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4章 「RU⭐︎KA」
1月5日②
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「そんな能力は存在しない。あくまで、能力は第六感にすぎない。」
後ろの座席から話に割り込んできたのは見覚えのある男だった。
「な、…あんたは…黒尾!?」
そこに居たのは遥希達をかつて洋館に誘い込み、事件に巻き込んだSCCの一員。
「よくも俺たちの前に顔を出せたもんだな。」
「少し困ってたようだから助けてあげようと思っただけですよ。どうです、取引でもしませんか。」
「なんだよ…。」
「事件解決のために、SCCの持つ情報の一部をお教えします。その代わり、今週の日曜、そちらの小川真季さんをお借りしたい。能力の調査をしたくてね。ちょうど、機会をうかがっていたところだったんです。」
「真季を?!」
「私??」
涼香が真季を庇うように手を広げる。
「何もしませんよ。その能力を調べるだけです。」
「私はいいよ、ついていっても。事件解決につながるなら。」
「真季ちゃん、私のために…そこまでしなくても。」
「いいんだって。さぁ、黒尾さん。話してもらいましょうか。まず、第六感に過ぎない能力がなぜ私たちを洋館に連れて行くことができたのか。」
「それでは取引成立、ということで。後日、この連絡先から連絡しますので。」
黒尾は真季に名刺を渡す。
「それでは私の能力からですが、 私の能力は自分の見る夢を自分で操作できることです。そして私も能力を『覚醒』させました。覚醒した私の能力は、他人にも同じ夢を見せること。あの『洋館』は私たち4人と、あの殺人犯を眠らせて見せた同じ夢です。」
「おいおい、第六感超えてるじゃ…」
「髙野遥希くん、あなたの能力も覚醒したんでしょう?命を持たない物体にも糸が絡まる様子を見ることができるようになったとか。使命のヒントを得られるようになった様ですね。」
「な、なんでそのことを知ってるんだよ。」
「それについてはお答えできませんが。私の覚醒した能力に比べれば弱いと思っていませんか?あなたの能力は、夢の中で脳を少し錯覚させて導いた覚醒なので、不十分なのです。いつか、本当に人を殺した時に…」
「そんなことはしない。本題に戻れ。」
「能力の覚醒は、効果対象を広げることができる、っていうのが我々の研究結果です。じゃあ、他人に物を錯覚させる、という能力なら元はどんな第六感なのか。自分が見ている物を勘違いする能力?自分の見るものの姿を変える能力?覚醒した後と仮定しても元の能力が想像つかない。能力者ではない、と仮定していいでしょう。」
「…なるほど。逆に言えば、元の能力が想像付けば能力者と仮定することができるわけだ。」
「そうですね。ただ、もう犯人に心当たりはありますが。」
「?!!早く言えよ。」
「SCCを抜け出し、音信不通になった社員がいましてね。そいつも能力者なんですが、彼の能力が、半径10メートル内にいる人間の位置と人数を把握することができる、というものなんです。これがストーキングに最適だったようで、どこぞのアイドルを追いかけ、SCCから姿を消しました。彼を捕まえてもらえるのなら、協力もするというものです。」
「栞凪、ストーカーがいたのか?」
「…気づかなかった…。」
青ざめた顔をする栞凪。
「こちらから提供できる情報は以上です。それでは小川真季さん、日曜にお会いしましょう。」
そう言って不気味な笑顔を残した黒尾はファミレスを去っていった。
「ということは、月摘さんの周囲を見張っていれば犯人が見つかりそうだな。」
「ストーカーだろ?そう簡単に姿表すかよ。しかも、その能力なら俺たちが近づいていることもバレるぞ。」
「…面倒だな。」
「今日はもう時間だな。そろそろ帰るか…。」
「うん…。沙貴さんも終わったらしい。私、一回事務所寄るから。」
そう言って事務所に向かった栞凪と別れ、遥希達は家路についた。世間は冬。6時を回った辺りはもう、暗くなっていた。
後ろの座席から話に割り込んできたのは見覚えのある男だった。
「な、…あんたは…黒尾!?」
そこに居たのは遥希達をかつて洋館に誘い込み、事件に巻き込んだSCCの一員。
「よくも俺たちの前に顔を出せたもんだな。」
「少し困ってたようだから助けてあげようと思っただけですよ。どうです、取引でもしませんか。」
「なんだよ…。」
「事件解決のために、SCCの持つ情報の一部をお教えします。その代わり、今週の日曜、そちらの小川真季さんをお借りしたい。能力の調査をしたくてね。ちょうど、機会をうかがっていたところだったんです。」
「真季を?!」
「私??」
涼香が真季を庇うように手を広げる。
「何もしませんよ。その能力を調べるだけです。」
「私はいいよ、ついていっても。事件解決につながるなら。」
「真季ちゃん、私のために…そこまでしなくても。」
「いいんだって。さぁ、黒尾さん。話してもらいましょうか。まず、第六感に過ぎない能力がなぜ私たちを洋館に連れて行くことができたのか。」
「それでは取引成立、ということで。後日、この連絡先から連絡しますので。」
黒尾は真季に名刺を渡す。
「それでは私の能力からですが、 私の能力は自分の見る夢を自分で操作できることです。そして私も能力を『覚醒』させました。覚醒した私の能力は、他人にも同じ夢を見せること。あの『洋館』は私たち4人と、あの殺人犯を眠らせて見せた同じ夢です。」
「おいおい、第六感超えてるじゃ…」
「髙野遥希くん、あなたの能力も覚醒したんでしょう?命を持たない物体にも糸が絡まる様子を見ることができるようになったとか。使命のヒントを得られるようになった様ですね。」
「な、なんでそのことを知ってるんだよ。」
「それについてはお答えできませんが。私の覚醒した能力に比べれば弱いと思っていませんか?あなたの能力は、夢の中で脳を少し錯覚させて導いた覚醒なので、不十分なのです。いつか、本当に人を殺した時に…」
「そんなことはしない。本題に戻れ。」
「能力の覚醒は、効果対象を広げることができる、っていうのが我々の研究結果です。じゃあ、他人に物を錯覚させる、という能力なら元はどんな第六感なのか。自分が見ている物を勘違いする能力?自分の見るものの姿を変える能力?覚醒した後と仮定しても元の能力が想像つかない。能力者ではない、と仮定していいでしょう。」
「…なるほど。逆に言えば、元の能力が想像付けば能力者と仮定することができるわけだ。」
「そうですね。ただ、もう犯人に心当たりはありますが。」
「?!!早く言えよ。」
「SCCを抜け出し、音信不通になった社員がいましてね。そいつも能力者なんですが、彼の能力が、半径10メートル内にいる人間の位置と人数を把握することができる、というものなんです。これがストーキングに最適だったようで、どこぞのアイドルを追いかけ、SCCから姿を消しました。彼を捕まえてもらえるのなら、協力もするというものです。」
「栞凪、ストーカーがいたのか?」
「…気づかなかった…。」
青ざめた顔をする栞凪。
「こちらから提供できる情報は以上です。それでは小川真季さん、日曜にお会いしましょう。」
そう言って不気味な笑顔を残した黒尾はファミレスを去っていった。
「ということは、月摘さんの周囲を見張っていれば犯人が見つかりそうだな。」
「ストーカーだろ?そう簡単に姿表すかよ。しかも、その能力なら俺たちが近づいていることもバレるぞ。」
「…面倒だな。」
「今日はもう時間だな。そろそろ帰るか…。」
「うん…。沙貴さんも終わったらしい。私、一回事務所寄るから。」
そう言って事務所に向かった栞凪と別れ、遥希達は家路についた。世間は冬。6時を回った辺りはもう、暗くなっていた。
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