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始まりが現実的とは限らない
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気がつくと、うちに真っ黒な野良猫が住み着いていた。
近づいてきたかと思ったら、僕の臭いを嗅いでくさかったのかものすごい表情をした後逃げてしまった。
なのにそれでもいつの間にか戻って来て、まるで僕に話しかけるようににゃーにゃーと鳴く。
けれど懐いたのとはたぶん違う。
頭でも撫でてやろうと手を伸ばすと、それをひょいと避け、ちょっと離れたところでまたにゃーにゃーと鳴き出す。
ならはと放置すると、また近くに寄ってきては同じ事を繰り返す。
まるでどこかへ連れて行こうとしているようだ。
なので付いていったみた。
猫なので当たり前だが人間がとても通れないような場所をくぐる。
そのたびに回って向こう側に行くのだが、そうしたらそれ以上鳴きもせずふらっとどこかへ行ってしまう。
何度かそんなことを繰り返しているうちに、あの猫はきっとあの何かで囲まれた隙間に僕をくぐらせたいのだろうと思い始めた。頭ぐらいならそれでもくぐれるサイズだし、猫は頭が通れば体も通ると聞いた事がある。
もしかしたらそこをくぐれば異世界に繋がっていて、僕はチートをもらって、強くなって、人々に望まれて、あの猫を相棒に魔王を倒す旅に出るのかもしれない。
そうやって平和になった世界で、僕は今の何倍もの富や地位を手に入れて人々にうらやましがられるのかもしれない。
近づいてきたかと思ったら、僕の臭いを嗅いでくさかったのかものすごい表情をした後逃げてしまった。
なのにそれでもいつの間にか戻って来て、まるで僕に話しかけるようににゃーにゃーと鳴く。
けれど懐いたのとはたぶん違う。
頭でも撫でてやろうと手を伸ばすと、それをひょいと避け、ちょっと離れたところでまたにゃーにゃーと鳴き出す。
ならはと放置すると、また近くに寄ってきては同じ事を繰り返す。
まるでどこかへ連れて行こうとしているようだ。
なので付いていったみた。
猫なので当たり前だが人間がとても通れないような場所をくぐる。
そのたびに回って向こう側に行くのだが、そうしたらそれ以上鳴きもせずふらっとどこかへ行ってしまう。
何度かそんなことを繰り返しているうちに、あの猫はきっとあの何かで囲まれた隙間に僕をくぐらせたいのだろうと思い始めた。頭ぐらいならそれでもくぐれるサイズだし、猫は頭が通れば体も通ると聞いた事がある。
もしかしたらそこをくぐれば異世界に繋がっていて、僕はチートをもらって、強くなって、人々に望まれて、あの猫を相棒に魔王を倒す旅に出るのかもしれない。
そうやって平和になった世界で、僕は今の何倍もの富や地位を手に入れて人々にうらやましがられるのかもしれない。
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