【最終選考残作品】異世界サバイバー!〜異世界でも、狩りガールは余裕で生き抜いてみせます!〜【4章終】

みやこ。@他コン2作通過

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ブラン&ノワール編

出会いは突然に!震える双子の子犬(?)たち

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 それは、シャルム村からの帰り道のこと。雪深い森を馬で駆けていると、モンスターの唸り声と、キュウキュウというか細い助けを求めるような鳴き声が聞こえてきた。

「リュカ! 今の聞こえた?」
「ああ、気になるな。行ってみよう」
「リュカ様、オレもお供します!!」

 モハメドたち護衛騎士にはリュカが待機を命じ、アリスとリュカ、リアムの3人で馬から降りて鬱蒼とした森の中を奥へ、奥へと進んで行く。



✳︎✳︎✳︎




「さっき声が聞こえたのはこの辺りだったと思うのだけど⋯⋯」

 リアムを先頭にして急ぎ足で獣道を辿り、枯れ枝を掻き分けていくと、開けた場所が見えてきた。近づくに連れて、徐々に鳴き声が大きくなる。


「いたぞ!」

 リアムが控えめに声を上げ、前方を指差す。


「!!」

 アリスが目にしたのは、真っ白な毛玉がモンスターを前にしてキャンキャンと威嚇している姿と、その後ろでうずくまりプルプルと震える真っ黒な毛玉の姿であった。

(子犬かしら? そしてあの子たちを襲おうとしているのは————)

「あれは⋯⋯ウサギ?」
「ウサギ⋯⋯? あのモンスターはアルミラージだな。この辺では珍しくない獰猛な肉食獣だ」

 アリスの耳元で声を潜めてリュカが言った。
 アルミラージというモンスターには、アリスの知っているウサギとは決定的に異なるところがあった。頭の天辺に黒い螺旋状の角が付いているのだ。さらにはウサギよりも大きく、体毛は明るい黄色をしていた。

 アルミラージは、今にも2つの小さな毛玉に襲い掛かろうとしている。


「この距離なら、俺たちよりもアリスが適任だろう。行けそうか?」

 リュカがアリスに尋ねた。

「もちろんよ!」

 アリスはそう言って、既に実包を装填済みのチェシャ丸を構える。

(距離は50メートルもないわね⋯⋯。あの子たちに当たらないように調整して、っと)

 アリスはこの世界に来てから様々な経験をしたおかげで、土壇場のアクシデントに強くなっていた。
 しかし、人の命すら簡単に奪ってしまえる武器を手にしているのだ、何度経験しても緊張はするもので、引鉄を引く指は僅かに震えてしまう。

(1発で確実に仕留めるためには心臓を狙うのが一番よね。一つ懸念点があるとすれば、中型獣に分類されるであろうアルミラージを主に大型獣専用のこの弾で撃って大丈夫か、ということだけれど⋯⋯下手すればアルミラージの身体が吹っ飛んでしまうわ)


 僅かな不安を抱きつつも、アリスはスコープを覗き込み、狙いを定める。アリスのいる場所から見ると、アルミラージは横向きに位置しており前脚の付け根辺りに照準を合わせ、引鉄を引いた。


 ————パァンッ!!

 鬱蒼とした森の中に、1発の銃声が響く。大きな音に驚いた鳥たちが一斉に木から飛び立ち、白と黒の毛玉はプルプルと怯えて寄り添い合っていた。



 アルミラージが倒れたことを確認したアリスは、一目散に2匹の元へと駆け出す。

 そして、突然地に伏したアルミラージの前で震える2匹に微笑みかけながら、アリスは手を差し出した。

「私はアリス。大丈夫、あなたたちの敵では無いわ」

 白い毛玉はしばらくの間、毛を逆立てて威嚇していたが、クンクンと差し出したアリスの手に小さな鼻を付けて匂いを嗅いだかと思えば、ぽてっとその場に倒れ込んだ。

 アリスは気絶した白の子犬と、気絶した子犬を心配そうにペロペロと舐める黒い子犬を優しく抱え上げ、リュカとリアムの元へと戻る。


 無事に2匹の子犬を保護した一行は、今度こそ帰路につくのだった。






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