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皇紀&風花 結婚式 Ⅵ
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タカさんが二人の技の対応が出来るのでなんとかなったが、本当に大惨事になりかねない奥儀の応酬だった。
斬さんも相当食い下がったが、虎白さんがやっぱり強かった。
それでも、本当の実戦になったら勝敗は分からないと僕も感じた。
お互いに、まだ本気を出し切っていない。
まあ、殺し合いではないので、本当の実力は出していないのだ。
二人とも、本当に楽しそうな顔をしていた。
石神家本家の演武「剣の舞」とアナウンスで紹介された。
タカさんがまた頭を抱えていた。
何が始まるのかと思って見ていたけど、剣士190人が輪になっていた。
虎白さんが中心で歌い始める。
中島みゆきの『地上の星』だった。
剣士のみなさんがゆっくりと歩き始め、刀を抜いてそれぞれに何かの演舞を始めた。
なんかバラバラだけど?
そのうちになんか物凄い現象が起き始めた。
雷電が迸り、高熱が生じて突風や竜巻まで出て来た。
タカさんが慌ててクロピョンに強力な結界を張らせる。
「あの人らぁー!」
タカさんの悲痛な叫びが聞こえた。
そして、巨大な電光が拡がり、スタジアムの天が割れて異様な異次元の怪物が出てきた。
戦闘のプロではない人でも、異常に恐ろしい怪物だと感じられた。
あちこちで絶叫や悲鳴が上がる。
「ロボぉー! 頼むぅー!」
タカさんが必死に剣士たちに対して打消しの技を放ちながら叫んだ。
ロボが「ばーん」で防いだ。
ロボの尋常でない能力に、会場の全員が驚いていた。
石神家の剣士たちは全員地面に転がっていた。
「虎」の軍の救急隊がタカさんの指示で控えていて、即座に剣士たちを運んで行った。
「えー、なんでもありません! 全員生きてます!」
タカさんがよく分からないアナウンスをした。
なんだったの?
僕たちと一緒に観ていた麗星さんが五平所さんと顔を見合わせていた。
「道間の屋敷でも見ましたの」
「そうなんですか?」
「最後も同じなんですの」
「そうなんですか……」
なんだろね?
デュールゲリエの紅白試合も凄かった。
「スズメバチ」が飛び交い、様々な光が乱舞して観客を魅了した。
デュールゲリエ本体の戦闘も凄かったけど、全くの同等の戦闘力のぶつかり合いは、まるで美しい舞踏を見ているかのようだった。
また会場に大きな拍手が湧く。
石神家のエキシビション仕合は、お姉ちゃんとルー、ハーが戦い、お姉ちゃんが圧倒。
「皇紀ちゃーん! 来てぇー!」
僕も呼ばれてルーとハー側に付いた。
お姉ちゃんは凄まじく強いけど、僕が防御に専念し、ルーとハーがリズムを崩した攻撃を続け、何とか引き分けることが出来た。
会場が大いに沸いた。
他にも様々な組み合わせのエキシビジョン仕合があったが、圧巻はタカさんと聖さんの仕合だった。
「花岡」の大技は使わず、ほとんど肉弾の仕合だった。
鍛え上げた肉体のみでの壮絶なバトル。
どちらも一歩も退かずに延々と遣り合っていた。
「聖ぃー!」
「トラぁー!」
二人とも本当に嬉しそうに笑っていた。
「花岡」も「石神家剣技」も出なかった。
しかし、どの仕合よりもその深奥が伺え、誰もが驚愕し、心酔した。
結局勝敗はつかず、二人で笑い合って肩を組んで笑っていた。
大歓声が挙がった。
そしてワキンとミミクンの全然分からないダンス。
クロピョンの触手握手会(10万人全員が触手に触れた)。
タマさんとタヌ吉さんと野薔薇ちゃんの日本舞踊(何故か大勢の男性観客がステージに駆け寄り、ウットリと見ていた。タマさん、何かやっただろうか?)。
イリスさんの航空ショー(?:ただ飛んだだけ)。
一応、武闘系の仕合などは、僕らの本当の実力が分からないように展開された。
それに多分、タマさんの精神操作が入る。
そして全員を驚愕させたのは、「大銀河連合」のUFO集団だった。
空一面を超大型のマザーシップから巨大バトルシップ、戦闘型シップ、偵察型シップなどなどが埋め尽くし、地球外の勢力が「虎」の軍に協力していることをほとんどの人間が知らなかった。
グランマザーが降下し、祝辞を述べてまた観客を驚かせ、大いに沸かせた。
様々な仕合が催され、また音楽イヴェントも繰り返された。
24時間次々と催しがあり、僕たちも途中で寝たりもした。
料理も凄かったけど、もう言い尽くせない。
各国から大勢の料理人が来ていたらしい。
日本は鷹さんのお兄さんを中心とした素晴らしい和食が出た。
観客は各々、好きな出店に行ってその場で食べたり、席に持ち帰っていた。
もちろん全て無料だ。
僕と風花さんはしょっちゅう来る来客に愛想を振りまき挨拶をし、参列のお礼を言い続けた。
最初のうちこそ大統領だのの肩書に緊張していたが、すぐに麻痺して行った。
賓客は多かったけど、蓮花さんの研究所の人たちや「紅六花」の人たちなど、一緒に楽しんで話すことも出来た。
宴は3日間に亘って続き、主役の僕たちもちゃんと休みながら楽しんだ。
タカさんはあちこちに挨拶に行っていたけど、その後はずっと聖さんや御堂さん、また他の親しい人たちと楽しく飲み食いし、お姉ちゃんは最初の方で一度ひっくり返った。
興奮しすぎたようだ。
でもすぐに回復して楽しんでいた。
ルーとハーはマイペースでちゃんと休みながら宴を楽しんでいた。
セリーヌ・ディオンやテイラー・スウィフトなどといつの間にか仲良くなり、時々ステージに出て一緒に歌ったり踊ったりしていた。
コミュ力すごいなぁー。
柳さんはお姉ちゃんと同じく早々にダウンし、回復してからは時々会場に顔を出してはタカさんたちと楽しんでいた。
風花さんの唯一の親族である六花さんは、最初はワンワン泣くほど感激していたが、やがていつものペースに戻り、タカさんや「紅六花」の人たちと楽しんでいた。
士王ちゃん、吹雪ちゃん、天狼ちゃん、奈々ちゃんと早乙女家の怜花ちゃんと久留守君はレジーナ様に呼ばれて可愛がられたようだ。
斬さんも相当食い下がったが、虎白さんがやっぱり強かった。
それでも、本当の実戦になったら勝敗は分からないと僕も感じた。
お互いに、まだ本気を出し切っていない。
まあ、殺し合いではないので、本当の実力は出していないのだ。
二人とも、本当に楽しそうな顔をしていた。
石神家本家の演武「剣の舞」とアナウンスで紹介された。
タカさんがまた頭を抱えていた。
何が始まるのかと思って見ていたけど、剣士190人が輪になっていた。
虎白さんが中心で歌い始める。
中島みゆきの『地上の星』だった。
剣士のみなさんがゆっくりと歩き始め、刀を抜いてそれぞれに何かの演舞を始めた。
なんかバラバラだけど?
そのうちになんか物凄い現象が起き始めた。
雷電が迸り、高熱が生じて突風や竜巻まで出て来た。
タカさんが慌ててクロピョンに強力な結界を張らせる。
「あの人らぁー!」
タカさんの悲痛な叫びが聞こえた。
そして、巨大な電光が拡がり、スタジアムの天が割れて異様な異次元の怪物が出てきた。
戦闘のプロではない人でも、異常に恐ろしい怪物だと感じられた。
あちこちで絶叫や悲鳴が上がる。
「ロボぉー! 頼むぅー!」
タカさんが必死に剣士たちに対して打消しの技を放ちながら叫んだ。
ロボが「ばーん」で防いだ。
ロボの尋常でない能力に、会場の全員が驚いていた。
石神家の剣士たちは全員地面に転がっていた。
「虎」の軍の救急隊がタカさんの指示で控えていて、即座に剣士たちを運んで行った。
「えー、なんでもありません! 全員生きてます!」
タカさんがよく分からないアナウンスをした。
なんだったの?
僕たちと一緒に観ていた麗星さんが五平所さんと顔を見合わせていた。
「道間の屋敷でも見ましたの」
「そうなんですか?」
「最後も同じなんですの」
「そうなんですか……」
なんだろね?
デュールゲリエの紅白試合も凄かった。
「スズメバチ」が飛び交い、様々な光が乱舞して観客を魅了した。
デュールゲリエ本体の戦闘も凄かったけど、全くの同等の戦闘力のぶつかり合いは、まるで美しい舞踏を見ているかのようだった。
また会場に大きな拍手が湧く。
石神家のエキシビション仕合は、お姉ちゃんとルー、ハーが戦い、お姉ちゃんが圧倒。
「皇紀ちゃーん! 来てぇー!」
僕も呼ばれてルーとハー側に付いた。
お姉ちゃんは凄まじく強いけど、僕が防御に専念し、ルーとハーがリズムを崩した攻撃を続け、何とか引き分けることが出来た。
会場が大いに沸いた。
他にも様々な組み合わせのエキシビジョン仕合があったが、圧巻はタカさんと聖さんの仕合だった。
「花岡」の大技は使わず、ほとんど肉弾の仕合だった。
鍛え上げた肉体のみでの壮絶なバトル。
どちらも一歩も退かずに延々と遣り合っていた。
「聖ぃー!」
「トラぁー!」
二人とも本当に嬉しそうに笑っていた。
「花岡」も「石神家剣技」も出なかった。
しかし、どの仕合よりもその深奥が伺え、誰もが驚愕し、心酔した。
結局勝敗はつかず、二人で笑い合って肩を組んで笑っていた。
大歓声が挙がった。
そしてワキンとミミクンの全然分からないダンス。
クロピョンの触手握手会(10万人全員が触手に触れた)。
タマさんとタヌ吉さんと野薔薇ちゃんの日本舞踊(何故か大勢の男性観客がステージに駆け寄り、ウットリと見ていた。タマさん、何かやっただろうか?)。
イリスさんの航空ショー(?:ただ飛んだだけ)。
一応、武闘系の仕合などは、僕らの本当の実力が分からないように展開された。
それに多分、タマさんの精神操作が入る。
そして全員を驚愕させたのは、「大銀河連合」のUFO集団だった。
空一面を超大型のマザーシップから巨大バトルシップ、戦闘型シップ、偵察型シップなどなどが埋め尽くし、地球外の勢力が「虎」の軍に協力していることをほとんどの人間が知らなかった。
グランマザーが降下し、祝辞を述べてまた観客を驚かせ、大いに沸かせた。
様々な仕合が催され、また音楽イヴェントも繰り返された。
24時間次々と催しがあり、僕たちも途中で寝たりもした。
料理も凄かったけど、もう言い尽くせない。
各国から大勢の料理人が来ていたらしい。
日本は鷹さんのお兄さんを中心とした素晴らしい和食が出た。
観客は各々、好きな出店に行ってその場で食べたり、席に持ち帰っていた。
もちろん全て無料だ。
僕と風花さんはしょっちゅう来る来客に愛想を振りまき挨拶をし、参列のお礼を言い続けた。
最初のうちこそ大統領だのの肩書に緊張していたが、すぐに麻痺して行った。
賓客は多かったけど、蓮花さんの研究所の人たちや「紅六花」の人たちなど、一緒に楽しんで話すことも出来た。
宴は3日間に亘って続き、主役の僕たちもちゃんと休みながら楽しんだ。
タカさんはあちこちに挨拶に行っていたけど、その後はずっと聖さんや御堂さん、また他の親しい人たちと楽しく飲み食いし、お姉ちゃんは最初の方で一度ひっくり返った。
興奮しすぎたようだ。
でもすぐに回復して楽しんでいた。
ルーとハーはマイペースでちゃんと休みながら宴を楽しんでいた。
セリーヌ・ディオンやテイラー・スウィフトなどといつの間にか仲良くなり、時々ステージに出て一緒に歌ったり踊ったりしていた。
コミュ力すごいなぁー。
柳さんはお姉ちゃんと同じく早々にダウンし、回復してからは時々会場に顔を出してはタカさんたちと楽しんでいた。
風花さんの唯一の親族である六花さんは、最初はワンワン泣くほど感激していたが、やがていつものペースに戻り、タカさんや「紅六花」の人たちと楽しんでいた。
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