【最終選考残作品】異世界サバイバー!〜異世界でも、狩りガールは余裕で生き抜いてみせます!〜【4章終】

みやこ。@他コン2作通過

文字の大きさ
15 / 46
イヴェール村編

討伐依頼!狩って狩って、狩りまくれ!!①

しおりを挟む



 異世界へとひとり、飛ばされたアリスの装備は、手には愛銃のチェシャ丸。身に付けているのは、ヒートテックに軽い素材のピンク迷彩のウェア。猟友会で配布されているオレンジのベスト(胸には狩猟者記章、中には今となっては使い物にならない無線機やスマートフォン、応急セット、ライター、ゴム手袋、ハンターマップなどが入っている)と帽子。腰にはシェルポーチ(銃弾を入れておくためのポーチ)、下はシンプルな黒のパンツ、背中にはバックパックを背負っていた。

 バックパックの主な中身はナイフ、ロープ、調味料一式、小鍋、昼食にするはずだったおにぎりと水筒、メイクポーチ、眠気覚ましのミントキャンディ、解体した肉を入れるためのビニール袋、銃カバー、メンテナンスセット、そして予備の実包。
 あとはこの世界では必要ないだろう鉄砲の所持許可証、狩猟者登録証などがパンパンに詰められいる。

 そして、一番肝心な残弾数はちょうどあと50発だ。まだまだ残っていると感じるかもしれないが、異世界で未知のモンスターを相手に戦うのだ。一度の戦闘で一体どれだけ消費するかわからないだろう。心の安寧のためにも、数は多いに越したことはない。


(恐らく、リュカの話を聞くにこの世界に銃は無い。⋯⋯大事に使わないとだわ)

 モンスター討伐を引き受けたは良いが、弾切れになっては本末転倒である。
 決して無駄撃ちはしないと、アリスは心の中で強く誓った。



✳︎✳︎✳︎



「それでは、さっそくだがこのリュカ・フランソワが乙狩アリスへと依頼しよう。本日未明、イヴェール村の食糧庫が荒らされたとの連絡が入った。この村は度々ラビナスボアが現れている地域だ。アリス、俺と共にモンスター討伐へ来てほしい」
「もちろんよ!!」

 太陽が顔を出して間もない頃、アリスはリュカの執務室に呼び出されていた。リュカより依頼を受けたアリスは二つ返事で了承する。
 しかし、それに異を唱えるものがいた。

「リュカ様っ! 本当にこの女も連れて行くのですか!? 到底役立ちそうには思えません!!」


 それは、同じくリュカに呼び出されたリアムであった。
 朝に弱いのだろうか、彼の髪にはところどころピョンと跳ねた寝癖がついている。リュカもそれに気付いているはずなのに何も言わないのは、それが日常茶飯事だからだろう。

「アリスは魔法が使えない代わりに、その手に持っている“銃”という武器で戦うんだ。リアム、お前も実際に目にすれば彼女の強さがわかるだろう」
「ま、魔法が使えない!? リュカ様、どういうことですか!」

 リュカの言葉に驚愕の表情を浮かべるリアムを見て、アリスはおずおずと口を開いた。

「信じてもらえないかも知れませんが、私、こことは別の世界から来たんです。私のいた世界では魔法やモンスターはお伽話の中の存在でした。でも、魔法が使えないからと言って、足手まといになるつもりは毛頭ありませんのでご安心ください」
「いっ、異世界人だと⋯⋯!?」

 続けざまに驚くリアムは「頭が痛い」と言って真っ青な顔をしていた。

(日本でいうところの、中間管理職ゆえの苦悩ってやつかしら。リュカからは無茶振り三昧で、部下からは苦情の嵐の板挟み状態⋯⋯。同情はするけど、私にだって譲れないものがある。家族も友達もいない、何の繋がりも無い私がこの世界で生き延びるためには、私に利用価値があるってことを証明しなければならない)


「今回、イヴェール村には我々だけで向かおうと思っている。期待しているぞ、アリス、リアム」
「⋯⋯かしこまりました、リュカ様」
「了解、任せて!」

 アリスは揚々と返事をする。今のアリスはやる気に満ち溢れていた。

(絶対に、足手まといなんて思わせないんだから!!)






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハーレム異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーレムです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

喪女なのに狼さんたちに溺愛されています

和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です! 聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。 ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。 森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ? ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜

文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。 花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。 堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。 帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは? 異世界婚活ファンタジー、開幕。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

処理中です...