっと遅くまでオペに追われていた。
そのことも気にしている。
まあ、確かに疲れてはいた。
俺は人間だ。
「でもなー、さっき起きたばっかりだしなー」
「一緒に寝てあげましょうか?」
ロボがベッドに上がって早速寝た。
「じゃあ、二度寝すっか!」
「はい!」
亜紀ちゃんが喜んで俺の隣に横になった。
俺も目を閉じると、やはり疲れていたせいか、すぐに眠くなった。
家の固定電話が鳴った。
下で誰かが取る。
内線が鳴った。
「タカさーん! バチカンの人からですー!」
「あんだと!」
俺は外線を拾って電話に出た。
「イシガミ様。突然ご連絡を差し上げて申し訳ございません」
ローマ法王庁のガスパリ大使・大司教だった。
「構いませんが、何かありましたか?」
「はい、ご報告があります。これから伺っても宜しいですか?」
「え! いや、わざわざそんな!」
「でも、電話ではお話し出来ないことなのです」
「そうでも……」
ガスパリ大司教は躊躇する俺に、何度も行くと言った。
「分かりました。それではお待ちしております」
「ありがとうございます。30分で参ります」
俺は慌てて髭を剃り、着替えた。
亜紀ちゃんも起こして着替えさせる。
「あーん、いい夢見てたのにー」
「うるせぇ! 早くしろ!」
下に降りて、ルーとハーに紅茶の準備をさせた。
お茶請けを聞かれたので、亜紀ちゃんに確認し、ピエール・マルコリーニのチョコレートを準備させた。
「あーん、楽しみにしてたのにー」
「うるせぇ!」
30分後に、ロールスロイスに乗ったガスパリ大司教が到着した。
今日は4人だけで、ガスパリ大司教とマクシミリアンと前に呼ばれていた凄腕の護衛が一緒に中へ入って来た。
運転席と助手席の二人の護衛は、車を降りて外で待機している。
2回のリヴィングへ案内した。
マクシミリアンは油断なくあちこちを警戒していた。
「ほう、チョコレートですか!」
「はい、急な御越しでこんなものしか用意出来ず、申し訳ありません」
「いいえ! チョコレートは大好物なのです」
「それは良かった」
俺はバカラのスウィングボウルに盛ったチョコレートをガスパリ大司教の前に置いた。
注意を促そうとするマクシミリアンを、手で制した。
「この方を信じなさい、マクシミリアン」
「はい、申し訳ありません」
ガスパリ大司教は笑顔で紅茶を口に含み、手でチョコレートを摘まんで食べた。
本当に幸せそうな顔をする。
後ろでマクシミリアンが苦笑していた。
愛すべき上司なのだと分かった。
クリストフルのケーキフォークを用意していたが、直接指で摘まむ。
俺は亜紀ちゃんに言って、ウェットティッシュを置かせた。
「子どもたちも一緒で宜しいですか?」
「はい。彼らが戦士であることは存じておりますので」
ならば血生臭い話か。
「実は我々も先ほど掴んだ情報なのですが、ブルートシュヴェルト(blutschwert:血刀)の一族が、イシガミ様に接触しようとしているらしいのです」
「ブルートシュヴェルト?」
「はい。御存知ないのも無理はありませんが、ヨーロッパで非常に古くからある家系です」
「はぁ」
「イシガミ様は「ローテス・ラント(rotes Land:赤き土地)」は御存知ですね?」
「まあ、有名な大企業ですからね」
「実はブルートシュヴェルト一族は、その「ローテス・ラント」の中枢にいる者たちなのです」
「え?」
ローテス・ラントは世界を支配すると言われている大財閥セブンブラザースの一角とされている。
特に欧州のエネルギー資源を握り、地下資源市場にも通じている。
ロックハート家と世界を二分する巨大コングロマリットだったが、現在はロックハート家がほぼすべての実権を握っている。
逆に、ローテス・ラントは大半の市場を喪っているはずだ。
但し、ロックハート家も世界市場を牛耳るつもりもなく、ローテス・ラントを傘下の企業として扱い、存続を許している。
しかし、ならば俺に接近してくる理由は分かる。
俺に、自分たちへもエネルギーと地下資源を回して欲しいということなのだろう。
俺とロックハート家との関係を掴み、ある程度は俺の力で現在の状況となっていることを知っている。
まあ、ヨーロッパへ石油や天然ガス、また地下資源の提供を始めたので、俺のことを掴む連中も出て来るとは思っていた。
ガスパリ大司教はそれでも、俺のことが外に漏れたことを詫びて来た。
「折角イシガミ様の御厚意でヨーロッパが救われましたのに。このようは不始末で申し訳ありません」
「いいえ。それではバチカンの方でローテス・ラントを止めて貰えるということでしょうか?」
ガスパリ大司教は額の汗を拭いた。
「それが、ブルートシュヴェルト一族は、バチカンに反する者たちなのです」
「はい?」
「クリスチャンではありません。むしろ、我らの主を憎んでいるような連中なのです」
苦々しく吐き捨てるように言った。
温厚なガスパリ大司教にそうまでさせるブルートシュヴェルト一族とは……
「我々は長らく敵対して来ました。何度も戦い、ようやく協定が結ばれたのは200年前です」
「はぁ」
ヨーロッパにいながらクリスチャンを否定するということは、大変なことだ。
「正しくは、シャルルマーニュの治世で既に互いの不可侵の約束は成ったのです。しかし、そこからも数多くの小競り合いはございました」
「そうなんですか」
シャルルマーニュとはカール大帝と言った方が通りはいいのかもしれない。
「ブルートシュヴェルト一族が、シャルルマーニュに手を貸したことが始まりです」
「なるほど」
「それによって、シャルルマーニュはヨーロッパの礎を築きました。キリスト教的にも稀有な人物で列聖されています」
「そうですね」
まあ、その辺は知っているが。
「それで、ブルートシュヴェルトというのは、一体どういった一族なんですか?」
「吸血鬼です」
「はい?」
「キリスト教に敵対する魔の一族。非常に長命で力が強くなかなか殺せない魔人。ヨーロッパの闇を支配し続けて来た恐るべき一族です」
ガスパリ大司教は俺を見据えてそう言った。
俺は桜に電話をした。
「おい、夕べのことは聞いてるだろうなぁ!」
「はい!」
俺の機嫌が悪いのは伝わったようだ。
「何か言うことはねぇのかぁ!」
「はい! 石神さんから任せられた役目をはたせず、申し訳ありませんでした!」
「おう! なんだ、てめぇら! いつも死にたいだのなんだの言ってくる癖しやがって! どいつもちょっと殴られて引っ込みやがって!」
「申し訳ありません!」
桜が必死に詫びている。
「おい! 何が何でも絶対にあの外人共を探し出せ! 柿崎に監視カメラの映像を貰え! てめぇら! 絶対に見つけ出せよなぁ!」
「はい! 必ず!」
俺は電話を切った。
続けて斬にも電話をし、裏のルートで探ってもらう。
俺は本命の早乙女に連絡した。
「石神!」
「おう! 夕べなぁ……」
俺は俺の店で暴れた二人組の外人の男たちの話をした。
「あいつら、俺と亜紀ちゃん、柳がいたのに、まんまと逃げやがった」
「え!」
「妙な術を使ってた。空間が闇に閉ざされるような術だ」
「じゃあ、妖魔絡みか?」
「分からん。まあ、そうだと思って探してくれないか?」
「もちろんだ!」
「店の監視カメラの映像を送らせる。入国管理局で、まずはどこの誰なのか当たってくれよ」
「ああ、すぐに手配しよう」
多分、最近日本へ来た連中だろう。
身なりは良かった。
それなりに金のある奴らと見受けられた。
「店の被害は?」
「まあ、テーブルやソファとか壊されて、従業員が性的悪戯を受けた」
「そうか」
「千万組の連中が止めようとして、呆気なく潰された」
「そうか」
「何よりもだぁ! 俺の店から無銭飲食で逃げたぁ!」
「それ、一番軽い罪だぞ?」
「俺にとっては重罪だぁ!」
電話を終えると、亜紀ちゃんが部屋に入って来た。
「もう終わりました?」
「ああ、一応打てる手は打った」
「はい! じゃあ疲れたタカちゃんはもうねまちょーねー」
俺が先週死に掛けたことを、まだ心配している。
今週はずっと遅くまでオペに追われていた。
そのことも気にしている。
まあ、確かに疲れてはいた。
俺は人間だ。
「でもなー、さっき起きたばっかりだしなー」
「一緒に寝てあげましょうか?」
ロボがベッドに上がって早速寝た。
「じゃあ、二度寝すっか!」
「はい!」
亜紀ちゃんが喜んで俺の隣に横になった。
俺も目を閉じると、やはり疲れていたせいか、すぐに眠くなった。
家の固定電話が鳴った。
下で誰かが取る。
内線が鳴った。
「タカさーん! バチカンの人からですー!」
「あんだと!」
俺は外線を拾って電話に出た。
「イシガミ様。突然ご連絡を差し上げて申し訳ございません」
ローマ法王庁のガスパリ大使・大司教だった。
「構いませんが、何かありましたか?」
「はい、ご報告があります。これから伺っても宜しいですか?」
「え! いや、わざわざそんな!」
「でも、電話ではお話し出来ないことなのです」
「そうでも……」
ガスパリ大司教は躊躇する俺に、何度も行くと言った。
「分かりました。それではお待ちしております」
「ありがとうございます。30分で参ります」
俺は慌てて髭を剃り、着替えた。
亜紀ちゃんも起こして着替えさせる。
「あーん、いい夢見てたのにー」
「うるせぇ! 早くしろ!」
下に降りて、ルーとハーに紅茶の準備をさせた。
お茶請けを聞かれたので、亜紀ちゃんに確認し、ピエール・マルコリーニのチョコレートを準備させた。
「あーん、楽しみにしてたのにー」
「うるせぇ!」
30分後に、ロールスロイスに乗ったガスパリ大司教が到着した。
今日は4人だけで、ガスパリ大司教とマクシミリアンと前に呼ばれていた凄腕の護衛が一緒に中へ入って来た。
運転席と助手席の二人の護衛は、車を降りて外で待機している。
2回のリヴィングへ案内した。
マクシミリアンは油断なくあちこちを警戒していた。
「ほう、チョコレートですか!」
「はい、急な御越しでこんなものしか用意出来ず、申し訳ありません」
「いいえ! チョコレートは大好物なのです」
「それは良かった」
俺はバカラのスウィングボウルに盛ったチョコレートをガスパリ大司教の前に置いた。
注意を促そうとするマクシミリアンを、手で制した。
「この方を信じなさい、マクシミリアン」
「はい、申し訳ありません」
ガスパリ大司教は笑顔で紅茶を口に含み、手でチョコレートを摘まんで食べた。
本当に幸せそうな顔をする。
後ろでマクシミリアンが苦笑していた。
愛すべき上司なのだと分かった。
クリストフルのケーキフォークを用意していたが、直接指で摘まむ。
俺は亜紀ちゃんに言って、ウェットティッシュを置かせた。
「子どもたちも一緒で宜しいですか?」
「はい。彼らが戦士であることは存じておりますので」
ならば血生臭い話か。
「実は我々も先ほど掴んだ情報なのですが、ブルートシュヴェルト(blutschwert:血刀)の一族が、イシガミ様に接触しようとしているらしいのです」
「ブルートシュヴェルト?」
「はい。御存知ないのも無理はありませんが、ヨーロッパで非常に古くからある家系です」
「はぁ」
「イシガミ様は「ローテス・ラント(rotes Land:赤き土地)」は御存知ですね?」
「まあ、有名な大企業ですからね」
「実はブルートシュヴェルト一族は、その「ローテス・ラント」の中枢にいる者たちなのです」
「え?」
ローテス・ラントは世界を支配すると言われている大財閥セブンブラザースの一角とされている。
特に欧州のエネルギー資源を握り、地下資源市場にも通じている。
ロックハート家と世界を二分する巨大コングロマリットだったが、現在はロックハート家がほぼすべての実権を握っている。
逆に、ローテス・ラントは大半の市場を喪っているはずだ。
但し、ロックハート家も世界市場を牛耳るつもりもなく、ローテス・ラントを傘下の企業として扱い、存続を許している。
しかし、ならば俺に接近してくる理由は分かる。
俺に、自分たちへもエネルギーと地下資源を回して欲しいということなのだろう。
俺とロックハート家との関係を掴み、ある程度は俺の力で現在の状況となっていることを知っている。
まあ、ヨーロッパへ石油や天然ガス、また地下資源の提供を始めたので、俺のことを掴む連中も出て来るとは思っていた。
ガスパリ大司教はそれでも、俺のことが外に漏れたことを詫びて来た。
「折角イシガミ様の御厚意でヨーロッパが救われましたのに。このようは不始末で申し訳ありません」
「いいえ。それではバチカンの方でローテス・ラントを止めて貰えるということでしょうか?」
ガスパリ大司教は額の汗を拭いた。
「それが、ブルートシュヴェルト一族は、バチカンに反する者たちなのです」
「はい?」
「クリスチャンではありません。むしろ、我らの主を憎んでいるような連中なのです」
苦々しく吐き捨てるように言った。
温厚なガスパリ大司教にそうまでさせるブルートシュヴェルト一族とは……
「我々は長らく敵対して来ました。何度も戦い、ようやく協定が結ばれたのは200年前です」
「はぁ」
ヨーロッパにいながらクリスチャンを否定するということは、大変なことだ。
「正しくは、シャルルマーニュの治世で既に互いの不可侵の約束は成ったのです。しかし、そこからも数多くの小競り合いはございました」
「そうなんですか」
シャルルマーニュとはカール大帝と言った方が通りはいいのかもしれない。
「ブルートシュヴェルト一族が、シャルルマーニュに手を貸したことが始まりです」
「なるほど」
「それによって、シャルルマーニュはヨーロッパの礎を築きました。キリスト教的にも稀有な人物で列聖されています」
「そうですね」
まあ、その辺は知っているが。
「それで、ブルートシュヴェルトというのは、一体どういった一族なんですか?」
「吸血鬼です」
「はい?」
「キリスト教に敵対する魔の一族。非常に長命で力が強くなかなか殺せない魔人。ヨーロッパの闇を支配し続けて来た恐るべき一族です」
ガスパリ大司教は俺を見据えてそう言った。
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