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食べるの、早いね
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全力で走って「フーシェ」に着くと、俺は息が上がって胸が苦しい。
店の前で息を整えようとした。
真っ白なジョリパッドの壁に、赤い木枠の品の良い窓。
大きなガラスの扉の前で俺は半身を曲げて喘いだ。
お気に入りのフランクミュラー
のクレイジーアワーを見る。
1分遅刻だが、何とか間に合ったようだ。
6月の初旬だが、今日は意外と気温が高く、薄っすらと汗ばんでいた。
美咲が苦しそうな俺を心配そうに見てから店の中に入る。
先に店に到着を知らせるためだ。
美咲はほとんど呼吸も乱していなかった。
美咲の謝る声が聴こえて来て、俺も店に入った。
「本当にすいません!」
「大丈夫ですよ。お席にご案内します。どうぞ」
俺はまだ呼吸が苦しく声も出せずに、頭だけ下げて美咲の後についていった。
店内は明るく、道路に沿って洒落た出窓が程よい採光をもたらしている。
テーブルは明るい水色に縁を小さな薔薇で彩った綿布製のテーブルクロスが掛かっている。
テーブルクロスには染み一つない。
美咲がニコニコして引かれた椅子に座る。
店員が俺の方にも来たが、俺は手を挙げて自分で腰掛けた。
誰かに世話されるのは好きではない。
美咲はもうニコニコしている。
良かった、美咲の機嫌は直っているようだ。
「間に合って良かったね!」
「ああ、悪かった」
「タカちゃん、大丈夫?」
「少し息が上がったけど、すぐに良くなるよ」
「うん! あ、タカちゃんの瞳に紫色が戻って来た」
「そうか」
美咲は俺の瞳が紫色だと子どもの頃から言っている。
否定したこともあるのだが、美咲が頑なに言い張るので、もうそのままにしていた。
美咲はプライベートになると、昔からの呼び名「タカちゃん」と俺のことを呼ぶ。
ほとんど30年の付き合いなのだが、正式に先月から婚約した。
幼い頃から嫌いではなかったのだが、あまりにも近しい関係だったので、男女の付き合いというものが考えられなかった。
恋人として交際を始めたのも、大学の頃だった。
友人たちからは「兄弟のような感じ?」とよく聞かれるが、そういうものとも違う気がする。
俺も美咲も兄弟はいないので、二人ともその感覚はよくも分からない。
あらためて美咲を見た。
今日はベージュのパンツスーツで、真っ白のブラウス。
美咲は何故かいつも黒い下着を多く付けていて、今日はそれが透けて見える。
明るい茶に染めた長い髪を御団子にして、後ろで結っている。
美しい顔が走って来たせいで多少上気して、赤みがさしている。
いつも結んでいるお気に入りの紫のリボンを、手鏡に写して曲がっていないか確認し、俺に微笑んで言った。
「タカちゃんの白いスーツ、かっこいいね!」
「そうか、ありがとう」
俺はダンヒルの麻のスーツを着ていた。
研究者は自由な服装なのだが、俺は基本的にスーツが多い。
港区の大病院の尊敬する医師の影響だ。
その人、石神高虎さんは俺と同じ東京大学の医学部の先輩で、俺が最終課程で病院実習の折に知り合った。
俺よりも身長の高い187センチの長身で俺と違って非常に逞しい体格だ。
何よりも男性なのに美しい顔で、カッコイイ。
着ている服がいつも素敵で、その影響で俺も服装に興味が出た。
「石神さんの真似をしているんだけどなぁ」
「タカちゃん、似合ってるよ!」
「そっか!」
俺も美咲の服を褒めたが、気になっていたので口にした。
「あのさ」
「なーに?」
「美咲って、下着が透けてることが多いじゃん」
「え!」
美咲が真っ赤になって上着の前を合わせた。
「エッチ!」
「いや、だからさ! 前から思ってたんだけど、その色って……」
美咲が胸の前に手を合わせたまま、俺を睨んでいる。
「あのな、俺は他の男にお前の……」
「え!」
「だからさ、大好きな美咲の下着を他の男に見られたくないんだ」
「エッチ!」
美咲はそう言って睨んだが、口元が緩んでいる。
美咲が喜んでいるのが俺にだけは分かる。
「なんで黒が多いんだ?」
「黒ばっかじゃないもん!」
「そう?」
「そうだよ!」
もう美咲はちゃんと笑っている。
まあ、子供の頃は一緒に風呂に入っていた仲だ。
と言っても、もちろん今はそうもいかないが。
それに付き合い出したとはいえ、美咲とはまだキスをしただけだ。
料理が運ばれてくる。
ランチなのでコースも正式なものではない。
最初にスープと前菜を合わせたような、魚介のブロードが出て来た。
アラを使った出汁のようだが、臭みは全くない。
それに魚介の切り身が程よく入っていて、濃厚な味わいと魚介の感触をしっかりと味わえる。
「タカちゃん、美味しいね!」
「おう、そうだよな!」
美咲は美味しいものが大好きで、本当に嬉しそうな顔になる。
だから時々この『フーシェ』を予約して来るのを楽しみにしていた。
「このハマグリがさ……あれ? もう食べちゃったのか?」
「うん、だって美味しいんだもん!」
「そっか」
そして美咲は食べるのが異常に早い。
俺も遅い方ではないのだが、こういう高級料理を味わって食べていると、どうしても美咲とペースが合わない。
俺は急いで食べて、美咲を待たせずに次の料理を持って来てもらった。
美咲はその間にバゲットにバターをたっぷりと塗ってそれを食べていた。
子羊のナヴァラン。
卵白を泡立てたものが添えてあり、ホワイトアスパラとホウレン草が彩を加えている。
これも美味い。
美咲もまたニコニコして食べている。
やっぱり早い。
その後の口直しのバーニャ・フレイダも美咲はあっという間に平らげた。
周囲に綺麗に散りばめられた季節の野菜も残さずパクパクだ。
デザートの細氷入りのバニラアイスも3口で食べてしまう。
俺の分を見ているので、半分あげると嬉しそうに笑って食べた。
「タカちゃん、足りた?」
「ああ、十分だよ。今日も美味しかったな」
「うん!」
美咲が満足そうなので、俺も嬉しかった。
子供の頃から美咲のことは大好きだったが、正式に付き合い出してから、俺の中にもっと強い感情が芽生えて来たのを感じる。
それを「愛」と呼ぶのは気恥ずかしいが、美咲のことを本当に大切に思える。
いつも傍にいて、それが当たり前のようにも感じていたのだが、そうではないことに気付いたような気もする。
全然知らなかった相手ならば、すぐに自分の心も分かったのかもしれない。
「運命」みたいなものを感じたのかもしれない。
でも、美咲はずっと俺の傍にいた。
だから、俺は自分の気持ちが最初は理解出来なかった。
これから交際相手として付き合うのだということが、今までとどう違うのかと思っていた。
だけど、実際に美咲と付き合い出して、それが分かった。
ああ、俺は美咲だけだったのだと。
ご機嫌な美咲と、腕を組んで戻った。
美咲が嬉しそうな顔で俺を何度も見上げるのが愛おしい。
これが幸せなんだなぁ、と自分でふと思って笑った。
「何笑ってるの?」
俺を見ていた美咲が聞いて来た。
「ああ、なんか幸せかなって」
「そうに決まってるじゃん!」
「そうだな!」
「そうだよ!」
美咲が腕に力を入れて自分の身体を押し付けて来た。
美咲の小さな胸の感触が嬉しかった。
「確かに幸せだな」
「うん!」
美咲が嬉しそうに笑い、俺は本当に幸せになった。
この笑顔のために俺は何でもしよう。
宝石のような美咲の笑顔。
この世に美咲がいるだけで幸福な俺。
ずっとこの日々が続いて行くと信じていた。
店の前で息を整えようとした。
真っ白なジョリパッドの壁に、赤い木枠の品の良い窓。
大きなガラスの扉の前で俺は半身を曲げて喘いだ。
お気に入りのフランクミュラー
のクレイジーアワーを見る。
1分遅刻だが、何とか間に合ったようだ。
6月の初旬だが、今日は意外と気温が高く、薄っすらと汗ばんでいた。
美咲が苦しそうな俺を心配そうに見てから店の中に入る。
先に店に到着を知らせるためだ。
美咲はほとんど呼吸も乱していなかった。
美咲の謝る声が聴こえて来て、俺も店に入った。
「本当にすいません!」
「大丈夫ですよ。お席にご案内します。どうぞ」
俺はまだ呼吸が苦しく声も出せずに、頭だけ下げて美咲の後についていった。
店内は明るく、道路に沿って洒落た出窓が程よい採光をもたらしている。
テーブルは明るい水色に縁を小さな薔薇で彩った綿布製のテーブルクロスが掛かっている。
テーブルクロスには染み一つない。
美咲がニコニコして引かれた椅子に座る。
店員が俺の方にも来たが、俺は手を挙げて自分で腰掛けた。
誰かに世話されるのは好きではない。
美咲はもうニコニコしている。
良かった、美咲の機嫌は直っているようだ。
「間に合って良かったね!」
「ああ、悪かった」
「タカちゃん、大丈夫?」
「少し息が上がったけど、すぐに良くなるよ」
「うん! あ、タカちゃんの瞳に紫色が戻って来た」
「そうか」
美咲は俺の瞳が紫色だと子どもの頃から言っている。
否定したこともあるのだが、美咲が頑なに言い張るので、もうそのままにしていた。
美咲はプライベートになると、昔からの呼び名「タカちゃん」と俺のことを呼ぶ。
ほとんど30年の付き合いなのだが、正式に先月から婚約した。
幼い頃から嫌いではなかったのだが、あまりにも近しい関係だったので、男女の付き合いというものが考えられなかった。
恋人として交際を始めたのも、大学の頃だった。
友人たちからは「兄弟のような感じ?」とよく聞かれるが、そういうものとも違う気がする。
俺も美咲も兄弟はいないので、二人ともその感覚はよくも分からない。
あらためて美咲を見た。
今日はベージュのパンツスーツで、真っ白のブラウス。
美咲は何故かいつも黒い下着を多く付けていて、今日はそれが透けて見える。
明るい茶に染めた長い髪を御団子にして、後ろで結っている。
美しい顔が走って来たせいで多少上気して、赤みがさしている。
いつも結んでいるお気に入りの紫のリボンを、手鏡に写して曲がっていないか確認し、俺に微笑んで言った。
「タカちゃんの白いスーツ、かっこいいね!」
「そうか、ありがとう」
俺はダンヒルの麻のスーツを着ていた。
研究者は自由な服装なのだが、俺は基本的にスーツが多い。
港区の大病院の尊敬する医師の影響だ。
その人、石神高虎さんは俺と同じ東京大学の医学部の先輩で、俺が最終課程で病院実習の折に知り合った。
俺よりも身長の高い187センチの長身で俺と違って非常に逞しい体格だ。
何よりも男性なのに美しい顔で、カッコイイ。
着ている服がいつも素敵で、その影響で俺も服装に興味が出た。
「石神さんの真似をしているんだけどなぁ」
「タカちゃん、似合ってるよ!」
「そっか!」
俺も美咲の服を褒めたが、気になっていたので口にした。
「あのさ」
「なーに?」
「美咲って、下着が透けてることが多いじゃん」
「え!」
美咲が真っ赤になって上着の前を合わせた。
「エッチ!」
「いや、だからさ! 前から思ってたんだけど、その色って……」
美咲が胸の前に手を合わせたまま、俺を睨んでいる。
「あのな、俺は他の男にお前の……」
「え!」
「だからさ、大好きな美咲の下着を他の男に見られたくないんだ」
「エッチ!」
美咲はそう言って睨んだが、口元が緩んでいる。
美咲が喜んでいるのが俺にだけは分かる。
「なんで黒が多いんだ?」
「黒ばっかじゃないもん!」
「そう?」
「そうだよ!」
もう美咲はちゃんと笑っている。
まあ、子供の頃は一緒に風呂に入っていた仲だ。
と言っても、もちろん今はそうもいかないが。
それに付き合い出したとはいえ、美咲とはまだキスをしただけだ。
料理が運ばれてくる。
ランチなのでコースも正式なものではない。
最初にスープと前菜を合わせたような、魚介のブロードが出て来た。
アラを使った出汁のようだが、臭みは全くない。
それに魚介の切り身が程よく入っていて、濃厚な味わいと魚介の感触をしっかりと味わえる。
「タカちゃん、美味しいね!」
「おう、そうだよな!」
美咲は美味しいものが大好きで、本当に嬉しそうな顔になる。
だから時々この『フーシェ』を予約して来るのを楽しみにしていた。
「このハマグリがさ……あれ? もう食べちゃったのか?」
「うん、だって美味しいんだもん!」
「そっか」
そして美咲は食べるのが異常に早い。
俺も遅い方ではないのだが、こういう高級料理を味わって食べていると、どうしても美咲とペースが合わない。
俺は急いで食べて、美咲を待たせずに次の料理を持って来てもらった。
美咲はその間にバゲットにバターをたっぷりと塗ってそれを食べていた。
子羊のナヴァラン。
卵白を泡立てたものが添えてあり、ホワイトアスパラとホウレン草が彩を加えている。
これも美味い。
美咲もまたニコニコして食べている。
やっぱり早い。
その後の口直しのバーニャ・フレイダも美咲はあっという間に平らげた。
周囲に綺麗に散りばめられた季節の野菜も残さずパクパクだ。
デザートの細氷入りのバニラアイスも3口で食べてしまう。
俺の分を見ているので、半分あげると嬉しそうに笑って食べた。
「タカちゃん、足りた?」
「ああ、十分だよ。今日も美味しかったな」
「うん!」
美咲が満足そうなので、俺も嬉しかった。
子供の頃から美咲のことは大好きだったが、正式に付き合い出してから、俺の中にもっと強い感情が芽生えて来たのを感じる。
それを「愛」と呼ぶのは気恥ずかしいが、美咲のことを本当に大切に思える。
いつも傍にいて、それが当たり前のようにも感じていたのだが、そうではないことに気付いたような気もする。
全然知らなかった相手ならば、すぐに自分の心も分かったのかもしれない。
「運命」みたいなものを感じたのかもしれない。
でも、美咲はずっと俺の傍にいた。
だから、俺は自分の気持ちが最初は理解出来なかった。
これから交際相手として付き合うのだということが、今までとどう違うのかと思っていた。
だけど、実際に美咲と付き合い出して、それが分かった。
ああ、俺は美咲だけだったのだと。
ご機嫌な美咲と、腕を組んで戻った。
美咲が嬉しそうな顔で俺を何度も見上げるのが愛おしい。
これが幸せなんだなぁ、と自分でふと思って笑った。
「何笑ってるの?」
俺を見ていた美咲が聞いて来た。
「ああ、なんか幸せかなって」
「そうに決まってるじゃん!」
「そうだな!」
「そうだよ!」
美咲が腕に力を入れて自分の身体を押し付けて来た。
美咲の小さな胸の感触が嬉しかった。
「確かに幸せだな」
「うん!」
美咲が嬉しそうに笑い、俺は本当に幸せになった。
この笑顔のために俺は何でもしよう。
宝石のような美咲の笑顔。
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