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みんなで真冬の別荘 Ⅶ
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昼食はハマグリ蕎麦にした。
大ぶりのハマグリを軽くローストして蕎麦に入れる。
出汁も贅沢に乾燥した貝柱で取った。
刻んだワカメと焼いた長ネギとサヤエンドウ。
それとステーキ……
鷹と麗星が特に喜び、二人でレシピの確認やアレンジの話をしていた。
「石神先生! ハマグリという発想はありませんでした!」
鷹が感動していた。
「まあな。でもしばらく前に「ニシン蕎麦」とか流行ったじゃない。基本は何でも蕎麦に入れていいものだと思うぞ」
「でも、ハマグリは最高ですよ!」
「そりゃ、俺もいろいろ試したからなぁ」
「あなた様、お替りはありますか!」
「もちろんだ! 石神家を舐めんじゃねぇ!」
「はい!」
麗星が嬉しそうに二杯目をよそりに行き、ハーが手伝った。
麗星もお替りがあるのは最初から承知で、楽しい食卓にしようという心遣いだ。
まあ、麗星も食に対して遠慮のある奴でもない。
「ちょっとお酢を入れると美味しいよ!」
「それを是非!」
他のみんなも酢を垂らして感動していた。
食後は響子と士王たちは昼寝にし、桜花たちに任せた。
士王と吹雪、天狼は昨晩遅くまで何やら遊んでいたので、すぐに眠る。
俺は栞、鷹、六花、麗星、虎蘭を連れてスーパーに出掛けた。
特に買い足すものはそれほどないのだが、まあヒマ潰しだ。
俺が連絡したので、俺たちが中へ入ると『ワルキューレの騎行』が鳴り響き、麗星と虎蘭が喜んだ。
とにかく桁違いの大食いが揃っているので、食べたいものを買わせながら店内を回って行く。
虎蘭が何も選ばないので、俺が何か無いのかと聞いた。
「そうですね。ミカンとか?」
「おお! うちって誰も果物喰わないんだよな!」
真穴みかんがあると店長さんが言い、3箱(9キロ)を買った。
個別包装の最高級のものだ。
「目新しいものをと仕入れたのですが、高価過ぎてどうにも売れませんで」
他に2箱あるというので、それもうちで引き取った。
15キロなんぞ、石神家では何と言うことも無い。
新館を回り「子ども広場」でまた六花と踊った。
栞と鷹が虎蘭にテレビ画面を見ろと言い、俺と六花が踊っているのを見て喜んだ。
「高虎さんと六花さんじゃないですか!」
「あの人ってあちこちで人気者みたいなの」
「そうなんですね!」
俺と六花の周りに子どもたちが集まって来る。
俺たちが笑って子どもたちの相手をしているのを、虎蘭が微笑んで見ていた。
今日は年末のせいか、子どもたちの数も大勢いる。
俺と六花はたちまち何重もの円に囲まれてしまった。
俺は六花を抱き上げてジャンプした。
天井が低いので、そのまま飛行で栞たちの所へ行く。
「じゃあ、またな!」
笑って手を振ると、子どもたちが大歓声を挙げた。
「あなた、やり過ぎよ!」
「いいじゃんか」
俺たちは走って逃げた。
虎蘭が大笑いしていた。
3時前に別荘に戻り、みんなでお茶にする。
今日はレイの好きだったパンプキンプリンだった。
響子も士王たちも起きていて、みんなで食べる。
亜紀ちゃんたちは庭で鍛錬をしていたようだ。
お茶の後で亜紀ちゃんたちは今晩の「カレー大会」の準備に入り、栞と鷹、六花、虎蘭、皇紀と風花、桜花たちは庭で鍛錬し、士王と吹雪も付いて行った。
麗星と天狼はウッドデッキで道間家の鍛錬。
俺とロボ、響子は奈々たちチビの相手をした。
まあ、奈々以外のチビたちはまだ遊ぶことも出来ず、適当に動かし、まとわりついてくるのを相手する。
奈々は俺を独占し、くっついて離れない。
ロボの背中に乗せてやると、やっと喜んで離れた。
士王と吹雪、麗星と天狼が先に帰って来て、士王がひとしきり響子パイを堪能してから三人で別荘の探検に出て行った。
「外には出るな!」
「「「はい!」」」
響子が床でボゥーっとしていた。
「おい、大丈夫か?」
「タカトラぁー!」
「よちよち」
カレーのいい匂いがしてくる。
今日は石神家カレー、グリーンカリー、究極キノコカレー(新作)、そしてチビ用の甘い石神家カレー。
究極キノコカレーは松茸、ポルチーニ、ホンシメジ、エリンギに鶏の挽肉を入れている。
フォンを鶏ガラで摂った双子の渾身のメニューだ。
以前に「カレー大会」で嫌な思い出があるので、寸胴を倍に増やし、亜紀ちゃんたちだけでは食べきれない量を作っている。
亜紀ちゃんたち以外が絶対に全部のカレーを食べられるように取り決めも作った。
要は、2つ以上の寸胴に分散し、亜紀ちゃんたちは片方の寸胴しか食べられない。
他のものが余った場合に、やっと喰っても良いことにしている。
米も今回のために、業務用の50合炊きのものを買っている。
2つ。
カレーに対する亜紀ちゃんたちの狂気は抑えきれないことを俺が真なんだ末の対策だった。
夕食が始まり、麗星と虎蘭が狂喜した。
「こんなに美味しいものがぁ!」
「高虎さん! 美味しいですよ!」
「おう、3種類あるからな。一杯食べてくれよ」
「「はい!」」
双子がレシピを渡すと言い、虎蘭は虎水に渡すと言うと笑われていた。
「俺さ、カレーって好きなんだ」
「そうなのですか?」
「でもさ、家に帰るといつも一杯しか残ってないの」
「どうしてですか?」
虎蘭に亜紀ちゃんたちの喰いっぷりを指差した。
「なるほど」
「俺さ、石神家の当主なの」
「そうですね?」
「でもさ、誰も言うこと聞いてくれねぇの」
「ワハハハハハハハハハハ!」
そこは笑うとこじゃねぇんだけど?
大人たちはみんな1杯ずつ味わい、六花と麗星は石神家カレー、グリーンカリーをもう2杯ずつたべた。
究極キノコカレーも美味かったが石神家カレーを超えるものではなかった。
グリーンカリーはみんな大好きだ。
士王たちも満腹になり、亜紀ちゃんたちに寸胴を解禁した。
他の人間で、虎蘭が買って来たミカンをみんなで食べる。
「美味しいですね!」
虎蘭が喜ぶ。
他の大人たちも美味しいと言いながらどんどん食べた。
ほんのりと、しかししっかりした糖度であり、かつ非常に瑞々しい。
士王たちにも母親たちが剥いて食べさせてやる。
「天狼、美味いか?」
「はい!」
本当に美味いミカンだった。
カレーで満腹になっていたが、いくらでも喰えそうだ。
個別包装が少々ウザいが、まあ、この美味さならばと思う。
普段は果物など食べない俺だが、このミカンは気に入った。
「虎蘭のお陰で美味いミカンが喰えたな!」
「そうですか!」
俺たちが美味い美味いと言っているので、亜紀ちゃんたちもミカンを食べた。
「美味しい!」
亜紀ちゃんが喜び、元々果物好きな柳がニコニコしている。
皇紀と風花が金華銀華にも食べさせていいかと栞に聞いている。
「潰して果汁だけ飲ませたらいいよ」
「「はい!」」
皇紀と風花がすぐにキッチンでミカンを潰し、二人の子どもに飲ませた。
栞たちももらい、千歌や銀世、夜羽にも飲ませる。
まだたくさんあるので亜紀ちゃんたちは再びカレーに戻り、俺たちは風呂に入った。
カレーの匂いが嫌いなロボも一緒に来る。
ロボは温かい浴室の床に敷いたロボボートでうずくまる。
俺と響子、栞、六花、鷹、麗星、虎蘭で入り、桜花たちはチビたちと一緒に入ってくれた。
士王たちをまた子ども部屋に入れて寝かせ、亜紀ちゃんたちが風呂に入り、他の人間でつまみを作る。
身欠きニシン。
海老真丈。
ナスのフライ。
アスパラとアサリの炒め。
カプレーゼ。
新生姜とゴボウの漬物。
そしてミカン。
亜紀ちゃんたちも風呂を上がり、みんなで屋上に上がった。
下で士王たちが騒いでいる声が聞こえる。
やはり大人しく眠らずに、子ども同士で遊んでいるようだ。
桜花たちが行こうとしたが、俺が止めた。
「久し振りに兄弟たちと会ったんだ。好きに遊ばせてやろう」
「はい、分かりました」
特に天狼と奈々は楽しいだろう。
普段は道間家の仕来りの中で生活しており、士王や吹雪のような子ども同士の遊びは滅多にない。
士王や吹雪にしても、同年代の、しかも兄弟たちと遊ぶ機会は少ない。
はしゃぎたくなる気持ちは十分に分かる。
「何をやっているんでしょうね?」
麗星が微笑みながら言った。
「さあな。でも楽しそうじゃないか」
「そうですね」
まあ、外に出なければ問題は無い。
「兄弟がいるっていうのはいいな」
「あ、タカさん! 今日は兄弟のお話ですか!」
「バカやろう! 今日はゆっくり飲ませろ!」
みんなが笑う、
まあ、俺も話したいことはあったのだが。
「昨日は「トラキリー」の話をしたよな。今日はもう一つの新設部隊「ハイドラ」のことでも話すか。まあ、偶然だが、兄弟の話だ」
「やったぁー!」
亜紀ちゃんが喜び、みんなも笑う。
俺は話し出した。
大ぶりのハマグリを軽くローストして蕎麦に入れる。
出汁も贅沢に乾燥した貝柱で取った。
刻んだワカメと焼いた長ネギとサヤエンドウ。
それとステーキ……
鷹と麗星が特に喜び、二人でレシピの確認やアレンジの話をしていた。
「石神先生! ハマグリという発想はありませんでした!」
鷹が感動していた。
「まあな。でもしばらく前に「ニシン蕎麦」とか流行ったじゃない。基本は何でも蕎麦に入れていいものだと思うぞ」
「でも、ハマグリは最高ですよ!」
「そりゃ、俺もいろいろ試したからなぁ」
「あなた様、お替りはありますか!」
「もちろんだ! 石神家を舐めんじゃねぇ!」
「はい!」
麗星が嬉しそうに二杯目をよそりに行き、ハーが手伝った。
麗星もお替りがあるのは最初から承知で、楽しい食卓にしようという心遣いだ。
まあ、麗星も食に対して遠慮のある奴でもない。
「ちょっとお酢を入れると美味しいよ!」
「それを是非!」
他のみんなも酢を垂らして感動していた。
食後は響子と士王たちは昼寝にし、桜花たちに任せた。
士王と吹雪、天狼は昨晩遅くまで何やら遊んでいたので、すぐに眠る。
俺は栞、鷹、六花、麗星、虎蘭を連れてスーパーに出掛けた。
特に買い足すものはそれほどないのだが、まあヒマ潰しだ。
俺が連絡したので、俺たちが中へ入ると『ワルキューレの騎行』が鳴り響き、麗星と虎蘭が喜んだ。
とにかく桁違いの大食いが揃っているので、食べたいものを買わせながら店内を回って行く。
虎蘭が何も選ばないので、俺が何か無いのかと聞いた。
「そうですね。ミカンとか?」
「おお! うちって誰も果物喰わないんだよな!」
真穴みかんがあると店長さんが言い、3箱(9キロ)を買った。
個別包装の最高級のものだ。
「目新しいものをと仕入れたのですが、高価過ぎてどうにも売れませんで」
他に2箱あるというので、それもうちで引き取った。
15キロなんぞ、石神家では何と言うことも無い。
新館を回り「子ども広場」でまた六花と踊った。
栞と鷹が虎蘭にテレビ画面を見ろと言い、俺と六花が踊っているのを見て喜んだ。
「高虎さんと六花さんじゃないですか!」
「あの人ってあちこちで人気者みたいなの」
「そうなんですね!」
俺と六花の周りに子どもたちが集まって来る。
俺たちが笑って子どもたちの相手をしているのを、虎蘭が微笑んで見ていた。
今日は年末のせいか、子どもたちの数も大勢いる。
俺と六花はたちまち何重もの円に囲まれてしまった。
俺は六花を抱き上げてジャンプした。
天井が低いので、そのまま飛行で栞たちの所へ行く。
「じゃあ、またな!」
笑って手を振ると、子どもたちが大歓声を挙げた。
「あなた、やり過ぎよ!」
「いいじゃんか」
俺たちは走って逃げた。
虎蘭が大笑いしていた。
3時前に別荘に戻り、みんなでお茶にする。
今日はレイの好きだったパンプキンプリンだった。
響子も士王たちも起きていて、みんなで食べる。
亜紀ちゃんたちは庭で鍛錬をしていたようだ。
お茶の後で亜紀ちゃんたちは今晩の「カレー大会」の準備に入り、栞と鷹、六花、虎蘭、皇紀と風花、桜花たちは庭で鍛錬し、士王と吹雪も付いて行った。
麗星と天狼はウッドデッキで道間家の鍛錬。
俺とロボ、響子は奈々たちチビの相手をした。
まあ、奈々以外のチビたちはまだ遊ぶことも出来ず、適当に動かし、まとわりついてくるのを相手する。
奈々は俺を独占し、くっついて離れない。
ロボの背中に乗せてやると、やっと喜んで離れた。
士王と吹雪、麗星と天狼が先に帰って来て、士王がひとしきり響子パイを堪能してから三人で別荘の探検に出て行った。
「外には出るな!」
「「「はい!」」」
響子が床でボゥーっとしていた。
「おい、大丈夫か?」
「タカトラぁー!」
「よちよち」
カレーのいい匂いがしてくる。
今日は石神家カレー、グリーンカリー、究極キノコカレー(新作)、そしてチビ用の甘い石神家カレー。
究極キノコカレーは松茸、ポルチーニ、ホンシメジ、エリンギに鶏の挽肉を入れている。
フォンを鶏ガラで摂った双子の渾身のメニューだ。
以前に「カレー大会」で嫌な思い出があるので、寸胴を倍に増やし、亜紀ちゃんたちだけでは食べきれない量を作っている。
亜紀ちゃんたち以外が絶対に全部のカレーを食べられるように取り決めも作った。
要は、2つ以上の寸胴に分散し、亜紀ちゃんたちは片方の寸胴しか食べられない。
他のものが余った場合に、やっと喰っても良いことにしている。
米も今回のために、業務用の50合炊きのものを買っている。
2つ。
カレーに対する亜紀ちゃんたちの狂気は抑えきれないことを俺が真なんだ末の対策だった。
夕食が始まり、麗星と虎蘭が狂喜した。
「こんなに美味しいものがぁ!」
「高虎さん! 美味しいですよ!」
「おう、3種類あるからな。一杯食べてくれよ」
「「はい!」」
双子がレシピを渡すと言い、虎蘭は虎水に渡すと言うと笑われていた。
「俺さ、カレーって好きなんだ」
「そうなのですか?」
「でもさ、家に帰るといつも一杯しか残ってないの」
「どうしてですか?」
虎蘭に亜紀ちゃんたちの喰いっぷりを指差した。
「なるほど」
「俺さ、石神家の当主なの」
「そうですね?」
「でもさ、誰も言うこと聞いてくれねぇの」
「ワハハハハハハハハハハ!」
そこは笑うとこじゃねぇんだけど?
大人たちはみんな1杯ずつ味わい、六花と麗星は石神家カレー、グリーンカリーをもう2杯ずつたべた。
究極キノコカレーも美味かったが石神家カレーを超えるものではなかった。
グリーンカリーはみんな大好きだ。
士王たちも満腹になり、亜紀ちゃんたちに寸胴を解禁した。
他の人間で、虎蘭が買って来たミカンをみんなで食べる。
「美味しいですね!」
虎蘭が喜ぶ。
他の大人たちも美味しいと言いながらどんどん食べた。
ほんのりと、しかししっかりした糖度であり、かつ非常に瑞々しい。
士王たちにも母親たちが剥いて食べさせてやる。
「天狼、美味いか?」
「はい!」
本当に美味いミカンだった。
カレーで満腹になっていたが、いくらでも喰えそうだ。
個別包装が少々ウザいが、まあ、この美味さならばと思う。
普段は果物など食べない俺だが、このミカンは気に入った。
「虎蘭のお陰で美味いミカンが喰えたな!」
「そうですか!」
俺たちが美味い美味いと言っているので、亜紀ちゃんたちもミカンを食べた。
「美味しい!」
亜紀ちゃんが喜び、元々果物好きな柳がニコニコしている。
皇紀と風花が金華銀華にも食べさせていいかと栞に聞いている。
「潰して果汁だけ飲ませたらいいよ」
「「はい!」」
皇紀と風花がすぐにキッチンでミカンを潰し、二人の子どもに飲ませた。
栞たちももらい、千歌や銀世、夜羽にも飲ませる。
まだたくさんあるので亜紀ちゃんたちは再びカレーに戻り、俺たちは風呂に入った。
カレーの匂いが嫌いなロボも一緒に来る。
ロボは温かい浴室の床に敷いたロボボートでうずくまる。
俺と響子、栞、六花、鷹、麗星、虎蘭で入り、桜花たちはチビたちと一緒に入ってくれた。
士王たちをまた子ども部屋に入れて寝かせ、亜紀ちゃんたちが風呂に入り、他の人間でつまみを作る。
身欠きニシン。
海老真丈。
ナスのフライ。
アスパラとアサリの炒め。
カプレーゼ。
新生姜とゴボウの漬物。
そしてミカン。
亜紀ちゃんたちも風呂を上がり、みんなで屋上に上がった。
下で士王たちが騒いでいる声が聞こえる。
やはり大人しく眠らずに、子ども同士で遊んでいるようだ。
桜花たちが行こうとしたが、俺が止めた。
「久し振りに兄弟たちと会ったんだ。好きに遊ばせてやろう」
「はい、分かりました」
特に天狼と奈々は楽しいだろう。
普段は道間家の仕来りの中で生活しており、士王や吹雪のような子ども同士の遊びは滅多にない。
士王や吹雪にしても、同年代の、しかも兄弟たちと遊ぶ機会は少ない。
はしゃぎたくなる気持ちは十分に分かる。
「何をやっているんでしょうね?」
麗星が微笑みながら言った。
「さあな。でも楽しそうじゃないか」
「そうですね」
まあ、外に出なければ問題は無い。
「兄弟がいるっていうのはいいな」
「あ、タカさん! 今日は兄弟のお話ですか!」
「バカやろう! 今日はゆっくり飲ませろ!」
みんなが笑う、
まあ、俺も話したいことはあったのだが。
「昨日は「トラキリー」の話をしたよな。今日はもう一つの新設部隊「ハイドラ」のことでも話すか。まあ、偶然だが、兄弟の話だ」
「やったぁー!」
亜紀ちゃんが喜び、みんなも笑う。
俺は話し出した。
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