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モスクワ侵攻作戦 終幕
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驚いたことに、200名ほど「グレイプニル」が捕虜を連れて来た。
20名ほどの兵士たちが、その集団を引き連れている。
「ハンリヒとエリアスの報告で、情報を持っている可能性がある連中だ。それにカシワギが見つけた特殊な波動の者たち。恐らくは「ボルーチ・バロータ」であろうよ」
「そうか!」
あの激戦の中で「グレイプニル」たちはそのような作戦行動までこなせるほどに余裕があったのだ。
避難民の「救出」は俺に任せるつもりだったろうが、ちゃんと破壊だけではない作戦も実行してくれた。
事前にルイーサが俺に言わなかったのは、俺を驚かせたかったためだろう。
それが分かったので、俺は大いに驚き、感謝した、
捕虜たちの連行のため「タイガーファング」を1機追加し、俺たちは撤収した。
捕虜たちはルイーサが俺に譲ってくれ、護送のソルジャーたちと共にアラスカへ送る。
タマも呼んで、すぐに捕虜たちの精神走査をさせた上で、捕虜たちは眠らせた。
俺たちは一度ルクセンブルクに向かい、ルイーサの指示で祝勝会が開かれた。
もちろん俺と柏木さんも出席した。
ルクセンブルクにあるルイーサの城(幾つ持ってるんだろ)の大広間に作戦に参加した「グレイプニル」の兵士たちが集まった。
大広間には贅をつくした食事と酒が供され、ルイーサの労いの言葉の後で祝宴が始まった。
俺と柏木さんもタキシードに着替えさせられた。
俺は銀色に輝く未知の生地であり、柏木さんは白の生地だった。
柏木さんのタキシードは身体にピッタリであり、相変わらずのルイーサの準備の手際に感心させられた。
いつ採寸されたのかは分からないが、多分その道の専門家が見立てで測ったのだろう。
ならば、先日うちへ来た時であり、馬車に控えていた眷族の誰かが柏木さんを目視で採寸したのだ。
あの短い時間で、しかも柏木さんは着物を着ていたにも関わらず、だ。
「柏木さん、似合ってますよ」
「いやぁ、こういうものは着たことがなくて」
「いいですって。それにしてもサイズがピッタリですね」
「そうですか、自分ではよく分からないのです」
柏木さんが少し落ち着かない様子だった。
慣れないタキシードのせいだろう。
「ルイーサの奴、ちゃんと祝勝会のことまで考えてたんですよ。だから柏木さんの分まで用意していた」
「ああ、そういうことなんですね」
「しかも他の人間とは違う、白いものだ。柏木さんのことを相当気に入ったんですよ」
「それは本当に有難い。自分などがレジーナ様のお役に立てて、本当に嬉しく思います」
「でも、どっかがきついなんて言わないで下さいね。採寸をした奴が殺されますから」
「アハハハハハハ!」
他の兵士たちは黒のタキシードで、ルイーサはもちろん豪華絢爛な銀色のドレスだった。
多分、俺のタキシードと同じ生地だろう。
兵士たちの宴ではあったが、大騒ぎする者はおらず、粛々と立席ビュッフェの形式であった。
もちろん兵士たちは笑顔で楽しそうに話し、食事を楽しんでいる。
要するに、品位が高いのだ。
前で巨大な玉座に座っているルイーサの所へは、ひっきりなしに眷族が挨拶へ行き、ルイーサを褒め称えている。
これがルイーサの宴なのだろう。
俺と柏木さんも食事を楽しんでいたが、俺たちにも次々と兵士たちが挨拶に来た。
ルイーサと同様に俺の美しさを褒め、柏木さんの能力を褒めた。
柏木さんはこのような場所は苦手かと思ったが、案外平然としている。
ルイーサはデュールゲリエたちも中へ入れてくれ、兵士たちが話しかけていた。
流石に《マルドゥック》はサイズの問題で中へは入れなかったが、大広間に続くバルコニーから、庭にいる《マルドゥック》たちが見えた。
二体の前に大きな花輪が置いてある。
ルイーサが、《マルドゥック》たちを認めている証拠だ。
宴の中で、バルコニーから声を掛ける者もいた。
広間の隅で立っていた50名のデュールゲリエたちも声を掛けられていた。
あの作戦に参加した全ての者が仲間なのだと思われたのだ。
兵士の一人に呼ばれ、俺と柏木さんはルイーサの傍に行った。
「美獣、またお前と戦場に立てて嬉しいぞ」
「ああ、俺もだ、「グレイプニル」は見事な働きだったな。俺も感動したぜ」
「うむ。カシワギ、お前の働きも素晴らしかった。これからも同じ戦場に立った時は宜しく頼む」
「はい、レジーナ様の美しい雄姿を戦場で拝見出来たこと、光栄に思います。そして「グレイプニル」の方々の、凄まじくも高貴な戦いもお見事でした。菲才の身ですが、今後共存分にお使い下さい」
柏木さんの物言いに、ルイーサは上機嫌だった。
俺さえもルイーサを前にして、こうも見事に語るとは思ってもいなかった。
柏木さんは底知れない。
「ルイーサ、お前のお陰で俺たちはどこへでも侵攻出来る可能性を見い出せた。感謝する」
本心からの礼だ。
敵陣の奥深くに侵攻し、これまでで最大級の敵の反撃を見事に押し返した。
あれほどの「ゲート」が出現したことはなく、しかもその「ゲート」を消滅させる力を持っていることが分かったのだ。
《地獄の悪魔》も数百体が出て来たが、全て難なく駆逐した。
《マルドゥック》も参戦したが、基本的には「グレイプニル」だけでも作戦は遂行出来ただろう。
柏木さんの能力が、効率的に作戦を有利に持って行ったことも確かだったが。
「美獣、まだ安心するな。「カルマ」の力はあれだけではない」
「そうだな」
「むしろ、あの戦力が最大と見せかけた可能性が高い」
「そうか、俺もそう思うよ」
「ならば良い。相手はあの「カルマ」だ。決して油断はするな」
「ああ、肝に銘じておくよ」
「うむ」
途中ではあったが、俺と柏木さんは辞することにした。
多分宴は相当長く続くだろうと思われた。
デュールゲリエと《マルドゥック》を乗せ、俺たちは日本へ戻った。
蓮花研究所で、やっと緊張を解いた。
「柏木さん、大丈夫ですか?」
「はい。まあ、正直を言えば少々疲れが」
「アハハハハハハ!」
俺たちは風呂へ入り、少し酒を飲んだ。
蓮花がすぐに肴を用意してくれる、
「救える人たちがいて良かったです」
「そうですね」
柏木さんには、それがこの作戦に参加した最高の意義になっただろう。
誰もが否定していた避難者の存在。
柏木さんは一縷の希望を持っていた。
蓮花にデュールゲリエたちと《マルドゥック》が避難者を救出したのだと話すと、大喜びだった。
「《マルドゥック》がルイーサに直接頼み込んでよ。最初に拒絶されたんだが、怯まずに頼み込んで認めてもらった」
「そうなのですか!」
「ああ、それとルイーサがまたお前にも会いたいってよ」
「そ、それは! ……こ、光栄なことと思います」
「ワハハハハハハハハ!」
柏木さんも微笑んでいた。
「柏木さん、実は「虎」の軍で「トラキリー」という救助専門の部隊が作られるんですよ」
「そうなのですか! それは素敵なことですね!」
「どうですか、その部隊で働いてみませんか?」
「私がですか!」
柏木さんが嬉しそうな顔をした。
やはりこの人は血生臭い殺し合いよりも、誰かを救いたいのだ。
「はい。柏木さんの能力は今回のように戦場で有意義なことはよく分かりました。「アドヴェロス」でも重要な役割を担っている。でも、柏木さんは誰かを救う仕事の方がいいでしょう?」
「それはそうですが! でも石神さん、私のことはどうか使い潰すつもりで」
「分かってます。でも、俺も柏木さんは「トラキリー」がいいと思うんです」
「ありがとうございます。石神さんのおっしゃることを喜んでお引き受けいたします」
「宜しくお願いします」
「トラキリー」もきっと厳しい戦場に向かうだろう。
しかし、柏木さんは誰かを救いたいと思い続けて来た。
ならば「トラキリー」が良いだろう。
千数百万人の死者。
長い年月を経て栄えて来たモスクワはもう地上には無い。
しかし、これは一つの戦場でのことだ。
これからも俺たちは進んで行く。
20名ほどの兵士たちが、その集団を引き連れている。
「ハンリヒとエリアスの報告で、情報を持っている可能性がある連中だ。それにカシワギが見つけた特殊な波動の者たち。恐らくは「ボルーチ・バロータ」であろうよ」
「そうか!」
あの激戦の中で「グレイプニル」たちはそのような作戦行動までこなせるほどに余裕があったのだ。
避難民の「救出」は俺に任せるつもりだったろうが、ちゃんと破壊だけではない作戦も実行してくれた。
事前にルイーサが俺に言わなかったのは、俺を驚かせたかったためだろう。
それが分かったので、俺は大いに驚き、感謝した、
捕虜たちの連行のため「タイガーファング」を1機追加し、俺たちは撤収した。
捕虜たちはルイーサが俺に譲ってくれ、護送のソルジャーたちと共にアラスカへ送る。
タマも呼んで、すぐに捕虜たちの精神走査をさせた上で、捕虜たちは眠らせた。
俺たちは一度ルクセンブルクに向かい、ルイーサの指示で祝勝会が開かれた。
もちろん俺と柏木さんも出席した。
ルクセンブルクにあるルイーサの城(幾つ持ってるんだろ)の大広間に作戦に参加した「グレイプニル」の兵士たちが集まった。
大広間には贅をつくした食事と酒が供され、ルイーサの労いの言葉の後で祝宴が始まった。
俺と柏木さんもタキシードに着替えさせられた。
俺は銀色に輝く未知の生地であり、柏木さんは白の生地だった。
柏木さんのタキシードは身体にピッタリであり、相変わらずのルイーサの準備の手際に感心させられた。
いつ採寸されたのかは分からないが、多分その道の専門家が見立てで測ったのだろう。
ならば、先日うちへ来た時であり、馬車に控えていた眷族の誰かが柏木さんを目視で採寸したのだ。
あの短い時間で、しかも柏木さんは着物を着ていたにも関わらず、だ。
「柏木さん、似合ってますよ」
「いやぁ、こういうものは着たことがなくて」
「いいですって。それにしてもサイズがピッタリですね」
「そうですか、自分ではよく分からないのです」
柏木さんが少し落ち着かない様子だった。
慣れないタキシードのせいだろう。
「ルイーサの奴、ちゃんと祝勝会のことまで考えてたんですよ。だから柏木さんの分まで用意していた」
「ああ、そういうことなんですね」
「しかも他の人間とは違う、白いものだ。柏木さんのことを相当気に入ったんですよ」
「それは本当に有難い。自分などがレジーナ様のお役に立てて、本当に嬉しく思います」
「でも、どっかがきついなんて言わないで下さいね。採寸をした奴が殺されますから」
「アハハハハハハ!」
他の兵士たちは黒のタキシードで、ルイーサはもちろん豪華絢爛な銀色のドレスだった。
多分、俺のタキシードと同じ生地だろう。
兵士たちの宴ではあったが、大騒ぎする者はおらず、粛々と立席ビュッフェの形式であった。
もちろん兵士たちは笑顔で楽しそうに話し、食事を楽しんでいる。
要するに、品位が高いのだ。
前で巨大な玉座に座っているルイーサの所へは、ひっきりなしに眷族が挨拶へ行き、ルイーサを褒め称えている。
これがルイーサの宴なのだろう。
俺と柏木さんも食事を楽しんでいたが、俺たちにも次々と兵士たちが挨拶に来た。
ルイーサと同様に俺の美しさを褒め、柏木さんの能力を褒めた。
柏木さんはこのような場所は苦手かと思ったが、案外平然としている。
ルイーサはデュールゲリエたちも中へ入れてくれ、兵士たちが話しかけていた。
流石に《マルドゥック》はサイズの問題で中へは入れなかったが、大広間に続くバルコニーから、庭にいる《マルドゥック》たちが見えた。
二体の前に大きな花輪が置いてある。
ルイーサが、《マルドゥック》たちを認めている証拠だ。
宴の中で、バルコニーから声を掛ける者もいた。
広間の隅で立っていた50名のデュールゲリエたちも声を掛けられていた。
あの作戦に参加した全ての者が仲間なのだと思われたのだ。
兵士の一人に呼ばれ、俺と柏木さんはルイーサの傍に行った。
「美獣、またお前と戦場に立てて嬉しいぞ」
「ああ、俺もだ、「グレイプニル」は見事な働きだったな。俺も感動したぜ」
「うむ。カシワギ、お前の働きも素晴らしかった。これからも同じ戦場に立った時は宜しく頼む」
「はい、レジーナ様の美しい雄姿を戦場で拝見出来たこと、光栄に思います。そして「グレイプニル」の方々の、凄まじくも高貴な戦いもお見事でした。菲才の身ですが、今後共存分にお使い下さい」
柏木さんの物言いに、ルイーサは上機嫌だった。
俺さえもルイーサを前にして、こうも見事に語るとは思ってもいなかった。
柏木さんは底知れない。
「ルイーサ、お前のお陰で俺たちはどこへでも侵攻出来る可能性を見い出せた。感謝する」
本心からの礼だ。
敵陣の奥深くに侵攻し、これまでで最大級の敵の反撃を見事に押し返した。
あれほどの「ゲート」が出現したことはなく、しかもその「ゲート」を消滅させる力を持っていることが分かったのだ。
《地獄の悪魔》も数百体が出て来たが、全て難なく駆逐した。
《マルドゥック》も参戦したが、基本的には「グレイプニル」だけでも作戦は遂行出来ただろう。
柏木さんの能力が、効率的に作戦を有利に持って行ったことも確かだったが。
「美獣、まだ安心するな。「カルマ」の力はあれだけではない」
「そうだな」
「むしろ、あの戦力が最大と見せかけた可能性が高い」
「そうか、俺もそう思うよ」
「ならば良い。相手はあの「カルマ」だ。決して油断はするな」
「ああ、肝に銘じておくよ」
「うむ」
途中ではあったが、俺と柏木さんは辞することにした。
多分宴は相当長く続くだろうと思われた。
デュールゲリエと《マルドゥック》を乗せ、俺たちは日本へ戻った。
蓮花研究所で、やっと緊張を解いた。
「柏木さん、大丈夫ですか?」
「はい。まあ、正直を言えば少々疲れが」
「アハハハハハハ!」
俺たちは風呂へ入り、少し酒を飲んだ。
蓮花がすぐに肴を用意してくれる、
「救える人たちがいて良かったです」
「そうですね」
柏木さんには、それがこの作戦に参加した最高の意義になっただろう。
誰もが否定していた避難者の存在。
柏木さんは一縷の希望を持っていた。
蓮花にデュールゲリエたちと《マルドゥック》が避難者を救出したのだと話すと、大喜びだった。
「《マルドゥック》がルイーサに直接頼み込んでよ。最初に拒絶されたんだが、怯まずに頼み込んで認めてもらった」
「そうなのですか!」
「ああ、それとルイーサがまたお前にも会いたいってよ」
「そ、それは! ……こ、光栄なことと思います」
「ワハハハハハハハハ!」
柏木さんも微笑んでいた。
「柏木さん、実は「虎」の軍で「トラキリー」という救助専門の部隊が作られるんですよ」
「そうなのですか! それは素敵なことですね!」
「どうですか、その部隊で働いてみませんか?」
「私がですか!」
柏木さんが嬉しそうな顔をした。
やはりこの人は血生臭い殺し合いよりも、誰かを救いたいのだ。
「はい。柏木さんの能力は今回のように戦場で有意義なことはよく分かりました。「アドヴェロス」でも重要な役割を担っている。でも、柏木さんは誰かを救う仕事の方がいいでしょう?」
「それはそうですが! でも石神さん、私のことはどうか使い潰すつもりで」
「分かってます。でも、俺も柏木さんは「トラキリー」がいいと思うんです」
「ありがとうございます。石神さんのおっしゃることを喜んでお引き受けいたします」
「宜しくお願いします」
「トラキリー」もきっと厳しい戦場に向かうだろう。
しかし、柏木さんは誰かを救いたいと思い続けて来た。
ならば「トラキリー」が良いだろう。
千数百万人の死者。
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