公爵令嬢の立場を捨てたお嬢様2

羽衣 狐火

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the・肉体改造なう!

魔王は女の人でした

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カルムと一緒に歩き、1つの大きな両開きのドアの前にたった

「さ、着きましたよ」

不安そうな女の子の顔を見て、安心させるように微笑む、ノックを3回すると、ドアの向こうから返事が返ってきた

「お入りなさい」

その声は妖艶で艶があり、聞いたものは絶対に惚れるであろう声でもありつつ、絶対的服従させるような威圧がある声だった

「失礼します」

ドアがひとりでに重そうな音を立てて開くと、そこには1人の美しい女が玉座らしき椅子に足を組んで座っていた

「カルムか……おや?そこにおる可愛らしいお嬢様は誰じゃ?」

鋭くも美しい瞳に見つめられて、思わず頭を下げる
すると、玉座に座っていたはずの魔王が女の子の目の前にいた

「えっ?」

魔王の身長は女の子を軽く優に超えていたため、屈むしかなかったのか、足を少し曲げて、膝に手のひらをつくという魔王の豊富な胸を強調させてしまうポーズになった

「ほう…これは可愛らしいのぉ」

マニキュアで赤く塗られた長い爪で顎をクイッと上げられる
そして、品物を見定めるようにじっくりと女の子の肌の艶や、目の形を見る

「私そっくりの黒く艶やかな髪に同じ青い右目と紫の左目、細い腕、細い足……カルム、よくやったの」

「お喜びいただけたようで…」

「???」

女の子は訳が分からず、頭を混乱させていた

「しかし……少し傷が目立ちすぎではないか?せっかく綺麗な白い肌なのだから、縫った痕くらい魔法で消せばよかろうに」

「異常反応があれば、またすぐに治療できるようにとまだ直していないんですよ、なんせダークエルフの瞳、エルフの耳…ほとんどの人種の体の一部をひとつにしているんですから、まぁ今まで何も異常がないようなので後で消しておきますね」

魔王とカルムの会話に全くついていけずにさらに混乱する女の子の様子にいち早く気づいた魔王が美しい顔を微笑ませた

「まだ何もしならいのじゃな、お主は妾の娘になるのじゃ」

「娘……?」

コテンと首を傾げる女の子が可愛いのか、さらに笑を深くして女の子の頬を撫でる魔王

「そうじゃ、妾は子供ができない体質でな…そなたが嫌でなければの話じゃが……」

(滅相もございません、こんな美人のお母さんができるなんて光栄の極みです)

ふるふると首を振る女の子の様子に、頬を赤く染め上げて頭を撫でる魔王は1人の母親の姿をしていた

「そうとなれば、名前を決めなきゃいかんの…カルム、何か良い名前はないか?」

これから親子になる2人を微笑ましく見ていたカルムは急に話題を振られて目を丸くした

「私が決めるんですか?なんなら魔王様がお決めになったらどうです?」

慌てて返事をするカルムに魔王は真顔で返す

「私には語源の知識はないから、お前に任せるぞ」

「ええ……そんな無茶な…」

またひとつ仕事が増えたと額に手を当てて落ち込むカルムに、女の子は慰めの目線をプレゼントした
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