1,912 / 3,202
「紅六花ビル」 帰宅
しおりを挟む
「虎酔花」を出て、「紅六花ビル」へ戻った。
随分と遅くなったので、響子を六花と手早く風呂に入れて寝かせた。
吹雪はとっくに眠っていて、六花が抱いても起きなかった。
肝が据わっている。
子どもたちも風呂を早めに上がって、みんなででかいベッドに一緒に寝た。
「響子は明日、何時に起こすかなぁ」
「こんなに遅いのは滅多にないですね」
「いや、こいつ意外と夜遊びを覚えたからな。時々こんな時間もあるぞ」
夜勤のナースから聞いている。
「ああ、そういえば」
「俺たちと一緒の時には早く寝かせてたからなぁ」
「そうですね」
響子が涙を流していた。
まだ青のことを夢で見ているのか。
六花が柔らかいタオルを持って来て、涙を拭いてやった。
響子の頭を優しく撫でると、響子が少し笑った。
「こいつ、単純な奴だな」
「はい!」
二人で抑えて笑った。
六花にキスをして、俺たちも眠った。
翌朝。
俺は響子に起こされた。
朝の6時半だ。
「タカトラ」
「おい、もう起きたのかよ」
「うん。なんか目が覚めちゃった」
「俺を起こすことないだろう!」
「うーん。いいじゃん」
「おい!」
俺は笑って響子にキスをした。
「眠くないのか?」
「うん、全然」
いつもと違う環境なので、神経が高ぶっているのかもしれない。
まあ、この後ででも、帰りの車ででも眠ればいい。
「じゃあ、起きちゃうか」
「うん!」
六花や子どもたちはまだ寝ている。
俺たちはそっとベッドを抜け出して、洗面所に行った。
ロボもついてくる。
着替えて下に降りると、もう小鉄が厨房にいた。
「お前も働き者だな!」
「アハハハハハハ!」
朝食を用意すると言われたが、ロボのササミだけ貰ってハマーで出掛けた。
「まだ竹流がいるかもしれねぇ」
「うん!」
7時頃に「紫苑六花公園」に着く。
駐車場から公園に近づくと、ギターの音がした。
響子と二人で笑った。
「よう!」
「神様!」
竹流が長いベンチでギターを弾いていた。
「今日は来ないと思ってました!」
「でもお前は来てたのかよ」
「はい!」
響子とも挨拶する。
俺が自動販売機でジュースを買い、三人でのんびりと飲んだ。
ロボは皿に水筒からミルクを出してやる。
ササミを食べながら、ミルクを舐める。
「ここはいつ来ても気持ちがいいな!」
「はい!」
「竹流が一生懸命に掃除をしてくれているからな」
「いいえ。でもみなさん、本当に綺麗に使ってくれてますよ」
「なんか悪さしたら、「紅六花」の連中がコワイしな」
「アハハハハハハ!」
響子がギターに触らせて欲しいと言い、竹流が渡した。
弦を奏でてみる。
「へたくそ」
「初めてだもん!」
「アハハハハハハ!」
竹流が笑った。
そして響子に簡単なコードを教えてやる。
「あ! 音になったよ!」
「そうだったか?」
でも響子は喜んで、Gm7の音を鳴らした。
「私もなかなかだよね!」
「そうですね」
竹流に褒められると、響子はこれからギターをやると言い出した。
「タカトラ、買って!」
「お前、フルートはどうしたよ?」
「ん?」
響子のおもちゃ箱に入ったままだ。
音が出ないので、早々に捨てた。
「時々は……」
「嘘つけ!」
竹流がそろそろ帰ると言い、俺たちも「紅六花ビル」に戻った。
小鉄に朝食をもらい、響子と食べていると子どもたちが起きて来た。
珍しく響子が先に起きているので驚く。
「響子ちゃん、早いね!」
「みんなたるんでるよ」
子どもたちが笑った。
子どもたちが食事を始め、響子を任せて俺は六花を起こしに行った。
「おい、そろそろ……」
ベッドの六花を揺すると、下から抱き着かれた。
「おい!」
そのまま物凄い勢いで顔を抱かれ、濃厚なキスをされる。
布団が捲られ、両足で腰を挟まれた。
「なんだよ!」
「だって! 全然シテませんよ!」
「!」
すぐに服を脱いでヤった。
「お前よー」
笑って吹雪を抱いて、早く来いと言った。
六花は満足そうに手を振った。
みんな食事を終え、俺たちは帰ることにする。
子どもたちは簡単に掃除をし、布団を干した。
その間、集まった「紅六花」の連中と話をしていた。
「おい、響子」
響子が目を閉じて身体を揺らしていた。
六花と笑った。
「眠いのか?」
「うん」
抱きかかえてハマーのベッドに横にしてやった。
ロボも一緒に入って、一緒に眠り始めた。
子どもたちが支度を終えて駐車場に来た。
「紅六花」の連中も外に出て来る。
「じゃあ、今回も世話になったな!」
「こちらこそ!」
「みんな! またな!」
六花が言うと怒号が湧き、響子がベッドから飛び起きた。
でも、すぐにまた寝た。
子どもたちが笑って乗り込み、出発する。
「タカさん、「紅オイシーズ」を一杯もらっちゃいましたよ!」
助手席の亜紀ちゃんが嬉しそうに言う。
「じゃあ、ニューヨークにも持って行くか!」
「はい!」
明後日からニューヨークだ。
「ちゃんと取り分けておけよな」
「大丈夫ですよ!」
「お前らの食事に関しては大丈夫だったことはねぇ!」
「ワハハハハハハ!」
亜紀ちゃんがお昼はどうしようかと言った。
「さっき朝食を喰ったばっかりだろう!」
「だからお昼の話じゃないですか!」
「まったく意味が分からん!」
亜紀ちゃんが後ろに座っている六花と、サービスエリアのメニューを見せながら相談を始める。
まったく、こいつらの元気さはいい。
「六花さん、どうですか?」
「ここの焼肉丼を食べたいですね」
「やっぱ!」
「はい!」
少し先のサービスエリアらしい。
「タカさん! 急いで下さい!」
「分かったよ!」
俺はアクセルを踏み込んだ。
ハマーのV8エンジンが嬉しそうに吼えた。
随分と遅くなったので、響子を六花と手早く風呂に入れて寝かせた。
吹雪はとっくに眠っていて、六花が抱いても起きなかった。
肝が据わっている。
子どもたちも風呂を早めに上がって、みんなででかいベッドに一緒に寝た。
「響子は明日、何時に起こすかなぁ」
「こんなに遅いのは滅多にないですね」
「いや、こいつ意外と夜遊びを覚えたからな。時々こんな時間もあるぞ」
夜勤のナースから聞いている。
「ああ、そういえば」
「俺たちと一緒の時には早く寝かせてたからなぁ」
「そうですね」
響子が涙を流していた。
まだ青のことを夢で見ているのか。
六花が柔らかいタオルを持って来て、涙を拭いてやった。
響子の頭を優しく撫でると、響子が少し笑った。
「こいつ、単純な奴だな」
「はい!」
二人で抑えて笑った。
六花にキスをして、俺たちも眠った。
翌朝。
俺は響子に起こされた。
朝の6時半だ。
「タカトラ」
「おい、もう起きたのかよ」
「うん。なんか目が覚めちゃった」
「俺を起こすことないだろう!」
「うーん。いいじゃん」
「おい!」
俺は笑って響子にキスをした。
「眠くないのか?」
「うん、全然」
いつもと違う環境なので、神経が高ぶっているのかもしれない。
まあ、この後ででも、帰りの車ででも眠ればいい。
「じゃあ、起きちゃうか」
「うん!」
六花や子どもたちはまだ寝ている。
俺たちはそっとベッドを抜け出して、洗面所に行った。
ロボもついてくる。
着替えて下に降りると、もう小鉄が厨房にいた。
「お前も働き者だな!」
「アハハハハハハ!」
朝食を用意すると言われたが、ロボのササミだけ貰ってハマーで出掛けた。
「まだ竹流がいるかもしれねぇ」
「うん!」
7時頃に「紫苑六花公園」に着く。
駐車場から公園に近づくと、ギターの音がした。
響子と二人で笑った。
「よう!」
「神様!」
竹流が長いベンチでギターを弾いていた。
「今日は来ないと思ってました!」
「でもお前は来てたのかよ」
「はい!」
響子とも挨拶する。
俺が自動販売機でジュースを買い、三人でのんびりと飲んだ。
ロボは皿に水筒からミルクを出してやる。
ササミを食べながら、ミルクを舐める。
「ここはいつ来ても気持ちがいいな!」
「はい!」
「竹流が一生懸命に掃除をしてくれているからな」
「いいえ。でもみなさん、本当に綺麗に使ってくれてますよ」
「なんか悪さしたら、「紅六花」の連中がコワイしな」
「アハハハハハハ!」
響子がギターに触らせて欲しいと言い、竹流が渡した。
弦を奏でてみる。
「へたくそ」
「初めてだもん!」
「アハハハハハハ!」
竹流が笑った。
そして響子に簡単なコードを教えてやる。
「あ! 音になったよ!」
「そうだったか?」
でも響子は喜んで、Gm7の音を鳴らした。
「私もなかなかだよね!」
「そうですね」
竹流に褒められると、響子はこれからギターをやると言い出した。
「タカトラ、買って!」
「お前、フルートはどうしたよ?」
「ん?」
響子のおもちゃ箱に入ったままだ。
音が出ないので、早々に捨てた。
「時々は……」
「嘘つけ!」
竹流がそろそろ帰ると言い、俺たちも「紅六花ビル」に戻った。
小鉄に朝食をもらい、響子と食べていると子どもたちが起きて来た。
珍しく響子が先に起きているので驚く。
「響子ちゃん、早いね!」
「みんなたるんでるよ」
子どもたちが笑った。
子どもたちが食事を始め、響子を任せて俺は六花を起こしに行った。
「おい、そろそろ……」
ベッドの六花を揺すると、下から抱き着かれた。
「おい!」
そのまま物凄い勢いで顔を抱かれ、濃厚なキスをされる。
布団が捲られ、両足で腰を挟まれた。
「なんだよ!」
「だって! 全然シテませんよ!」
「!」
すぐに服を脱いでヤった。
「お前よー」
笑って吹雪を抱いて、早く来いと言った。
六花は満足そうに手を振った。
みんな食事を終え、俺たちは帰ることにする。
子どもたちは簡単に掃除をし、布団を干した。
その間、集まった「紅六花」の連中と話をしていた。
「おい、響子」
響子が目を閉じて身体を揺らしていた。
六花と笑った。
「眠いのか?」
「うん」
抱きかかえてハマーのベッドに横にしてやった。
ロボも一緒に入って、一緒に眠り始めた。
子どもたちが支度を終えて駐車場に来た。
「紅六花」の連中も外に出て来る。
「じゃあ、今回も世話になったな!」
「こちらこそ!」
「みんな! またな!」
六花が言うと怒号が湧き、響子がベッドから飛び起きた。
でも、すぐにまた寝た。
子どもたちが笑って乗り込み、出発する。
「タカさん、「紅オイシーズ」を一杯もらっちゃいましたよ!」
助手席の亜紀ちゃんが嬉しそうに言う。
「じゃあ、ニューヨークにも持って行くか!」
「はい!」
明後日からニューヨークだ。
「ちゃんと取り分けておけよな」
「大丈夫ですよ!」
「お前らの食事に関しては大丈夫だったことはねぇ!」
「ワハハハハハハ!」
亜紀ちゃんがお昼はどうしようかと言った。
「さっき朝食を喰ったばっかりだろう!」
「だからお昼の話じゃないですか!」
「まったく意味が分からん!」
亜紀ちゃんが後ろに座っている六花と、サービスエリアのメニューを見せながら相談を始める。
まったく、こいつらの元気さはいい。
「六花さん、どうですか?」
「ここの焼肉丼を食べたいですね」
「やっぱ!」
「はい!」
少し先のサービスエリアらしい。
「タカさん! 急いで下さい!」
「分かったよ!」
俺はアクセルを踏み込んだ。
ハマーのV8エンジンが嬉しそうに吼えた。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女の手を取り婚約者が消えて二年。私は別の人の妻になっていた。
文月ゆうり
恋愛
レティシアナは姫だ。
父王に一番愛される姫。
ゆえに妬まれることが多く、それを憂いた父王により早くに婚約を結ぶことになった。
優しく、頼れる婚約者はレティシアナの英雄だ。
しかし、彼は居なくなった。
聖女と呼ばれる少女と一緒に、行方を眩ませたのだ。
そして、二年後。
レティシアナは、大国の王の妻となっていた。
※主人公は、戦えるような存在ではありません。戦えて、強い主人公が好きな方には合わない可能性があります。
小説家になろうにも投稿しています。
エールありがとうございます!
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
笑わない妻を娶りました
mios
恋愛
伯爵家嫡男であるスタン・タイロンは、伯爵家を継ぐ際に妻を娶ることにした。
同じ伯爵位で、友人であるオリバー・クレンズの従姉妹で笑わないことから氷の女神とも呼ばれているミスティア・ドゥーラ嬢。
彼女は美しく、スタンは一目惚れをし、トントン拍子に婚約・結婚することになったのだが。
同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
菱沼あゆ
キャラ文芸
「同窓会っていうか、クラス会なのに、知らない人が隣にいる……」
クラス会に参加しためぐるは、隣に座ったイケメンにまったく覚えがなく、動揺していた。
だが、みんなは彼と楽しそうに話している。
いや、この人、誰なんですか――っ!?
スランプ中の天才棋士VS元天才パティシエール。
「へえー、同窓会で再会したのがはじまりなの?」
「いや、そこで、初めて出会ったんですよ」
「同窓会なのに……?」
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる