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「般若」オープン計画 Ⅳ
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地下の音響ルームには俺の渾身のコレクションのオーディオセットが入っている。
普通は一つでいいのだが、選びきれずに幾つものオーディオセットを入れた。
特にアヴァンギャルドなどのスピーカー群は異様な様相だ。
「また、なんだこりゃ」
「まあ、俺の趣味でな。音楽が好きだからよ」
「そういうレベルか?」
「最初のこの家と同じくらいの金を掛けた」
「バカなのか?」
てめぇ、顔を潰すぞと言うと、もうやられたと青が言った。
段々石神家のノリが分かって来た。
よし!
「あのピエロの青さんがマスターだったなんて」
「いや、もう勘弁してくれ」
涼ちゃんが言ってみんなが笑った。
青たちを座らせ、子どもたちがテーブルを置き料理を並べていく。
「おい、まだ喰うのかよ」
「別に口に入ればな。うちはこんなだから気にしないでくれ」
「お、おう」
若い涼ちゃんは美味しそうだと言って喜んだ。
飲み物を聞いて、青はジンジャーエールにし、涼ちゃんは双子と一緒の千疋屋のフレッシュジュースを頼んだ。
酒を飲んでもいいのだが、この後に「般若」の打ち合わせをするので遠慮したのだろう。
7時45分になり、亜紀ちゃんのテンションが上がって来た。
「みんなー! もうすぐだよー!」
「知ってるよ!」
「もう、毎週毎週!」
青たちが笑っていた。
こういうテレビ鑑賞は初めてだろう。
亜紀ちゃん以外の子どもたちもワイワイとつまみを食べている。
もう夕飯のようにがっつくことはない。
雪野ナス。
揚げ出し豆腐。
生ハムチーズ巻き。
シソ巻きアスパラ。
マグロの立田揚げ。
唐揚げ(大量)。
そしていよいよ始まる。
テーマソングを亜紀ちゃんが大声で歌い、ロボが一緒になんか吼え、涼ちゃんが爆笑した。
今週は俺と奈津江の代官山のデートだった。
大人しい話の回で、亜紀ちゃんも比較的静かで良かった。
映像の中で、実際に俺と奈津江で訪れた代官山の様々な店もあり、本当に懐かしかった。
ドラマの中では食器を売る店で、奈津江が可愛いコーヒーカップを手にするシーンがあった。
あの時、奈津江が同じことをしていた。
青が来た日に、丁度代官山の喫茶店の話だったことは運命かもしれない。
青もあの優しいマスターの姿に感動していた。
「俺もあんな店にしたかったんだがなぁ」
「ワハハハハハハハ!」
しょうがねぇだろう!
ドラマが終わり、みんなで拍手をした。
よくは分からんが、いつの間にかそういうことになっていた。
「ウォォォォーーー! 今回も良かったぁー!」
亜紀ちゃんが吼えて終わりになる。
また盛大な拍手で締めた。
「さあ、待たせたな。じゃあ、打ち合わせをするか」
「ああ、悪いな」
俺たちは先に「幻想空間」へ移動し、子どもたちの酒とつまみを持って来るように言った。
青たちがまた空間の様相に驚く。
青が酒を遠慮するので、俺がそんなに緊張するなと言った。
酒の弱い奴でもないので、リラックスして打ち合わせたかった。
「ああ、亜紀ちゃん! 青に『虎は孤高に』をコピーしといてくれ」
「分かりました!」
既にブルーレイが高校生篇まで出ている。
うちには大量にあるので、それと大学生篇の録画分のコピーだ。
酒とつまみが運ばれて来るときに、亜紀ちゃんがブルーレイを持って来た。
「おい、こんなにあるのかよ!」
「俺の小学生の頃からだからなー」
「涼ちゃんも持ってって」
「い、いえ! 私は録画してるんで!」
「遠慮しないで。うち、布教用で一杯あるし」
「布教!」
涼ちゃんは結局断った。
分を知っている人間だ。
俺は青に断って、子どもたちも一緒でいいか聞いた。
「ああ、いろんな意見をもらいたいから、宜しく頼むよ」
子どもたちが喜んで自分たちの飲み物も持って来た。
みんなで一江が作ったホームページを観る。
一江はセンスがいい。
最初に明るいバックに青と明穂さんが向き合っている横顔のアップが流れる。
「般若」がどんな店なのかがこのワンカットで分かる。
青と明穂さんの愛の店だったのだ。
青の顔は多少いじられて、優しい顔になっている。
明穂さんの顔は神々しい美しさだ。
一江がアルバムから選んだのだろう。
コンテンツが幾つかあり、「般若について」「メニュー」「フォトグラフィ」「予約受付とアクセス」だ。
「般若について」では、青と明穂さんの写真と共に、「般若」がどのように始まったのかが語られ、昔の店の写真も出て来る。
青と明穂さんの物語もあり、明穂さんの死後に青がヨーロッパを明穂さんの遺影と共に回ったことも幾つかの写真と共に説明されていく。
非常によくまとまったいい出来だった。
写真のチョイスも素晴らしい。
メニューは毎月更新される予定で、今回は急遽カスミが作ったものを物撮りして間に合わせた。
一通りみんなで観ていく。
子どもたちの評判も良かった。
「いいじゃないですか!」
「素敵ですよ! みんな行きたくなりますね!」
「青さんと明穂さんの物語が最高ですよ! いいですよね、これ!」
双子が青の後ろを見てニコニコしていた。
やっぱり来ているのか。
俺も嬉しくなった。
「そうだタカさん!」
「なんだ?」
亜紀ちゃんが叫んだ。
「ほら、あのシクラメン!」
「あー! そうか、あれも入れよう!」
「おい、あれをどうすんだよ!」
青が言う。
「明穂さんがお前のために遺したものだろう。窓辺に飾るんだから、あの話も入れようぜ」
「うーん、なんか恥ずかしいな」
「明恵和尚さんの顔も入れましょうよ!」
「えー、あの人かよー」
「いいじゃないですか!」
まあ、功労者だしなー。
青が俺に言った。
「赤虎、こんな立派なものをありがとう」
「いや、まだ直せるから何かあったら言ってくれよ」
「うん、一つだけ意見を言ってもいいかな」
「当然だ! お前の店なんだからな!」
青が息を整えてから俺に言った。
「「般若」の由来を入れたい」
「え?」
それは青の背中の刺青の話だ。
青がヤクザであったことを晒すことになる。
「でも、お前……」
「赤虎、俺は明穂に全てを話した。ヤクザであったこと、ろくでもない人生であったこと。背中の刺青のこともだ」
「青……」
「明穂は俺の全てを受け入れてくれた。喫茶店の名前を決める時に、明穂が言ったんだ。「般若」にしようって」
「!」
俺もその話は知っている。
随分とコワイ名前だと言ったが、明穂さんがそれにしたいと言っていた。
青と自分がそれを一緒に背負って行きたいのだと。
本当に青の言う通り、明穂さんは青の全てを受け入れていたのだ。
そしてその恐ろしいものを、明穂さんは愛した。
そういう店の名前だった。
「いいのか? お前のことを誤解する人間も出るかもしれないぞ?」
「構わない。俺と明穂の一番大事な思い出なんだ。俺は明穂が「般若」にしようと言った時に泣いたよ。明穂に感謝した。明穂は俺の人生を否定しないで受け入れてくれたんだ」
「そうだな」
まあ、青が困ることが起きたら、俺が何とかしよう。
「般若」はそうだ。
青と明穂さんの店なのだ。
「分かった。柳、この文章ってお前でも直せるか?」
「はい、一江さんにサーバーのこととか伺えば。言語は分かるんで」
「そうか!」
俺は一江に電話し、柳と話させた。
青が「般若」由来を入れたがっていると伝えた。
「私、これから行きましょうか?」
「いや、折角みんなでいい気分だから来なくていいよ」
「なんですよ!」
一江も笑っていた。
もちろん、一江に手間を掛けさせたくないからだということは、一江も分かっている。
柳が必要なことを全部聞いて、俺が草案を作った。
青が高校を卒業してヤクザになったこと。
背中に「般若」の刺青を彫り、自分を戒めたこと。
金融業で金を稼いで多くの人々を苦しめたこと。
明穂さんと偶然に出会い、一瞬で彼女を愛したこと。
明穂さんには自分の半生を全て語り、その上でヤクザを辞めて明穂さんと一緒になったこと。
そして喫茶店をやるにあたり、明穂さんが「般若」の名前にしようと言ってくれたこと。
その他にシクラメンの話を盛り込み、「般若について」は随分と長文のものになった。
青や涼ちゃん、カスミの意見も取り入れて、一応の完成を見た。
「こんなもんかな」
「ああ、赤虎、みんな。ありがとうございました」
青が立ち上がって頭を下げた。
一緒にカスミと涼ちゃんも立ち上がり、一緒に頭を下げた。
みんなで拍手をした。
青が本当に嬉しそうな顔をした。
普通は一つでいいのだが、選びきれずに幾つものオーディオセットを入れた。
特にアヴァンギャルドなどのスピーカー群は異様な様相だ。
「また、なんだこりゃ」
「まあ、俺の趣味でな。音楽が好きだからよ」
「そういうレベルか?」
「最初のこの家と同じくらいの金を掛けた」
「バカなのか?」
てめぇ、顔を潰すぞと言うと、もうやられたと青が言った。
段々石神家のノリが分かって来た。
よし!
「あのピエロの青さんがマスターだったなんて」
「いや、もう勘弁してくれ」
涼ちゃんが言ってみんなが笑った。
青たちを座らせ、子どもたちがテーブルを置き料理を並べていく。
「おい、まだ喰うのかよ」
「別に口に入ればな。うちはこんなだから気にしないでくれ」
「お、おう」
若い涼ちゃんは美味しそうだと言って喜んだ。
飲み物を聞いて、青はジンジャーエールにし、涼ちゃんは双子と一緒の千疋屋のフレッシュジュースを頼んだ。
酒を飲んでもいいのだが、この後に「般若」の打ち合わせをするので遠慮したのだろう。
7時45分になり、亜紀ちゃんのテンションが上がって来た。
「みんなー! もうすぐだよー!」
「知ってるよ!」
「もう、毎週毎週!」
青たちが笑っていた。
こういうテレビ鑑賞は初めてだろう。
亜紀ちゃん以外の子どもたちもワイワイとつまみを食べている。
もう夕飯のようにがっつくことはない。
雪野ナス。
揚げ出し豆腐。
生ハムチーズ巻き。
シソ巻きアスパラ。
マグロの立田揚げ。
唐揚げ(大量)。
そしていよいよ始まる。
テーマソングを亜紀ちゃんが大声で歌い、ロボが一緒になんか吼え、涼ちゃんが爆笑した。
今週は俺と奈津江の代官山のデートだった。
大人しい話の回で、亜紀ちゃんも比較的静かで良かった。
映像の中で、実際に俺と奈津江で訪れた代官山の様々な店もあり、本当に懐かしかった。
ドラマの中では食器を売る店で、奈津江が可愛いコーヒーカップを手にするシーンがあった。
あの時、奈津江が同じことをしていた。
青が来た日に、丁度代官山の喫茶店の話だったことは運命かもしれない。
青もあの優しいマスターの姿に感動していた。
「俺もあんな店にしたかったんだがなぁ」
「ワハハハハハハハ!」
しょうがねぇだろう!
ドラマが終わり、みんなで拍手をした。
よくは分からんが、いつの間にかそういうことになっていた。
「ウォォォォーーー! 今回も良かったぁー!」
亜紀ちゃんが吼えて終わりになる。
また盛大な拍手で締めた。
「さあ、待たせたな。じゃあ、打ち合わせをするか」
「ああ、悪いな」
俺たちは先に「幻想空間」へ移動し、子どもたちの酒とつまみを持って来るように言った。
青たちがまた空間の様相に驚く。
青が酒を遠慮するので、俺がそんなに緊張するなと言った。
酒の弱い奴でもないので、リラックスして打ち合わせたかった。
「ああ、亜紀ちゃん! 青に『虎は孤高に』をコピーしといてくれ」
「分かりました!」
既にブルーレイが高校生篇まで出ている。
うちには大量にあるので、それと大学生篇の録画分のコピーだ。
酒とつまみが運ばれて来るときに、亜紀ちゃんがブルーレイを持って来た。
「おい、こんなにあるのかよ!」
「俺の小学生の頃からだからなー」
「涼ちゃんも持ってって」
「い、いえ! 私は録画してるんで!」
「遠慮しないで。うち、布教用で一杯あるし」
「布教!」
涼ちゃんは結局断った。
分を知っている人間だ。
俺は青に断って、子どもたちも一緒でいいか聞いた。
「ああ、いろんな意見をもらいたいから、宜しく頼むよ」
子どもたちが喜んで自分たちの飲み物も持って来た。
みんなで一江が作ったホームページを観る。
一江はセンスがいい。
最初に明るいバックに青と明穂さんが向き合っている横顔のアップが流れる。
「般若」がどんな店なのかがこのワンカットで分かる。
青と明穂さんの愛の店だったのだ。
青の顔は多少いじられて、優しい顔になっている。
明穂さんの顔は神々しい美しさだ。
一江がアルバムから選んだのだろう。
コンテンツが幾つかあり、「般若について」「メニュー」「フォトグラフィ」「予約受付とアクセス」だ。
「般若について」では、青と明穂さんの写真と共に、「般若」がどのように始まったのかが語られ、昔の店の写真も出て来る。
青と明穂さんの物語もあり、明穂さんの死後に青がヨーロッパを明穂さんの遺影と共に回ったことも幾つかの写真と共に説明されていく。
非常によくまとまったいい出来だった。
写真のチョイスも素晴らしい。
メニューは毎月更新される予定で、今回は急遽カスミが作ったものを物撮りして間に合わせた。
一通りみんなで観ていく。
子どもたちの評判も良かった。
「いいじゃないですか!」
「素敵ですよ! みんな行きたくなりますね!」
「青さんと明穂さんの物語が最高ですよ! いいですよね、これ!」
双子が青の後ろを見てニコニコしていた。
やっぱり来ているのか。
俺も嬉しくなった。
「そうだタカさん!」
「なんだ?」
亜紀ちゃんが叫んだ。
「ほら、あのシクラメン!」
「あー! そうか、あれも入れよう!」
「おい、あれをどうすんだよ!」
青が言う。
「明穂さんがお前のために遺したものだろう。窓辺に飾るんだから、あの話も入れようぜ」
「うーん、なんか恥ずかしいな」
「明恵和尚さんの顔も入れましょうよ!」
「えー、あの人かよー」
「いいじゃないですか!」
まあ、功労者だしなー。
青が俺に言った。
「赤虎、こんな立派なものをありがとう」
「いや、まだ直せるから何かあったら言ってくれよ」
「うん、一つだけ意見を言ってもいいかな」
「当然だ! お前の店なんだからな!」
青が息を整えてから俺に言った。
「「般若」の由来を入れたい」
「え?」
それは青の背中の刺青の話だ。
青がヤクザであったことを晒すことになる。
「でも、お前……」
「赤虎、俺は明穂に全てを話した。ヤクザであったこと、ろくでもない人生であったこと。背中の刺青のこともだ」
「青……」
「明穂は俺の全てを受け入れてくれた。喫茶店の名前を決める時に、明穂が言ったんだ。「般若」にしようって」
「!」
俺もその話は知っている。
随分とコワイ名前だと言ったが、明穂さんがそれにしたいと言っていた。
青と自分がそれを一緒に背負って行きたいのだと。
本当に青の言う通り、明穂さんは青の全てを受け入れていたのだ。
そしてその恐ろしいものを、明穂さんは愛した。
そういう店の名前だった。
「いいのか? お前のことを誤解する人間も出るかもしれないぞ?」
「構わない。俺と明穂の一番大事な思い出なんだ。俺は明穂が「般若」にしようと言った時に泣いたよ。明穂に感謝した。明穂は俺の人生を否定しないで受け入れてくれたんだ」
「そうだな」
まあ、青が困ることが起きたら、俺が何とかしよう。
「般若」はそうだ。
青と明穂さんの店なのだ。
「分かった。柳、この文章ってお前でも直せるか?」
「はい、一江さんにサーバーのこととか伺えば。言語は分かるんで」
「そうか!」
俺は一江に電話し、柳と話させた。
青が「般若」由来を入れたがっていると伝えた。
「私、これから行きましょうか?」
「いや、折角みんなでいい気分だから来なくていいよ」
「なんですよ!」
一江も笑っていた。
もちろん、一江に手間を掛けさせたくないからだということは、一江も分かっている。
柳が必要なことを全部聞いて、俺が草案を作った。
青が高校を卒業してヤクザになったこと。
背中に「般若」の刺青を彫り、自分を戒めたこと。
金融業で金を稼いで多くの人々を苦しめたこと。
明穂さんと偶然に出会い、一瞬で彼女を愛したこと。
明穂さんには自分の半生を全て語り、その上でヤクザを辞めて明穂さんと一緒になったこと。
そして喫茶店をやるにあたり、明穂さんが「般若」の名前にしようと言ってくれたこと。
その他にシクラメンの話を盛り込み、「般若について」は随分と長文のものになった。
青や涼ちゃん、カスミの意見も取り入れて、一応の完成を見た。
「こんなもんかな」
「ああ、赤虎、みんな。ありがとうございました」
青が立ち上がって頭を下げた。
一緒にカスミと涼ちゃんも立ち上がり、一緒に頭を下げた。
みんなで拍手をした。
青が本当に嬉しそうな顔をした。
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