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吹雪の友だち Ⅱ
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「あら、吹雪君、お散歩?」
「はい!」
ナースの方からよく声を掛けてもらう。
みんな優しい人たちだ。
それと、お母さんから誰かに何かをもらってもいけないと言われている。
時々お菓子などをくれようとする人もいるけど、お断りしている。
それも大事なことだとお母さんに言われている。
散歩は行ってはいけない場所もあるけど、それでも大きな病院なのでいろいろと行ける。
病院の外も、お庭の中ならば行ってもいい。
僕は今日は外に出て、お父さんの車を見に行こうと思った。
お父さんの車はどれもカッコイイ。
駐車場で、また恭介君と会った。
「恭介君!」
「あ、吹雪君だね?」
「うん!」
僕の声をもう覚えてくれているようだったので嬉しかった。
恭介君もお散歩のようだった。
「ここは駐車場だよね?」
「そうだよ!」
「そうか、やっとここまでの道を覚えたよ」
「凄いね!」
「うん、段々病院の中ならいろいろと行けるようになったんだ。まだ広い場所は無理だけど、そのうちに絶対に行けるようになりたいな」
「そうなんだ!」
恭介君は本当に立派だ。
目の見えない人が、壁を伝って覚えて行くのは大変だろう。
広い場所が難しいのは、壁が無いからだと思った。
「吹雪君はどうしたの?」
「お父さんの車を見ようと思って」
「そうなんだ。お父さんはこの病院の人なの?」
「そうだよ! お医者さんなんだ」
「そうなのかぁ」
「ねえ、恭介君、一緒にお父さんの車の所まで行かない?」
「いいね! でも壁が無いと難しいな」
「僕が手を引いてもいい?」
「うん、お願いします!」
僕は喜んで恭介君の手を握って一緒にゆっくりと歩いた。
お父さんの車の場所はいつも決まっている。
あ、今日はコルベットだぁ!
恭介君を近くに連れて行った。
「恭介君、これがお父さんの車だよ!」
「へぇー!」
「シボレー・コルベット C7ZR1って言うんだ!」
「吹雪君、詳しいね」
「うん! お父さんが大好きな車で、スゴイ改造をしてるんだよ! ほら、ここを触って!」
僕はフロントのスーパーチャージャーに恭介君を触らせた。
身体を半分フロントの上に乗せて、手を伸ばしてもらった。
「なんだこれ!」
「寝、スゴイでしょ? スーパーチャージャーって言うんだって。エンジンを掛けると物凄い勢いで回るんだよ」
「そうなんだ! スゴイね!」
「ね! それとね、その周囲には虎のペイントがあるんだ」
僕は恭介君の手を、虎の輪郭に触らせた。
「あ、ちょっと分かる! 随分と大きいんだね!」
恭介君が指先で微妙なペイントの凹凸まで分かるようだった。
ゆっくりと虎の輪郭を撫でて行って喜んでいた。
手で触った形を頭の中で描いているらしい。
「うん、フロント一杯の顔だよ! それとちょっと届かないけど、屋根にはネコがいるの」
「そうなんだ!」
恭介君にコルベットの全体を触ってもらった。
「随分と低いんだね」
「うん、他の車よりずっとね。スピードも凄いんだよ。時速700キロまで出るんだって」
「そりゃ凄い!」
「お父さんが物凄い改造をしたんだよ」
「そうかぁ、カッコイイなぁ」
「ね!」
僕はお父さんが他にも車を持ってて、日によって変えているんだと話した。
「今度、他の車も触ってみたいな」
「うん! 僕が案内するよ!」
「本当に!」
「うん!」」
恭介君はお父さんの車の場所を覚えたいと言った。
だから歩数で覚えると言って、帰りは僕が声を掛けながら手伝った。
一度では無理だということで、また明日も来ようと言った。
僕は嬉しくて約束した。
翌日も恭介君を駐車場で待って、お父さんの車に案内した。
恭介君は覚えるために僕と手を繋がず、自分の足で歩いた。
何度か繰り返していると、数日で恭介君は場所を覚えてしまった。
本当に凄い。
お母さんに、恭介君とお父さんの車も見に行っていると話した。
「そうなんだ」
「もうね、壁に触らないでも歩数で分かるようになったの」
「へぇ、すごいね! 吹雪が手伝ったんだね」
「最初だけだよ。恭介君は自分でちゃんと覚えちゃった」
「そうかぁ!」
お母さんも嬉しそうだった。
「恭介君は目が見えないけどね。それに挫けないで頑張ってるんだよ」
「そうだね! 本当に立派だと思う」
「うん!」
お母さんが抱き締めてくれた。
僕はお母さんの匂いが大好きだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あんだ、こりゃ?」
家のガレージの灯で、俺のコルベットに沢山の手形が付いているのが見えた。
病院を出る時には気付かったのだが。
しかも非常に多い。
全体にある。
「子どもの手だな」
小さな手形だった。
俺は量子AIの《ロボ》に尋ねた。
「おい、この手形はどういうことだ?」
《ロボ》は自分が汚されることを放置するわけはなかった。
<吹雪さんがいましたので>
「吹雪が?」
<はい、とても楽しそうでした>
「そうかよ」
俺は笑って、仕方がないと思った。
きっと俺のことを求めて、コルベットを触ったのだろう。
まあ、子どものやることだ。
「今度はお前が注意しろ」
<はい、申し訳ありません>
翌日、便利屋に洗車させた。
しかし、翌日のアヴェンタドールも、ベンツもやられた。
コルベットと同じく、車体全体をくまなく触っている。
傷つくことはないが、万一コーティグが破れると厄介だ。
一ヶ月は修理になる。
費用は500万円以上だ。
俺は吹雪に言った。
「おい、お前俺の車に毎日触ってるな?」
「はい!」
「勘弁してくれ。手形が付いて洗車しなきゃならねぇ」
「え!」
「気付いてなかったんだろうよ。でもな、俺の車は綺麗にしてるから、触ると跡が残るんだよ。だからもう観るだけにしろ」
「ごめんなさい!」
「石神先生、吹雪が! 申し訳ありません!」
六花が慌てて謝って来た。
六花は病院内では俺のことを「石神先生」と以前と同じく呼ぶ。
「いいよ、知らなかったんだよ。でもな、もう分かったんだから触るなよ?」
「はい!」
「あの、私が洗車します」
「いいよ、便利屋にやってもらうから・あいつは上手いし慣れてるからな」
「本当にすいません!」
「いいって」
六花は青くなって謝っていた。
そんなに気にすることではないのにと思ったが、六花が俺に話した。
「私、吹雪から聞いていたんです!」
「なんだ?」
吹雪が小児科の内田恭介君と仲良くなったのだと言った。
恭介君は目が見えない。
だから彼に吹雪が俺の車を触って感じさせていたのだ。
六花も吹雪からは俺の車を見せているとだけ聞いていたのだろう。
まさか全体を触っているのだとは思ってもいなかったに違いない。
きっと吹雪の説明も、子どもだから「案内している」というくらいだったかもしれない。
「そういうことかぁ」
「はい、すみません! 私の不注意です!」
「もういいよ。俺が吹雪くらいの年には、近所のじいさんの「陸王」をかっぱらって乗ってたしな」
「あ、クリ泥棒の!」
「そうだよ。だけどな、吹雪、悪いことをすれば叱られる。それは覚悟しろ」
「はい、ごめんなさい!」
「まあ、今回のは悪いことじゃねぇ。お前、恭介君を喜ばせたかったんだろ?」
「はい」
「だったらもういい。今後も仲良く遊べ。俺の車には触るな」
「はい!」
吹雪がニコニコしていた。
俺の言うことが分かったのだ。
俺はさりげなく恭介君とどのように遊んでいるのかを吹雪に聞いた。
基本的に吹雪が患者と親しくなるのは不味い。
だが、吹雪も他に子どもの相手もおらず、寂しかったのかもしれない。
吹雪は六花の言うことを守り、病室へ入ったり飲食を共にすることはないようだった。
本当に楽しく病院内を一緒に歩いて親しく話しているだけだった。
だから俺は今後も恭介君と一緒にいることを許可した。
あらためてやってはいけないことだけを伝え、吹雪もよく理解した。
また恭介君も非常に良い子だ。
吹雪と仲良くしてくれるのはありがたい。
「はい!」
ナースの方からよく声を掛けてもらう。
みんな優しい人たちだ。
それと、お母さんから誰かに何かをもらってもいけないと言われている。
時々お菓子などをくれようとする人もいるけど、お断りしている。
それも大事なことだとお母さんに言われている。
散歩は行ってはいけない場所もあるけど、それでも大きな病院なのでいろいろと行ける。
病院の外も、お庭の中ならば行ってもいい。
僕は今日は外に出て、お父さんの車を見に行こうと思った。
お父さんの車はどれもカッコイイ。
駐車場で、また恭介君と会った。
「恭介君!」
「あ、吹雪君だね?」
「うん!」
僕の声をもう覚えてくれているようだったので嬉しかった。
恭介君もお散歩のようだった。
「ここは駐車場だよね?」
「そうだよ!」
「そうか、やっとここまでの道を覚えたよ」
「凄いね!」
「うん、段々病院の中ならいろいろと行けるようになったんだ。まだ広い場所は無理だけど、そのうちに絶対に行けるようになりたいな」
「そうなんだ!」
恭介君は本当に立派だ。
目の見えない人が、壁を伝って覚えて行くのは大変だろう。
広い場所が難しいのは、壁が無いからだと思った。
「吹雪君はどうしたの?」
「お父さんの車を見ようと思って」
「そうなんだ。お父さんはこの病院の人なの?」
「そうだよ! お医者さんなんだ」
「そうなのかぁ」
「ねえ、恭介君、一緒にお父さんの車の所まで行かない?」
「いいね! でも壁が無いと難しいな」
「僕が手を引いてもいい?」
「うん、お願いします!」
僕は喜んで恭介君の手を握って一緒にゆっくりと歩いた。
お父さんの車の場所はいつも決まっている。
あ、今日はコルベットだぁ!
恭介君を近くに連れて行った。
「恭介君、これがお父さんの車だよ!」
「へぇー!」
「シボレー・コルベット C7ZR1って言うんだ!」
「吹雪君、詳しいね」
「うん! お父さんが大好きな車で、スゴイ改造をしてるんだよ! ほら、ここを触って!」
僕はフロントのスーパーチャージャーに恭介君を触らせた。
身体を半分フロントの上に乗せて、手を伸ばしてもらった。
「なんだこれ!」
「寝、スゴイでしょ? スーパーチャージャーって言うんだって。エンジンを掛けると物凄い勢いで回るんだよ」
「そうなんだ! スゴイね!」
「ね! それとね、その周囲には虎のペイントがあるんだ」
僕は恭介君の手を、虎の輪郭に触らせた。
「あ、ちょっと分かる! 随分と大きいんだね!」
恭介君が指先で微妙なペイントの凹凸まで分かるようだった。
ゆっくりと虎の輪郭を撫でて行って喜んでいた。
手で触った形を頭の中で描いているらしい。
「うん、フロント一杯の顔だよ! それとちょっと届かないけど、屋根にはネコがいるの」
「そうなんだ!」
恭介君にコルベットの全体を触ってもらった。
「随分と低いんだね」
「うん、他の車よりずっとね。スピードも凄いんだよ。時速700キロまで出るんだって」
「そりゃ凄い!」
「お父さんが物凄い改造をしたんだよ」
「そうかぁ、カッコイイなぁ」
「ね!」
僕はお父さんが他にも車を持ってて、日によって変えているんだと話した。
「今度、他の車も触ってみたいな」
「うん! 僕が案内するよ!」
「本当に!」
「うん!」」
恭介君はお父さんの車の場所を覚えたいと言った。
だから歩数で覚えると言って、帰りは僕が声を掛けながら手伝った。
一度では無理だということで、また明日も来ようと言った。
僕は嬉しくて約束した。
翌日も恭介君を駐車場で待って、お父さんの車に案内した。
恭介君は覚えるために僕と手を繋がず、自分の足で歩いた。
何度か繰り返していると、数日で恭介君は場所を覚えてしまった。
本当に凄い。
お母さんに、恭介君とお父さんの車も見に行っていると話した。
「そうなんだ」
「もうね、壁に触らないでも歩数で分かるようになったの」
「へぇ、すごいね! 吹雪が手伝ったんだね」
「最初だけだよ。恭介君は自分でちゃんと覚えちゃった」
「そうかぁ!」
お母さんも嬉しそうだった。
「恭介君は目が見えないけどね。それに挫けないで頑張ってるんだよ」
「そうだね! 本当に立派だと思う」
「うん!」
お母さんが抱き締めてくれた。
僕はお母さんの匂いが大好きだ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「あんだ、こりゃ?」
家のガレージの灯で、俺のコルベットに沢山の手形が付いているのが見えた。
病院を出る時には気付かったのだが。
しかも非常に多い。
全体にある。
「子どもの手だな」
小さな手形だった。
俺は量子AIの《ロボ》に尋ねた。
「おい、この手形はどういうことだ?」
《ロボ》は自分が汚されることを放置するわけはなかった。
<吹雪さんがいましたので>
「吹雪が?」
<はい、とても楽しそうでした>
「そうかよ」
俺は笑って、仕方がないと思った。
きっと俺のことを求めて、コルベットを触ったのだろう。
まあ、子どものやることだ。
「今度はお前が注意しろ」
<はい、申し訳ありません>
翌日、便利屋に洗車させた。
しかし、翌日のアヴェンタドールも、ベンツもやられた。
コルベットと同じく、車体全体をくまなく触っている。
傷つくことはないが、万一コーティグが破れると厄介だ。
一ヶ月は修理になる。
費用は500万円以上だ。
俺は吹雪に言った。
「おい、お前俺の車に毎日触ってるな?」
「はい!」
「勘弁してくれ。手形が付いて洗車しなきゃならねぇ」
「え!」
「気付いてなかったんだろうよ。でもな、俺の車は綺麗にしてるから、触ると跡が残るんだよ。だからもう観るだけにしろ」
「ごめんなさい!」
「石神先生、吹雪が! 申し訳ありません!」
六花が慌てて謝って来た。
六花は病院内では俺のことを「石神先生」と以前と同じく呼ぶ。
「いいよ、知らなかったんだよ。でもな、もう分かったんだから触るなよ?」
「はい!」
「あの、私が洗車します」
「いいよ、便利屋にやってもらうから・あいつは上手いし慣れてるからな」
「本当にすいません!」
「いいって」
六花は青くなって謝っていた。
そんなに気にすることではないのにと思ったが、六花が俺に話した。
「私、吹雪から聞いていたんです!」
「なんだ?」
吹雪が小児科の内田恭介君と仲良くなったのだと言った。
恭介君は目が見えない。
だから彼に吹雪が俺の車を触って感じさせていたのだ。
六花も吹雪からは俺の車を見せているとだけ聞いていたのだろう。
まさか全体を触っているのだとは思ってもいなかったに違いない。
きっと吹雪の説明も、子どもだから「案内している」というくらいだったかもしれない。
「そういうことかぁ」
「はい、すみません! 私の不注意です!」
「もういいよ。俺が吹雪くらいの年には、近所のじいさんの「陸王」をかっぱらって乗ってたしな」
「あ、クリ泥棒の!」
「そうだよ。だけどな、吹雪、悪いことをすれば叱られる。それは覚悟しろ」
「はい、ごめんなさい!」
「まあ、今回のは悪いことじゃねぇ。お前、恭介君を喜ばせたかったんだろ?」
「はい」
「だったらもういい。今後も仲良く遊べ。俺の車には触るな」
「はい!」
吹雪がニコニコしていた。
俺の言うことが分かったのだ。
俺はさりげなく恭介君とどのように遊んでいるのかを吹雪に聞いた。
基本的に吹雪が患者と親しくなるのは不味い。
だが、吹雪も他に子どもの相手もおらず、寂しかったのかもしれない。
吹雪は六花の言うことを守り、病室へ入ったり飲食を共にすることはないようだった。
本当に楽しく病院内を一緒に歩いて親しく話しているだけだった。
だから俺は今後も恭介君と一緒にいることを許可した。
あらためてやってはいけないことだけを伝え、吹雪もよく理解した。
また恭介君も非常に良い子だ。
吹雪と仲良くしてくれるのはありがたい。
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