富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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みんなで真夏の別荘!

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 翌朝、朝食の後で子どもたちが恒例の掃除をさせてもらった。
 その間、俺は御堂と部屋でまた話し込んだ。
 正巳さんとも話し、正巳さんは今度はもっと長くいて欲しいと言ってくれた。
 昼食に天ぷらうどんを頂き、オロチとニジンスキーたちにも挨拶し、俺たちは出発した。
 御堂を助手席に乗せ、俺はご機嫌で運転する。

 いよいよ別荘だ。
 御堂がいる!
 俺は助手席の御堂とずっと話し、歌を歌おうと言う亜紀ちゃんをやかましいので怒鳴って黙らせた。

 「……」

 まったく、御堂と話してるのに!






 2時半に別荘に着いた。

 「石神、飛ばし過ぎだよ」
 「ワハハハハハハハ!」

 3時のお茶から御堂と始めたかった。

 俺が御堂の家に行く途中で煽り運転があったという話をした。

 「亜紀ちゃんがきっちり締めたもんな!」
 「はい!」

 「「……」」

 御堂と澪さんは詳しくは聞いて来なかった。
 早乙女達もアルファードで来た。

 「よう!」
 「石神ぃ!」
 「石神さん、こんにちわ。お世話になります!」
 「おう、雪野さんはちゃんと挨拶出来るのになぁ」 
 「す、すまん! お世話になります、こんにちわ!」
 「おう!」

 みんなが笑った。
 子どもたちがすぐに荷物を降ろしてお茶の準備を始める。
 早乙女達の荷物も運ばせた。
 怜花がニコニコしながら俺に駆け寄って来る。
 白の半袖のフリルのたくさんついたワンピースだ。

 「怜花、今日もカワイイな!」
 「はい!」

 雪野さんと手を繋いでいる久留守にも声を掛ける。

 「久留守もな!」
 「はい!」

 「早乙女」
 「なんだ?」
 「今晩の「幻想空間」の話は任せたからな」
 「えぇ!」
 「あんだよ!」
 「俺がやるのか!」
 「そう言っただろう?」
 「聞いてないけどぉ!」
 「ガンバレ」

 雪野さんが笑っていた。
 早乙女が必死になって考え始める。

 「そうだ! 雪野さんの妊娠を発表しよう!」
 「おい、もう今、みんな聞いちゃったじゃんかぁ!」
 「あぁ!」

 ダメそうだ。
 緊張するだろうから、話はいいと言った。
 早乙女が残念そうな顔をしていた。
 子どもたちが雪野さんに「おめでとう」と言い合っていた。
 なんなんだ。
 しかし、やっぱ妊娠してたかぁ。
 毎日夫婦だからなぁ。

 荷物をほどき、みんなリヴィングに集まった。
 アイスティとグラマシーニューヨークの杏仁豆腐だ。
 御堂と澪さんは初めてで、喜んでいた。
 響子にも少し冷たいままで食べさせた。

 「おいしいね!」
 「そっか!」
 「うん!」

 響子の笑顔が眩しい。

 お茶の後で響子を少し寝かせた。
 ハマーの中でも眠っていたが、熟睡は出来なかっただろう。
 ロボも一緒に寝る。
 こいつはいつも寝る。

 俺は御堂と澪さんを誘って買い物へ行った。
 亜紀ちゃんと柳も一緒で、早乙女達も行きたがった。
 まあ、何も無い場所なので、こういう用事もいいだろう。
 みんなでハマーで出発する。
 双子はその間、別荘の掃除と風呂の準備をする。

 いつものスーパー(じゃ、もうねぇんじゃね?)の専用駐車場にハマーを入れる。
 御堂と澪さんが「石神家専用駐車場」の表示に大笑いしていた。
 店長さんが迎えに出てくれ、入った瞬間にワーグナー『ワルキューレの騎行』。
 そして店員たちが深々と頭を下げている。
 御堂たちと早乙女たちも笑って喜んだ。

 「石神はどこでも特別だよな」
 「そんなことはねぇ!」
 「いいえ、石神先生は特別です!」
 「店長さん!」

 みんなが笑った。
 亜紀ちゃんが注文していた食材を確認し、みんなで食べたいものを見て回った。
 澪さんがサザエを見つけた。

 「随分あるんですね」
 
 一緒にいた店長さんが言った。

 「実は仕入れを少々間違えまして。宜しければ見て行って下さい」
 「亜紀ちゃん! 全部購入!」
 「はい!」

 「エェ!」
 「ありがとうございます!」

 俺は笑って手配を頼んだ。
 サザエは200個ほどあった。
 うちでも珍しい食材なので、みんなで食べたいと思ったのだ。
 サザエはどこでも売っている量が大体少ないので、うちの獣用に適さない。
 200くらい、石神家ではわけもない。
 俺がハマグリやホタテが好きなのでそちらは食べる機会が多いが、サザエはまず量が揃わないことで、たまにしか使わない。
 響子が貝類が好きで、前にザザエを喜んでいたことを思い出した。
 店長さんに聞くと、ちゃんと砂抜きも終えているそうだ。
 新鮮なものなので、全部生きているはずだと。
 早乙女たちも滅多に食べないと喜んでいた。

 「御堂はどうだ!」
 「うん、あんまり食べないかな」
 「おし!」

 澪さんが笑った。
 店長に感謝し、みんなで食べたい魚介類をいくつか買って、店長に届けてもらった。

 帰りに少し川原に寄って、少し散策した。

 「タカさん! 今年もありますよー!」
 「おう!」

 昔みんなで撒いたスイカがまた沢山なっていた。
 亜紀ちゃんが一つ割って、みんなで食べてみる。

 「甘い!」

 澪さんが驚いた。
 うちのスイカは御堂家でも育てているので、その甘さを知っている。
 
 「うちのと同じくらい甘いですよ!」
 「いや、御堂家のものの方が上ですけど、これもなかなかでしょ?」
 「ええ、誰も世話もしてないんですよね?」
 「そうなんですよ。双子のスイカはしぶとくてねぇ」
 「アハハハハハハハ!」

 うちはみんながスイカ好きなので、30玉ほど持ち帰る。
 20玉はまだ残っているだろう。
 来年も頼むわ。

 俺たちが戻ると、丁度スーパーの届けのトラックが荷を降ろしていた。
 店長に挨拶し、店長がソーセージのセットをプレゼントしてくれた。

 「石神先生にはお世話になってますから」
 「これは相当いいものでしょう? どうかお気遣いなく」
 「ええ、石神先生はいつもご遠慮してフードコートでもあまり利用して下さらなくて」
 「アハハハハハハハ!」
 「ですのでこういうものをご用意しようと先日思い至ったものですから」
 「そうですか、では遠慮なく頂きますね」
 「はい! 最近取引が出来た牧場のものなんです。本当に美味しいものですよ」
 「楽しみですね」

 店長が帰り、俺は亜紀ちゃんにソーセージを預けた。

 「タカさん、これ「梅田牧場」ですよ!」
 「ワハハハハハハハ!」

 梅田精肉店が経営している牧場だ。

 「じゃあ、間違いなく美味いな!」
 「今日のバーベキューで出しますね」
 「おう! ああ、バーベキューの食材は結構あるから、別にしようか」
 「はい、そうですね!」

 俺が風花に電話をして話すと、風花が大笑いしていた。

 「美味しいですよ、絶対!」
 「だよな!」

 塩野社長さんに話すと言った。
 まあ、うちでも結構贈って頂いているのだが。
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