いろんなおはなし

タコはなぜ赤くて足が八本なのか

そもそも、もともとはイカしかいなかったのです。そこからどうしてタコが生まれたのか。今回はそんなお話です。

昔々あるところに、まああるところと言っても海ですね。ある海に、二匹のイカがおりました。
二匹はとっても仲良しだったんですが、些細なことで大喧嘩を始めてしまいました。
今まで喧嘩なんかしたことなかったのに。これまでストレスを発散できてなかったんでしょうかね。
ともかく、大喧嘩を始めてしまった二匹のイカ。喧嘩慣れしてないのでもうめちゃくちゃです。
片方のイカがもう一方のイカを二本の足で締め上げた！ これで勝負が決まるのでしょうか。
しかし、こちらも負けていられないとばかりに、その足をつかんで振り回した！
ぐるぐるぐるぐる回しているうちに、なんと二本の足が根本からちぎれてしまいました。
「なにするんやこのタコ！」
この時『タコ』という言葉があったのかは分かりませんが、とにかく足をちぎられたイカはとっても怒りました。
怒って怒って、体はどんどん赤くなり、頭の方もぷっくり膨らんでいきます。
これを見たイカは、思わず笑ってしまい、二匹のイカの間の溝はいよいよ修復不可能なほどに深まってしまいました。
そうして二匹のイカは喧嘩別れしてしまいました。
それからしばらくして、海の中では頭が丸くて足が八本の赤いやつを見かけるようになりました。
タコの誕生です。
一匹のタコがどうやって増えたんだとか、そういう疑問もありますでしょうが、なにせ昔の話なので。
あの時二匹のイカの喧嘩が無かったら、今も海にはタコがいなかったかもしれませんね。

今回はこんな所でおしまいです。またの機会をお楽しみに。