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「アドヴェロス」合同演習 Ⅵ
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「他に攻撃魔法は雷撃魔法、氷結魔法、暴風魔法、防御は結界魔法と治癒魔法も使えます」
「よく分からんな」
「魔法」というものに俺たちは馴染みが無い。
フィクションではいろいろと創作されているが、実際にはどのようなものなのか。
「「ブレス」と石神様が呼んでいるのは火炎魔法であり、最も範囲が狭く大体10メートルです。雷撃魔法は全身から発せられ。1キロに拡がります。氷結魔法と暴風魔法はその間で、大体200メートル範囲でしょうか」
「なるほど」
グランマザーも俺たちの言葉で表現しているので、多分イメージは掴めそうだ。
「ブレス」はもう見ているので、熱線であることは分かる。
雷撃魔法は高電圧の電撃であり、氷結魔法は温度低下、暴風魔法もそのものだろう。
だが威力に関してはまるで分からん。
雷ほどの威力ではまずいし、液体窒素をぶちまけるほどでもまずいし・
まあ、風でぶっ飛ばされる程度なら何とでもなるが。
群れている時は互いに影響しないように、主に「ブレス」を使って来たか。
まるでアホではないらしい。
それに集団戦にも慣れているということだ。
「正確には風魔法もあるのですが、それは自身が飛ぶ能力でして」
「攻撃は無いのか?」
「はい。ああ、今のは一般竜種の場合でして、カイザー・ドラゴンはこの10倍とお考え下さい」
「分かった」
元が分からんので10倍も分からんが、大体敵の戦闘力は把握した。
使わせなければ良いのだ。・
「ドラゴニア帝国にはカイザー・ドラゴン10体、他の竜種は約1000体ほどかと」
「おい、羽虫、何か付け加えることはあるか?」
「がんばってぇー」
はたき落とした。
「よし、ブリーフィングだ! 俺たちは上空から「飛行」でドラゴニア帝国を急襲! まず空中から獅子丸が「ばーん:で出来るだけ削れ。混乱したところで先ほどのフォーメーションで突入! 鏑木はカイザー・ドラゴンを中心にやれ! 他はガンガントカゲ狩だぁ!」
『はい!』
「ルー、作戦指揮をとれ! 早乙女と成瀬は補佐!」
「石神たちは戦闘に参加しないのか?」
早乙女が心配そうに聞いて来た。
「ああ、こいつらで十分だろう。万が一の場合は俺たちも出る」
ドラゴニア帝国へ向かった。
「アドヴェロス」のハンターたちは「飛行」が出来ないので、降下艇で向かった。
まあ、磯良は飛べるが。
ルーとハーが羽虫に更に詳しい情報を聞いている。
時々ぶん殴っている。
二人が効き出した情報によると、「帝国」ということだったが、別に都市を築いているわけではないらしい。
身体が頑強なので住居などは必要ないようだ。
ただ、一定のエリアを「ドラゴニア帝国」と呼んでいるだけで、要は「巣」だ。
そこに1000頭ちょっとのドラゴンが棲んでいる。
奴らは普段は森林の獲物を狩っているが、時折人間の村落を襲うらしい。
双子が俺に説明した。
「無意識的に、人間の中からいずれ自分たちを脅かす者が出てくることを恐れているらしいよ」
「ドラゴンにかよ」
「うん、人間は知性が高いのと、集団で挑んで来るからね。今は絶対に届かないけど、可能性を怖がってる」
「へぇ」
なかなか知性が高い。
「さっきもね、私たちがガンガン高威力の技を撃ってたから、警戒に来たらしいよ」
「なるほどなぁ」
「すぐに全滅させたから、きっとビビってるよ!」
「ワハハハハハハハ!」
「ドラゴニア帝国」の端に着陸した。
もちろん城壁などがあるわけではなく、勝手にドラゴンたちが線引きしているだけだ。
羽虫に位置は確認している。
降下艇はすぐに飛び立ち、ハンターとソルジャーたちが地上に展開する。
「ゴー! ゴー! ゴー! もたもたすんなぁ! トカゲ共を皆殺しじゃぁー!」
『アイ・マム!』
ルーの指揮でソルジャーたちが攻撃準備を整える。
「獅子丸ぅー!」
「はい!」
空中から獅子丸が「ばーん」。
「ドラゴニア帝国」の中心部が一瞬で壊滅した。
すぐに残りの数百頭のドラゴンが飛んで来る。
逃げる奴はいないようだ。
戦闘狂か。
獅子丸の「バーン」は数百頭をぶっ殺したようだ。
「来るぞぉぉーー! ブレスを撃たせるなぁ!」
ルーが指示する。
具体的にはデュールゲリエの指揮官タイプが各員に最適な攻撃目標を指示する。
本来は超量子コンピューターがやるのだが、数千までの敵は指揮官タイプの解析で十分だ。
インカムに指示が入り、ソルジャーたちが狙いを定める。
まあ、ドラゴンはブレスを撃つ時には空中に静止するようなのですぐに分かる。
そいつらを優先的に攻撃すれば良い。
その最適解を指揮官タイプが指示しているのだ。
「アドヴェロス」のハンターたちにも同様に指示が出ている。
獅子丸は待機のようだ。
ここは訓練も兼ねて全員で殲滅戦をするつもりのようだった。
もちろん一撃で仕留めることは少なく、ドラゴンは回避と結界で俺たちの攻撃をそれなりに防いでいる。
確実に仕留めているのは磯良、愛鈴、鏑木、桜と上級士官の連中だけだ。
それでも徐々にドラゴンは減っている。
高空にいる連中はソルジャーたちが「ブリューナク」「トールハンマー」で落としていく。
磯良と愛鈴もガンガンやる。
すぐに指揮官タイプの指示によりスリーマンセルのチームが構築され、より効率的に攻撃になっていった。
ルーが指揮官タイプに命じたようだ。
状況をよく見ている。
もう全員が「ブレス」攻撃のタイミングに馴染んだので、より効率的なものを指示したのだろう。
ドラゴンは獅子丸の「ばーん」を恐れてか、密集しない。
何頭かが空中から「ブレス」を撃って来るが、口を開くのとその方向でこっちも察知して高速機動で避ける。
インカムにも回避指示が出ているが、ソルジャーももう察知している。
高速機動の出来ないハンターたちも、ソルジャーに助けられて回避している。
いい連携だ。
地上に降りた連中は主に早霧と葛葉の餌食だ。
紅も「バハムート装備」で撃ち落としていく。
羽入は流星剣で斬り刻む。
でかいカイザー・ドラゴンはルーの指示通りに鏑木が優先して撃ち落とす。
ルーが指示を出しながら、ハーは危険回避に専念する。
まあ、30分ほどで大体決した。
その時、一際でかい白いドロゴンが中心部から飛んで来た。
「よく分からんな」
「魔法」というものに俺たちは馴染みが無い。
フィクションではいろいろと創作されているが、実際にはどのようなものなのか。
「「ブレス」と石神様が呼んでいるのは火炎魔法であり、最も範囲が狭く大体10メートルです。雷撃魔法は全身から発せられ。1キロに拡がります。氷結魔法と暴風魔法はその間で、大体200メートル範囲でしょうか」
「なるほど」
グランマザーも俺たちの言葉で表現しているので、多分イメージは掴めそうだ。
「ブレス」はもう見ているので、熱線であることは分かる。
雷撃魔法は高電圧の電撃であり、氷結魔法は温度低下、暴風魔法もそのものだろう。
だが威力に関してはまるで分からん。
雷ほどの威力ではまずいし、液体窒素をぶちまけるほどでもまずいし・
まあ、風でぶっ飛ばされる程度なら何とでもなるが。
群れている時は互いに影響しないように、主に「ブレス」を使って来たか。
まるでアホではないらしい。
それに集団戦にも慣れているということだ。
「正確には風魔法もあるのですが、それは自身が飛ぶ能力でして」
「攻撃は無いのか?」
「はい。ああ、今のは一般竜種の場合でして、カイザー・ドラゴンはこの10倍とお考え下さい」
「分かった」
元が分からんので10倍も分からんが、大体敵の戦闘力は把握した。
使わせなければ良いのだ。・
「ドラゴニア帝国にはカイザー・ドラゴン10体、他の竜種は約1000体ほどかと」
「おい、羽虫、何か付け加えることはあるか?」
「がんばってぇー」
はたき落とした。
「よし、ブリーフィングだ! 俺たちは上空から「飛行」でドラゴニア帝国を急襲! まず空中から獅子丸が「ばーん:で出来るだけ削れ。混乱したところで先ほどのフォーメーションで突入! 鏑木はカイザー・ドラゴンを中心にやれ! 他はガンガントカゲ狩だぁ!」
『はい!』
「ルー、作戦指揮をとれ! 早乙女と成瀬は補佐!」
「石神たちは戦闘に参加しないのか?」
早乙女が心配そうに聞いて来た。
「ああ、こいつらで十分だろう。万が一の場合は俺たちも出る」
ドラゴニア帝国へ向かった。
「アドヴェロス」のハンターたちは「飛行」が出来ないので、降下艇で向かった。
まあ、磯良は飛べるが。
ルーとハーが羽虫に更に詳しい情報を聞いている。
時々ぶん殴っている。
二人が効き出した情報によると、「帝国」ということだったが、別に都市を築いているわけではないらしい。
身体が頑強なので住居などは必要ないようだ。
ただ、一定のエリアを「ドラゴニア帝国」と呼んでいるだけで、要は「巣」だ。
そこに1000頭ちょっとのドラゴンが棲んでいる。
奴らは普段は森林の獲物を狩っているが、時折人間の村落を襲うらしい。
双子が俺に説明した。
「無意識的に、人間の中からいずれ自分たちを脅かす者が出てくることを恐れているらしいよ」
「ドラゴンにかよ」
「うん、人間は知性が高いのと、集団で挑んで来るからね。今は絶対に届かないけど、可能性を怖がってる」
「へぇ」
なかなか知性が高い。
「さっきもね、私たちがガンガン高威力の技を撃ってたから、警戒に来たらしいよ」
「なるほどなぁ」
「すぐに全滅させたから、きっとビビってるよ!」
「ワハハハハハハハ!」
「ドラゴニア帝国」の端に着陸した。
もちろん城壁などがあるわけではなく、勝手にドラゴンたちが線引きしているだけだ。
羽虫に位置は確認している。
降下艇はすぐに飛び立ち、ハンターとソルジャーたちが地上に展開する。
「ゴー! ゴー! ゴー! もたもたすんなぁ! トカゲ共を皆殺しじゃぁー!」
『アイ・マム!』
ルーの指揮でソルジャーたちが攻撃準備を整える。
「獅子丸ぅー!」
「はい!」
空中から獅子丸が「ばーん」。
「ドラゴニア帝国」の中心部が一瞬で壊滅した。
すぐに残りの数百頭のドラゴンが飛んで来る。
逃げる奴はいないようだ。
戦闘狂か。
獅子丸の「バーン」は数百頭をぶっ殺したようだ。
「来るぞぉぉーー! ブレスを撃たせるなぁ!」
ルーが指示する。
具体的にはデュールゲリエの指揮官タイプが各員に最適な攻撃目標を指示する。
本来は超量子コンピューターがやるのだが、数千までの敵は指揮官タイプの解析で十分だ。
インカムに指示が入り、ソルジャーたちが狙いを定める。
まあ、ドラゴンはブレスを撃つ時には空中に静止するようなのですぐに分かる。
そいつらを優先的に攻撃すれば良い。
その最適解を指揮官タイプが指示しているのだ。
「アドヴェロス」のハンターたちにも同様に指示が出ている。
獅子丸は待機のようだ。
ここは訓練も兼ねて全員で殲滅戦をするつもりのようだった。
もちろん一撃で仕留めることは少なく、ドラゴンは回避と結界で俺たちの攻撃をそれなりに防いでいる。
確実に仕留めているのは磯良、愛鈴、鏑木、桜と上級士官の連中だけだ。
それでも徐々にドラゴンは減っている。
高空にいる連中はソルジャーたちが「ブリューナク」「トールハンマー」で落としていく。
磯良と愛鈴もガンガンやる。
すぐに指揮官タイプの指示によりスリーマンセルのチームが構築され、より効率的に攻撃になっていった。
ルーが指揮官タイプに命じたようだ。
状況をよく見ている。
もう全員が「ブレス」攻撃のタイミングに馴染んだので、より効率的なものを指示したのだろう。
ドラゴンは獅子丸の「ばーん」を恐れてか、密集しない。
何頭かが空中から「ブレス」を撃って来るが、口を開くのとその方向でこっちも察知して高速機動で避ける。
インカムにも回避指示が出ているが、ソルジャーももう察知している。
高速機動の出来ないハンターたちも、ソルジャーに助けられて回避している。
いい連携だ。
地上に降りた連中は主に早霧と葛葉の餌食だ。
紅も「バハムート装備」で撃ち落としていく。
羽入は流星剣で斬り刻む。
でかいカイザー・ドラゴンはルーの指示通りに鏑木が優先して撃ち落とす。
ルーが指示を出しながら、ハーは危険回避に専念する。
まあ、30分ほどで大体決した。
その時、一際でかい白いドロゴンが中心部から飛んで来た。
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