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異世界転移編
ラビナスボア、実食!③
しおりを挟む「火起こしは終わったぞ」
ラビナスボアの肉を解体し終わった頃、リュカがアリスに声をかけた。
「ありがとう、リュカ。こっちもちょうど終わったわ」
(うーん⋯⋯それにしても、ものすごい量のお肉だわ。流石に2匹分を2人だけで食べるのは無謀だから、今食べる分以外は持ち帰ろう)
そう思い、アリスは鞄から持ち帰り用のビニール袋を取り出して大量の肉を詰めていく。
「⋯⋯それで、一体何を作るんだ?」
リュカはワクワクと好奇心が抑えきれないといった表情でアリスに話しかける。アリスは、暫し考え込んだ後、口を開いた。
「ここはシンプルに塩だけで味付けして素焼きにしようと思っているんだけど⋯⋯どう?」
「まずは素材そのものの味を楽しむというわけか。うん、いいだろう」
「よかった。せっかくなら、あともう一品作りたいんだけど⋯⋯」
そう言って、アリスは鞄の中をゴソゴソと漁る。
(⋯⋯あっ。これとこれがあれば、“アレ”が作れるわね!)
そこで、とある調味料を見つけたアリスは、人知れずニヤリとほくそ笑むのだった。
✳︎✳︎✳︎
アリスとリュカは、火の前に座り一口大に切って串に刺したラビナスボアの肉を焼いていた。パチパチと火の粉を散らす炎は、昼間とはいえ冬風と雪で冷え切った身体をじんわりと温めてくれる。
「素焼きはリュカにお願いしても良い?」
「ああ。任された」
「ありがとう。その間に私は⋯⋯⋯⋯」
ニヤリと意味ありげに笑ったアリスは、鞄から小鍋と砂糖、醤油、そして生姜のチューブを取り出した。
「⋯⋯ん? まだ何か作るのか?」
「フフフッ! 絶対に美味しいから楽しみにしてて!」
不思議そうな顔をするリュカを横目に、アリスは薄く切ったラビナスボアの肉を、火にかけた鍋の中へと入れる。
(良い感じに脂が乗ってるから、サラダ油は要らないわね)
ジュウジュウと小気味良い音を立てる肉を箸を使って炒めていき、両面に焼き色がついたら醤油と生姜、砂糖を2:2:1の割合で投入する。
「~~~~♪」
機嫌良く鼻歌を歌いながら炒めていると、空腹中枢を刺激する匂いが風に乗ってアリスの鼻まで届く。
(うーん。良い匂い⋯⋯あっ⋯⋯いけない、ついヨダレが⋯⋯)
アリスは口の端から垂れそうになる涎を、慌ててじゅるりと飲み込んだ。
そうこうしているうちに、串焼きもこんがり焼き上がり、生姜焼きにもしっかりと火が通ったようだ。
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