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北海道「無差別憑依」事件 Ⅴ
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人手を増やしたお陰で、ライカンスロープの収容はいいペースで進んで行った。
言葉が通じるので、「タイガーファング」に即座に収容出来る。
釧路平原ではアラスカから来た作業員たちが急ピッチで柵を作って行く。
運んで来たライカンスロープたちは、タマの催眠によって眠らせた。
今はそうすることでしか大人しくさせられない。
念のため拘束もしていく。
ソルジャーを配置し、もしも妖魔に乗っ取られた場合は残念ながら処分するしかないが。
俺たちのギリギリの譲歩だ。
「憑依型」の妖魔の駆逐も順調だ。
《ウラノス》の解析が進んで、位置の特定が格段に進んだせいだ。
もう間もなく、全て駆逐出来るだろう。
暴れているライカンスロープも、どんどん消えて行く。
戦いの趨勢は決まったかと思った。
「タイガー! 帯広と青森に大きなゲートが出現した!」
「なに! まだ来るか!」
「多分、青森は「アドヴェロス」が狙いだろう! もう強大な妖魔が出て来たぞ! 帯広にも、この反応は「神」だ!」
「分かった!」
俺はすぐに帯広へ飛んだ。
恐らく、「業」が青森に送り込んだのは《地獄の悪魔》だ。
「アドヴェロス」では荷が重すぎる。
「虎蘭! 虎水! 青森へ行け!」
二人に通信した。
俺は今手が離せない。
これは完全に俺を引き留める作戦だ。
亜紀ちゃんんたちも掃討戦にかかっている。
今現場を離れれば、ライカンスロープが逃げ散ってしまう。
「「はい!」」
二人が即座に救援に向かった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「モハメドさん、やれますか?」
「無理だな。あれは妖魔の王に匹敵する」
「分かりました!」
「攻撃を防ぐことも難しいかもしれない。すぐに逃げろ」
「はい!」
俺はハンターたち全員に逃げるように伝えた。
しかし、青函トンネルの中にいた磯良と愛鈴はまだ出て来ない。
「おい、早く逃げろ」
「今は無理です!」
「なんだと! お前は主様から預かっている身だ! 俺の言うことを聞け!」
「だから無理ですよ。磯良と愛鈴を見捨てることは出来ません」
「お前、死ぬぞ!」
「死にませんよ、絶対に」
「バカ!」
「はい」
モハメドさんが焦っているのを感じた。
そんなモハメドさんは初めてだ。
「仕方ねぇ! じゃあ俺も全力を出すぜぇ!」
「お願いします!」
《地獄の悪魔》の姿が見えた。
巨大な戦車のような身体だった。
数百の小さな足がキャタピラの代わりに付いていて、砲塔部分の先端には長い髪の女の顔があった。
その女の顔がこちらを向き、口を大きく開いた。
物凄く太い牙が生えているのが見えた。
「来るぞ!」
モハメドさんが叫び、女の口から飛び出たものが幾度も黒い霧を貫きながら向かってくる。
10メートル手前で、それが地面に落ちた。
木の杭のようなものだった。
黒い霧はモハメドさんの攻撃だったのだろう。
「なんとか殺した!」
「はい! お見事です!」
磯良と愛鈴が出て来た。
俺たちの方へ走って来る。
《地獄の悪魔》もゆっくりと進んで来た。
スピードタイプではないが、防御力と攻撃力が強いようだ。
「あいつですか!」
「そうだ!」
磯良が「無影斬」で斬った。
女の髪が散らばった。
恐ろしく険しい顔で磯良を睨んだ。
「行けますかね」
「そうか!」
磯良は真言を唱え出し、愛鈴は全身をメタモルフォーゼした。
また《地獄の悪魔》が主砲から飛ばして来た。
幾つもの黒い霧が爆発し、今度は数メートル手前で落ちた。
「おい、もうギリギリだ! 次は防げないかもしれねぇぞ!」
「分かりました!」
愛鈴の両手から巨大な電光が伸びた。
戦車の妖魔の前面が激しく燃える。
「行きます!」
磯良が右手を振った。
女の顔が割れた。
「ダメです! 相当硬い!」
割れた女の顔がこちらを向いている。
それが見る見る再生していく。
また女の顔から飛び出て来る。
愛鈴が磯良の前に立った。
俺もその後ろに着く。
「おい、早乙女!」
「モハメドさん、お願いします!」
「バカヤロウ!」
黒い霧が何度も発生した。
しかし愛鈴の腹に木の杭のようなものが突き刺さった。
「愛鈴!}
「大丈夫!」
「行きます!」
磯良が叫んだ。
《地獄の悪魔》の戦車のような身体の上が両断された。
しかし、徐々にまた再生が始まる。
上空から無数の光が降り注ぐ。
「紅の攻撃だ!」
早霧たちも来た。
逃げるように命じたのだが、俺たちが戦っているのでやって来たのだろう。
全員が《地獄の悪魔》に攻撃していく。
小さな足のようなものが飛び散り、体表で次々に何かが弾けていく。
早霧が新技「滅火」を繰り出し、磯良が割った部分に集中していく。
再生が追いついていないのが分かる。
葛葉は最終奥義「無量光砲」を繰り出した。
鏑木はまだ北海道から来るライカンスロープを斃して行く。
羽入も紅と共に上空から「レーヴァテイン」で攻撃して行く。
《地獄の悪魔》の再生は止まったが、まだ斃し切れていない。
「石神家! 来ました!」
成瀬が叫んだ。
上空から二人の若い女性が降りて来る。
俺たちに一瞥しただけで、技を繰り出した。
神雷
50メートルもの太い竜巻のようなエネルギーが《地獄の悪魔》に向かった。
《地獄の悪魔》はそのエネルギーに吹き飛ばされ、消え去った。
美しい女性が俺に振り返った。
「お見事でした! 空から状況が見えました。あの《地獄の悪魔》とあれほど戦っていたとは!」
「いいえ、必死でしたよ」
「少し前の我々でも凌げませんでしたよ。本当にお見事です!」
「こちらこそ。助かりました」
「では、我々は戻りますので」
「え?」
「まだまだこちらへ向かっているライカンスロープがいます。お互い頑張りましょう」
「は、はい!」
短い言葉を交わしただけで、二人は飛んで行った。
「早乙女さん、すげぇ姉さんたちだったな」
「あ、ああ」
「それに綺麗だった」
「そうだな」
「じゃあ、俺らももうひと頑張りだな」
「頼む。ああ、葛葉はもう休め」
「申し訳ありません」
「とんでもない。みんなで必死にやったから生き延びたんだ」
「私は全員に退避命令を出しましたけどね!」
成瀬が後ろで叫んだ。
みんなで笑った。
俺の頭が吹っ飛んだ。
みんなが俺を驚いて見ている。
地面に転がりながら、大丈夫だと手を振った。
「モハメドさん!」
「てめぇ! 二度とすんじゃねぇぞ!」
「はい、ありがとうございました」
小さな声で話す。
「早乙女さん! 大丈夫ですか!」
「攻撃の気配が無かったぞ!」
「全員、周囲を見張れ! 早乙女さんを囲め!」
「大丈夫だから! ちょっと眩暈がしただけだ!」
「そんな飛び方じゃなかったですよ!」
「本当に大丈夫だから!」
「すぐに葛葉さんと《ザンザス》に入って下さい」
「あ、ああ」
成瀬に無理矢理車内に連れて行かれた。
2時間後、全ての戦闘が終了した。
帯広に現われた「神」は石神が難なく倒した。
石神を足止めするための出現だったようだ。
一般市民の死者5800人。
負傷者43020人。
ライカンスロープの死者3021人。
ライカンスロープの収容者20891人。
事件の規模に対して死者が比較的少なかったのは、凶暴化して暴れ回るライカンスロープが逸早く本土へ渡ろうとしたためだ。
ライカンスロープの死者の中には、拒絶反応で死んだ人間も入っている。
そして、今後ライカンスロープ化した人間がどうなるのかはまだ分からない。
とにかく、北海道の「無差別憑依」事件は終息した。
言葉が通じるので、「タイガーファング」に即座に収容出来る。
釧路平原ではアラスカから来た作業員たちが急ピッチで柵を作って行く。
運んで来たライカンスロープたちは、タマの催眠によって眠らせた。
今はそうすることでしか大人しくさせられない。
念のため拘束もしていく。
ソルジャーを配置し、もしも妖魔に乗っ取られた場合は残念ながら処分するしかないが。
俺たちのギリギリの譲歩だ。
「憑依型」の妖魔の駆逐も順調だ。
《ウラノス》の解析が進んで、位置の特定が格段に進んだせいだ。
もう間もなく、全て駆逐出来るだろう。
暴れているライカンスロープも、どんどん消えて行く。
戦いの趨勢は決まったかと思った。
「タイガー! 帯広と青森に大きなゲートが出現した!」
「なに! まだ来るか!」
「多分、青森は「アドヴェロス」が狙いだろう! もう強大な妖魔が出て来たぞ! 帯広にも、この反応は「神」だ!」
「分かった!」
俺はすぐに帯広へ飛んだ。
恐らく、「業」が青森に送り込んだのは《地獄の悪魔》だ。
「アドヴェロス」では荷が重すぎる。
「虎蘭! 虎水! 青森へ行け!」
二人に通信した。
俺は今手が離せない。
これは完全に俺を引き留める作戦だ。
亜紀ちゃんんたちも掃討戦にかかっている。
今現場を離れれば、ライカンスロープが逃げ散ってしまう。
「「はい!」」
二人が即座に救援に向かった。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「モハメドさん、やれますか?」
「無理だな。あれは妖魔の王に匹敵する」
「分かりました!」
「攻撃を防ぐことも難しいかもしれない。すぐに逃げろ」
「はい!」
俺はハンターたち全員に逃げるように伝えた。
しかし、青函トンネルの中にいた磯良と愛鈴はまだ出て来ない。
「おい、早く逃げろ」
「今は無理です!」
「なんだと! お前は主様から預かっている身だ! 俺の言うことを聞け!」
「だから無理ですよ。磯良と愛鈴を見捨てることは出来ません」
「お前、死ぬぞ!」
「死にませんよ、絶対に」
「バカ!」
「はい」
モハメドさんが焦っているのを感じた。
そんなモハメドさんは初めてだ。
「仕方ねぇ! じゃあ俺も全力を出すぜぇ!」
「お願いします!」
《地獄の悪魔》の姿が見えた。
巨大な戦車のような身体だった。
数百の小さな足がキャタピラの代わりに付いていて、砲塔部分の先端には長い髪の女の顔があった。
その女の顔がこちらを向き、口を大きく開いた。
物凄く太い牙が生えているのが見えた。
「来るぞ!」
モハメドさんが叫び、女の口から飛び出たものが幾度も黒い霧を貫きながら向かってくる。
10メートル手前で、それが地面に落ちた。
木の杭のようなものだった。
黒い霧はモハメドさんの攻撃だったのだろう。
「なんとか殺した!」
「はい! お見事です!」
磯良と愛鈴が出て来た。
俺たちの方へ走って来る。
《地獄の悪魔》もゆっくりと進んで来た。
スピードタイプではないが、防御力と攻撃力が強いようだ。
「あいつですか!」
「そうだ!」
磯良が「無影斬」で斬った。
女の髪が散らばった。
恐ろしく険しい顔で磯良を睨んだ。
「行けますかね」
「そうか!」
磯良は真言を唱え出し、愛鈴は全身をメタモルフォーゼした。
また《地獄の悪魔》が主砲から飛ばして来た。
幾つもの黒い霧が爆発し、今度は数メートル手前で落ちた。
「おい、もうギリギリだ! 次は防げないかもしれねぇぞ!」
「分かりました!」
愛鈴の両手から巨大な電光が伸びた。
戦車の妖魔の前面が激しく燃える。
「行きます!」
磯良が右手を振った。
女の顔が割れた。
「ダメです! 相当硬い!」
割れた女の顔がこちらを向いている。
それが見る見る再生していく。
また女の顔から飛び出て来る。
愛鈴が磯良の前に立った。
俺もその後ろに着く。
「おい、早乙女!」
「モハメドさん、お願いします!」
「バカヤロウ!」
黒い霧が何度も発生した。
しかし愛鈴の腹に木の杭のようなものが突き刺さった。
「愛鈴!}
「大丈夫!」
「行きます!」
磯良が叫んだ。
《地獄の悪魔》の戦車のような身体の上が両断された。
しかし、徐々にまた再生が始まる。
上空から無数の光が降り注ぐ。
「紅の攻撃だ!」
早霧たちも来た。
逃げるように命じたのだが、俺たちが戦っているのでやって来たのだろう。
全員が《地獄の悪魔》に攻撃していく。
小さな足のようなものが飛び散り、体表で次々に何かが弾けていく。
早霧が新技「滅火」を繰り出し、磯良が割った部分に集中していく。
再生が追いついていないのが分かる。
葛葉は最終奥義「無量光砲」を繰り出した。
鏑木はまだ北海道から来るライカンスロープを斃して行く。
羽入も紅と共に上空から「レーヴァテイン」で攻撃して行く。
《地獄の悪魔》の再生は止まったが、まだ斃し切れていない。
「石神家! 来ました!」
成瀬が叫んだ。
上空から二人の若い女性が降りて来る。
俺たちに一瞥しただけで、技を繰り出した。
神雷
50メートルもの太い竜巻のようなエネルギーが《地獄の悪魔》に向かった。
《地獄の悪魔》はそのエネルギーに吹き飛ばされ、消え去った。
美しい女性が俺に振り返った。
「お見事でした! 空から状況が見えました。あの《地獄の悪魔》とあれほど戦っていたとは!」
「いいえ、必死でしたよ」
「少し前の我々でも凌げませんでしたよ。本当にお見事です!」
「こちらこそ。助かりました」
「では、我々は戻りますので」
「え?」
「まだまだこちらへ向かっているライカンスロープがいます。お互い頑張りましょう」
「は、はい!」
短い言葉を交わしただけで、二人は飛んで行った。
「早乙女さん、すげぇ姉さんたちだったな」
「あ、ああ」
「それに綺麗だった」
「そうだな」
「じゃあ、俺らももうひと頑張りだな」
「頼む。ああ、葛葉はもう休め」
「申し訳ありません」
「とんでもない。みんなで必死にやったから生き延びたんだ」
「私は全員に退避命令を出しましたけどね!」
成瀬が後ろで叫んだ。
みんなで笑った。
俺の頭が吹っ飛んだ。
みんなが俺を驚いて見ている。
地面に転がりながら、大丈夫だと手を振った。
「モハメドさん!」
「てめぇ! 二度とすんじゃねぇぞ!」
「はい、ありがとうございました」
小さな声で話す。
「早乙女さん! 大丈夫ですか!」
「攻撃の気配が無かったぞ!」
「全員、周囲を見張れ! 早乙女さんを囲め!」
「大丈夫だから! ちょっと眩暈がしただけだ!」
「そんな飛び方じゃなかったですよ!」
「本当に大丈夫だから!」
「すぐに葛葉さんと《ザンザス》に入って下さい」
「あ、ああ」
成瀬に無理矢理車内に連れて行かれた。
2時間後、全ての戦闘が終了した。
帯広に現われた「神」は石神が難なく倒した。
石神を足止めするための出現だったようだ。
一般市民の死者5800人。
負傷者43020人。
ライカンスロープの死者3021人。
ライカンスロープの収容者20891人。
事件の規模に対して死者が比較的少なかったのは、凶暴化して暴れ回るライカンスロープが逸早く本土へ渡ろうとしたためだ。
ライカンスロープの死者の中には、拒絶反応で死んだ人間も入っている。
そして、今後ライカンスロープ化した人間がどうなるのかはまだ分からない。
とにかく、北海道の「無差別憑依」事件は終息した。
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