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5章 「One day」
①(24年前)
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「翔、また警察の厄介になったらしいな。」
「何言ってんだ。厄介になったのは警察の方だろ。俺が悪いことしたみたいじゃねえか。」
2人は放課後の教室、帰りの身支度をしながら話している。昨日の事件について話しかけられた様子だ。
「あんな事件、俺の出る幕じゃなかったんだ。目の前で起きてしまうとつい、な。」
「翔の事件に巻き込まれる体質は推理モノの主人公になれるな。これでひと話書いてみるか。」
「その収入は俺のものなんだろうな。大体、お前は数学のほうが向いてるじゃないか。」
「何言ってるんだ。俺の好きな教科は数学でも得意教科は国語だぞ。学年2位なめるな。」
「数学はランキング外のくせによ。それより、ハルのクラスは終わったみたいだな。帰るぞ。」
「お前ら、いつになったら付き合うんだ?」
「そんな日は来ないよ。」
教室の外で2人を待っていたのは、2人の幼馴染である三咲晴華。翔らと同じ孤児院で育った、おとなしい女の子だ。
「ハル、翔と一緒に事件に巻き込まれたんだって?」
「そう、大変だったんだから。目の前でバイクがひったくりしたのを、私に通報とか震えてる被害者の相手を任せて足で追いかけていくんだから。」
「女性同士だから、被害者見るのはハルの方がいいと思っただけだろ。」
「誰も置いて行ったことを責めてないです。」
「いや待て。翔のダッシュってバイクより速いのか。」
「そんなわけあるか。お前より遅いんだから。裏路地に入ったから、商店街の人たちに連絡して回って先のほうにバリケード貼ってもらっただけだよ。」
「はぁー。じゃあ俺の解決した事件の方が手柄が大きいな。」
くだらない話をして帰っていると、新築のマンションを通りかかる。
「こんな所に住むような人たちには、家族があって、血の繋がりがあって、温もりがあるんだろうな。」
「翔ってそんなネガティブなこと考えるタイプだったの?」
「ハル、後でコロッケ奢ってくれるんだな、ありがとう。」
「パンチなら食らわせてあげるよ。」
「こんな仲の良い家族がいて、翔は何が不満なんだ?」
「別に不満じゃないよ。俺にも家族がいて、2人がいて、たくさんの家族に囲まれて。よく生かされてると思う。幸せな巡り合わせを持って生きている。俺は幸せだ。でも、生まれてからずっと血のつながりを知らないと、どんなだろうなっていう興味が湧くだろ。」
「確かにね。血のつながりとか、本当の親とか、本当の兄弟とかどんな感じなんだろうね。」
「俺たちが味わえる血の繋がりは、子供を作る以外ないのかと考えると複雑な気分になるんだ。」
3人は黙り込む。何か思うことがあるかのように。その空気を裂くように、目の前のマンションから悲鳴が響く。次の瞬間、マンションを縦に割くように落ちていった塊は地面に叩きつけられ、鮮血を散らした。
「何言ってんだ。厄介になったのは警察の方だろ。俺が悪いことしたみたいじゃねえか。」
2人は放課後の教室、帰りの身支度をしながら話している。昨日の事件について話しかけられた様子だ。
「あんな事件、俺の出る幕じゃなかったんだ。目の前で起きてしまうとつい、な。」
「翔の事件に巻き込まれる体質は推理モノの主人公になれるな。これでひと話書いてみるか。」
「その収入は俺のものなんだろうな。大体、お前は数学のほうが向いてるじゃないか。」
「何言ってるんだ。俺の好きな教科は数学でも得意教科は国語だぞ。学年2位なめるな。」
「数学はランキング外のくせによ。それより、ハルのクラスは終わったみたいだな。帰るぞ。」
「お前ら、いつになったら付き合うんだ?」
「そんな日は来ないよ。」
教室の外で2人を待っていたのは、2人の幼馴染である三咲晴華。翔らと同じ孤児院で育った、おとなしい女の子だ。
「ハル、翔と一緒に事件に巻き込まれたんだって?」
「そう、大変だったんだから。目の前でバイクがひったくりしたのを、私に通報とか震えてる被害者の相手を任せて足で追いかけていくんだから。」
「女性同士だから、被害者見るのはハルの方がいいと思っただけだろ。」
「誰も置いて行ったことを責めてないです。」
「いや待て。翔のダッシュってバイクより速いのか。」
「そんなわけあるか。お前より遅いんだから。裏路地に入ったから、商店街の人たちに連絡して回って先のほうにバリケード貼ってもらっただけだよ。」
「はぁー。じゃあ俺の解決した事件の方が手柄が大きいな。」
くだらない話をして帰っていると、新築のマンションを通りかかる。
「こんな所に住むような人たちには、家族があって、血の繋がりがあって、温もりがあるんだろうな。」
「翔ってそんなネガティブなこと考えるタイプだったの?」
「ハル、後でコロッケ奢ってくれるんだな、ありがとう。」
「パンチなら食らわせてあげるよ。」
「こんな仲の良い家族がいて、翔は何が不満なんだ?」
「別に不満じゃないよ。俺にも家族がいて、2人がいて、たくさんの家族に囲まれて。よく生かされてると思う。幸せな巡り合わせを持って生きている。俺は幸せだ。でも、生まれてからずっと血のつながりを知らないと、どんなだろうなっていう興味が湧くだろ。」
「確かにね。血のつながりとか、本当の親とか、本当の兄弟とかどんな感じなんだろうね。」
「俺たちが味わえる血の繋がりは、子供を作る以外ないのかと考えると複雑な気分になるんだ。」
3人は黙り込む。何か思うことがあるかのように。その空気を裂くように、目の前のマンションから悲鳴が響く。次の瞬間、マンションを縦に割くように落ちていった塊は地面に叩きつけられ、鮮血を散らした。
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