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これ以上壊せない 前編
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殿下視点です。ちょっとネタ被ってるけど気にしない方向で一つ。
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確かに婚約者ができた以上、いずれは必要になるものだろう。
だとしても、僕に閨の作法を教えるにはあまりにも早すぎただろう。
声変わりが済むどころか始まってすらいない時だ。教わった何かに心当たりがあるわけでもないし、真似事をしてみたとしても子供ができるはずもない程度には幼い頃だった。
幸い実地で学べとまではいわれなかったので、最低限の知識を学びその時は終わった。
なぜ、そんな必要があるか知ったのは、婚約者と父が睦みあっているのを扉の隙間から見てしまった時だった。
三日寝込んだ。
単純に衝撃的過ぎただけかもしれないし、意味を考えすぎて知恵熱が出ただけかもしれない。
あれは結婚した相手同士でする行為か、市井では将来夫婦になる予定の相手ともする行為だと教わった。長ずれば行為自体にはそんな制約はないと知ったが、結局それでも子供扱いされていた頃の教育なのでその辺りは後回しにされたのだろう。結婚相手以外にその手の興味を持たれても問題だっただろうし。
そうしてその相手以外とそんな事をするのは不貞という悪いことだと教わった。
ならば父と彼女は悪いことをしていることとなる。
今から思えばそんな行為を見つけてしまったときうかつなことをしないようにとわざわざ早くから教えられたのだろう。
それを理由に彼女を切り捨てて欲しいという思惑もあったのかもしれない。
けれど僕は彼女が好きだった。
口の悪い人に言わせれば躾の出来ていないらしい満面の笑みを向けられたとき、幼いながらも彼女に恋をした。
彼女は父親がいない。
なので父上が義父様と呼ばせてくれるのがうれしいとこれまた笑顔で言っていた。
それが悪いことを隠すためだとはどうしても思えなかった。
それに閨の作法の時教わった。女性は男性に任せればいいと細かいところは教わらないことが多いのでこちらが導かねばならないと。
彼女は僕より年下なので細かいことどころか作法自体教わってないかもしれない。
もし父があれを夫婦がするような行為ではなく父娘がこっそりするのが普通の行為だと教えていたらどうなるだろう?
父親の存在に憧れがある彼女なら喜んで応じるだろう。
父親よりも彼女を信じるというと親不孝な気もするが、惚れた弱みはあっさりと悪いのは父だという結論を出した。
それでも問いただすことは出来なかったが、その後彼女が泣きながら義父様に嫌われたと言ったことである程度の事情を知った。
あまりにも悲しんでいた彼女を慰めているうちについ漏らしたのあろう言葉は、あの日強制的に大人にされた僕からすればあまりにも壊れているものだった。
触れてくれなくなったという。
恐らく性的な意味であろう言葉に分かっていても衝撃を受ける。
けれどもそれを父娘の絆だと信じている彼女からすればされなくなったことの方が異常で安定を失うことだった。
もう娘だと思ってくれないと。
それ以上追い詰めることも出来なくて、あれは父娘に限ったことじゃなく仲のいい男女ならすることのある行為だし、ある程度続いたのなら嫌ってなくてもやらなくなることもある行為だと微妙な嘘をついた。
父娘ではやらない行為だと、不貞だったとはとても言えなかった。
それがさらなる問題を生むとは思ってもいなかった。
それに僕は君を愛しているからと告げる。
僕と結婚するのだから父上は結局義父上だよと、冷静ならば何の慰めにもならないことを言う。
けれどそれで彼女は納得した。
実際、こんな日が来るのは分かっていた。
父は少女偏愛と呼ばれる趣味の持ち主で、愛しているのは少女の幼さだという噂は僕の耳にも届いていた。
あの頃より彼女の背は伸び、体はかすかにまろみを帯びている。
彼女でなくても構わないなら、もうそんな風に構おうとは思わないだろう。
その時、僕は安堵した。
この婚約自体、彼女を城に呼ぶ口実にするためのものだともう気づいていた。
だからもし父が飽きなければ、最悪彼女は召し上げられてしまう可能性があった。
今更僕に幼い少女を新たな婚約者として宛がい口実にするのは無理だ。
ならばもう彼女を奪われることはないのだと。
それからは暫く平穏な日々が続いた。
不都合があってはまずいからと今まで紹介しなかった友人を彼女に紹介したり、今までより時間を取って会ったりした。
彼女も安定して見えたし、愛の言葉も受け入れてくれる。
過去に思うところが何もないとはさすがに言えないけれど、幸せな日々だった。
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確かに婚約者ができた以上、いずれは必要になるものだろう。
だとしても、僕に閨の作法を教えるにはあまりにも早すぎただろう。
声変わりが済むどころか始まってすらいない時だ。教わった何かに心当たりがあるわけでもないし、真似事をしてみたとしても子供ができるはずもない程度には幼い頃だった。
幸い実地で学べとまではいわれなかったので、最低限の知識を学びその時は終わった。
なぜ、そんな必要があるか知ったのは、婚約者と父が睦みあっているのを扉の隙間から見てしまった時だった。
三日寝込んだ。
単純に衝撃的過ぎただけかもしれないし、意味を考えすぎて知恵熱が出ただけかもしれない。
あれは結婚した相手同士でする行為か、市井では将来夫婦になる予定の相手ともする行為だと教わった。長ずれば行為自体にはそんな制約はないと知ったが、結局それでも子供扱いされていた頃の教育なのでその辺りは後回しにされたのだろう。結婚相手以外にその手の興味を持たれても問題だっただろうし。
そうしてその相手以外とそんな事をするのは不貞という悪いことだと教わった。
ならば父と彼女は悪いことをしていることとなる。
今から思えばそんな行為を見つけてしまったときうかつなことをしないようにとわざわざ早くから教えられたのだろう。
それを理由に彼女を切り捨てて欲しいという思惑もあったのかもしれない。
けれど僕は彼女が好きだった。
口の悪い人に言わせれば躾の出来ていないらしい満面の笑みを向けられたとき、幼いながらも彼女に恋をした。
彼女は父親がいない。
なので父上が義父様と呼ばせてくれるのがうれしいとこれまた笑顔で言っていた。
それが悪いことを隠すためだとはどうしても思えなかった。
それに閨の作法の時教わった。女性は男性に任せればいいと細かいところは教わらないことが多いのでこちらが導かねばならないと。
彼女は僕より年下なので細かいことどころか作法自体教わってないかもしれない。
もし父があれを夫婦がするような行為ではなく父娘がこっそりするのが普通の行為だと教えていたらどうなるだろう?
父親の存在に憧れがある彼女なら喜んで応じるだろう。
父親よりも彼女を信じるというと親不孝な気もするが、惚れた弱みはあっさりと悪いのは父だという結論を出した。
それでも問いただすことは出来なかったが、その後彼女が泣きながら義父様に嫌われたと言ったことである程度の事情を知った。
あまりにも悲しんでいた彼女を慰めているうちについ漏らしたのあろう言葉は、あの日強制的に大人にされた僕からすればあまりにも壊れているものだった。
触れてくれなくなったという。
恐らく性的な意味であろう言葉に分かっていても衝撃を受ける。
けれどもそれを父娘の絆だと信じている彼女からすればされなくなったことの方が異常で安定を失うことだった。
もう娘だと思ってくれないと。
それ以上追い詰めることも出来なくて、あれは父娘に限ったことじゃなく仲のいい男女ならすることのある行為だし、ある程度続いたのなら嫌ってなくてもやらなくなることもある行為だと微妙な嘘をついた。
父娘ではやらない行為だと、不貞だったとはとても言えなかった。
それがさらなる問題を生むとは思ってもいなかった。
それに僕は君を愛しているからと告げる。
僕と結婚するのだから父上は結局義父上だよと、冷静ならば何の慰めにもならないことを言う。
けれどそれで彼女は納得した。
実際、こんな日が来るのは分かっていた。
父は少女偏愛と呼ばれる趣味の持ち主で、愛しているのは少女の幼さだという噂は僕の耳にも届いていた。
あの頃より彼女の背は伸び、体はかすかにまろみを帯びている。
彼女でなくても構わないなら、もうそんな風に構おうとは思わないだろう。
その時、僕は安堵した。
この婚約自体、彼女を城に呼ぶ口実にするためのものだともう気づいていた。
だからもし父が飽きなければ、最悪彼女は召し上げられてしまう可能性があった。
今更僕に幼い少女を新たな婚約者として宛がい口実にするのは無理だ。
ならばもう彼女を奪われることはないのだと。
それからは暫く平穏な日々が続いた。
不都合があってはまずいからと今まで紹介しなかった友人を彼女に紹介したり、今までより時間を取って会ったりした。
彼女も安定して見えたし、愛の言葉も受け入れてくれる。
過去に思うところが何もないとはさすがに言えないけれど、幸せな日々だった。
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