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夢の新車 《復讐篇》 Ⅱ
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私はおにぎりを握ってタカさんの部屋へ行った。
ごはんの終わったロボも着いてくる。
ノックして入ると、タカさんはベッドで寝ていた。
「タカさん、おにぎりを作ったんですけど」
「……」
やっぱり返事は無い。
ロボがベッドに上がってタカさんの隣に横になる。
「マッサージでもしましょうかね!」
私もベッドに上がり、タカさんをうつぶせにして背中をマッサージした。
タカさんの広い背中を押していく。
「気持ちいいな」
「そうですか!」
あ、ちょっと機嫌が直って来た。
「おい、柳を呼べよ」
「はい!」
内線で柳さんを呼んだ。
すぐに上がって来た。
「おい、さっきは悪かったな」
「いいえ! 私が悪かったんですから!」
柳さんは泣きそうな顔になって喜んだ。
良かったー!
「いや、ちょっと虫の居所が悪くてな。申し訳ない」
「そんな!」
「ああ、コーヒーを持ってきてくれないか?」
「はい、すぐに!」
タカさんは自分が悪いと思ったら、必ず謝る。
本当に優しく真直ぐな人だ。
タカさんはベッドに腰かけて、私が作って来たおにぎりを食べた。
柳さんがコーヒーをトレイに乗せて持ってきた。
「石神さん! 持ってきま……!」
柳さんがスリッパが脱げそうになってよろけた。
タカさんのお腹から足に、コーヒーがぶちまけられた。
「「……」」
「すいません!」
タカさんが無言でシャワーを浴びに行った。
柳さんって……
二人で一生懸命に床とベッドのコーヒーの染み抜きをした。
午後に、皇紀に言ってブガッティの日本代理店に行こうと話した。
「私も行くよ!」
「私も!」
「私も行っていいかな?」
みんなが行くと言う。
「タカさんを裏切った奴らだよね!」
「絶対に許せないよね!」
みんな怒っている。
もちろん、撤回してちゃんと車を作るなら、それがベストだ。
でも、そうじゃないのなら!
月曜日に、学校を終えてみんなで出掛けた。
ハーは昨夜、特性ニンニク・ニラハンバーグを5キロ食べている。
ルーが特別なケースを抱えている。
もしも決裂したら、思い知らせてやる!
「「「「「こんにちはー!」」」」」
みんなで南麻布の代理店に行った。
柳さんのアルファードだ。
皇紀が予約していたので、代理店の偉い人が出て来てくれた。
私たちがタカさんが頼んだブガッティの製造を頼むと、それは本国から拒否されていると言われた。
どう説明しても頼んでも変わらない。
私がハーに目で合図した。
「ちょっとおトイレ借りますねー」
ハーがトイレに行った。
10分ほどで戻る。
「これほどお願いしてもダメですか」
「お話になりませんね。悪いけど、石神さんって相当ワガママな人なんですよ。本当に困ってしまって」
「「「「「!」」」」」
こいつ、ついに言いやがった。
ルーもトイレに行った。
途中でウィンドウに展示してある車の下に、ケースの中身を滑り込ませた。
「「「「「もういいです!」」」」」
帰ることにした。
アルファードに乗ると、柳さんが言った。
「ちょっと臭くない?」
「あのね、トイレでね」
ハーがなんか語り出した。
「ゥォシュレット使おうと思ったの」
「そうだよね?」
ハーのは物凄く臭い。
「そうしたらね、ウンコの中に突き刺さっちゃって、途中で折れちゃったの」
「「「「!」」」」
「だから紙で拭いただけなんだ」
「……」
柳さんが泣きそうな顔をしていた。
ハーは直径5センチ、長さ40センチの特大のものを出したと言った。
エチケットとして、当然流してきた。
もちろん流れなかった。
「自分で気を失いそうになっちゃった」
「すごいね」
ルーは趣味でハーと一緒に育てた「Ωカメムシ」を置いてきた。
冷凍状態で、自然解凍は今の時期1時間くらいらしい。
「多分生きてるよ」
「すごいね」
柳さんが窓を全開にしてアルファードを走らせた。
途中でハーがオナラをし、全員で息を止めてハーの頭をはたいだ。
私たちは10分間息を止められる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
タカさんが遅く帰って来て夕飯を食べてる時、ニコニコして言った。
「おい、さっき早乙女から電話があってよ」
「なんですか?」
「よく分からんけど、カメムシの妖魔が出たんだと!」
「「「「「へぇー!」」」」」
みんなで驚いたフリをする。
「それがよ、体長30センチ以上で、とにかくクサイらしんだ」
「凄いですね!」
「おう。それがブガッティの東京代理店らしいんだよ」
「「「「「うわー!」」」」」
みんなが集まって来た。
「その前にさ、トイレで物凄いウンコがあったらしいんだよ」
「そうなんですか!」
「ほら、うちのサイズ! 40センチもあって、流されてなかったんだって! ワハハハハハハ!」
「「「「「ワハハハハハ!」」」」」
タカさんがご機嫌だ。
「それを何とかバールで千切って片付けたらしいよ」
「大変ですねー」
「うちなら割りばしだけどな。その後でフロアの掃除をモップでしてたら、車の下から、そのでかいカメムシの妖魔が出てきたらしんだ」
「はぁー!」
「モップで刺激されたからか、とにかく物凄い臭いを出してさ。掃除してたやつが倒れたらしいぞ」
「「「「「ワハハハハハハ!」」」」」
警察が呼ばれ、妖魔事件ということで早乙女さんたちの「アドヴェロス」が来たそうだ。
「その時には店の中全体にもう臭いが充満しててさ。最初に入った磯良が倒れた。愛鈴が慌てて抱えて出たんだと」
「大丈夫だったんですか!」
「ああ、すぐに外で気が付いたようだよ。結局ガスマスクを手配して、大騒ぎだったようだ。磯良の攻撃でカメムシの妖魔は斬れなかったんだ」
「どうしたんです?」
「磯良が必殺技で斬った。まあ、妖魔は退治したけど、臭いが酷く染みついちゃって、もうあの建物は使えないようだぜ! ザマァ!」
「「「「「ワハハハハハハハ!」」」」」
みんなで笑った。
タカさんを怒らせた奴らだ!
ザマァ!
ごはんの終わったロボも着いてくる。
ノックして入ると、タカさんはベッドで寝ていた。
「タカさん、おにぎりを作ったんですけど」
「……」
やっぱり返事は無い。
ロボがベッドに上がってタカさんの隣に横になる。
「マッサージでもしましょうかね!」
私もベッドに上がり、タカさんをうつぶせにして背中をマッサージした。
タカさんの広い背中を押していく。
「気持ちいいな」
「そうですか!」
あ、ちょっと機嫌が直って来た。
「おい、柳を呼べよ」
「はい!」
内線で柳さんを呼んだ。
すぐに上がって来た。
「おい、さっきは悪かったな」
「いいえ! 私が悪かったんですから!」
柳さんは泣きそうな顔になって喜んだ。
良かったー!
「いや、ちょっと虫の居所が悪くてな。申し訳ない」
「そんな!」
「ああ、コーヒーを持ってきてくれないか?」
「はい、すぐに!」
タカさんは自分が悪いと思ったら、必ず謝る。
本当に優しく真直ぐな人だ。
タカさんはベッドに腰かけて、私が作って来たおにぎりを食べた。
柳さんがコーヒーをトレイに乗せて持ってきた。
「石神さん! 持ってきま……!」
柳さんがスリッパが脱げそうになってよろけた。
タカさんのお腹から足に、コーヒーがぶちまけられた。
「「……」」
「すいません!」
タカさんが無言でシャワーを浴びに行った。
柳さんって……
二人で一生懸命に床とベッドのコーヒーの染み抜きをした。
午後に、皇紀に言ってブガッティの日本代理店に行こうと話した。
「私も行くよ!」
「私も!」
「私も行っていいかな?」
みんなが行くと言う。
「タカさんを裏切った奴らだよね!」
「絶対に許せないよね!」
みんな怒っている。
もちろん、撤回してちゃんと車を作るなら、それがベストだ。
でも、そうじゃないのなら!
月曜日に、学校を終えてみんなで出掛けた。
ハーは昨夜、特性ニンニク・ニラハンバーグを5キロ食べている。
ルーが特別なケースを抱えている。
もしも決裂したら、思い知らせてやる!
「「「「「こんにちはー!」」」」」
みんなで南麻布の代理店に行った。
柳さんのアルファードだ。
皇紀が予約していたので、代理店の偉い人が出て来てくれた。
私たちがタカさんが頼んだブガッティの製造を頼むと、それは本国から拒否されていると言われた。
どう説明しても頼んでも変わらない。
私がハーに目で合図した。
「ちょっとおトイレ借りますねー」
ハーがトイレに行った。
10分ほどで戻る。
「これほどお願いしてもダメですか」
「お話になりませんね。悪いけど、石神さんって相当ワガママな人なんですよ。本当に困ってしまって」
「「「「「!」」」」」
こいつ、ついに言いやがった。
ルーもトイレに行った。
途中でウィンドウに展示してある車の下に、ケースの中身を滑り込ませた。
「「「「「もういいです!」」」」」
帰ることにした。
アルファードに乗ると、柳さんが言った。
「ちょっと臭くない?」
「あのね、トイレでね」
ハーがなんか語り出した。
「ゥォシュレット使おうと思ったの」
「そうだよね?」
ハーのは物凄く臭い。
「そうしたらね、ウンコの中に突き刺さっちゃって、途中で折れちゃったの」
「「「「!」」」」
「だから紙で拭いただけなんだ」
「……」
柳さんが泣きそうな顔をしていた。
ハーは直径5センチ、長さ40センチの特大のものを出したと言った。
エチケットとして、当然流してきた。
もちろん流れなかった。
「自分で気を失いそうになっちゃった」
「すごいね」
ルーは趣味でハーと一緒に育てた「Ωカメムシ」を置いてきた。
冷凍状態で、自然解凍は今の時期1時間くらいらしい。
「多分生きてるよ」
「すごいね」
柳さんが窓を全開にしてアルファードを走らせた。
途中でハーがオナラをし、全員で息を止めてハーの頭をはたいだ。
私たちは10分間息を止められる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
タカさんが遅く帰って来て夕飯を食べてる時、ニコニコして言った。
「おい、さっき早乙女から電話があってよ」
「なんですか?」
「よく分からんけど、カメムシの妖魔が出たんだと!」
「「「「「へぇー!」」」」」
みんなで驚いたフリをする。
「それがよ、体長30センチ以上で、とにかくクサイらしんだ」
「凄いですね!」
「おう。それがブガッティの東京代理店らしいんだよ」
「「「「「うわー!」」」」」
みんなが集まって来た。
「その前にさ、トイレで物凄いウンコがあったらしいんだよ」
「そうなんですか!」
「ほら、うちのサイズ! 40センチもあって、流されてなかったんだって! ワハハハハハハ!」
「「「「「ワハハハハハ!」」」」」
タカさんがご機嫌だ。
「それを何とかバールで千切って片付けたらしいよ」
「大変ですねー」
「うちなら割りばしだけどな。その後でフロアの掃除をモップでしてたら、車の下から、そのでかいカメムシの妖魔が出てきたらしんだ」
「はぁー!」
「モップで刺激されたからか、とにかく物凄い臭いを出してさ。掃除してたやつが倒れたらしいぞ」
「「「「「ワハハハハハハ!」」」」」
警察が呼ばれ、妖魔事件ということで早乙女さんたちの「アドヴェロス」が来たそうだ。
「その時には店の中全体にもう臭いが充満しててさ。最初に入った磯良が倒れた。愛鈴が慌てて抱えて出たんだと」
「大丈夫だったんですか!」
「ああ、すぐに外で気が付いたようだよ。結局ガスマスクを手配して、大騒ぎだったようだ。磯良の攻撃でカメムシの妖魔は斬れなかったんだ」
「どうしたんです?」
「磯良が必殺技で斬った。まあ、妖魔は退治したけど、臭いが酷く染みついちゃって、もうあの建物は使えないようだぜ! ザマァ!」
「「「「「ワハハハハハハハ!」」」」」
みんなで笑った。
タカさんを怒らせた奴らだ!
ザマァ!
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