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アザゼルとハスハ
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11月の終わりの金曜日の夜。
私は愛車アルファードにお父さんを乗せて、実家へ向かっていた。
ダフニスとクロエはまた空から守ってくれている。
衆議院の常会と臨時会の会期が終わって、やっと実家へ帰れるお父さん。
石神さんが、私にも一緒に帰ってやれと言ってくれた。
日曜日にはまた一緒に東京に戻る予定だ。
お父さんは忙しい。
だからこそ、石神さんは私がお父さんと一緒にいられるようにと考えてくれた。
「柳、疲れているんじゃないか?」
「ううん! 大丈夫だよ」
「僕も運転しようか?」
「何言ってるの! お父さんこそ疲れてるでしょうに!」
お父さんが笑った。
「石神の家はどうだい?」
「うん、毎日楽しい! ハロウィンでね、「カタ研」のみんなで仮装パーティーをしたりね」
「そうか」
「その後でハーちゃんがインフルエンザになっちゃって」
「大丈夫だったの?」
「もちろん! 石神さんがいるからね。一緒にお風呂に入ったり、食事も作ったりしてた」
「あいつは優しいからなぁ」
お父さんが微笑んで言った。
「うん! でも表立っては全然心配してないみたいな態度なんだよ」
「そうなんだ」
「でもね、夜中に何度も部屋を覗くの。容態が変わってないかだと思うよ」
「そうか」
「私が気付いてたんだから、きっと亜紀ちゃんや皇紀君も気付いてたと思う。でも、二人は黙ってた」
「うん。自分たちが近付いてうつったら、石神を困らせるからね。それにそんなに心配されたって知ったら、ハーちゃんも困るだろう」
「そういうことだと思う。みんな優しいんだ。あ、ルーちゃんはうつった」
「アハハハハハ!」
サービスエリアで、食事をしようということになった。
家に帰るのは夜中になる。
お父さんが山菜蕎麦を食べようとするので、私がここは牛タン定食がいいのだと教えた。
お父さんは笑って、じゃあそれにすると言った。
お父さんに座っててもらい、私が買って来た。
「あ! 意外とあっさりしてるね」
「そうでしょ!」
石神家でいろいろ習ったと言ったら、お父さんがまた大笑いした。
「あ!」
「どうしたの、柳?」
「ほら! ちょっと前に石神さんに、四谷の地下壕のこと頼んだでしょう!」
「ああ、あったね」
「あれ! 本当に怖かったんだよ!」
「悪かったね」
「まあ、石神さんが私たちを騙して連れてったんだけど」
「アハハハハハ!」
でも、みんなで出掛けて楽しかったと言うと、お父さんが嬉しそうな顔をした。
その後も、ずっと石神さんの家での話をお父さんに話した。
お父さんはずっと笑って聞いていた。
「あ、ごめん! 眠かったよね?」
「大丈夫だよ。もっと聞かせて欲しいな」
「うん!」
私はずっと話していたけど、少し間が空いたらお父さんは眠っていた。
「やっぱり疲れてたじゃん」
お父さんは幸せそうな顔で眠っていた。
ゆっくり走ったので、夜の11時前に家に着いた。
ダフニスとクロエも地上に降りて来た。
お父さんに一礼して、庭の方へ回って行った。
みんな眠っていて、お母さんだけが起きていた。
「二人とも、お帰りなさい」
「うん、ただいま」
「お母さん! ただいま!」
石神さんの家もいいけど、やっぱり実家もいい。
お父さんと一緒にお茶を飲んだ。
漬物が一緒に出て来る。
やっぱり実家だ。
お父さんはすぐにお風呂に入って寝た。
私はオロチに挨拶に行った。
「夜だけどゴメンね。帰って来たから一応挨拶!」
ズルズルと音が聞こえた。
「え!」
オロチが顔を出して来た。
「出て来てくれたの! ありがとう!」
オロチの顔をなでなでした。
私のために姿を見せてくれるとは思わなかった。
「石神さん、元気だからね!」
オロチが舌を出し入れした。
「じゃあ、行くね! また明日!」
私は走って中へ入り、お風呂に入って眠った。
布団がポカポカで、お母さんが干しておいてくれたことが分かる。
ぐっすり眠った。
翌朝。
朝食の席でおじいちゃんとおばあちゃん、正利に挨拶した。
みんな嬉しそうに笑ってくれている。
午前中はのんびりした。
昼食はほうとう鍋だった。
「石神さんはお忙しいんだろうなぁ」
おじいちゃんが言った。
「うん。結構あちこちへ行かなきゃならないみたい」
「そうだろうなぁ。でもうちにも来て欲しいよな」
「そうだね!」
私がまた東京での石神さんのことを話すと、みんな嬉しそうに聞いてくれた。
「そういえば柳」
「なーに、お父さん?」
「前に石神がお前のガーディアンを付けてくれたじゃないか」
「ああ! ハスハだよね?」
「うん。もう見えるようになったかい?」
「全然ダメ。時々呼んでいるんだけど、何も見えないし感じないの」
「そうか」
でも、石神さんがやってくれたのだから、大丈夫なのだろう。
「お父さんは?」
「え?」
「アザゼルさんがついているんでしょう?」
「うん、そうなんだけどね」
「え、どうしたの?」
「僕もさ、一度も見たことはないんだよ」
「えぇ!」
「柳と同じだ。声も聴いたことが無い」
「そうなの!」
どうも、石神さん以外に見えないらしい。
「石神は凄いからなぁ」
「そういう問題?」
「アハハハハ!」
お父さんが笑うので呆れた。
「でもなー。折角守ってくれてるんなら、お話ししたいなー」
「うん、そうだね。僕は寝る前にいつも「ありがとう」と言っているよ」
「あ! それ私もやる!」
「うん」
夜はすき焼きにしてもらった。
石神家では落ち着いて食べられないと言うと、お母さんが笑って用意してくれた。
でも、みんなから肉を奪うのが辞められなくて、お父さんが大笑いして私だけ鍋を分けた。
ゆっくり食べれた。
「ハスハ、今日も守ってくれてありがとうね」
ベッドに横になって呟いた。
「柳」
どこか知らない場所で名前を呼ばれた。
「ここは?」
どこまでも続く荒野だった。
所々岩肌が向けており、他には土と砂しかない。
草木の一本も生えていない。
「かつて、あの方が戦った場所。私もアザゼルも共に戦った。勝利は納めたものの、あの方も消えてしまった」
「え?」
「一部の神が今もあの方を憎んでいる。大いなる「光の女王」に愛されているあの方を」
「どういうこと?」
どこから声が聞こえるのか分からない。
私は荒野に一人で立っていた。
「今度は「世界を滅ぼす」力を与えられた獣を放った。あの者とも何度も戦っているが、今回は神によって権能を与えられた」
「「業」のことね!」
「そうだ。今回は「神殺し」をあの方にさせ、神そのものがここに降りることが出来るようになった」
「なに!」
驚く私の目の前に、光が集まった。
それは小さな少女の形になった。
この世の者とは思えない程美しい顔。
金色の長い巻き毛で、竿頭衣のような長い真っ白のローブのようなものを着ている。
「あなたは?」
私が問いかけると、ニッコリとわらった。
「あ! ハスハ!」
「だから今度は私もアザゼルも本気で戦う。一度は神と戦い敗北したが、なぜ今度も負けることがあろうか。あの方は強い。神の権能を乗り越えて、必ず勝利するぞ」
「うん! 私も戦うよ!」
少女が微笑んだ。
「お前は良い。力を付けるまでは、必ず守ろう」
「うん! 強くなるね!」
翌朝、気分爽快で目覚めた。
みんなでまた朝食を食べた。
「柳、何を笑っているんだい?」
お父さんに言われた。
「え、私笑ってる?」
「うん。ニコニコしているよ?」
「そうなんだ。分からないけど、なんか今朝は楽しいんだ」
「そうか」
自分でも何が楽しいのか分からない。
でも、一晩実家でぐっすり眠ったからだろう。
誰かに頭を撫でられた気がした。
「ん?」
誰もいなかった。
まあいいや!
東京へ帰る車の中で、またお父さんに石神さんの話をたくさんした。
お父さんも疲れが抜けたか、ずっと起きて笑いながら聞いてくれた。
私は愛車アルファードにお父さんを乗せて、実家へ向かっていた。
ダフニスとクロエはまた空から守ってくれている。
衆議院の常会と臨時会の会期が終わって、やっと実家へ帰れるお父さん。
石神さんが、私にも一緒に帰ってやれと言ってくれた。
日曜日にはまた一緒に東京に戻る予定だ。
お父さんは忙しい。
だからこそ、石神さんは私がお父さんと一緒にいられるようにと考えてくれた。
「柳、疲れているんじゃないか?」
「ううん! 大丈夫だよ」
「僕も運転しようか?」
「何言ってるの! お父さんこそ疲れてるでしょうに!」
お父さんが笑った。
「石神の家はどうだい?」
「うん、毎日楽しい! ハロウィンでね、「カタ研」のみんなで仮装パーティーをしたりね」
「そうか」
「その後でハーちゃんがインフルエンザになっちゃって」
「大丈夫だったの?」
「もちろん! 石神さんがいるからね。一緒にお風呂に入ったり、食事も作ったりしてた」
「あいつは優しいからなぁ」
お父さんが微笑んで言った。
「うん! でも表立っては全然心配してないみたいな態度なんだよ」
「そうなんだ」
「でもね、夜中に何度も部屋を覗くの。容態が変わってないかだと思うよ」
「そうか」
「私が気付いてたんだから、きっと亜紀ちゃんや皇紀君も気付いてたと思う。でも、二人は黙ってた」
「うん。自分たちが近付いてうつったら、石神を困らせるからね。それにそんなに心配されたって知ったら、ハーちゃんも困るだろう」
「そういうことだと思う。みんな優しいんだ。あ、ルーちゃんはうつった」
「アハハハハハ!」
サービスエリアで、食事をしようということになった。
家に帰るのは夜中になる。
お父さんが山菜蕎麦を食べようとするので、私がここは牛タン定食がいいのだと教えた。
お父さんは笑って、じゃあそれにすると言った。
お父さんに座っててもらい、私が買って来た。
「あ! 意外とあっさりしてるね」
「そうでしょ!」
石神家でいろいろ習ったと言ったら、お父さんがまた大笑いした。
「あ!」
「どうしたの、柳?」
「ほら! ちょっと前に石神さんに、四谷の地下壕のこと頼んだでしょう!」
「ああ、あったね」
「あれ! 本当に怖かったんだよ!」
「悪かったね」
「まあ、石神さんが私たちを騙して連れてったんだけど」
「アハハハハハ!」
でも、みんなで出掛けて楽しかったと言うと、お父さんが嬉しそうな顔をした。
その後も、ずっと石神さんの家での話をお父さんに話した。
お父さんはずっと笑って聞いていた。
「あ、ごめん! 眠かったよね?」
「大丈夫だよ。もっと聞かせて欲しいな」
「うん!」
私はずっと話していたけど、少し間が空いたらお父さんは眠っていた。
「やっぱり疲れてたじゃん」
お父さんは幸せそうな顔で眠っていた。
ゆっくり走ったので、夜の11時前に家に着いた。
ダフニスとクロエも地上に降りて来た。
お父さんに一礼して、庭の方へ回って行った。
みんな眠っていて、お母さんだけが起きていた。
「二人とも、お帰りなさい」
「うん、ただいま」
「お母さん! ただいま!」
石神さんの家もいいけど、やっぱり実家もいい。
お父さんと一緒にお茶を飲んだ。
漬物が一緒に出て来る。
やっぱり実家だ。
お父さんはすぐにお風呂に入って寝た。
私はオロチに挨拶に行った。
「夜だけどゴメンね。帰って来たから一応挨拶!」
ズルズルと音が聞こえた。
「え!」
オロチが顔を出して来た。
「出て来てくれたの! ありがとう!」
オロチの顔をなでなでした。
私のために姿を見せてくれるとは思わなかった。
「石神さん、元気だからね!」
オロチが舌を出し入れした。
「じゃあ、行くね! また明日!」
私は走って中へ入り、お風呂に入って眠った。
布団がポカポカで、お母さんが干しておいてくれたことが分かる。
ぐっすり眠った。
翌朝。
朝食の席でおじいちゃんとおばあちゃん、正利に挨拶した。
みんな嬉しそうに笑ってくれている。
午前中はのんびりした。
昼食はほうとう鍋だった。
「石神さんはお忙しいんだろうなぁ」
おじいちゃんが言った。
「うん。結構あちこちへ行かなきゃならないみたい」
「そうだろうなぁ。でもうちにも来て欲しいよな」
「そうだね!」
私がまた東京での石神さんのことを話すと、みんな嬉しそうに聞いてくれた。
「そういえば柳」
「なーに、お父さん?」
「前に石神がお前のガーディアンを付けてくれたじゃないか」
「ああ! ハスハだよね?」
「うん。もう見えるようになったかい?」
「全然ダメ。時々呼んでいるんだけど、何も見えないし感じないの」
「そうか」
でも、石神さんがやってくれたのだから、大丈夫なのだろう。
「お父さんは?」
「え?」
「アザゼルさんがついているんでしょう?」
「うん、そうなんだけどね」
「え、どうしたの?」
「僕もさ、一度も見たことはないんだよ」
「えぇ!」
「柳と同じだ。声も聴いたことが無い」
「そうなの!」
どうも、石神さん以外に見えないらしい。
「石神は凄いからなぁ」
「そういう問題?」
「アハハハハ!」
お父さんが笑うので呆れた。
「でもなー。折角守ってくれてるんなら、お話ししたいなー」
「うん、そうだね。僕は寝る前にいつも「ありがとう」と言っているよ」
「あ! それ私もやる!」
「うん」
夜はすき焼きにしてもらった。
石神家では落ち着いて食べられないと言うと、お母さんが笑って用意してくれた。
でも、みんなから肉を奪うのが辞められなくて、お父さんが大笑いして私だけ鍋を分けた。
ゆっくり食べれた。
「ハスハ、今日も守ってくれてありがとうね」
ベッドに横になって呟いた。
「柳」
どこか知らない場所で名前を呼ばれた。
「ここは?」
どこまでも続く荒野だった。
所々岩肌が向けており、他には土と砂しかない。
草木の一本も生えていない。
「かつて、あの方が戦った場所。私もアザゼルも共に戦った。勝利は納めたものの、あの方も消えてしまった」
「え?」
「一部の神が今もあの方を憎んでいる。大いなる「光の女王」に愛されているあの方を」
「どういうこと?」
どこから声が聞こえるのか分からない。
私は荒野に一人で立っていた。
「今度は「世界を滅ぼす」力を与えられた獣を放った。あの者とも何度も戦っているが、今回は神によって権能を与えられた」
「「業」のことね!」
「そうだ。今回は「神殺し」をあの方にさせ、神そのものがここに降りることが出来るようになった」
「なに!」
驚く私の目の前に、光が集まった。
それは小さな少女の形になった。
この世の者とは思えない程美しい顔。
金色の長い巻き毛で、竿頭衣のような長い真っ白のローブのようなものを着ている。
「あなたは?」
私が問いかけると、ニッコリとわらった。
「あ! ハスハ!」
「だから今度は私もアザゼルも本気で戦う。一度は神と戦い敗北したが、なぜ今度も負けることがあろうか。あの方は強い。神の権能を乗り越えて、必ず勝利するぞ」
「うん! 私も戦うよ!」
少女が微笑んだ。
「お前は良い。力を付けるまでは、必ず守ろう」
「うん! 強くなるね!」
翌朝、気分爽快で目覚めた。
みんなでまた朝食を食べた。
「柳、何を笑っているんだい?」
お父さんに言われた。
「え、私笑ってる?」
「うん。ニコニコしているよ?」
「そうなんだ。分からないけど、なんか今朝は楽しいんだ」
「そうか」
自分でも何が楽しいのか分からない。
でも、一晩実家でぐっすり眠ったからだろう。
誰かに頭を撫でられた気がした。
「ん?」
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まあいいや!
東京へ帰る車の中で、またお父さんに石神さんの話をたくさんした。
お父さんも疲れが抜けたか、ずっと起きて笑いながら聞いてくれた。
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